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旧スクウェアのライブ・ア・ライブという野心的かつ奇跡的な名作

最近だと「ライブ・ア・ライブ」といえばアニメ版涼宮ハルヒの憂鬱第12話を思い出す人も多いかもしれませんが、私の中ではライブ・ア・ライブといえば。旧スクウェアが世に放ったRPGなのです。FF6の発売直後であったことやクロノトリガーに注目が集まりますが、ライブ・ア・ライブも大したもんです。自アン(ミケアンかも)では、ライブ・ア・ライブが時々話題になってますが、みんなもっと、旧スクウェアライブ・ア・ライブの良さを知るべきなんだ。
12年前の作品なので、以下ネタバレ要素があります。また無駄に長いので、長文嫌いや未プレイな方はまとめだけでも読んでいただけると幸いです。
ライブ・ア・ライブとはなんぞや、という方はライブ・ア・ライブ - Wikipediaを参考に。

実験的だが奇跡的といっても良い名作

ライブ・ア・ライブが如何にに素晴らしいかは、異端として生きる類型 「ライブ・ア・ライブ」の物語機能的再考にその全てが語られていますが、自分も語りたいので語る。

7人の漫画家がデザインしたキャラクターによる7つのオムニバス

本当は7つクリアしたら8つ目、9つ目があるのだが、ゲーム開始時は7つ。ライブ・ア・ライブといえば、小学館の漫画家がデザインした7人の主人公が一つの売り文句である。その7人の主人公ごとに7つのオムのバス形式のRPGである。この7つのシナリオは戦闘システムこそ同じだが、それぞれ異色のゲーム性をもっている。

  1. 会話の無い原始編
  2. 育成ゲーム的な功夫
  3. 罠を仕掛けることが目的の西部編
  4. ある意味メタルギア的スニーキング、あるいは2次元天誅が楽しめる幕末編
  5. 格闘ゲーム的な現代編
  6. テレパシーで相手の心読んだり、無駄に熱い展開の近未来編
  7. RPGなのにクリアには全く戦闘の必要ないSF編

と非常に多彩な世界観とゲーム性である。通常ならば混沌を極める筈だが、キャラクターデザインが別々であると言うことが逆にそのバラバラの世界観を一つの作品にまとめたとも言える。
そして、それぞれのシナリオを一つにつなぎとめているのは、それぞれのラスボスの名前が「オディオ」のもじりである点。プレイヤーは各シナリオをクリアしていくたびに、ラスボスの共通項を見つけていくのだが、それは7つ全てのシナリオをクリアした後に現れる中世編で明かされることになる。

二度と使えないが衝撃的カラクリを有す中世編

ライブ・ア・ライブの本当の面白さは中世編のストーリーにこそありだと思います。これほどまでに裏切られるシナリオは先ず無いし、裏切られながらも納得できるゲームなど他に類を見ない。
中世編は従来の古き良き剣と魔法的RPGと言った感じでストーリーが進行する。主人公オルステッドお約束のように王女アリシアが魔王に連れ去られ、ライバルとともにかつての勇者やそのお供を仲間にして魔王に挑むのは如何にも正統派RPGである。
私はてっきり主人公の挑む魔王こそがオディオであり、主人公は一度目の戦闘では倒せず敗走、その後色々な世界にもオディオの魔の手が伸びていることを知り、それらを倒した各世界の勇者たちを探し出し、共にオディオを倒すのだと思っていたら、それを遥かに超えるストーリーだったので度肝を抜かれました。まさか、主人公がその後、王国から見放され、ライバルにも貶められ、王女アリシアにも裏切られ、「勇者が魔王オディオと化す」とは思いもよりませんでしたよ。まさに、既成概念を打ち砕くシナリオはゲーム界の叙述トリックやぁ(彦麻呂風)。
ちなみに、王女アリシアスクウェア3大悪女の一人。
そして、最終章へと突入する。最終章へはこれまでのシナリオのキャラクターを主人公として選択できる。当然のように、中世編のオルステッドも選択可能だが、この場合はオルステッドが他の7人のキャラクターのラスボスになって襲い掛かるという、これまたRPGの既成概念を打ち破るシステムである。これまでに、ラスボスを操作できるゲームがあっただろうか。しかし、その先に待つのはオルステッドのみしか存在しない世界。まさに、SAD ENDである。

ライブ・ア・ライブの子供たち

今から思うと、ライブ・ア・ライブはPSで発売されたサガ・フロンティアのプロトタイプと言える作品だ。サガ・フロンティアのそれぞれの主人公のシナリオが世界こそは同じだが別々のオムニバス形式である点は、旧来のロマンシング・サガとは異なる点であるし、なによりもサガ・フロンティアのレッド編の無駄な熱さはライブ・ア・ライブの近未来編に通じるところがある。
また、格闘ゲーム風の現代編は、格闘ゲームスクウェアなりの表現ともいえる。戦闘システムも、その後のFFやパラサイト・イブなどにも影響を与えている。
懐古廚と言われそうだけど、野心的、実験的作品があるのが旧スクウェア。FFも十分実験的だけども、それ以上にゲームとして何が出来るのかを追い求めていた旧スクウェアが好きでした。今はどちらかというと、映像に寄りすぎな感じなんですよね。

蛇足:エヴァは近未来編のパクリ?

ところで、ライブ・ア・ライブの良さを再認識して欲しいと言う衝動は、GO!GO!ブリキ大王!を読んだから。三溝氏もおっしゃるように、エヴァ(1996年)の第26話「まごころを、君に」(1997年)は、ライブ・ア・ライブ(1994年)の近未来編のパクリだと2ちゃんねるなどでも実しやかに語られている。まぁ、実際に比較してみると以下

  1. 人間が液化する
    • 近未来編:科学の力で液化
    • エヴァ:アンチATフィールドで心の壁が無くなると液化
  2. 液体人間は精神的な存在
    • 近未来編:物理的な力と思考力が落ちる代わりに、精神的な力が強くなる
    • エヴァ:心の壁が無くなり解き放たれる
  3. 液体人間同士が混ざり合うで一つになれる
  4. 巨大ロボットを動かせる
    • 近未来編:精神パワーで陰呼大仏を
    • エヴァ:L.C.Lは生命の源でエヴァのコックピット内に

まぁ、良く似てはいるんですが、偶然の一致でしょう。これを語る人の多くは大体冗談交じりに話すことが多いですからね。そして、これを語る人の多くは、パクリ検証云々ではなく、ライブ・ア・ライブはそれほどまでに面白いのだよと言いたいのです。特に、この近未来編は島本和彦がキャラクターデザインなのでとにかく内容が熱いです。

まとめ

  • ライブ・ア・ライブの素晴らしい点
    1. 小学館の7名の漫画家によるキャラクターデザイン
    2. それぞれ独自のゲーム性と世界観を有する7つのシナリオ
    3. 別々の世界観をまとめているのが、キャラクターデザインが異なることと、8つ目のシナリオである中世編
    4. 中世編での既存のRPGの既成概念を打ち破るシナリオ
    5. その後のスクウェアに影響を与えた戦闘システム

とにかく、中世編のシナリオが神の域です。12年前の作品ですが現在でも十分に楽しめる。ただしSFCってのがネック。Wiiでプレイできると良いのだけど、小学館との版権がそれを妨げそうだ。よもや、面白さの一つがネックになろうとは・・・。
ところで、ハルヒ12話「ライブアライブ」伝説にあるように、ハルヒ12話も十分すばらしんですけどね。