新世紀エヴァンゲリオンと新劇場版ヱヴァンゲリヲンの相違 再構築

ネタバレ全開につき注意
エヴァとヱヴァは別物のようだ にて新世紀エヴァンゲリオンと新劇場版ヱヴァンゲリヲンの相違を緊急でまとめたんだけど、再構成。
というか、早速 ヱヴァンゲリヲン 新劇場版:序 - Wikipedia がやたら詳しくなっててビックリ。2chスレまとめ系では 【2ch】ニュー速クオリティ:劇場版エヴァンゲリオンが面白すぎる件 が纏まっているか。

エヴァとヱヴァの相違点

以下に気になる相違点をまとめた。

  • 演出系
    • 砂浜と赤い波のカットでスタート(旧劇場版のアイキャッチ直後と酷似)
    • 最初から海水が赤い
    • 血まみれで倒壊したビル群の中に巨大な人型の白線
    • 初号機起動時に無人の初号機がシンジをかばうシーンをカット
    • 恒例の十字爆発の際の爆風周辺部に幾何学的なワイヤフレーム(ATフィールド?)が描画されている
    • 新旧のネルフマークが劇中に存在
    • 虹の演出が多い
    • 綾波が笑うところでゲンドウのカットインなし
  • 設定系
    • 時に、西暦2015年のテロップがないため現在の時点で西暦何年なのか不明
    • EVA搭乗者を○○チルドレンと呼称しない
    • 人類補完計画 第27次中間報告になっていた。(旧TVと映画は第17次中間報告)
    • キールらが補完委員会としてでなく、当初からゼーレとしてモノリスの姿で登場している。また、ゼーレの人数が7名になっている。
    • Eva専用改造陽電子砲Nerv仕様→大出力型第2次試作自走460mm陽電子
    • ミサトのペンペンの説明。シンジへ「新種のペンギン」から「鳥の仲間」と説明が異なる。 新種から絶滅種。南極でセカンドインパクトが起こったのでペンギンが減った?
  • 使徒に関して
    • 使徒のコアが消滅すると死体は血の海になって消滅(ATフィールド消失のため、形象崩壊を起こし、液状化
    • 使徒の数が減っている。第4使徒サキエル(旧第3使徒)で残り8体。全13使徒 (しかし第6使徒ラミエルを含めるのか不明のため13-14のどちらか)
    • 第5使徒(シャムシェル)も若干のデザイン変更
    • 第5使徒(シャムシェル)襲来に備えた訓練では、エヴァ自体でなく首周りのみを再現したシミュレーターが使用された。
    • 第6使徒(ラミエル)のは攻撃モードで正八面体以外に変形
  • ストーリー・キャラ付け
    • セントラルドグマ最深部にリリスサキエル風の仮面、ミサトがリリスと明言+セントラルドクマに入れるミサト)
    • ミサトさんが一尉から二佐に。権限が大きいのでヤシマ作戦関連で越権行為といわれない(TVアニメ版での権限が小さすぎただけかも)。
    • シンジの性格も微妙に変化。クラスメートからより孤立。TV版よりも自分で選択している。
    • ミサトも性格が変化。温かみが増している。その他、独白多し。父との関係も示唆すること多し。
    • リツコ、ゲンドウのシンジに対する扱いが酷に。 人間として接していないように感じる。
  • カヲルくんと月関連
    • カヲルが赤い血の帯が付いた月らしき星で棺の中から目覚める。(旧劇場版で巨大綾波の血が月に血の帯をつけた事との関係は?)
    • 地上から見た月に赤い血の帯は見えない(カヲルのいる月は別の宇宙の月?)。
    • カヲルのいる月にもリリス似の白い巨人(旧TV、劇場版でリリスが付けていたゼーレマーク付き仮面)
    • カヲルのいる月には明らかに人工の構造物(鉄骨、クレーン)がある。
    • カヲルが「また3番目か、変わらないね君も…。会える時が楽しみだよ、 碇シンジ君」とのセリフ。
    • カヲルのいる月には帯状に血が付着、ヤシマ作戦後見上げた月には血の帯なし(単に見えないだけ?)
  • 次回予告など
    • 中編:破では新キャラ登場、新エヴァ登場(量産型でない六号機まで建造)
    • 六号機とそのパイロットは月からやってくる。カヲルが六号機に乗る?
    • 参号機の侵食、四号機の消滅に変化無し

相違はまだまだあるんだけども個人的に気になったものだけピックアップ。全ての変更に意味があるのか、それとも監督の気まぐれなのか。そこが問題だ。

相違点による個人的疑問

初号機がシンジをかばうシーンのカット、及び暴走時の演出も気になるところ。時間の都合か、これまでのエヴァシリーズと違うのか。可能性としては、コアにユイの魂が入っていない。現状では量産型でないエヴァシリーズが6体作られる予定なので、初号機自体もこれまでのエヴァと異なる可能性が高い。さらに初号機の人類補完計画における役割も旧劇場版ほど重要ではない可能性も考えられる。そうなると、初号機のみがリリスのコピーであることすら怪しくなってくる。
リリスの仮面がサキエルと似てるのも気になる。そして、月面のアダムと思われる物体が旧作のリリスと同じ、ゼーレ的仮面をつけているのも気にかかる。カヲルがアダムと思われる物体の周りになる黒い棺おけから目覚めたので、これはアダムが使途を生み出していることを示唆しているのだろう。すると、リリスサキエルと似た仮面をつけている理由が分からない。リリスが最初の女性であるイブならばサキエルと似た仮面をつけていてもおかしくないのだがね。
エヴァシリーズ自体も「エヴァ」なのだからアダムから製作されているはず(ただし、零・初号機を除く)。使徒が13体いるから、エヴァシリーズも同じ数だけ建造するのか。実は、月にあるのはアダムではないのか、あるいは別の宇宙なのか。
さらに、アダムが月面にあるならセカンドインパクトが起きたのは何故?アダムのせいなのか、それともリリスのせいなのか。セカンドインパクト後に月に移送したのか。やっぱりアダムじゃないのか。

今後の使徒予想

使途の数も18から13になるようだ。ただし、TVアニメ版の18番目はリリンで、新劇場版では倒すべき使徒が〜と発言してるから、新劇場版は14体?それとも、補完=リリンを倒すことになるのか。
以下、新劇場版で

ただし、カヲル君は未確定。

というわけで、使途の登場可能性を考えてみる。
◎:ストーリーと深く関っているのでかなりの確率で登場するだろう
○:△よりも可能性は高いが、◎ほどストーリーと絡んでいない
△:今後のストーリー展開による。
×:先ず登場しないだろう

  • △ 旧第6使徒 ガギエル
    • アスカが倒した魚型の使徒。アスカ登場を飾るため可能性はある
  • △ 旧第7使徒 イスラフェル
    • シンジとアスカがユニゾンして倒した分裂型の使徒。シンキャラも登場するのでストーリーを消化できずカットの可能性が高いのでは?
  • × 旧第8使徒 サンダルフォン
    • マグマダイバーの孵化前の使徒。設定、アスカの独壇場などやっぱり消化できないのでカットだろう
  • × 旧第9使徒 マトリエル
    • 雑魚だから。
  • ○ 旧第10使徒 サハクイエル
    • 質量爆弾の使徒。シンジ、アスカ、レイとで受け止める。
  • △ 旧第11使徒 イロウル
    • コンピュータウィルスの使徒。MAGIの重要性とリツコのフラグによる。
  • ○ 旧第12使徒 レリエル
    • ディラックの海の使徒。シンジと係わり合い、及び暴走などのイベントがあるので登場の可能性は高い。個人的にラミエルの変更と同じくらい気になる。
  • ◎ 旧第13使徒 バルディエル
  • ◎ 旧第14使徒 ゼルエル
    • レイのN2爆弾突撃、初号機暴走のS2機関の取り込みに、最強の使徒とフラグ立ちまくり。これが登場しないのは色々問題ありだろう
  • ○ 旧第15使徒 アラエル
    • 衛星軌道上から精神攻撃。ロンギヌスの槍を失うきっかけに。今回は月にアダムっぽいのがいるので、その辺をどうするのか。あるいは、そことからめるのか。
  • ○ 旧第16使徒 アルミサエル
    • 光の輪。レイ自爆フラグ+人の頃に迫った使徒だけに。

というか、エヴァシリーズも一新されるので、使徒が一新される可能性もあるのだけど。
可能性的に高いのは、

あるいは、コミック版に倣うならディラクの海のレリエルは無しか。
今後の流れは

ガギエル or イスラフェルでシンジとアスカのフラグ立て。
サハクイエルでシンジ、レイ、アスカの協力。
レリエルラミエルばりの進化を遂げて欲しい<個人的に見たいだけ。
バルディエルで三号機の侵食+トウジ死亡<どうせなら鬱展開でシンジ崩壊フラグ
最強使徒ゼルエルでシンクロ率400%
アラエルロンギヌスの槍を失い、
アルミサエルで使徒が人の心に迫り、
ダブリスことカヲルくんで締める。

となるのが、再構成した場合だけど、次回は新展開も予想させるので、同じデザイン、同じ名前の使途ながら役割が違ったり、登場順番変えたりの可能性も。ただし、ループ世界で、裏死海文書の存在から、使途の役割に変更は無いのではないかなと思う。
第3使徒がカヲルくんでない場合は、彼が13番目に。すると、第3使徒はリリンことヒトか?リリンを13の使徒に内包できるのでこちらの方が適切やかもしれない。
まとめると以下の可能性

ガキエル、イスラフェルアラエルあたりはどれかが登場しない可能性が高いかも。

ところでラミエルの変形を形容するのに「液体金属」を用いる人が多いのですが、ちょっと違うと思う。「液体金属」ほど流動的ではなく、形状もはっきりとした周期性が感じられる。あの周期構造は、完全に「結晶」をモチーフにしていると思う。常体が正八面体の単結晶で、攻撃体が多結晶。

ループ世界の根拠

全てのカットに意味があると考えるか、意味のないものも混じっているとするかが問題だ。
今のところ、主流なのはループ世界。その根拠は劇中での以下の描写。

  • 砂浜と赤い波のカットでスタート(旧劇場版のアイキャッチ直後と酷似)
  • 時に、西暦2015年のテロップがないため現在の時点で西暦何年なのか不明
  • 最初から海水が赤い
  • サキエル戦前の既に巨大な何かを倒したかのような白線(旧作との関連性?)
  • 死海文書のスケジュールに沿うというのは前作と同じだが、今作にはそれに加えてレイとシンジを接近させるタイミング等、いろいろ細かく書かれている
  • カヲル 「わかっているよ。あちらの少年(=前作のシンジ?)が目覚め、概括(がいかつ)の段階(=まとめの段階?)に入ったんだろ? また三番目とはね 。変わらないな君は 。会える時が楽しみだよ 碇シンジ君。」
  • 月に巨大綾波の血の跡。旧劇場版では首から噴出した血が当たって一本赤い線が描かれる。それがそのまま登場
  • しかし、地上から見た月に赤い血の帯は見えない(カヲルのいる月は別の宇宙の月? or 見えないだけ)。
  • 所々に前作とのリンクを匂わせるシーン
  • 監督「エヴァは繰り返しの物語です」

ちなみに、TVアニメ版とのリンクは EMPTINESS - 2007-09-01 が詳しい。

ループ世界の解釈

エヴァの構造をループ化かあるいはパラレル化することで、TVアニメ版、旧劇場版、漫画版、さらにはゲーム版、ついでに学園版等をガンダムでのターンAの黒歴史化的に内包することが狙いか。特に、今回のヱヴァは時代設定が明示されていない。TVアニメ版の最終回の解釈にそうならば、旧劇場版、漫画版、ゲーム版等のパラレルワールドはシンジのありえた世界の一つの物語。パラレルワールドとして存在するが、正史(?)となったのは旧劇場版で、その後が新劇場版の世界。順番としては、TVアニメ版→旧劇場版(補完失敗)→原初へ→漫画版(補完失敗)→原初へ→新劇場版が妥当か。TVアニメ版と新劇場版の間にも、繰り返されたゲーム版とかも含まれるかもしれませんが。繰り返すたびに残るのが裏死海文書と。そして、繰り返すたびにどんどん詳しくなる。
ヱヴァで裏死海文書を書いたのが、エヴァのシンジあるいはアスカであるとする説。この場合、旧シンジ=アダム、旧レイ=イブ、旧アスカ=リリス(?)となるのか?
ところで、時代設定が明示されてないのはTV版の放映が1995年で、その10年後の2015年の物語だったから「新世紀」と冠していただけかもしれません。つまり、もう新世紀なのでそれを冠するのはおかしいと。

ただ、僕は今後の作品で「エヴァの構造がループである」と暗示する描写はあるだろうが、それが明示されることはないと予測する。ループ自体は以前から推測されていたことで、今回それを暗示させてみた。そして、見事視聴者はループであるという「解」にたどり着いた。おそらく、庵野はそんなことは百も承知であろう。そして、さらに僕のような考察も見すかされているかも。そもそも、ループじゃまんまマトリックスだし、庵野はそこも承知だろう。つまり、次回の「破」でこれらの予想全てが裏切られるんじゃないかな。今回の「破」がただの総集編と思わせといて、新展開だったように。