Boox Nova Air を買いました

lastline.hatenablog.com

手書き端末として色々迷って Boox Nova Air を買いました。日本の代理店は BOOX Nova Air – SKT株式会社 でA4のペラ紙ですが SKT お手製の「クイックスタートガイド」が役に立ちました。

f:id:lastline:20211028141230j:plain

気に入ってます

ペンの書き味は文句なしに気に入っています。紙とまでは言いませんが、ツルツル過ぎないところが良いです。
ディスプレイは電子ペーパーらしい白さで、電子書籍も読みやすくマンガも綺麗に表示できます。
サイズ感は iPad mini や Kindle Fire HD8 くらいですが、235 g と軽いので取り回しやすい。iPad mini でマンガの見開きが読める人なら、本機でも満足できるでしょう。
軽い分だけバッテリーの容量は少ないのですが、スマートフォンのようにメインで使うわけではないので雑誌を読んだり手書きメモをするだけなら一日に20から30%程度の減少でした。使う頻度にもよりますが、4日から場合によっては1週間くらいは持ちそうです。

pc.watch.impress.co.jp

物理ボタンでページめくりができるカバーはよさそうだったのですが、装着すると 400 g になるため購入は見送りました。設定次第で、ゴーストを抑えつつページめくりできるので物理ボタンは必須ではないと感じています。Boox シリーズは息が長いだけあって、電子ペーパー向けにチューニングされています。アプリ毎にリフレッシュレートなどを変更できるのが心強い。

スピーカーとマイクがありますが、利使っていません。スピーカーはオーディオブック、マイクは音声の録音や音声入力などに利用できますが、その機能を利用するならスマートフォンを使います。

不満点は、やはりストレージが 32 GB しかないこと。アプリなどをインストールすると、実質的に自由に使える容量は 20 GB もありません。この手の電子ペーパー製の端末はどれも容量が少ないのがネックです。誤算だったPDFへの書き込みです。

誤算だった PDF への書き込み

PDF の書き込みはプリインストールされている Boox Note Reader でしか使えません。PDF を Boox Nova Air 本体に保存し、書き込みをしてそれを何らかの方法で共有しなければなりません。手間がかかりすぎます。

その理由は、スタイラスペンによる入力が、プリインストールされているアプリでしかまともに機能しないためです。OneNote などの手書きメモアプリでもスタイラスペンの入力は可能ではありますが、実用できないほどに遅延します。手書きメモに関しては、プリインストールされているノートアプリが優秀なので困ることはありませんが、 PDF への手書きメモを共有するのが面倒なのが残念。ストレージの容量さえあれば、そんなに気になることでもないのですが。

ペンの書き味

書き味としては、ダイソーなどでも売っている手書きメモパッドに近いと感じます。紙に比べると少しすべる感じですが、硬い感じも無く気に入ってます
はじめて触ったときはペン入力に少し遅延を感じましたが、すぐに慣れ気にならなくなりました。

Apple Pencil や Surface Pen の硬い面に書き付けている感じに慣れません。長年使っている Surface Pen では、ペン先を変えたり、あるいはフィルムを張り替えたり、はたまたペン自体を変えたこともありましたが、慣れませんでした。これは、ガラスディスプレイとタブレットの剛性の問題に思えます。その点で、Boox Nova Air は本体が薄いので、そのような「硬さ」を感じないのかも知れません。

Surface Pen 2 は、触覚フィードバックが搭載されているそうなので、どんなものか気になっています。GO にも対応して欲しい。あるいは、Neo を出し欲しいところ。

手書きメモアプリは使い勝手がいい

手書きメモアプリに関しては、ほぼ文句がないです。Dropbox などへの共有ができるので便利です。

f:id:lastline:20211028142726p:plain

レイヤーは5枚まで使え、別途テンプレートも利用できるので使い勝手がいいです。赤、緑、青でも書き込めますが、Boox Nova Air 上では区別できません。

f:id:lastline:20211028142829p:plain
手書き文字をまとめて認識でき、その精度が割といいので驚きます。カタカナとひらがなの認識は苦手のようですが・・・・・・。
オリジナルとリフロー認識があり、オリジナルなら文字の位置と大きさが反映され、リフローだと一列のテキストとして再配列されます。

カレンダーの隅に手書きスペースがあるので、私はそこを日記代わりに使っています。その日に保存した手書きメモのファイルも表示されるので、それを日記代わりにするのもありでしょう。

Kindle 以外の電子書籍アプリが使える

電子書籍閲覧としては Kindle と コミックDAYS の定期購読に利用しています。Kindle paperwhite では Kindle しか使えないので、それ以外の電子書籍アプリが使えるのが Boox Nova Air の利点。
電子ペーパーなので白が映えて文字はもちろんマンガなども綺麗に見えます。マンガの作画も電子化が進んでいるのでしょうが、雑誌として印刷物が出回っているせいか、まだまだ電子ペーパーに分があるように思います。
ただし、電子ペーパーはページの切り替えが苦手で前のページがゴーストとして残りがち。それも、Boox の設定から Regal モードにすると、ゴーストを抑えつつページ切り替えができます。

Tips など

Boox Nova Air には他の Boox シリーズのように電源ボタン以外は物理ボタンがありません。種々の操作はジェスチャーが便利ですが、反応が良くないことがあります。

Wi-Fi などの設定は、Android なので画面の上からスワイプすると呼び出せます。その他に、左下、中央下、右下からのスワイプもしくは、左端、右端のスワイプが利用できます。画面下は、デフォルトだと左下が「マルチタスク」、中央下が「ホーム」や右下が「戻る」になっています。私はを「左下」のマルチタスクは使うことがほぼないので「全画面リフレッシュ」に割り当てています。
画面サイドはボリュームやバックライトの調製ができますが、ページめくり時などに干渉するため使っていません。
f:id:lastline:20211028143109p:plain

Boox 特有の「ナビボール」でも、機能を実行できます。iOS における AssistiveTouch みたいな機能です。私は「スクリーンショット」や「画面方向の切り替え」、「マルチタスク」などに割り当てています。「ナビボール」をダブルタップすることでもホーム画面に戻れます。

f:id:lastline:20211028143125j:plain

手書き入力と電子書籍閲覧に特化した端末

Onyx Boox Nova Air Review: A Practically Perfect E Ink Tablet

Boox Nova Air は手書きノートと電書書籍と二つの用途に絞れば便利な端末です。
手書きノートなら、それ専用の端末を購入するのもありでょう。それに加えて電子書籍も PDF も読みたいなら、Boox Nova Air はありだと思います。Kindle だけを読むなら、paperwhite もありですが、6.8 インチと言わずに 8 インチくらいが欲しい。

一般的には iPad mini の方が汎用的で便利かと思います。ただ、個人的に GALAXY Z Fold 2 と用途が被るのと、あんまり雑には扱えないこと、そして Apple pencil の書き味が好きではないのが、iPad mini を手書き用端末として選択しなかった理由です。
ならば、Z Fold 3 かと問われると、手書き中に調べ物などを並列して行えるほどにはディスプレイが広くはないのがネック。メモ用には別端末があった方が使い勝手がよいかと思います。

良い点と悪い点

  • 良い点
    • スタイラスの書き心地がよい
    • 手書きメモアプリも使い勝手がよい
    • 電子ペーパーなので白の発色がきれい
    • Kindle 以外の電子書籍が利用できる
    • 軽いのにバッテリーのもちがよい
    • バックライトが付いているので暗所でも利用可能
  • 悪い点
    • 容量が 32 GB しかない。自由に利用できるのは 20 GB 弱
    • サードパーティー製のアプリではスタイラスはほぼ利用不可
    • 電子ペーパーなのでページめくりなどでちらつく
    • スクロールが必要なアプリは使い勝手が悪い
    • 手書きノート、電子書籍閲覧以外にはほぼ使えないのに4万円は割高