河野大臣とモデルナ製ワクチン4000万回分

最初にまとめ

2020年10月29日:モデルナ製ワクチンが2021年上半期で4000万回分供給されるとの情報。
2021年5月24日:厚労省の資料に4000万回分と記載されており、現在も訂正がない。
2021年6月1日:河野大臣が4000万回分を否定。ただし、実際の供給量などは言及せず。また、職域接種は大体的に募集している。
2021年6月25日:河野大臣は改めて4000万回分の供給を否定するが、実際の供給量は述べず。職域接種の申請休止をお詫び。
2021年7月6日:毎日新聞の報道によると、2021年上半期にモデルナから供給されたワクチンは1370万回分。

河野大臣は6月1日時点でモデルナ製のワクチンが2021年上半期までに4000万回分供給されないことを言及しているが、実際の供給量を明言したのは7月6日。
5月下旬時点の厚労省の資料には4000万回分と明記され、今も訂正されていない。2020年10月29日に確定した情報が更新されていないものと考えられる。

2021年7月6日 毎日新聞

モデルナワクチン、6月末までの供給6割減 減少分は9月末までに | 毎日新聞
毎日新聞による、2021年の上半期までにモデルナ製のワクチンが4000万回分供給される予定だったが、実際には1370万回分だったとの報道。

2021年5月下旬 厚労省資料

新型コロナワクチンの開発状況について|厚生労働省 (2021年5月24日)
2021年5月24日付けの厚労省による新型コロナワクチンに関する資料 (PDF)

モデルナ製のワクチンが2021年上半期に4000万回分供給されるとの情報は、厚労省のサイトに提示されている。モデルナ製のワクチンが承認された2021年5月21日以降にも、4000万回のまま訂正されていない。
4000万回分供給されるとの情報は、2020年10月29日付けによるもの。毎日新聞の報道によるとゴールデンウィーク前には4000万回分は供給される見込みがないことが分かっていたはずなのに、5月下旬になっても厚労省の情報が更新されていない。
ワクチンの承認が5月21日と考えると、そもそも上半期に4000万回分供給するのが不可能なのでは?(推測)

2021年6月1日と25日 河野大臣会見

河野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和3年6月1日 - 内閣府
6月1日の記者会見で河野大臣は、4000万回分を否定。供給量についてはモデルナとの関係で公表しないことになっているとして、明言せず。
ただし、職域接種に関しては「現状では配るほどあります。」と述べている。

河野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和3年6月25日 - 内閣府
6月25日の記者会見で、河野大臣は改めて4000万回分を否定。情報を改めて欲しいと釘を刺している。
また、職域接種の申請受付を一時的に休止する件について詫びる。

個人的見解

職域接種募集を休止した理由は、供給量、在庫確保、配送、申請処理、どこに問題があるか不明。
ただ少なくとも6月1日時点の「現状では配るほどあります。」と矛盾するのでは?(意見)
好意的に考えれば、職域接種の申請が想定外に多かったのかもしれない(擁護)。
当初の供給量より減ることがGW前に分かっているなら、厚労省の資料も修正すべきだろう(苦言)。まぁ、河野大臣は厚労省に権限がないが(感想)。
明確な供給量の発表はモデルナと調整が必要だったのだろうが、減る見込みは立っていたはずで、6月時点になっても、その点が明言されていない(指摘)。