手書きノート端末を検討した

B6 サイズ位の手書きノート端末が欲しくなってきた。ディスプレイサイズだと、大体 8 インチ前後くらい。PDF の閲覧および書き込み、Kindle でのマンガの閲覧ができれば申し分ない。PDF の書き込みを考えると 10 インチ以上が望ましいけども、取り回しを考えると 8 インチくらいが良さそう。現在、B6 の紙ノートを使っているので、サイズ感も変わらない。

そこで、E-Ink 端末として Boox Nova Air と Supernote A6X、TopJoy Butterfly 7.8 Pro、タブレットおよびスマートフォンとしては iPad mini(第6世代)と Galaxy Z Fold 3、Surface Duo 2 あたりを比較してみた。

E-Ink 端末

Product Boox Nova Air Supernote A6X TopJoy Butterfly 7.8 Pro
Display E-Ink E-Ink Color E-Paper
Resolution 1872×1404 1872×1404 1872×1404
PPI 300 300 300 (BW) / 150 (RGB)
Dimension / mm 194×136.5×6.3 188×138×7.2 193×135×7.9
Weight 235 g 255 g 325 g
CPU Cortex-A72 + Cortex-A55 PX30 Quad-core Cortex-A55
Memory 3 GB 2 GB 4 GB
Storage 32 GB 32 GB 64 GB
Pen 4096 Level 4096 Level 4096 Level
Price ¥43,800 ¥45,800 $324

スマートフォンタブレット

Product iPad mini Galaxy Z Fold 3 Surface Duo2
Display IPS OLED OLED
Resolution 2266×1488 2208×1768 (Open) 2688×1892 (Open)
PPI 326 374 400
Dimension / mm 195.4×134.8×6.3 158.2×128.1×6.4 (Open) 184.5×145.2×5.5 (Open)
Weight 293 g 271 g 284 g
CPU A15 Snapdragon 888 Snapdragon 888
Memory Unrevealed 12 GB 8 GB
Storage 64 / 256 GB 256 GB 128 / 256 / 512 GB
Pen Apple pencil 2 S-pen Surface Slim Pen 2
Price ¥59,800 / 77,800 ¥237,600 $1,500から

BOOX Nova Air

BOOX Nova Air – SKT株式会社 https://sktgroup.co.jp/boox-novaair/

Nova 3 と同じサイズで、ペンが一新されたモデル。ただ、現行で手に入るのは Nova 3 Color で、Nova Air よりも1万円ほど高い。

長年 E-Ink デバイスをリリースしてきた Boox の製品なので無難に安心。手書きメモ、PDFの閲覧および書き込み、Kindle でのマンガの閲覧などで不満を感じることはないだろう。
気になる残像もかなり改善されているようだ。Boox Nova シリーズは、Kindle 用にも最適化されているのもポイントが高い。


www.youtube.com


YouTube のレビュー動画を見る限り、新しいペンと剥がすことはできない保護フィルムのお陰で書き味はかなりよさそう。プリインストールされているノートアプリはCRにも対応しているようだが、個人的には必要ないかな。レイヤー機能があるのが便利そうだ。

【山口真弘の電子書籍タッチアンドトライ】Playストアが使える7.8型E Inkタブレット「BOOX Nova Air」。ページめくりボタン付の専用カバーも利用可能 - PC Watch
電子書籍端末のレビューに信頼を寄せている、山口真弘さんのレビューが早くも上がっていた。マンガなどを閲覧する場合には問題無さそう。快適に閲覧するならオプションのページめくりボタン付きのカバーを買った方がよいみたい。ただし、音量ボタンでのページめくりに対応している電子書籍のみで利用可能。
スタイラスはやや引っかかりがあるようだが、むしろ好みの書き味に近い感触がある。

バッテリー容量が Nova 3 より少ない点が気になるが、Nova 3 が2週間以上もつことから考えると1週間は問題ないだろう。むしろ、ストレージが 32 GB しかないのが残念だ。自炊したマンガを持ち歩くのには心許ない。

Supernote A6X

水性ボールペンに近いとのレビューもあり、書き味がもっとも好みに近そう。
レイヤー機能があるのもポイントが高い。ペン先も基本的には交換不要らしい。アプリなどを自由にインストールできないが、Doropbox と連携できるので使い勝手はよさそうだ。

ただし、PDFへ注釈が Acrobat Reader などと互換性がないのが、やや困った点。PC などで付けられた注釈を確認できないはかなり困る。ただ、現在は解消されているかもしれない。
Word の編集もできるそうだが、校閲記号による編集で、個人的には不要な機能に感じる。

Kindle を閲覧できるが、画面を回転できないため見開き表示には非対応。Kindle を閲覧にしないにしても横向きで使用できないのは不満である。また、フロントライトがないのも気になる。

10.3型ながら300g台の激軽E Inkノート「Supernote A5 X」を使ってみた(前編):Androidタブレットを試す(1/3 ページ) - ITmedia PC USER
10.3型ながら300g台の激軽E Inkノート「Supernote A5 X」を試してみた(後編):Word文書の編集からKindleでの読書まで(1/4 ページ) - ITmedia PC USER

TopJoy Butterfly 7.8 Pro

https://www.kickstarter.com/projects/topjoy/topjoy-butterfly-pocket-sized-true-color-des-screen-e-reader

カラー表示対応の E-Ink デバイスで、$299 と兎に角安い。送料を含めても$324。ただし、クラウドファンディングのため色々と未知数。メモリが 4GB で、ストレージも 64 GB とハードウェアは問題無さそうだが、ソフトウェアの出来が全く分からない。
現在公開されている動画を見る限り、プリインストールされている PDF Viewer の表示速度は悪く無さそう。カラー表示は予想していたよりもよく、ジャンプのカラー版などに適していそうだ。
ペンの入力はやや遅延が見られ、ノートの書き味は Nova Air や Supernote よりは落ちると予想している。カラー対応なので、PDF などにカラーマーカーを引けるのはポイントが高い。

Android 11.0 ではあるが、恐らく Google Play はサイドロード形式で導入する必要がありそう。Kindle Fire でも問題なく動いているので、その点で心配は無い。その一方で、Kindle などに最適化はされていないだろう。

比較している端末の中で、最も重く、最も厚いのも気になる所。カバーが付属するが、それも合わせると 500 g を越えるだろう。

ソフトウェアのチューニングも気になる所だが、半導体不足の折に本体を順調に生産できる体勢にあるかが分からない。早くも、出荷の遅れが示唆されている。クラウドファンディングを始めてから、アップグレード版の Pro を投入しているのも気になる所。しかも、限定 500 だったのを逐次増やしている。

数多くの E-Ink デバイスをレビューしている Goodereader にプロトタイプのレビューを頼んだそう。Goodereader 側も YouTube にてレビューするとのコメントを出している。Goodereader のレビュー次第で出資するかを決めたい。

【山口真弘の電子書籍タッチアンドトライ】カラーE Ink搭載Androidタブレット「BOOX Nova3 Color」。モノクロとの違いを検証 - PC Watch

iPad mini

iPad mini - Apple(日本)

第5世代の iPad mini が5万円らくらいなので、第6世代を検討していたら6万円を越えてきた。手書きノートとして使うなら Apple pencil 2 も必要で、さらに1万6千円が加算される。物体的な取り回しはよいが、価格面で精神的な取り回しがよくない。

スペック的には申し分ないが、手書きノートとして使うにはオーパースペックでもある。色々なことができるが、ノートと考えると必要ない機能が多い。むしろ、iPad mini を電話として使った方が絶対に幸せ。
第9世代 iPad なら予算的にはありだが、サイズが大きいので対象外。

Galaxy Z Fold 3

Galaxy Z Fold 3 5G(ギャラクシーZフォールド3 5G)|Galaxy公式(日本)

S-pen に対応した折りたたみスマートフォン。Z Fold 2 を既に使っているので、乗り換えるのは予算が許せば吝かではない。
ただし、Z Fold 2 は情報表示端末として利用している。Z Fold 3 を手書きノートとして使うなら、紙のノートの方が便利ではある。画面分割はできるし、折りたたみモードであれば ZOOM などを起動しながらメモが取れるようだが、流石に入力領域が狭すぎる。

即座にノートが取りたいが、ペンを本体に固定できず、また開く必要のある Z Fold 3 では、不満がでそう。S-pen がサブディスプレイに対応してないのも残念である。

Surface Duo2

異色の2画面Android端末「Surface Duo 2」。Snapdragon 888搭載で1,499ドルから - PC Watch

Duo の後継機。Duo は SoC がイマイチで、Android の調整もイマイチだったようだが、改善されているといいなぁ。

2画面あるので電子書籍端末としては、本のように利用できるのがポイント高い。また、2つのアプリを同時に利用するなら、Galaxy Z Fold 3 よりも向いているであろう。Surface Duo なら ZOOM 会議をしながらメモを取るのも悪くない。
ただし、個人的には Surface Pen の書き味が好きではないのが気になる。

Surface Neo の発表がなかったのが残念。Neo 用とされる Windows 10X の開発が中断され、Windows 11 に統合されたので仕方ない。

Boox Nova Air か TopJoy Butterfly 7.8 Pro だが・・・・・・

比較してみると iPad mini の薄さと軽さが際立ち。ただ、第6世代が思っていた以上に費用が嵩むのでパス。今更、第5世代を買うのもなぁという感じ。また、ノートとして考えると色々とリッチすぎるのと、Apple Pencil の書き味が固いのもあんまり好きではない。

Galaxy Z Fold 2 を所有しているので、iPad mini と色々と用途が被るのと、Apple 製品を称していないので iOS 端末の利便性が低いのもマイナス。
ならば Z Fold 3 かと問われると、スマートフォンは情報検索、表示端末として利用し、別途ノートが欲しいので向かない。もっと大きければ、ノートと併用できるが、そうすると携帯性が下がる。サブディスプレイで S-pen が使えないのもマイナス。
Surface Duo 2 は、スマートフォンとして利用するには幅が広すぎる。Galaxy Z Fold 2 のいいところは折りたためば細長く、通常のスマートフォンっぽいから。Surface Duo 2 をスマートフォンとして利用すると不満がでるけど、二台持ちするには微妙。予算的にも、iPad mini を買った方が満足度が高いだろう。

そうすると、Boox Nova Air と Supernote A6X、TopJoy Butterfly 7.8 Pro になるが、どれも一長一短である。Supernote A6X は最も書き味が良さそうだが、ほぼノート専用端末となる。
TopJoy Butterfly 7.8 Pro は兎に角安い。ストレージも 64 GB あるので、自炊したマンガを突っこんでおくこともできる。ただし、残像や書き味など未知数な部分が多い。カラー表示は。マンガには必要ないが、PDFを閲覧する際には便利ではある。

無難なのは Boox Nova Air で、白黒表示もくっきりしており、書き味も悪く無さそう。ただし、容量が 32 GB なのがネック。Dropbox を使えるが、64 GB くらいあると心に余裕ができる感じ。

とありあえず、TopJoy Butterfly 7.8 Pro の出資期限が10月10日なので、Goodereader のレビューが出るのを待とうと思う。