一県一国立大学は必要です

ネタにしても酷い。ネタならネタを分かるように書いて欲しい。まぁ一石を投じたことを評価したいなとも思ったが、そんなことは当事者は百も承知という話。
ネタにマジレスというよりも、この案にマジ賛同している人がいるのがカチンと来たので。

2008年度の国立大学は86校で、運営交付金は約1.2兆円

2008年度現在で国立は86校、公立が90校、私立が589校の合計765校の大学があります。大学の総数が765校とは覚えやすいですね(アイマス的な意味で)。国公立が176校あり、凡そ3倍が私立になりますが、数だけを見た場合国立大学は民業圧迫しているといえるでしょうか。また、国立大学は統廃合により徐々に数を減らしている中で、私立大学は増えています。
2008年度の国立大学法人予算予定額において運営交付金が約1.2兆円。自己収入が約1兆円で内、授業料等が3500億円で、病院収入が6300億円。ちなみに、私立大学への助成金は約3300億円。運営交付金を変えずに国立大学の数を減らせば全体の質は上がるでしょう。しかし、「国も地方も財政赤字なんだから」という趣旨からすると、運営交付金を減らすために大学の数を減らせということでしょう。「一県一国立大学」系は全部廃止が廃校にするのか、中核大学の分校あるいはキャンパスにするのか分かりませんが、予算を減らす、また帯広畜産大学のキャンパスは残すと明記しているんので廃校の方でしょう。地方大学のを中核大学の分校にした場合、予算を大幅に減らせるのかという話。
そもそも、予算に関しては独立法人化に伴い減額されています。それ故に、大学の統廃合などが進んでいます。特に、看護専門学校は大学の看護科へと統合されています。大学になったことで、3年制から4年制に。また入試の難易度も上昇しました。
統廃合に関しては、まさに「お前がいうな」という話。勝手に進むでしょう。色んな案を考えてみるのはありですが、本案は暴論過ぎます。

「一県一国立大学」を廃止してはいけない

先ず絶対に賛同できないのは、「一県一国立大学」を廃止するという主張。国立大学の統廃合はいいことだと思う において本案を「88校を27校に整理するという。基本的には地理的要因を重視したもの。」と評しておられますが、お二人共に言えることですが、この方々の日本地図は一体どのようになっておられるのか。重箱の隅になりますが。国立大学の統廃合私案関東甲信越において、人口が多いから横国千葉大を残すと。千葉大がどこにあるのか知っておられるのでしょうか。また、これらの立地では関東の北である、群馬、栃木、茨城に住む人々が大学に通うのが一苦労です。
東海・北陸・近畿地区に至っては、名古屋大学以外廃止という暴論。北陸の各県の接続状況を全く分かっていない。これは、他の地域にも言えることです。
「一県一国立大学」を廃止した場合、地方にはろくな大学が残りません。「一県一国立大学」を廃止して、私立大学に通えば良いとは言えないのです。テーマ別情報│日本の大学 によると都市部に私立大学が集中し、地方は二桁いかない。島根県に至っては私立大学は無い。私の故郷である長崎は私立が6校ありますが、内2校は女子校です。しかも、県内に大学があっても地理的要因により自宅から通学できない人もいます。
確かに「一県一国立大学」は、学歴などを考えるに必ずしも教育の機会均等とは言えませんが、それを廃止すればその格差はますます広がるのです。奨学金を貰えばいいではないかと言うでしょうが、それも借金です。貰わないに越したことは無いのです。

また、「一県一国立大学」には大学病院が付属しています。つまり、「一県一国立大学」の廃止はそのまま医療崩壊にもつながりますね。「一県一国立大学」の廃止はあまりにも地方を無視した考えです。そもそもですね、教育に関するお金を減らすという考えが浅はか過ぎます。教育とは未来の投資。教育費を減らすということは、未来の資産を捨てるということ。少子化だからこそ、教育にお金をかけないでどうするんですか。