Pixel Fold の大体1ヶ月後レビュー

Pixel Fold の2週間レビューを書こうと思っていたら、夏風邪になりバッテリー持ち具合を評価できない日々が続きました。
モタモタしている内に、GALAXY Z Fold 5 の日本発表が近づいてきました。というわけで、一ヶ月後くらいのレビューになります。

先ずは、良いところ、気になるところ、悪いところを箇条書きで列挙し、次にそれらを個別に説明していきます。
GALAXY Z Fold シリーズと比較しつつ、私が Pixel Fold を選んだ理由を述べます。
最後に、Z Fold 5 と Pixel Fold の価格を比較しつつ、Pixel Fold 購入時にゲットしたストアクレジットの現金化や Z Fold 2 の売却方法を紹介します。

Pixel Fold の良いところ、気になるところ、悪いところ

  • 良いところ
    • マンガを本のように角度をつけて見開き表示できる
    • フレックスモードで動画視聴が楽ちん
    • 5倍ズームは割かし便利
    • Pixel の独自機能も使い勝手良し
    • YouTube Premium に加入してないのに広告が表示されない
  • 気になるところ
    • ベゼルの太さと折り目は言うほど気にならない
    • メインディスプレイに最適化されていないアプリがある
    • 二画面分割は便利だが使い勝手がよくない
    • 指紋認証はスムーズだが、なぜかメインディスプレイで顔認証ができない
  • 悪いところ
    • 負荷をかけると発熱しやすく、充電が停止する
    • 拡張性が低い
    • スピーカーの位置が微妙

Pixel Fold の魅力は、閉じたら普通のスマートフォン、開いたら小さめのタブレットとして使えること。開いた横画面に対応してないアプリもありますが、タブレット対応アプリが増えてきたら、さらに便利になりそうです。

本のようにマンガを見開き表示できる

以前のレビューでも述べましたが、マンガを本のように角度を付けて見開き表示できるのが最高です。
毎日のようにマンガアプリを開くので、その度に Pixel Fold の良さを実感できます。最近、マンガワンが見開き表示に対応したのが嬉しすぎます。
ちなみに、Kindle は稀に見開き表示できなくなる場合があります。「ページの向きを固定」のチェックを外せば OK です。

ただし人によっては、小さすぎると感じるでしょう。6インチくらいのスマートフォンで拡大せずにマンガを1ページを読める、あるいは iPad mini で見開き表示しても気にならない人なら Pixel Fold でも見開き表示でマンガを楽しめます。
回転して縦画面にすれば1ページを大きく表示できますが、縦に長い GALAXY Z Fold をお勧めします。

フレックスモードで自堕落動画生活

Pixel Fold は縦横比の関係で、フレックスモード、つまり折り曲げた状態の使い勝手も良い。
テーブルやベッドの上に置きスタンド無しで動画を見られるのはかなり自堕落。
夏風邪中は、Twich で RTA Japan やら Ameba TV の将棋観戦が捗りました。もちろん、アマプラも。

Z Fold シリーズは細長いため動画のサイズが小さく、フレックスモードをほとんど使いませんでした。片側にキーボードを表示してノート PC のように使うにも、やはり画面が小さすぎます。
Pixel Fold は NINTENDO DS みたいなサイズ感で夢があります。

フレックスモードでの利用で気になるのが保護フィルムの剥がれ。GALAXY Z Fold 2 でフレックスモードを利用すると中央付近の保護フィルムが浮き上がり剥がれていました。あるいは開閉を繰り返すだけでも容易に剥がれてきます。Pixel Fold は今のところ剥がれる気配はありませんが、果たしてどうなるやら。

なぞの特典として、YouTube を Premium 登録していないに広告が再生されません。Premium ではないのでバックグラウンド再生やダウンロードなどはできません。
PC で再生することはほぼないので、これは嬉しい機能と同時に、本当に特典なんだろうか?

5倍ズームがなにかと便利

カメラはセンサーサイズが他の Pixel シリーズと比べても小さいため、暗所でのノイズなどが気になります。
ナイトモードでの撮影は白い点々が映り込みますが、これは Pixel に限ったことではないので。

5倍ズームの使い勝手が良く、なにかと便利です。遠くの看板の文字を読んだり、鳥などの視認に役立ちます。20倍のデジタルズームで月もそこそこ撮影できます。ただ、一部メーカーでは機械学習で月の画像を再現している可能性が疑われています。そのため、月の撮影だけではスマホのカメラ性能は語れなそう。

AIによる写真加工をどこまで許容できる? サムスンと「ムーンゲート」騒動 | WIRED.jp

Pixel の独自機能

Google Discover を多用するので、ホーム画面を左スワイプで表示できる仕様はやっぱり便利。GALAXY の One UI は熟れてますが、これができないのが不満でした。
ホーム画面の Google ウィジェットも削除できないので賛否ありますが、私は検索で使いまくってます。

背面タップも使い勝手が良く、現在は「設定」に割り振っています。デフォルトではスクリーンショットですが、Pixel だとアプリ履歴からでも利用できるので変更しました。
Pixel シリーズだとアプリ履歴からテキストの抽出やGoogle レンズを使えるので検索がさらに捗ります。

ベゼルって言うほど気になります?

ベゼルの太さを欠点とする感想やレビューをよく見かけるのですが、タブレットとしてはそこまで太いわけでもありません。個人的には、アンダーディスプレイカメラの方が苦手です。
また、画面の上下端からスワイプする機会が多いので、ある程度の太さがあった方が使いやすく感じます。

折り目も、使用中に気になることはほぼないです。なんなら私は、動画でもある程度折り曲げた状態で使っています。折り目がどうしてもダメって人もいるでしょうが、多くの人は気にならないでしょう。

最適化されていないアプリも基本的には困らないが・・・・・・

メインディスプレイに最適化されていないアプリは、Pixel Tablet 同様に画面一杯に表示されません。
ただ、X など SNS を横画面一杯に表示しても見づらいだけです。画面分割するとちょうど良い塩梅になるため、この表示方法は良い折衷案だと思います。
GALAXY Z Fold シリーズは Samsun が独自に最適化してますが、横長に伸ばされて表示されるケースもあるので、完全ではありません。

SNS などはメインディスプレイの表示が最適化されていなくても困りませんが、ZOOM が対応してないのが残念です。
言葉で説明すると分かりにくいので以下の動画を紹介します。

youtu.be

ZOOM はサブディスプレイなら縦横、どちらの表示にも対応しています。しかし、メインディスプレイではしっちゃかめっちゃかです。
開いた横画面では左右どちらかに偏って表示されます。こちらのカメラ画像は縦長で表示されます。
回転させ縦画面にすると上下のどちらかに表示され、こちらのカメラは回転もせず横倒しに表示されます。折角フレックスモードで使いたいのに、縦画面では使い物になりません。
GALAXY Z Fold シリーズではフレックスモードにも対応していたので、Pixel Fold の挙動は残念です。
Google としては開発者にアプリを Foldable や Tablet 用に調整させたいのでしょう。ちなみに、LINE は最適化されています。

二画面分割は便利だが、使い勝手がイマイチ

横画面だとちょうど普通のスマホを二つ並べたかのようにアプリを表示できるので、見やすく操作もしやすい。縦画面では上下に分割されますが、最適化されていないアプリは黒帯と共に小さく表示されます。上下分割では最適化されていないアプリは実質的に使用できません。

Pixel Fold では分割方向が画面の縦と横で固定化されているため、縦画面で左右に分割することができません。GALAXY Z Fold シリーズだと分割方向を任意に変更できるので、Pixel Fold もそのようにして欲しい。

また、二画面に分割するのがちょっと面倒。よく使うアプリをホーム画面に下に固定しておけば、アプリ使用履歴から簡単に分割可能ではありますが、それ以外のアプリだと一覧から探す必要があります。
たとえば、認証用の Authenticator など、偶にしか使わないけど二画面分割で利用したいアプリをわざわざホーム画面下に固定したくはありません。

アプリの使用履歴には二分割表示したアプリのペアが残っているのに、それをショートカットなどで保存することはできません。GALAXY Z Fold シリーズや Surface Duo では可能なので、この点も改善してほしいところです。

一方で、二画面分割に対応しているアプリ同士だとかなり使い勝手が良い。二画面分割表示させた Google Photo の写真を Gmail へドラッグ&ドロップで添付できたりと便利です。
Google 以外だと Microsoft Office は二画面利用に対応しています。Surface Duo で取った杵柄でしょう。Duo 3 は出ないんですかね・・・・・・。

バッテリーは持つ方だが発熱が気になる

バッテリー持ちは結局の所は使い方次第です。
マンガ中心ならかなり持つ印象です。
朝昼にマンガアプリで連載を追い、Kindle を使う場合、朝から15時間くらい経過してもバッテリーが40から50%は残っています。

動画を見ると、視聴時間次第では適宜充電しないと心許ないです。上記のマンガ生活に加えて、動画を2時間くらい見ると大体夜寝る前で30%くらい。

バッテリーよりも発熱が気になります。
初代 Pixel Stand でワイヤレス充電していると、充電が停止することがよくありました。
有線で充電しても発熱により停止するようです。サーマルスロットリングが機能するのは、長く使う上では嬉しいですが、充電そのものが停止するのはいただけません。
第二世代の Pixel Stand には冷却機構が付いているのですが、1万円くらいとお高い。そこで、初代にヒートシンクをくっつけてみたら充電が止まること無く、朝起きたら 100% になっていました。

GALAXY Z Fold シリーズの方が高機能で高性能

折りたたみスマートフォンは中国でたくさんリリースされていますが、日本で購入できるのは Pixel Fold と GALAXY Z Fold シリーズの二機種です。
両者を比較すると、価格はほぼ同じですが、性能、機能、拡張性の面では圧倒的に Z Fold 5 の方が上です。SoC としても Z Fold 4 の方が優秀なので、今から Z Fold 4 を購入するのもアリです。ただし、在庫があれば。

GALAXY Z Fold は 3 からスタイラスペンに対応しています。ペンが必須だと Pixel Fold は候補にならないでしょう。Z Fold 5 ではペンがコンパクトになり、専用のケースの使い勝手も良さそうです。

Z Fold シリーズは5世代目になるのもあり、折りたたみスマートフォンとして熟れています。先ず、メインディスプレイで最適化されたアプリが多いです。ただし、一部は横に広がったり、全く表示できないアプリもあります。
分割画面表示も利用しやすいです。エッジパネルオプションや下部のポップアップからアプリを切り替えたり、分割表示したアプリを保存できたりと、二画面分割のために様々なオプションが用意されています。

拡張性も高く、USB-C での外部モニターへの出力や、DeX モード PC のように操作できたり、スマートフォン連携で Windows 上で Android アプリを利用できたりします。Pixel Fold だと Chromecast くらいしかありません。

使い勝手のよい GALAXY の DeX モードですが、日本語変換が滅茶苦茶使いづらいのが残念。画面下に変換候補が表示されるため、長文を書く気になれません。

性能をとるか画面比をとるか

Z Fold シリーズの方が高性能、高機能ですが、それでも私が Pixel Fold を選んだ理由は画面比です。
Z Fold シリーズは開くと縦長、対して Pixel Fold は横長です。

Fold シリーズのサブディスプレイは縦に細長く、X などの SNS を利用するには便利ですが、ブラウザだと画像が小さくなり見づらいです。動画は小さすぎて見る気になりません。
この細さのせいでフレックスモードの使い勝手もイマイチです。片面のサイズが小さく保護フィルムも剥がれてくるのも相まって、使う気になれませんでした。

Pixel Fold だとサブディスプレイに幅があります。X など SNS では分が悪いですが、 Pixel Fold なはサブディスプレイサブディスプレイを通常のスマートフォンのように使えます。また、Z Fold シリーズのサブディスプレイは文字入力するにがかなり窮屈です。フリック入力は問題ありませんが、QWERTY キーボードは打ち間違えやすい。

Pixel Fold だと開けば横長で、マンガが見開きで表示され、Google 製のアプリであればそれに対応したレイアウトになります。
Z Fold も開いて横向きに回転させれば、マンガの見開き表示やタブレットモードでアプリを開けます。しかしながら、開いて回転と二手かかるのが個人的には億劫でした。マンガの綴じ方向と開く方向が直交するのも気に入りません。これは二分割表示の場合も同じ。
Pixel Fold ならやや開いた状態で利用でき、本のようにマンガを見開き表示できますし、二分割表示だと左サイドと右サイドに使い分けができます。Pixel Fold が180度に開きにくくはありますが、個人的には少しだけ角度をつけて使うケースが多いため、そこまで気になりません。

GALAXY Z Fold 2 と Pixel Fold を使った感想としては、Z Fold は開くと大きな画面のスマートフォンで、Pixel Fold は閉じるとスマートフォン、開くと小さなタブレットと評します。
私は、マンガ中心なので Pixel Fold の方が使い勝手がよいです。原神などをプレイしないので SoC の性能も必要ありません。S Pen の書き心地は好きですが、電子ノート端末はスマートフォンとは別に用意したいので Boox Nova Air を使っています。

スピーカーの位置が残念

画面比としては Pixel Fold が気に入っているのですが、スピーカーの位置は残念です。
サブディスプレイを横画面で見るとスピーカーが左右に配置されますが、開くと左上と右下となります。Z Fold の場合はサブディスプレイ、メインディスプレイ共に横画面ならスピーカーが左右となります。ただ、開いて縦画面だと上下になりますが。スピーカーに関しては、Z Fold 5 も中国メーカーの折りたたみ端末のように画面内クアッドスピーカーくらいを搭載して欲しい所。

お金のお話し

GALAXY Z Fold 5 の価格が発表されたので、Pixel Fold と比較してみます。
また、私が Pixel Fold を購入した際に得たストアクレジットの現金化についても語っておきます。

GALAXY Z Fold 5 と価格を比較

GALAXY Z Fold 5 の価格が8月22日に発表されました。発売日は9月1日ともうすぐです。
お値段は過去の Z Fold からほぼ据え置きの約25万円です。au だと Pixel Fold の方が高いです。
また、docomo は 512GB、au はそれと共に 1TB のモデルがオンライン限定で発売されます。大体27万円くらいなんで、価格差を考えると 512GB は割とお得では?
残念ながら SIM フリーモデルは発表されませんでしたが、もしかしたら S23 Ultra のように後日に GALAXY のオンラインストアで購入できるようになるかも?

docomo au Google
Pixel Fold 252,890円 286,080円 253,000円
Galaxy Z Fold 5 (256GB) 257,400円 242,600円
Galaxy Z Fold 5 (512GB) 272,030円 269,300円

SoftBank は Z Fold 5 がないので省いています。

性能や機能に拡張性などを考えると、GALAXY Z Fold 5 の方がお買い得でしょう。
個人的にはキャリアに紐付けされないで購入したいので、グーグルストアで購入できる Pixel Fold を選ぶ理由になります。

Z Fold 5 がお値段据え置きの25万円と頑張ってはいますが、キャンペーンが大盤振る舞いではなくなっています。
今回は、Galaxy Buds2 がおまけで貰えますが、これは Flip 4 の特典でした。Z Flod 4 だと GALAXY Watch4 だったのでグレードダウンしてます。一応、docomoau も5,000ポイント貰えますが、Z Fold 4 だと au Pay に50,000円分チャージされたので大盤振る舞い過ぎました。
ただし、au 版だと予約特典として 512GB を 256GB の、1TB を 512GB の価格で購入できるキャンペーンをやっているのでおトクかも。

Z Fold 3 では、カバーとペンに GALAXY Bud Pro が貰えました。ペンは人気すぎて、入荷待ちだったようです。
ちなみに、Z Fold 2 では3万円のキャッシュバックと現ナマを配っており、生々しい。

ストアクレジットの現金化と下取り

グーグルストアで予約購入したので、52,000円分のストアクレジットをゲットしたものの、正直言って持てあまします。
Pixel Tablet に使うのがちょうどよいのでしょうが、Pixel Fold をタブレットのように使っているので必要性を感じない。
Pixel Watch 2 の発売を待つ手もありますが、こちらもスマートウォッチとして wena3 に好きな腕時計を付け替えて使っているので、やはり必要が無い。

どうやって現金化しようと悩んでいたら、グーグルストアのキャンペーンで Pixel 7 が 25% 引きで61,875円となっていたので、これをストアクレジットで購入しメルカリでさばきました。
Pixel 3XL を下取りに出したら大体48,000円くらい回収できました。新たにストアクレジットが2,500円分付き、クレジットカードのポイントもあるので換金率としては悪くなさそう。ザックリ20万円くらいで入手できた計算になります。

GALAXY Z Fold 2 の使い道も特になく、バッテリーを搭載した機器を長く保有するのも不安なのでなので売却することに。
グーグルストアの下取りは、たったの17,000円です。イオシスの買取だと最低でも50,000円程度。しかしながら、保護フィルムの剥がれにより難あり査定で7,000円でした。先にも述べましたが、通常の使用で保護フィルムが剥がれてくるため、ほぼ難あり査定になるのでは?Z Fold 3 以降なら GALAXY Harajuku で無料にて保護フィルムを張り替えてくれるのですが、2 は対象外です。GALAXY Harajuku で購入したのに!
困ったときはメルカリですね。50,000円で売れたので送料込みで44,000円くらいで処分できました。
結果的に、持ち出しは16万円くらいになりました。

待ちに待った Pixel Fold なんですよ

折りたたみスマートフォンとして、GALAXY Z Fold 2 を2年半ほど使用して、Pixel Fold へと機種変更しました。

Z Fold 2 自体に大きな不満は無かったのですが、画面比と開く方向はずっと気にかかっていました。
2021年の年末に開くと横長になる OPPO Find N が発表されましたが、残念ながら日本では発売されませんでした。同年くらいから、Google が折りたたみスマートフォンを開発しているとの噂があったので、2023年でようやくと言ったところ。
待った甲斐があったのか、ずっと求めていた開くと横長になる折りたたみスマートフォンだったのは、本当に嬉しかった。また、個人的にキャリアと関わらない SIM フリー端末を購入できる Pixel の方がいろいろとありがたい。

これまた個人的な理由として、Z Fold 2 は Felica が非対応だったので、電子決済用に Jelly 2 と二台持ちでしたが、1台にまとめられたのも大きなメリットでした。
長年二台持ち運用でしたが、Pixel Fold なら一台で二台分の働きを賄える(ただし、バッテリー持ちを除く)。