断捨離の意味が変わってきていようなので、言葉の変遷追跡人として記録しておこうと。
断捨離とは
断捨離とは、やましたひでこが提唱する、ものへの執着を捨てることを基本とした思想のこと。2010年の流行語にも選ばれました。ヨガなどを参考しているそうで、漢字にはそれぞれ意味があるそうです。
断=入ってくる要らない物を断つ
捨=家にずっとある要らない物を捨てる
離=物への執着から離れる
断捨離は思想であり、整理整頓は運用である - 最終防衛ライン3 にも書きましたが、断捨離は処世術など生き方の指針であって、整理整頓の方法論ではありません。
断捨離と最近ネットで見かけるミニマリストとほぼ同義でしょう。断捨離はやましたひでこが提唱する思想であり、また同氏が商標登録しているため、それらとは他の文脈で用いるためにミニマリストが使われ始めたのかなと。
断捨離妻
断捨離とはざっくりと、ものを捨てることを指すでしょう。しかし、2015年11月頃から、新たな意味が付加されているようです。以下に、その例を紹介しますが、断捨離=趣味のコレクションを勝手に捨てる、という意味に変わりつつあるようです。
- 夫の自転車を断捨離した : 生活・身近な話題 : 発言小町 : 大手小町 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
- 考古学者の嫁が断捨離を決行→超貴重な文化財も処分して嫁が高額の賠償金を払わされた話 - Togetterまとめ
- 「断捨離のために旦那のコレクションを勝手に捨てると、ヤバいことになる」というお話に震撼するTL - Togetterまとめ
夫のコレクションを勝手に捨てる妻と断捨離の関係は、夫の趣味のコレクションを断捨離する妻とメシマズ嫁の問題の根っこは同じ - 斗比主閲子の姑日記 にもまとめられています。
整頓術はいつの時代でも流行っていますが、断捨離は捨てることに特化している点が、一線を画くします。元々、コレクションを断りに勝手に捨てるのは、妻に限らず夫や親などに見られた行動です。断捨離が、その行動を後押ししている側面もあるでしょうし、された方としても断捨離を想起しやすいでしょう。
コレクションを勝手に捨てる問題は、コミュニケーション不足に起因しますが、家族であっても考え方や価値観が合わないことはあります。捨てる側、捨てられる方がお互いに考え方が違う故に発生する事象です。意思の疎通が不可能なレベルなこともあります。価値観=思想の違いを説明する言葉として「断捨離」がぴたっとはまった結果、断捨離=コレクションを勝手に捨てるという意味が生まれつつあるのかなと。
断捨離=断らずに捨てて離縁する
断捨離がコレクションを勝手に捨てることを意味しつつあります。それぞれ漢字の意味も、コレクションを勝手に捨てること、さらにそれより生じる結果までを想起させます。
断=断りもせず勝手に
捨=コレクションを捨てて
離=離縁する
個人的な話をすると、断捨離を整理整頓術であると思っている人がいるので、このまま意味が変わってくらた方が助かります。