wena 3 が壊れた&一年の長期レビュー

wena3 が壊れてしまいました。保証期間内で交換対応になったので、サイフは傷みませんが色々と手続きなどが面倒でした。本体の調子はよくなりましたが、今後も壊れないか不安です。

11月末日で、wena3 の発売から一ヶ月なので、修理の顛末と長期レビューをお送りします。一年間使いましたが、私の使い方だと大体1週間に一回充電する運用が続いています。使い始めの頃は10日くらい持ちましたが、本体のアップデートなどもあるのでバッテリー消費量を一概には比べられませんが、恐らくそこまで劣化してないように思います。

11月18日追記

製品に関する重要なお知らせ | スマートウォッチ | ソニー

消毒用のアルコールや洗剤などにより発生した浸水で故障した場合は、2023年11月30日まで無償修理対応すると SONY がアナウンスしました。2023年というと、次期モデルも発売されていそうなので、今後も安心して使えますね。

ざっくりと概要

wena 3 の電源が入らなくなり、ウンともスンとも言わなくなりました。Suica も反応しないので通電系のトラブルでしょう。保証期間内に壊れたので ヨシッ としますが、諸々の手続きと、再セットアップが面倒です。

1週間くらい wena3 無しの生活を送った感想としては、寝てる際に手首が圧迫されないのは開放感がありました。通知が手元で確認できないのは不便でした。睡眠の記録を見られないのも、ちょっと寂しい。

結局、交換となりました。本体が湾曲しているので、修理するよりも交換した方がいいのでしょう。傷だらけだったスレンレスのボディがツルツルになってました。シリアル番号も異なっていました。実際の所は、新品というわけでもなく整備品なのかもしれません。

交換対応になってよかったのは、Body energy がきちんと機能するようになったこと。交換前は寝ても Body energy が回復しないゾンビ状態でした。Body energy を推定するアルゴリズムはソフトウェア次第だと思うのですが、恐らくBody energy を算出するパラメータが過学習というか、変な値に落ち込んでいたのが、交換によりリセットされたのかなと考えています。

Twitter を見ると、割と突然死したツイートを見かけます。そんなに多く出荷された製品でもないので、wena3自体が壊れやすいのでしょう。wena3 購入前に検討した GARMIN にしておけばと思いつつ、通知や予定の確認、Alexa の利用など、個人的には wena3 の方が使い勝手はいいので後悔はしていません。ただ、他人にはおすすめできないです。

文鎮化するも文鎮としても使えない

風呂に入る前に外しておいて、上がってから装着しようとしたら、ディスプレイが点灯しっぱなしでした。スワイプなどしても動作しないので、電源ボタンを長押ししたらディスプレイは消灯したものの、その後二度と付くことはありませんでした。サポートページにあるリセットなどを試みましたが、どれも無反応。スマートフォンなどでは、この状態を文鎮化と揶揄しますが、wena3 だと文鎮ほどの重さはないので、ペーパーウェイトとしても使えずただのリストバンドに成り下がります。

wena 3 修理の流れ|wena

修理対応が面倒

My Sony で製品登録はしているものの、修理は電話で依頼する必要があるので、初手から電話しましたが、なかなかつながらない。スマートフォンからだとフリーダイヤルは使えないので、この待ち時間にも電話代がかかります。症状を説明したら、日通が取りに来てくれるそうなので集荷日を指定します。

バンドがラバータイプの wena3 を使っているのですが、バンドごと送れと言われたので困りました。事情を説明したら、本体の配送で OK になりましたが、イチイチ煩わしいですね。
ラバータイプのバンドは、購入者自身が腕の長さにカットして調整するようになっています。修理の問い合わせでは、wena3 が交換対応になるとバンドが新調されると説明されて困惑。メタルバンドも長さを調整する必要がありますが、こちらも新調されるんですかね?対応としていけてない感じです。
修理番号を入力すると修理状況を確認できるのですが、聞き忘れてしまいました。この辺のオペレーションもいけてない。

wena3 は気に入っているが、おすすめできない

wena3 を3週間:個人的には満足してるけど、素人にはおすすめできない - 最終防衛ライン3

ほぼ一年間使用しましたが、使用感は以前書いたレビューと概ね変わりはありません。何度かアップデートがあり、Riiiver の対応はその中でも大きなものでしたが、私としてはあまり恩恵がありません。個人的に嬉しかったのは Alexa のアップデートくらいです。

通知の簡易的や予定を簡易的に手元で確認するには便利です。Alexa も機能は限定的ですが、スマートフォンを出さずにタイマーやリマインダーを設定したり、簡単な計算ができたりするのは使い勝手がいいです。Suicaオートチャージや定期券などには対応していないので限定的ではありますが、ないよりはあった方がいい。スマートウォッチで Suica が使える端末は多くないですからね。

バッテリーも週に一回程度充電すればいいので、かなり持ちます。特に劣化した感じはありませんが、Twitter で検索してると2,3日しか持たなくなってる人もいるので、当たり外れがあるのかも?

活動量計としてはイマイチです。徒歩などの軽い運動と睡眠の記録だけなら問題ないですが、激しい運動などには向いていません。そもそも、未だにアクティビティをバックアップできないのはかなりイケてないです。

耐久性に難あり?

wena3 がお勧めできない理由はコンセプトがニッチ過ぎるのもありますが、耐久性の点からもおすすめしづらい。ずっと Twitter で検索しているのですが、突然死する人の割合が多い気がします。曲面ディスプレイに沿って電子機器が配されているので、そもそも壊れやすいのでしょう。今月末からは保証期間外となるわけですが、次に壊れたら修理するか迷うところ。

WNW-HT41/B | wena
そもそも、wena Three Hands Premium Black designed by Giugiaro Architettura に惚れ込んで wena3 を購入したわけですが、実はこのヘッドも一度壊れています。文字盤が浮いてしまい、時計の針が正常に動かず、カレンダーの穴もずれるので時計として使い物にならなくなりました。
6万円する時計が、そんな簡単に壊れるのかという落胆。こちらも保証期間内だったので交換対応になりましたが、やはり手続きが面倒くさすぎます。電話して、集荷日を決めてという流れですが、時間が取られます。

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私は、ソニーのガジェットとは相性が悪く、過去に Xperia Z3 が保証期間内に二回壊れています。お布施か、お布施が足りないのか。

Xperia Z3を修理した(3ヶ月ぶり二度目) - 最終防衛ライン3

ジョジョリオンなんもわからん

連載が終了して最終巻を読んだが、なんもわからんかった。まとめて読めば分かるだろうと、一巻から読み直したものの、やっぱりなんもわからん。ただ、お陰でなにがわからんのかはわかった。

とにかかく岩人間がわからない。こいつらの諸々がよくわからないから、ジョジョリオン全体がよくわからんことになっている。岩人間をよくわからん存在として受け入れることはできる。ただ、そうすると彼らの目的がよくわからんくなる。人間としての富と名声を求めているようで、その点は人間として共感はできるのだが、翻って岩人間がそれを求める理由がよくわからない。
ラスボスである透龍の力の源泉もよくわからん。追えば厄災をもたらす能力は、厄災を避けるスティールボールランのラストの逆で、ラスボスに相応しい。けれども、スティールボールランはあの人の力あってのものだ。ジョジョリオンでは透龍個人の能力でしかない。

スタンド戦が複雑なのはいつものことで、原理は分からないが道筋はわかるようになっている。そこがジョジョの魅力だ。個別のエピソードは面白くて、その内容も理解できる。ロカカカはよく分からない植物ではあるが、定助たちの視点から見れば東方家やホリーの呪いを解くキーアイテムだ。ただ、岩人間がそれを求める理由がどうにもわからない。彼らは、ロカカカを自分たちのものと考えている用だが、特に根拠はない。精々、日本に輸入しているくらいなものだ。ただ、密輸入できるのも常敏によるところが大きい。
岩人間が富と名声を求めるのは人間として共感できるけども、岩人間にそれは必要用にも思えない。やはり、岩人間がわからない。

わからないのは仕方の無いことで、荒木先生も岩人間を我々とは異なる未知なる生物として描きたいのだと思う。ただ、そう考えると人間社会における富と名声を得ようとする行動原理がどうにもわからない。富と名声なんて、岩人間にしてみれば一時のものにしか思えない。もちろん、接ぎ木されたロカカカの実は新しい種の可能性を示しており、定助がまさにそれなんだけど、岩人間、すくなくとも透龍は新しい種になる気は無さそうだ。作中でロカカカの実を使ったけれども、それも止むに止まれぬ事情で、仕方なくといった感じだった。

定助と岩人間が対になっているのはわかる。どちらも戸籍がなくて、アイデンティティーがはっきりしない。ジョジョリオンは、定助がアイデンティティーを確立し、新しい居場所を作り出す物語だ。岩人間もそれを求めていた。岩人間は社会性の生き物ではないが、見た目が人間なので人間社会で生きたくなるのかもしれない。ただ、彼らが人間社会で生きるためには、法的かつ個人的な人間としてのアイデンティティーを確立する必要がある。他人の戸籍を乗っ取り、人間社会で生活していた。透龍は、ほぼほぼ富と名声を得ていた。でも、それは透龍のそれではなかった。それがダメだったのだろうか?新種のロカカカの実を得たとしても、透龍ではなく明負悟としての功績になるはずだ。透龍自身がどちらを求めていたのかよく分からない。明負悟の名声か、透龍自身の名声か。

岩人間を、二部に登場した柱の男達と似たような存在と考えることもできる。ジョジョシリーズは六部で世界が一周しているので、七部以降は一部から六部の世界とはパラレルワールドになっている。柱の男であるカーズの目的はエイジャの赤石を手に入れて究極生命体になることだ。わからんけど、なんかすごそうなのはわかる。柱の男達も、カーズの目標が究極生命体になることであって、種としてどうこうという話でもなかろう。

岩人間全体に目的があるのではなく、透龍個人、もしくは透龍を含めた岩人間が、富と名声が必要ということであろう。どのような富と名声が必要かは、岩人間ごとに異なっている。その中で、透龍が最も力を持ち超然としているように見えて、最も世俗を気にしている。結局の所は、岩人間が分からないというよりも透龍がよく分からないのだろう。この辺は、六部のプッチ神父の良くわからなさもあるが、神父はまだ生い立ちが分かる方だ。透龍に関しては、皆目分からない。そもそも、岩人間のため「共感」という手段も取れないし、心理的な分析も的外れであろう。結局、岩人間がよく分からないのだ。

ジョジョリオン東日本大震災を元にした物語である。岩人間の得体の知れ無さも、震災のような理解のおよぶ範疇にはないのだろう。そのくせに、人間の富と名声を求めるあたりが、余計によく分からない。
定助は自己のアイデンティティーを人間社会に確立できた。それは人間だからだろう。透龍や岩人間は常に誰かの影を利用することでしか人間社会にアイデンティティーを確立できなかった。透龍としてアイデンティティーを確立できていなかったことが、ジョジョリオンという物語における裏の駆動力だったのだろうか。

Boox Nova Air を買いました

lastline.hatenablog.com

手書き端末として色々迷って Boox Nova Air を買いました。日本の代理店は BOOX Nova Air – SKT株式会社 でA4のペラ紙ですが SKT お手製の「クイックスタートガイド」が役に立ちました。

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気に入ってます

ペンの書き味は文句なしに気に入っています。紙とまでは言いませんが、ツルツル過ぎないところが良いです。
ディスプレイは電子ペーパーらしい白さで、電子書籍も読みやすくマンガも綺麗に表示できます。
サイズ感は iPad mini や Kindle Fire HD8 くらいですが、235 g と軽いので取り回しやすい。iPad mini でマンガの見開きが読める人なら、本機でも満足できるでしょう。
軽い分だけバッテリーの容量は少ないのですが、スマートフォンのようにメインで使うわけではないので雑誌を読んだり手書きメモをするだけなら一日に20から30%程度の減少でした。使う頻度にもよりますが、4日から場合によっては1週間くらいは持ちそうです。

pc.watch.impress.co.jp

物理ボタンでページめくりができるカバーはよさそうだったのですが、装着すると 400 g になるため購入は見送りました。設定次第で、ゴーストを抑えつつページめくりできるので物理ボタンは必須ではないと感じています。Boox シリーズは息が長いだけあって、電子ペーパー向けにチューニングされています。アプリ毎にリフレッシュレートなどを変更できるのが心強い。

スピーカーとマイクがありますが、利使っていません。スピーカーはオーディオブック、マイクは音声の録音や音声入力などに利用できますが、その機能を利用するならスマートフォンを使います。

不満点は、やはりストレージが 32 GB しかないこと。アプリなどをインストールすると、実質的に自由に使える容量は 20 GB もありません。この手の電子ペーパー製の端末はどれも容量が少ないのがネックです。誤算だったPDFへの書き込みです。

誤算だった PDF への書き込み

PDF の書き込みはプリインストールされている Boox Note Reader でしか使えません。PDF を Boox Nova Air 本体に保存し、書き込みをしてそれを何らかの方法で共有しなければなりません。手間がかかりすぎます。

その理由は、スタイラスペンによる入力が、プリインストールされているアプリでしかまともに機能しないためです。OneNote などの手書きメモアプリでもスタイラスペンの入力は可能ではありますが、実用できないほどに遅延します。手書きメモに関しては、プリインストールされているノートアプリが優秀なので困ることはありませんが、 PDF への手書きメモを共有するのが面倒なのが残念。ストレージの容量さえあれば、そんなに気になることでもないのですが。

ペンの書き味

書き味としては、ダイソーなどでも売っている手書きメモパッドに近いと感じます。紙に比べると少しすべる感じですが、硬い感じも無く気に入ってます
はじめて触ったときはペン入力に少し遅延を感じましたが、すぐに慣れ気にならなくなりました。

Apple Pencil や Surface Pen の硬い面に書き付けている感じに慣れません。長年使っている Surface Pen では、ペン先を変えたり、あるいはフィルムを張り替えたり、はたまたペン自体を変えたこともありましたが、慣れませんでした。これは、ガラスディスプレイとタブレットの剛性の問題に思えます。その点で、Boox Nova Air は本体が薄いので、そのような「硬さ」を感じないのかも知れません。

Surface Pen 2 は、触覚フィードバックが搭載されているそうなので、どんなものか気になっています。GO にも対応して欲しい。あるいは、Neo を出し欲しいところ。

手書きメモアプリは使い勝手がいい

手書きメモアプリに関しては、ほぼ文句がないです。Dropbox などへの共有ができるので便利です。

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レイヤーは5枚まで使え、別途テンプレートも利用できるので使い勝手がいいです。赤、緑、青でも書き込めますが、Boox Nova Air 上では区別できません。

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手書き文字をまとめて認識でき、その精度が割といいので驚きます。カタカナとひらがなの認識は苦手のようですが・・・・・・。
オリジナルとリフロー認識があり、オリジナルなら文字の位置と大きさが反映され、リフローだと一列のテキストとして再配列されます。

カレンダーの隅に手書きスペースがあるので、私はそこを日記代わりに使っています。その日に保存した手書きメモのファイルも表示されるので、それを日記代わりにするのもありでしょう。

Kindle 以外の電子書籍アプリが使える

電子書籍閲覧としては Kindle と コミックDAYS の定期購読に利用しています。Kindle paperwhite では Kindle しか使えないので、それ以外の電子書籍アプリが使えるのが Boox Nova Air の利点。
電子ペーパーなので白が映えて文字はもちろんマンガなども綺麗に見えます。マンガの作画も電子化が進んでいるのでしょうが、雑誌として印刷物が出回っているせいか、まだまだ電子ペーパーに分があるように思います。
ただし、電子ペーパーはページの切り替えが苦手で前のページがゴーストとして残りがち。それも、Boox の設定から Regal モードにすると、ゴーストを抑えつつページ切り替えができます。

Tips など

Boox Nova Air には他の Boox シリーズのように電源ボタン以外は物理ボタンがありません。種々の操作はジェスチャーが便利ですが、反応が良くないことがあります。

Wi-Fi などの設定は、Android なので画面の上からスワイプすると呼び出せます。その他に、左下、中央下、右下からのスワイプもしくは、左端、右端のスワイプが利用できます。画面下は、デフォルトだと左下が「マルチタスク」、中央下が「ホーム」や右下が「戻る」になっています。私はを「左下」のマルチタスクは使うことがほぼないので「全画面リフレッシュ」に割り当てています。
画面サイドはボリュームやバックライトの調製ができますが、ページめくり時などに干渉するため使っていません。
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Boox 特有の「ナビボール」でも、機能を実行できます。iOS における AssistiveTouch みたいな機能です。私は「スクリーンショット」や「画面方向の切り替え」、「マルチタスク」などに割り当てています。「ナビボール」をダブルタップすることでもホーム画面に戻れます。

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手書き入力と電子書籍閲覧に特化した端末

Onyx Boox Nova Air Review: A Practically Perfect E Ink Tablet

Boox Nova Air は手書きノートと電書書籍と二つの用途に絞れば便利な端末です。
手書きノートなら、それ専用の端末を購入するのもありでょう。それに加えて電子書籍も PDF も読みたいなら、Boox Nova Air はありだと思います。Kindle だけを読むなら、paperwhite もありですが、6.8 インチと言わずに 8 インチくらいが欲しい。

一般的には iPad mini の方が汎用的で便利かと思います。ただ、個人的に GALAXY Z Fold 2 と用途が被るのと、あんまり雑には扱えないこと、そして Apple pencil の書き味が好きではないのが、iPad mini を手書き用端末として選択しなかった理由です。
ならば、Z Fold 3 かと問われると、手書き中に調べ物などを並列して行えるほどにはディスプレイが広くはないのがネック。メモ用には別端末があった方が使い勝手がよいかと思います。

良い点と悪い点

  • 良い点
    • スタイラスの書き心地がよい
    • 手書きメモアプリも使い勝手がよい
    • 電子ペーパーなので白の発色がきれい
    • Kindle 以外の電子書籍が利用できる
    • 軽いのにバッテリーのもちがよい
    • バックライトが付いているので暗所でも利用可能
  • 悪い点
    • 容量が 32 GB しかない。自由に利用できるのは 20 GB 弱
    • サードパーティー製のアプリではスタイラスはほぼ利用不可
    • 電子ペーパーなのでページめくりなどでちらつく
    • スクロールが必要なアプリは使い勝手が悪い
    • 手書きノート、電子書籍閲覧以外にはほぼ使えないのに4万円は割高

TopJoy Butterfly をキャンセルした

手書きノート端末を検討した - 最終防衛ライン3 で検討していた、KICKSTARTERクラウドファンディングが行われている TopJoy Butterfly をキャンセルした。
理由は複合的なものだが、レビュー動画を見る限り手書きノートとしては快適ではなさそうなのが主である。

Boox Nova Air や 第6世代 iPad mini の登場

www.youtube.com

TopJoy Butterfly は E-Ink ではなく、 Display Electronic Slurry (DES) なる新方式が採用されている。Kickstarter のページや、Goodereader のレビューを見る限りでは、発色は Color E-Ink よりも良さそうだ。濃い色合いよりも薄い色合いにマッチしており、カラー版のジャンプコミックスなど適してそうだ。
TopJoy Butterfly には、6インチと7インチがあり、7インチの方はスタイラスペンに対応している。この手の電子書籍端末の多くが 32 GB のストレージなのに、64 GB があるのは嬉しい。また、出資価格ではあるものの、送料込みで $329 と4万円を切るのも魅力的だ。
それもあり、クラファン開始直後に出資したのだが、Boox Nova Air や 第6世代 iPad mini などの登場により迷いが出はじめた。

DES の限界

最も重視するのは、「手書きノート」としての機能だ。電子書籍端末としては既に所有している Galaxy Z Fold 2 の方が使い勝手がよい。ただし、PDF などの書き込みや、サブ端末として電子書籍端末としても使いたい。

TopJoy Butterfly は、動画を見ても明らかに分かるくらいペン入力の遅れがある。
さらに気になったのが画面のリフレッシュである。ノートアプリで、メニューを開く度に画面がリフレッシュされ、全体がちらついている。色を変えたり、消しゴムを使ったりする度に画面がちらつくのはかなりのストレスになりそうだ。

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似たような問題が、同じく DES を採用する Reinkstone R1 にも見られる。こちらは、ペンの遅延こそ少ないものの、線を引いた後に一旦線全体がちらついている。
DES は電源オフ時にも画像が保持される性質があるが、その結果として残像が残りやすく、メニューを表示する、線を引くなど動的な変化に対応するために画面や、描画域を頻繁にリフレッシュする必要があるのだろう。にもかかわらず、リフレッシュレートは早くないために、それがちらつきに見えるのではなかろうか。

DES は Color E-Ink よりも発色が良さそうな方式であるが、E-Ink 以上に動的な画面変化に対応できないと予想される。電子書籍を閲覧するよりもイラストなどを表示するのに向いているのではなかろうか。そのため、手書きノートには向いて無さそうだ。

半導体不足とクリエイターへの不信感

DES 方式の端末が手書きノートに向いていないのが出資を取りやめた主な理由ではあるが、他にも懸念材料がある。

先ず、世界的に半導体が不足していること。そして、中国の電力不足。そこに加えて、クリエイターが当初の予定にはなかった、メモリ 4 GB、ストレージ 64 GB のモデルをクラファン開始後に加えた上に、初期の限定数が 500 だったのを 900 まで順次増加していったこと。11月出荷予定としているが、恐らくそれは無理そうに思える。

クラウドファンディングでの多少の遅れは仕方ないにしても、他にも不安になる要素がある。

TopJoy Butterfly のクリエイターは出資者へのコメントに対して頻繁に応答はするのだが、肝心な部分を答えない。特に、Google Play に関する質問には真摯に答えてない。恐らく、Amazon の Fire タブレットのように、サイドロードにて Google Play をインストールすれば利用できるのだが、その点すら明言しない。
アップロードされるデモ動画も、出資者が知りたいことから微妙にずれている。開発担当としては最終版を評価して欲しいのだろうが、広報との関係性に不安を覚える。

半導体不足とクリエイターの不信感もあり、出資をキャンセルした。とは言うものの、動向は気になるのでしばらくは追う予定ではある。

手書きノート端末を検討した

B6 サイズ位の手書きノート端末が欲しくなってきた。ディスプレイサイズだと、大体 8 インチ前後くらい。PDF の閲覧および書き込み、Kindle でのマンガの閲覧ができれば申し分ない。PDF の書き込みを考えると 10 インチ以上が望ましいけども、取り回しを考えると 8 インチくらいが良さそう。現在、B6 の紙ノートを使っているので、サイズ感も変わらない。

そこで、E-Ink 端末として Boox Nova Air と Supernote A6X、TopJoy Butterfly 7.8 Pro、タブレットおよびスマートフォンとしては iPad mini(第6世代)と Galaxy Z Fold 3、Surface Duo 2 あたりを比較してみた。

E-Ink 端末

Product Boox Nova Air Supernote A6X TopJoy Butterfly 7.8 Pro
Display E-Ink E-Ink Color E-Paper
Resolution 1872×1404 1872×1404 1872×1404
PPI 300 300 300 (BW) / 150 (RGB)
Dimension / mm 194×136.5×6.3 188×138×7.2 193×135×7.9
Weight 235 g 255 g 325 g
CPU Cortex-A72 + Cortex-A55 PX30 Quad-core Cortex-A55
Memory 3 GB 2 GB 4 GB
Storage 32 GB 32 GB 64 GB
Pen 4096 Level 4096 Level 4096 Level
Price ¥43,800 ¥45,800 $324

スマートフォンタブレット

Product iPad mini Galaxy Z Fold 3 Surface Duo2
Display IPS OLED OLED
Resolution 2266×1488 2208×1768 (Open) 2688×1892 (Open)
PPI 326 374 400
Dimension / mm 195.4×134.8×6.3 158.2×128.1×6.4 (Open) 184.5×145.2×5.5 (Open)
Weight 293 g 271 g 284 g
CPU A15 Snapdragon 888 Snapdragon 888
Memory Unrevealed 12 GB 8 GB
Storage 64 / 256 GB 256 GB 128 / 256 / 512 GB
Pen Apple pencil 2 S-pen Surface Slim Pen 2
Price ¥59,800 / 77,800 ¥237,600 $1,500から

BOOX Nova Air

BOOX Nova Air – SKT株式会社 https://sktgroup.co.jp/boox-novaair/

Nova 3 と同じサイズで、ペンが一新されたモデル。ただ、現行で手に入るのは Nova 3 Color で、Nova Air よりも1万円ほど高い。

長年 E-Ink デバイスをリリースしてきた Boox の製品なので無難に安心。手書きメモ、PDFの閲覧および書き込み、Kindle でのマンガの閲覧などで不満を感じることはないだろう。
気になる残像もかなり改善されているようだ。Boox Nova シリーズは、Kindle 用にも最適化されているのもポイントが高い。


www.youtube.com


YouTube のレビュー動画を見る限り、新しいペンと剥がすことはできない保護フィルムのお陰で書き味はかなりよさそう。プリインストールされているノートアプリはCRにも対応しているようだが、個人的には必要ないかな。レイヤー機能があるのが便利そうだ。

【山口真弘の電子書籍タッチアンドトライ】Playストアが使える7.8型E Inkタブレット「BOOX Nova Air」。ページめくりボタン付の専用カバーも利用可能 - PC Watch
電子書籍端末のレビューに信頼を寄せている、山口真弘さんのレビューが早くも上がっていた。マンガなどを閲覧する場合には問題無さそう。快適に閲覧するならオプションのページめくりボタン付きのカバーを買った方がよいみたい。ただし、音量ボタンでのページめくりに対応している電子書籍のみで利用可能。
スタイラスはやや引っかかりがあるようだが、むしろ好みの書き味に近い感触がある。

バッテリー容量が Nova 3 より少ない点が気になるが、Nova 3 が2週間以上もつことから考えると1週間は問題ないだろう。むしろ、ストレージが 32 GB しかないのが残念だ。自炊したマンガを持ち歩くのには心許ない。

Supernote A6X

水性ボールペンに近いとのレビューもあり、書き味がもっとも好みに近そう。
レイヤー機能があるのもポイントが高い。ペン先も基本的には交換不要らしい。アプリなどを自由にインストールできないが、Doropbox と連携できるので使い勝手はよさそうだ。

ただし、PDFへ注釈が Acrobat Reader などと互換性がないのが、やや困った点。PC などで付けられた注釈を確認できないはかなり困る。ただ、現在は解消されているかもしれない。
Word の編集もできるそうだが、校閲記号による編集で、個人的には不要な機能に感じる。

Kindle を閲覧できるが、画面を回転できないため見開き表示には非対応。Kindle を閲覧にしないにしても横向きで使用できないのは不満である。また、フロントライトがないのも気になる。

10.3型ながら300g台の激軽E Inkノート「Supernote A5 X」を使ってみた(前編):Androidタブレットを試す(1/3 ページ) - ITmedia PC USER
10.3型ながら300g台の激軽E Inkノート「Supernote A5 X」を試してみた(後編):Word文書の編集からKindleでの読書まで(1/4 ページ) - ITmedia PC USER

TopJoy Butterfly 7.8 Pro

https://www.kickstarter.com/projects/topjoy/topjoy-butterfly-pocket-sized-true-color-des-screen-e-reader

カラー表示対応の E-Ink デバイスで、$299 と兎に角安い。送料を含めても$324。ただし、クラウドファンディングのため色々と未知数。メモリが 4GB で、ストレージも 64 GB とハードウェアは問題無さそうだが、ソフトウェアの出来が全く分からない。
現在公開されている動画を見る限り、プリインストールされている PDF Viewer の表示速度は悪く無さそう。カラー表示は予想していたよりもよく、ジャンプのカラー版などに適していそうだ。
ペンの入力はやや遅延が見られ、ノートの書き味は Nova Air や Supernote よりは落ちると予想している。カラー対応なので、PDF などにカラーマーカーを引けるのはポイントが高い。

Android 11.0 ではあるが、恐らく Google Play はサイドロード形式で導入する必要がありそう。Kindle Fire でも問題なく動いているので、その点で心配は無い。その一方で、Kindle などに最適化はされていないだろう。

比較している端末の中で、最も重く、最も厚いのも気になる所。カバーが付属するが、それも合わせると 500 g を越えるだろう。

ソフトウェアのチューニングも気になる所だが、半導体不足の折に本体を順調に生産できる体勢にあるかが分からない。早くも、出荷の遅れが示唆されている。クラウドファンディングを始めてから、アップグレード版の Pro を投入しているのも気になる所。しかも、限定 500 だったのを逐次増やしている。

数多くの E-Ink デバイスをレビューしている Goodereader にプロトタイプのレビューを頼んだそう。Goodereader 側も YouTube にてレビューするとのコメントを出している。Goodereader のレビュー次第で出資するかを決めたい。

【山口真弘の電子書籍タッチアンドトライ】カラーE Ink搭載Androidタブレット「BOOX Nova3 Color」。モノクロとの違いを検証 - PC Watch

iPad mini

iPad mini - Apple(日本)

第5世代の iPad mini が5万円らくらいなので、第6世代を検討していたら6万円を越えてきた。手書きノートとして使うなら Apple pencil 2 も必要で、さらに1万6千円が加算される。物体的な取り回しはよいが、価格面で精神的な取り回しがよくない。

スペック的には申し分ないが、手書きノートとして使うにはオーパースペックでもある。色々なことができるが、ノートと考えると必要ない機能が多い。むしろ、iPad mini を電話として使った方が絶対に幸せ。
第9世代 iPad なら予算的にはありだが、サイズが大きいので対象外。

Galaxy Z Fold 3

Galaxy Z Fold 3 5G(ギャラクシーZフォールド3 5G)|Galaxy公式(日本)

S-pen に対応した折りたたみスマートフォン。Z Fold 2 を既に使っているので、乗り換えるのは予算が許せば吝かではない。
ただし、Z Fold 2 は情報表示端末として利用している。Z Fold 3 を手書きノートとして使うなら、紙のノートの方が便利ではある。画面分割はできるし、折りたたみモードであれば ZOOM などを起動しながらメモが取れるようだが、流石に入力領域が狭すぎる。

即座にノートが取りたいが、ペンを本体に固定できず、また開く必要のある Z Fold 3 では、不満がでそう。S-pen がサブディスプレイに対応してないのも残念である。

Surface Duo2

異色の2画面Android端末「Surface Duo 2」。Snapdragon 888搭載で1,499ドルから - PC Watch

Duo の後継機。Duo は SoC がイマイチで、Android の調整もイマイチだったようだが、改善されているといいなぁ。

2画面あるので電子書籍端末としては、本のように利用できるのがポイント高い。また、2つのアプリを同時に利用するなら、Galaxy Z Fold 3 よりも向いているであろう。Surface Duo なら ZOOM 会議をしながらメモを取るのも悪くない。
ただし、個人的には Surface Pen の書き味が好きではないのが気になる。

Surface Neo の発表がなかったのが残念。Neo 用とされる Windows 10X の開発が中断され、Windows 11 に統合されたので仕方ない。

Boox Nova Air か TopJoy Butterfly 7.8 Pro だが・・・・・・

比較してみると iPad mini の薄さと軽さが際立ち。ただ、第6世代が思っていた以上に費用が嵩むのでパス。今更、第5世代を買うのもなぁという感じ。また、ノートとして考えると色々とリッチすぎるのと、Apple Pencil の書き味が固いのもあんまり好きではない。

Galaxy Z Fold 2 を所有しているので、iPad mini と色々と用途が被るのと、Apple 製品を称していないので iOS 端末の利便性が低いのもマイナス。
ならば Z Fold 3 かと問われると、スマートフォンは情報検索、表示端末として利用し、別途ノートが欲しいので向かない。もっと大きければ、ノートと併用できるが、そうすると携帯性が下がる。サブディスプレイで S-pen が使えないのもマイナス。
Surface Duo 2 は、スマートフォンとして利用するには幅が広すぎる。Galaxy Z Fold 2 のいいところは折りたためば細長く、通常のスマートフォンっぽいから。Surface Duo 2 をスマートフォンとして利用すると不満がでるけど、二台持ちするには微妙。予算的にも、iPad mini を買った方が満足度が高いだろう。

そうすると、Boox Nova Air と Supernote A6X、TopJoy Butterfly 7.8 Pro になるが、どれも一長一短である。Supernote A6X は最も書き味が良さそうだが、ほぼノート専用端末となる。
TopJoy Butterfly 7.8 Pro は兎に角安い。ストレージも 64 GB あるので、自炊したマンガを突っこんでおくこともできる。ただし、残像や書き味など未知数な部分が多い。カラー表示は。マンガには必要ないが、PDFを閲覧する際には便利ではある。

無難なのは Boox Nova Air で、白黒表示もくっきりしており、書き味も悪く無さそう。ただし、容量が 32 GB なのがネック。Dropbox を使えるが、64 GB くらいあると心に余裕ができる感じ。

とありあえず、TopJoy Butterfly 7.8 Pro の出資期限が10月10日なので、Goodereader のレビューが出るのを待とうと思う。