Web会議に最適な OpenComm

OPENCOMM – AfterShokzJP

骨伝導イヤホンで有名な AfterShokz の OpenComm を買いました。主な用途は Web会議や Twitter の Spaces なので Aeropex ではなく、マイクが口元に近い OpenComm にしました。そろそろ使って一ヶ月で、色々分かってきたので雑感を書きます。ザックリまとめると以下のような感じ。

  • マイクにノイズキャンセリングが付いているのでWeb会議に最適。
  • 耳を塞がないので周囲の音を聞きやすいのでスポーツ向き。電車には向かない。
  • メガネと共に装着可能で長時間付けても痛くならない。ただしマスクを装着するとややこしい。
  • 半日間連続使用可能なバッテリー容量だが、充電ケーブルが特殊。
  • マルチポイントを利用できるが、Windows 10 で使うには工夫が必要。

マスクをするとゴチャゴチャしたり、充電ケーブルが特殊だったり、マルチポイントに工夫が必要がったりしますが、概ね満足しています。

購入したきっかけは急性難聴

急性低音障害型感音難聴になって治った - 最終防衛ライン3
購入した最大の理由は、一時的ではありますが難聴になったからです。
Web会議に限らず、人の声は音量がバラバラです。ボリュームを小さい声の人に合わせると、大きな成長は耳にきます。逆に下げると小さな声が聞こえなくなります。
難聴になった理由が Web会議かは分かりませんが、耳を塞ぐイヤホンやヘッドホンで音量の安定しない声を聞き続けるのは耳によくなさそうです。だからと言って、常にスピーカーで Web会議できる環境でもありません。
難聴になった際に耳鼻科の検査でヘッドホンでの通常の聴力検査と共に骨伝導も行い、その際に骨伝導でもよく聞こえたのも印象深かったです。
そこで、骨伝導イヤホンの OpenComm を購入したのですが、大正解でした。耳元にスピーカーがある感じで声が聞こえ、耳も塞がないので外耳に圧を感じず楽です。マイクが口元に近いので、相手にも声がきちんと伝わっているようです。

長時間の Web 会議に最適

相手の声も聞き取りやすく、相手に声を届けやすい

骨伝導イヤホンは低音が弱いとされていますが、会話なら特に気になることもありません。
マイクはノイズキャンセリングにより、クリアな声を相手に伝えられるそうです。ただし、Twitter の Spaces などで確認したところ、PC のファンの音や、扇風機の音など高音の処理はうまくないみたいです。通話を阻害するほどでないけど、ファンの音が聞こえるとのこと。私の声とファンの音しか聞こえない静かな環境のせいもあるかもしれませんが、ノイズキャンセリングが高音を上手くカットできないのは仕方ないかなと思います。

装着時の圧迫感はない

耳のあたりで押さえ付けるように装着しますが、圧迫感はありません。一日中つけていても痛くなることはないです。メガネをしていても問題なく装着できます。ただし、マスクをすると紐が OpenComm やらメガネと混線してしまいますが。

バッテリーは十分

バッテリー容量も十分にあり、公式では音楽は連続8時間、通話なら連続16時間となっています。実際に使った感覚としても、半日は充電なしに使えます。充電ケーブルが特殊なマグネット式なのが残念です。USB Type-C 等の方が取り回しがいいのは事実ですが、充電する機会がそもそも少ないです。自宅の他に職場でも充電できるように充電ケーブルをもう一本購入したのですが、仕事場で使う機会がない位にはバッテリーが持ちます。毎日つかったとしても、帰宅してからの充電で十分でしょう。

外音取り込み機能か骨伝導

JBL Club Pro+ は人に勧めたくなるイヤホン - 最終防衛ライン3
音楽や映画鑑賞用として、JBL ClubPro+ を使っていますが、周囲の音を聞きたい場合は OpenComm を使っています。JBL ClubPro+ は外音取り込み機能があるのですが、やはり物理的に耳の穴を塞がない OpenComm の方が環境音はよく聞こえます。どちらもジョギングに使えると思いますが外音取り込み機能を有するイヤホンよりも OpenComm の方が安全でしょう。
逆に言えば OpenComm は遮音性が皆無なので電車など雑音が多い環境だと音楽が全く聞こえません。JBL ClubPro+ のようにノイズキャンセリングを効かせて、低い音量で聞いた方が集中できますし、耳への負担も軽そうです。

マルチポイントが便利だが

forest.watch.impress.co.jp

2台までのマルチポイント接続に対応しています。ちなみに現在はマニュアルにもマルチポイント接続の利用法が記載されています。
スマートフォンと PC に接続すれば、音を鳴らした端末と自動的に接続できます。PC でWeb会議したのちに、スマートフォンで電話する際に、わざわざ接続し直す必要はありません。

サポート – AfterShokzJP

ただし、マルチポイント接続中に何らかの理由でどちらかの端末の接続が切れると、再接続を促すアラートが鳴り続けるのは使い勝手が悪いと感じます。

システム側でヘッドホンとヘッドセットを切り替える

取説にも書いていない!テレワーク時代の最強ヘッドセットAfterShokz OPENCOMMの裏技 - 高橋忍のにゃんともWindows - 窓の杜 にも書かれていますが Windows 10 でマイクを使う場合は注意が必要。OpenComm を Windows 10 にペアリングすると音を聞くヘッドホンと音声通話を行うヘッドセットの二つの形式で接続されます。ヘッドホンだとステレオで、ヘッドセットだと音声はモノラルですがマイクを利用できます。
Web会議の際には「設定」の「サウンド」から「スピーカー」と「マイク」共にヘッドセットとしての OpenComm を選択しないとマイクが使えないので注意。ZOOM 等で Web会議を行う際も音声とマイクがヘッドセットになっているかを確認しましょう。

トランスミッターでヘッドホンとヘッドセットを切り替える

ワイヤレス端末を PC と接続する場合は、USB式の Bluetooth トランスミッターが何かと便利です。USB接続の Bluetooth トランスミッターを使うのも手です。

少々お高くなりますが、ヘッドホンとヘッドセットを物理的なボタンで切り替えられるタイプがおすすめです。これなら、Windows 10 のシステム上でわざわざ切り替える必要はありません。ただし、こちらのタイプはマルチポイント接続は可能ですが、音声の自動切り替えが上手く行きません。
PC が何台かあり、状況に応じてWeb会議を行うPCを切り替える必要がある場合は、USB トランスミッターとペアリングしておくと便利です。

GENKI AUDIO でゲームも

Nintendo Switch 用ですが、GENKI AUDIO は低遅延なのでゲームでも問題なく利用できます。
R-TYPE FINAL2 を GENKI AUDIO を経由し OpenComm でプレイしていましたが遅延はほぼ感じませんでした。耳の穴を塞がないので、長時間プレイしいても耳を圧迫しませんし、インターホンなどを聞き逃すこともありません。
ためしに SEKIRO をやってみると、わずかに遅延を感じますが私は気になりませんでした。GeForce NOW よりも遅延は少ないと感じます。フレーム単位で勝負ができる人は、気になると思います。

満足しています

ケースが付いてきますが、大きすぎるので使っていません。通勤中は首にひっかっけていることが多いです。
骨伝導なので耳の穴を塞がず、周囲の音にも気を配れるのが仕事でも自宅でも便利です。低音がやや弱いと感じますが、耳の傍にスピーカーがある感じは BGM として調度いいい具合です。
マルチポイントにも対応しているので、PC やスマートフォンと複数端末に同時接続できるのも使い勝手がいいです。
マイクが口元に近いので、相手にも声を伝えやすいです。
装着感は軽いですが、メガネとさらにマスクをしていると流石に耳回りが忙しくなります。ただ、長時間つけていても圧迫感はありません。ずれない程度には固定されるので、絶妙な装着感です。2万円くらいと少々お高いですが、仕事にも趣味にも使えるのでお買い得だと思います。

エイプリルフールの価値は / 2006年から2021年のエイプリルフール

2006年から2021年までのエイプリルフールについて動向を追ってみました。

笑いは狭い方が面白い

エイプリルフールが盛り上がらないというか、下手に力を入れすぎたネタが多いので、もっと気楽に力を抜いたネタをやって欲しいと思います。
エイプリルフールに類する嘘ネタは、分かる人だけが分かればよいという構造が笑いを生むため、そもそもターゲットを狭めた方が笑いが取れるのです。ただ、昨今は大手メーカーの参入などにより嘘ネタの大衆化が進んでいました。その結果、届かなくてもいい層に広まったり、ネタのクオリティは高いのに笑いの密度が薄まったりしていました。個人的には、エイプリルフールの期間中は情報取得が面倒になるので嫌でした。

昨年は COVID-19 の影響のためエイプリルフール自体がやや下火になりました。今年は Twitter でのツイートに留めたり、あるいはスマホ向けゲームのイベントとしてのエイプリルフール企画が主立っており、ターゲットが絞れているし、情報汚染も軽度で済んで、嬉しい限りです。

もっと適当にエイプリルフールして欲しい

私自身としては、インターネットのエイプリルフール企画は好きでしたが、いつの頃からか追うのを辞めました。個人サイトやインターネットに軸足のあるニュースサイトやネットサービスが行う企画は面白がっていました。しかし、一般的な企業が参入するようになってからは情報汚染のデメリットを感じるようになってきました。

特に、日本の4月1日は新年度でもあり社名の変更などが一斉に行われる中、嘘か真が良く分からない情報が飛び交うため混乱します。

今年だと、ハフポスト日本版とBuzzFeed Japanの悪魔合体の発表が3月31日に行われていましたが、これが4月1日だと、エイプリルフールのコラボ企画だと思われたでしょう。

嘘から出たまこと

4月1日に発表したせいで信じて貰えなかった企画もあります。例えば、2008年の Key による Rewrite の発表とか。発表タイミングや企画内容もさることながら、「Key新作」ではなく「ey新作」と誤字があるなど疑われるのもやむなしな発表でしたけども。

似たような事例として R-TYPE FINAL2 がありますが、こちらはエイプリルフールにちなんだ事情があります。
R-TYPE FINAL2 の発表は、2019年4月1日に行われました。当初はエイプリルフール企画だと疑われていましたが、クラウドファンディングを募集し2021年4月29日に発売されます。今から発売が楽しみです。

開発者である九条一馬さんによるとエイプリルフール用のネタだったものをツイートしてみたら、反響があったので制作する決意ができたのだとか。2019年のエイプリルフールに発表したのも、このような思いがあったからかもしれません。

私にとって印象深いエイプリルフールといえば、2014年のGoogleマップポケモンを探す企画です。ナイアンテックの野村達雄さんが、Google在籍時に行った仕事で、ポケモンGO開発のきっかけともなりました。これも、R-TYPE FINAL2 と同様に「嘘から出たまこと」みたいな事例です。
野村さんは、前年の2013年にドラクエ風マップを企画しており、センスもさることならが、それを実現する交渉力と開発力がずば抜けています。

エイプリルフールの変遷

私の記憶としては、個人サイトやインターネットを基軸にするニュースサイトや通信サービスなどがエイプリルフールを行っていたところ、近年は大手企業も参入するようになったと思っているのですが、実際はどうなのでしょうか。

しかしながら、期間限定のエイプリルフールを過ぎ去ってから追うのは困難です。そこで、倉庫で話題の GIGAZINE さんが2006年からエイプリルフールの企画をまとめているので参考にしてみました。

2006年のまとめはリンクしかありませんが、OKWave やヤフージャパンなど、インターネット事業のサイトや個人サイトの企画がほとんどです。

2007年では企画が増えていますが、GIGAZINE がタレコミを募集しているので単純には比較できませんね。

2008年は2エントリーにまたがっています。
この頃からゲーム会社の企画も増え始めます。

2009年頃から徐々に個人サイトの企画が減り始めます。というか、個人サイトそのものが減少してきた頃合いでしょうか。
自動車ブランド MINI もエイプリルフールの企画を行っていました。

2010年は、朝日新聞が参戦。企業の企画が増え始めます。

2011年は震災影響か、やや企業は減ったような印象。
ネタとしては、同年に放送されていたまどかマギカおよび、震災に関連して節電、ポポポポーンが多い気が。
また、2005年から人気を博した円谷のエイプリルフールは2011年が最後となりました。

2012年は、auレッドブルが参戦。企業物が多いですが、個人サイトもまだまだ頑張っています。

2013年は、講談社が参入。海外自動車メーカーや、海外映画などの企画も。日本ローカライズされたエイプリルフール企画なのでしょうか。

2014年に、docomo が参戦。和菓子の倉田屋とTENGAがコラボしています(いいのか?*1

2015年は、ロッテ、コカ・コーラ、キリンなどの飲食製造業の参入が目立ちます。この辺から、企業の参入がさらに増えてきました。

2016年前後から、ボルボゴルゴ13とのコラボのように、他企業とのコラボ企画が見られるように。また、ローソン、ミスタードーナツ、ライザップ、カルビーなど企業の企画がさらに増加しています。
FGOでお馴染みとなったエイプリルフール期間限定ゲームも同年からです。最初の企画は Fate/Grand Order Gutentag Omen でした。

-エイプリルフールに便乗しているサイトまとめ2017年版 - GIGAZINE
前年の2016年に「君の名は。」が公開された影響で、au の「君の縄。」や、タニタとシャープの Twitter アカウントが入れ替わるなど、関連するネタが多いです。

2017年頃から顕著ですが、全体のクオリティが上がりすぎ。新川洋司が担当した「忍者専用グランドセイコー」はメタルギアソリッドのファンとして欲しくなるクオリティの高さ。

ゆるキャン△」と「宇宙よりも遠い場所」のコラボはいいですね。翌年は COVID-19 のため、実質的に2019年のエイプリルフールが最も極まっていると感じました。

コロナの影響か、今まで参加していた企業の企画がなくなりました。また、Twitter での告知が増加しています。企画としては、エイプリルフール限定企画が目立ちます。

スマホゲームのエイプリルフール限定企画が多いですね。また、企業の参加も戻ってきました、専用のウェブサイトを作るのではなく Twitter アカウントでの告知で留める内容が増えました。

フェイクとジョーク

数が多いので、ざっと見た感想でしかありませんが、5年ごとに変遷しています。円谷のエイプリルフールは2005年から始まりましたが、その頃はネットサービスや個人サイトによる企画が多く狭いネタだったように思います。
2010年前後からネット関連以外の企業も増え始めますが、円谷のエイプリルフールは2011年に終了しました。これも一つのターニングポイントでしょう。
2015年以降は企業がどんどん参入し2019年には、エイプリルフール企画が極まりました。
しかし、2020年は COVID-19 の影響でやや下火になります。2021年は復活したものの、スマホゲームの期間限定ゲームや、Twitter の企業アカウントでのツイートに留まるなど、以前よりは落ち着いた内容になったと思います。

昨今は、フェイクニュースやディープフェイクなど、嘘の価値が変わってきています。嘘がジョークとして成り立つのは、嘘だと分かる、もしくは嘘だと明かせる範囲に留まります。つまり、本来は非常に狭い範囲でしかジョークとして成立しません。2015年前後に企業発のエイプリルフールの企画が増えましたが、そのせいか広い範囲に届きすぎたように思います。
個人的には、2021年は狭い範囲に取捨選択してエイプリルフールの企画が届けられたように感じます。この点で、旧来行われていた個人サイトなど狭い文化圏で行われたいたエイプリルフールに回帰したようにも感じます。

*1:いいんです

急性低音障害型感音難聴になって治った

急性低音障害型感音難聴とは|対応分野・医療機器のご紹介|耳鼻咽喉科|診療科のご案内|外来診療を受ける方へ|真生会富山病院(富山県射水市)
若い人にも多い難聴2 低音障害型感音難聴|中央区 日本橋 三越前 神田 耳鼻咽喉科 日本橋大河原クリニック

右耳がつまった感じがして聞こえにくくなったので耳鼻科にかかったら「急性低音障害型感音難聴」と小難しい診断を下されました。
水がつまった感じで、音が聞こえにくく、自分の声や大きな音が響いてちょっと気持ち悪いです。めまいがないのは幸いですが、集中力が持続しません。

耳鼻科では、先ずノズルを耳の中にツッコまれ耳垢のチェックをされました。その後防音室で耳の検査を行いました。
健康診断でもお馴染みのヘッドホンによる聴覚検査と、骨伝導式の聴覚検査の二種類でした。健康診断とは違って、低音から高音までかなり細かく検査されました。
検査の結果、低音が聞こえづらいのが明らかになり「急性低音障害型感音難聴」と分かりました。

内耳にある蝸牛のリンパ液がつまって起こるようで、液を排出しやすくするイソバイドというシロップが処方されることに。
原因については、ストレスと言われていますが心当たりはありません。まぁ、原因がストレスってのは、そもそも病気のメカニズムが良く分かっていないということでしょう。内耳を観察する手法がほぼないので解明が難しいのかもしれません。
ストレスに心当たりはありませんが、耳がつまる前日にラードたっぷりの北海道ラーメンを食べたのは怪しい気もします。濃い脂を摂取すると、吹き出物や涙腺などの分泌系がつまったりもしますし。

医療用医薬品 : イソバイド (イソバイドシロップ70% 他)

イソバイドはシロップと銘打っているものの、とても苦い薬です。利尿などに使われるためか、割と広く処方されているようです。インターネットでもまずいと評判でした。
薬剤師から頂く際に、オレンジソースやコーラなど酸味のある飲料と一緒に飲んで下さいとアドバイスされるくらいには覚悟が必要な苦さです。ただ、ググってみるとこの方法はあまり得策ではないようです。まずい体積が増えるだけで、より辛くなる場合も。
Twitter でつぶやいていたら冷やして飲む方法を教えて頂き、実践したら随分飲みやすくなりました。それでも、少しだけ苦いのが残っちゃいますが。

その他、栄養剤なども頂き飲んでいたら3日くらいで耳の詰まりが取れ、1週間後に耳の検査をしたら異常がなくなっていました。
酷い場合はステロイドが処方されることもあるようです。

循環器系の問題なので軽い運動とたくさん水を飲むようにと薦められました。ただ、私はリングフィットもやってるし水はよく飲む方なんですけどね。ストレスがないからこそ、治りも早かったのでしょうし。

耳を休めるために、しばらく Twitter の Space をお休みしていたら、3月31日に Android でもホストになれるようになっていました。ヤッター。

Xiaomi の折りたたみ端末 Mi MIX FOLD がすごい

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30日の夜に行われた Xiaomi の新製品発表会を見ていたら、噂の折りたたみ端末も発表されていました。
その名も Mi MIX FOLD。

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折りたたみ方は GALAXY Fold や HUAWEI Mate X2 と同じく内折で、折りたたみ時には外側に配置された細長いサブディスプレイを使用する方式。HUAWEI Mate の外折りの方式ならディスプレイが一枚ですみますが、ディスプレイが傷つきやすいなどの問題があるので現状では内折りがベターでしょう。

内側ディスプレイにはインカメラはないようで、ノッチやピンホールもなく全面がディスプレイになっているのも嬉しい仕様。GALAXY Z Fold2 のピンホールが気になるシチュエーションはあまりないものの、やはりないほうが嬉しいです。
ディスプレイの解像度も2K相当でリフレッシュレートは 120 kHz。外側はなんと 180 kHz と、ディスプレイのクオリティにも期待できます。 大きさは 8.1インチと 、まさにベゼル無し iPad mini といった風貌。

折りたたみ端末でありながら、価格は 9,999人民元(約17万円)と、既存の折りたたみ端末である GALAXY Z Fold2(16,999人民元 = 約28万円)と比較するとかなりお安いのは流石の Xiaomi といったところ。GALAXY Z Fold2 を気に入っており、今後もしばらくは折りたたみ端末がリリースされそうで安心しました。今後は価格も下がってくるでしょう。

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Mi MIX FOLD は折りたたみ機構だけでなく、中身もかなり優秀です。SoC は Snapdragon 888。
液体レンズが内蔵されており、形が変化することで3倍から30倍の光学ズームが可能。しかも、カメラ用のCPUまで付いている気合いの入れよう。

音にも拘っており、クアッドスピーカー、つまりスピーカーが4つも搭載されています。3D音源にも対応しているようです。
端末単体でデスクトップモードを起動できるのも、痒いところに手が届きます。GALAXY のタブレット端末なら可能なので、GALAXY Z Fold2 でも実現して欲しいところ。
少々気になるのは、折りたたみ機構。恐らく HUAWEI Mate X2 と同じく開いた状態と閉じた状態のみで固定化されるのでしょう。Galaxy Z Fold2 の折りたたみ途中で開いた状態を保持できる機構は、厚みは増すものの色々便利なので、その点は残念です。

Introducing Mi MIX FOLD, Xiaomi’s first foldable smartphone – Mi Blog

折りたたみ端末でディスプレイが広く綺麗で、新機構のカメラに、音にも拘った端末なのに現行の折りたたみ端末よりも安いのは価格破壊すぎます。
OS は Android 10 でグローバル展開もするようですが、日本用には販売しないかもなぁ。
どちらにせよ、GALAXY Z Fold2 を買い換える際に、Xiaomi を含めて、その他のメーカーも折りたたみ端末を出してくれていると嬉しいな。

GALAXY Z Fold2 との三ヶ月

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GALAXY Z Fold2 を購入して三ヶ月たったので、改めて感想を記しておきます。

落として壊したらどうしようという恐怖感はあるものの、使用感はとても満足しています。iPad mini くらいの画面サイズを折りたたんで持ち歩けるのは想像以上に快適です。
ただし、国内版であっても FeliCa 決済に対応していないのはなかなかのデメリットです。快適に使うには電子決済や通知確認用のガジェットで補佐する必要があるので、ただでさえ高い本体に加えてさらなる課金が必須です。
また、冬はコートなどを着るのでポケットが多いですが、夏に向けて薄着になると収納場所に困ります。そこで、ANA のマイルを使ってサコッシュを入手しました。丁度いい具合に入るので、旅行に行けない中でよいマイルの使い方だったと思います。

www.astyle.jp

One hand operation+ をインストールしよう

デメリットをメリットを語る前に「One hand operation+」を紹介しておきます。

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「One hand operation+」は、画面端からのフリックで「戻る」などの操作ができるジェスチャーナビゲーションを補佐するアプリです。フリック領域の幅や高さを調整できるほか、斜め上にフリックすると通知領域を表示するなどランチャーとしても利用できます。

サブディスプレイ側にケースを装着すると、画面端がケースの高さに干渉してジェスチャーナビゲーションが覚束なくなりますが「One hand operation+」を導入すると解決します。
GALAXY Z Fold2 を紹介する YouTube やブログ記事を色々見たのですが「One hand operation+」を紹介するものは見当たりませんでした。
もしかしたら、サムスンの端末を使用している人なら当たり前なので、わざわざ言及するアプリではないのかもしれません。

高い、重い、厚い

先ずはデメリットから。

最もダメなところは「高い、重い、厚い」の三点です。この中で価格が最大のデメリットですし、購入しない・できない理由でしょう。ただし、ハイエンドの Android スマートフォンかつ小さめのタブレットとして考えると、高くはないと思います。使用感としてはタブレットというよりも、 Chromebook に近いように思います。

二画面という特殊な構成のためカスタマイズ性が低いです。また、仮想キーボードもイマイチ使い勝手がよくありません。

マイナーなデメリットとしては、Android 端末ではありがちですが、ケースが少ないこと。また、日本版であってもおサイフケータイなどの FeliCa 決済に対応していません。ただし、これらは先に述べたように工夫=課金すれば補完はできます。
さらにマイナーな所では、Dex を使用した際の日本語入力に不満があります。この問題は、GALAXY Z Fold2 固有ではないのと、常時使用する機能でもないので、あまり困ってはいません。

高い

国内版は26万円です。iPhone 12 と iPad mini で二台持ちしても、20万円は超えません。仕様にもよりますが 18万円くらいでしょう。それらを一纏めにして、ポケットに入れてられることに10万円くらいの価値を見いだせるでしょうか。モバイル用途を考えると、SIM が一枚で済むのはメリットかもしれません。

また、本体価格の割には丈夫な端末でもありません。折りたたみの機構上、繰り返し折れ曲がるヒンジ部分やフレキシブルディスプレイなどの耐久面に、どうしても不安が募ります。雑に扱えませんし、修理するにも通常の端末よりも費用が嵩むでしょう
さらに、スマートフォンですから3年以上使うのは厳しいです。がんばれば4年はいけるかもしれませんけど。

修理対応を考えると、26万円の国内版版一択です。ちなみに au の補償は交換対応で、端末がない場合は代替品との交換になります。GALAXY Harajuku などサムスンの日本法人なら修理は可能です。
日本国内での修理はできませんが、グローバル版であれば18万円前後で購入できます。処理不良などに対応している販売店で購入するなら、20万円くらいになるでしょうか。

修理対応を考えず、技適も無視すれば20万円前後のグローバル版は割とお買い得だと思います。その理由は、Android に 8 インチ前後の高性能タブレットが存在しないからです。Android タブレットは、ほとんどが MediaTek かミドルレンジの Qualcomm で、メモリがあっても 4GB くらいと、ハイエンドが殆どありません。Galaxy Tab を日本で販売して欲しい・・・・・・。

重くて厚い

タブレットサイズの画面もポケットに入れられるメリットはあるものの、スマートフォンとして考えると重くて厚いです。

重さは 280 g 前後と iPad mini よりやや軽いですが、普通のスマートフォン二台分です。折りたたみ時の厚さも普通のスマートフォン二台分です。

タブレットとして考えると軽いですが、スマートフォンとしては重量級です。開いてタブレット風に使う分には軽く感じますが、折りたたんでスマートフォンとして掴むとずっしりと重みを感じます。

ケースが悩みどころ

価格も相まって落とさないようにケースを付けたいところですが、Android 端末なので種類が限られます。

ケースに関しても Z Fold2 固有の問題があります。Z Fold2 のケースの多くは、サブディスプレイ側とカメラ側に分かれています。サブディスプレイ側は、開口部が大きく縁が細くなるため剛性を十分に確保できないせか歪みやたわみが生じやすいのです。そのため、本体に上手くフィットしないことがあります。そのせいなのか、純正アラミド繊維ケースはカメラ側のケースしかありません。

限られた中でケースを色々と試してみましたが、現在は Spigen のスリム・アーマー Pro を使っています。重量や厚みは増しますが、守られている感が半端ないです。厚みがあるので、サブディスプレイ側の剛性も十分にあり本体にピッタリとフィットします。

厚みは増すのですが、そのお陰でホールド感も増し、もちやすく感じます。この厚さでワイヤレス充電に対応しているのもポイントが高い。
開くとヒンジをカバーする部分が出っ張るので机に平置きはできませんが、いい感じに角度が付くので悪くはないです。また、その出っ張りが部分が取っかかりになるので持ちやすいです。開いた状態で縦向きでは、出っ張りが邪魔して立てられませんが、横向きなら問題ありません。

薄型ケースに薄型のスマホリングを付けるのもありです。ただ、スタンド代わりにもなって便利なのですが、机やワイヤレス充電器などに置いた際に安定しないのが不満でした。

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ケースに薄型のスマホリング貼り付け

Ali express に純正アラミド繊維ケースのパチもんが売られています。なんと、純正にはないサブディスプレイ側のカバーもあります。スタンド部分を指に挟めば安定はするのですが、スマホリングほどのホールド感はありません。また、机に置いた際も少しグラグラします。

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Ali express より純正アラミドっぽいケース

Ali express からスタンドのないアラミド繊維ケースを購入し、その裏に goBelt という薄型のグリップを貼り付けて利用していたこともあります。スタンドとしては利用できませんが薄いので机の上などでは安定しています。
ただ、サブディスプレイ側のフィット感が今一つです。気をつけないと外れてしまうことがあります。

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どのケースにしても、帯に短したすきに長しな状態です。

Spigen は耐久性が高くホールド感もありますが、重く高いです。また、リングなどはないので落としてしまう危険性があります。
スマホリングなら落とす危険はグッと減り、スタンドとしても使えますが、テーブルに置いた際にグラつきます。
アラミド繊維ケースの場合、スタンドがあり便利ですが、ホールドにやや欠け落とす危険がありまあす。
goBelt を貼り付けたケースでは落とさない安定感があり、机にフラットに置けますが、スタンドになりません。
スタンドはあったら便利ですが、常に使うわけでもありません。そこで、薄型のスタンドをサコッシュに忍ばせています。カード入れに入るので邪魔になりません。

ちなみに、ヒンジ部分は、US Amazon からテープを購入して貼り付けています。

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カスタマイズ性が低い

折りたたみという特殊な構成のため、ランチャーアプリなどのカスタマイズを行うにも様々な工夫が必要です。
Tasker などを利用すれば開いた状態と閉じた状態で異なるランチャーを立ち上げることが可能ですが、なかなか面倒です。

キーボードもほぼ選択肢がありませんし、標準の Galaxy キーボードですら使い勝手はよくありません。Galaxy キーボード なら開いた状態でQWERTキーボード、閉じた状態でフリック入力用のテンキーと使い分けできるのですが、キーボードの仕様が微妙です。たとえば、日本語入力でフリック入力と QWERT を共存できないのが地味に困ります。
また、純粋フリック入力ができません。つまり、テンキーで言う所の「1」を連続タップすると「ああああ」と入力されず、「あ」→「い」→「う」→「え」とケータイ入力の挙動となります。

これが嫌なので、ATOK でフローティングキーボードを使っています。開いた状態で好きな場所に配置できるのが便利です。ただし、キーボードの幅がディスプレイ幅との相対長さで規定されるためか、開いた状態と閉じた状態でキーボード幅が変わってしまいます。使用する度に、キーボードのサイズを変更しています。

この辺は、今後登場するロール式端末でも同じような問題が起きそうです。

サブ端末は欲しい

グローバル版なら仕方が無いと割り切れますが、日本国内版ですらおサイフケータイに対応してないのがデメリットです。そのため、Z Fold2 の弱点を補うために、サブ端末があると便利です。

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私は決済用と路上で使用するため Jelly2 を使っています。コンパクトなので邪魔になりませんし、メールチェックだけなら素早く行えます。Z Fold2 をアスファルトの上で持つのはなかなかに勇気がいります。Jelly2 に出資していなかったら、そもそも Z Fold2 を購入していなかったもしれません・・・・・・。

あるいは、スマートウォッチなどで通知を確認するのもありでしょう。ただし、電子決済を考慮すると、ガーミンのスマートウォッチか、Fitbit Charge 4、あるいはソニーの wena3 くらいしか選択肢がありません。Android Wear 端末にも Google Pay が搭載されていますが、日本の FeliCa 決済には対応していないのが残念です。

画面が広いは役に立つ

最大のメリットは、やはり画面の広さです。大きな画面を有しつつ閉じれば通常のスマートフォンのように使えるのは他にはない魅力です。画面サイズは 14 cm × 12 cm と、16 cm × 12 cm の iPad mini より高さがわずかに 2 cm 短いだけです。漫画を表示させる場合は、ほとんど同じサイズです。

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GALAXY Z Fold2 を iPad mini に重ねる

画面が広いので、簡単なテキストベースのタスクならささっとこなせます。アプリを分割表示できるので、スケジュールを確認しながらとか調べ物をしながら文章も書けます。

何より、文庫本程度の大きさで電子書籍を読めるのが素晴らしいです。そういえば、iPhone 3GS を購入したのも、青空文庫を快適に読みたかったからで、私は電子書籍がきっかけで端末を購入することが多いのかも知れません。
GALAXY シリーズなので、Windows との相性がいいにもポイントが高いです。

二面性

7インチくらいのファブレットも悪くはないのですが、細長い端末の方が小回りが利いて便利なことはままあります。Z Fold2 なら閉じたまま、ささっと写真撮影できるのが地味に便利で、ファブレットではそうはいきません。狭いところでは細長く、スペースがある場所では開いてと切り替えられる二面性は、折りたたみ端末ならではだと思います。

個人的に、この二面性はスライド式キーボードを有したW-ZERO3 シリーズ、特に W-ZERO3 [es] や Advanced/W-ZERO3 [es] が思い出されます。 [es] シリーズはキーボードを閉じれば、ストレート型のガラケーっぽく、キーボードを取り出すとスマートフォンっぽくなる二面性が、Z Fold2 に似ていると感じます。

電子書籍が捗る

GALAXY Z Fold2 を購入して、もっともメリットに感じたのは電子書籍が捗ることです。小説などなら、半折りにすると本を開いたように読めます。平板で読むのとは微妙に体験が違って、角度が付いて読みやすく感じます。
漫画も、小さいですが見開き表示で読めます。漫画はほぼ Z Fold2 で読んでいます。結果的に、Fire HD 8 Plus や Fire HD 10 の出番が減ってしまいました・・・・・・。

ちなみに、漫画も本を開いたように読むことができます。ただし、Kindle ではやや工夫が必要です。Perfect Viewer のように単一、見開き表示を制御できるアプリなら縦持ちでも見開き表示ができます。
Kindle の場合はポップアップ表示して強制的に画面を横長にすると縦持ちでも見開き表示ができます。Pixel 3XLと比較すると縦が大体同じくらいです。Pixel 3XL は画面サイズが比較的大きいので、ポップアップ表示で見開き表示を行っても通常のスマートフォンよりは 1 ページ当たりの表示は大きいと思われます。

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ポップアップ表示で Kindle で漫画を見開き表示
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Pixel 3XL との比較
画面分割はあまり使わないけど・・・・・・

画面分割は思っていたよりも使用頻度が低いです。低いのですが、調べ物などをする際はとても役に立ちます。
メールを書きながら予定を確認したり、テキストを書いているときに調べ物をしたりと、ちょっとした時に役に立ちます。また、商品を比較などをする際に、Google検索アプリと Chrome を並べて表示できるのもいいですね。

あらゆるアプリをピクチャーインピクチャーのようにポップアップ表示できるのも強い。LINE などをポップアップ表示する設定にしていると、片手間に確認できて便利です。

ポップアップ表示は YouTube などのメディアプレーヤーにも適用できます。動画やを見ながら他のアプリを利用したり、音楽プレーヤーをポップアップ表示しておけば、曲選択などをササッと行えます。メモリが 12GB とそこらの PC よりも多いのが効いているのでしょう。

外付けキーボードを利用すれば、Chromebook のように使えると思います。

Windows との連携が Good

GALAXY Z Fold2 固有ではなく、Galaxy シリーズのメリットになりますが、Windows との相性がいいです。
特に、スマホ同期を使うと通知確認の他に、 Android のアプリを Windows 上で起動できるのがかなり便利です。他の Android でも対応するそうなので、早く標準で利用できるようになるといいですね。

GALAXY シリーズでおなじみのデスクトップモードである DeX が使えるので、プロジェクターなどにも投影可能です。ただし、オンライン会議が主になったのでその出番はないのですが・・・・・・。
使い勝手のいい DeX モードですが、日本語入力を行う場合、変換候補がスマートフォン本体に表示されるのが困ります。

また、SpaceDesk のようなアプリと使えば Windows のサブディスプレイとして使えます。基本的には Wi-Fi 利用ではありますが、USB テザリングとして Windows と接続すれば有線での利用も可能です。通常のスマートフォンでも可能ですが、やはり GALAXY Z Fold2 程度の広さがあると使い勝手が違います。

総じて満足

壊しそうで怖いのを除けばとても満足しています。

出張用などに Surface GO を利用していますが、GALAXY Z Fold2 のみでどこまで行けるか試してみたいところ。問題は、出張する機会がないことですが。

屋内で使う上でも、折りたためば気軽に持ち歩けます。開いたり、閉じたりと、状況に応じて使い分けできるのも便利です。画面サイズも iPad mini 程度なので、動画を見るにも漫画を読むにも丁度いいサイズ感です。
外付けキーボードを併用すれば、軽いテキストベースのタスクならこなせてしまいます。この時、アプリの分割表示が威力を発揮します。使い勝手としては、Android タブレットというか、Chromebook 感があります。
この二面性が、スマートフォンタブレットの二台持ちでは実現できない快適さです。SIM が一枚で済むのも地味に有用です。

ただし、FeliCa 決済に対応していないので、日本国内で快適に過ごすには、FeliCa 決済のできるカードや端末があった方がいいです。私のお勧めとしては、Jelly2 です。おサイフケータイに対応しており、路上などでさっと取り出せるので、Z Fold2 の弱点を補完できます。Rakuten mini でもいいですが、Rakuten Mobile の eSIM 限定なのが残念なとことです。

https://www.unihertz.com/jelly-2-japan.html