エルデンリング周回用メモ

1週目でやっておくこと

  • エンディング以外のトロフィー(実績)を取得する
    • トロフィー(実績)に関わるボスは1週目に倒しておいた方が楽。
    • ただし、一部ボスなどはストーリー進行によっては戦えない。その場合は2週目以降に挑戦する。
    • 伝説の武器、タリスマン、魔術、祈祷も、ストーリー進行で入手不可になるものがある。
    • 伝説の武器を全て入手しても、トロフィーを取得できない不具合がある模様。その際は、伝説の武器を祝福で木箱につめるとトロフィーを取得できる。
  • 追憶からアイテムを得る
    • 追憶は全部で15個ある。
    • 追憶で交換できるアイテムは二種。
    • 霊廟で複製もできるが、霊廟は7カ所しかないため、必然的に周回が必要。
  • 石剣の鍵を集める
    • 1週目で石剣の鍵の部屋を全て開けるよりも、1週目で多めに取得しておき、2週目で開けた方が開け忘れを防止しやすい。
  • 魔術のスクロールと祈祷書を集める
    • 魔術のスクロールと祈祷所書は、リエーニエ地方にある「結びの教会」にいるミリエルに渡すのがおすすめ。場所を移動しないのと、ゲーム終盤まで購入可能。
    • スクロールは、魔術師セレンに渡してもゲーム終盤まで購入可能。
    • 祈祷書はコリンにも渡せるが、イベントを進行させると移動するので見つけるのが面倒。
    • 竜を倒して、竜餐教会で祈祷を得るのも忘れずに。竜の心臓は1週目で必要分を取得可能。
  • 製法書を集める
    • フィールドやダンジョンに落ちている製法書を忘れがち。
  • 各種アイテムを集めておく
    • 鍛石など購入できるアイテムを買い込んでおく
    • 有用な素材も集めておく

2週目に引き継げないもの

  • 祝福の開放状態。地図やロケーションは引き継がれる。
  • 鈴玉類は引き継げないので再取得が必要。
  • 割符などストーリーに関連するアイテム。
  • 黄金の種子と聖杯の雫は引き継げないが、聖杯瓶の強化は1週目で完了できる。

鍛石の鈴玉

鈴玉 地方 場所 鍛石
鍛石掘りの鈴玉【1】 リエーニエ レアルカリア結晶坑道 1, 2
鍛石掘りの鈴玉【2】 アルター高原 封印された坑道 3, 4
鍛石掘りの鈴玉【3】 巨人達の山嶺 ザミエルの廃墟 5, 6
鍛石掘りの鈴玉【4】 崩れゆくファルム・アズラ 神肌のふたり 7, 8
鈴玉 地方 場所 喪色の鍛石
喪色掘りの鈴玉【1】 ケイリッド サリアの結晶坑道 1, 2
喪色掘りの鈴玉【2】 アルター高原 アルター坑道 3, 4
喪色掘りの鈴玉【3】 巨人達の山嶺 第一マリカ教会付近の遺体 5, 6
喪色掘りの鈴玉【4】 崩れゆくファルム・アズラ 竜巻を臨む霞台付近の遺体 7
喪色掘りの鈴玉【5】 崩れゆくファルム・アズラ 大橋梁の脇の下にある遺体 8

古竜岩の鍛石と古竜岩の喪色鍛石

  • 古竜岩の鍛石
    • NPCイベント
      • セレンのイベントを進めジェーレンと協力(セレンと敵対)
      • ネフェリ・ルーのイベントを進める
      • ネフェリ・ルーのイベントを進めゴストークから購入
      • 獣の司祭に死の根を9つ渡す
    • 拾う
      • イエロアニスの坑道の遺体
      • 火の頂の安息教会の南東にある大きな頭蓋骨内の遺体
      • 聖別雪原の寄る辺の洞窟から東に向かい大土竜テオドリックスの出現した先の遺体
      • ミケラの聖樹の「聖樹街」から道なりに進んだ混種の戦士がいる場所
      • ミケラの聖樹の「聖樹の大舞台」付近のハシゴを下り、石造りの建物を登った先
      • 崩れゆくファルム・アズラにある「竜の聖堂、昇降機前」の昇降機を下りた先の遺体
    • 敵を倒す
      • 聖別雪原の夜の騎兵を倒す
      • 崩れゆくファルム・アズラで「崩れゆく獣墓」の先にいる竜を倒す
      • 崩れゆくファルム・アズラの「竜の聖堂、屋根上」の先にいる竜を倒す
  • 古竜岩の喪色鍛石
    • NPCイベント
      • ラティナのイベントを完走する(聖樹の秘割符(左)にラティナに会う)
      • ミリセントのイベントの最後で協力する
    • 拾う
      • ファルムアズラの「竜の聖堂、屋根上」の先にある東屋
      • モーグウィン王朝の「王朝廟中腹」付近の宝箱
      • ミケラの聖樹の「祈祷室」から右手側に下りた遺体
      • ミケラの聖樹の「祈祷室」から「エブレフェールの内壁」の間にある宝箱(上ルート)
      • 灰都ローデイルのガーゴイル近くの遺体
    • 敵を倒す
      • 聖別雪原で侵入してきたアナスタシアを倒す

すずらんの鈴玉

鈴玉 地方 場所 すずらん
すずらん摘みの鈴玉【1】 アルター高原 ウィンダムの地下墓 1, 2, 3
すずらん摘みの鈴玉【2】 巨人たちの山嶺 巨人山嶺の地下墓 4, 5, 6
すずらん摘みの鈴玉【3】 崩れゆくファルム・アズラ 竜巻を望む霞台 7, 8, 9
鈴玉 地方 場所 すずらん
霊姿摘みの鈴玉【1】 シーフラ河 永遠の都、ノクローン 1, 2, 3
霊姿摘みの鈴玉【2】 エインセル 永遠の都、ノクステラ 4, 5, 6
霊姿摘みの鈴玉【3】 ミケラの聖樹 ミケラの聖樹最下層 7, 8, 9

遺灰は数が限られているので、1週目で遺灰を全部集めて、+9 まで強化したほうが効率はよいと思う。

すずらんの大輪と霊姿すずらんの大輪

  • すずらんの大輪
    • 巨人戦争の英雄墓
    • 聖別雪原の地下墓のボス
    • 聖樹の支えの「排水路」の先にある腐敗沼
    • 崩れゆくファルム・アズラの「崩れゆく獣墓」の奥
    • 崩れゆくファルム・アズラの「竜の聖堂」の先
  • 霊姿すずらんの大輪
    • モーグウィン王朝の「王朝廟中腹」近くのの洞窟内
    • エインセル河のノクステラの竜人兵を倒した先の宝箱
    • 永遠の都ノクローンの夜の神域にある宝箱
    • 永遠の都ノクステラの宝箱(鉄球に閉じ込められる部屋)

割符

  • デクタスの割符(左)
    • リムグレイブ地方のハイト砦
  • デクタスの割符(右)
    • ケイリッド地方のファロス砦
  • 聖樹の秘割符(右)
    • リエーニエ地方、しろがね村にいるアルバス老
  • 聖樹の秘割符(左)
    • 巨人たちの山嶺のソールの城砦

取り忘れ OR 二者択一のタリスマン

  • 魔力の蠍
    • セルブスのイベントを、ラニイベントを終える前に完了させる。
  • 戦士の壺の破片(アレキサンダーの破片と択一)
    • アレキサンダーを殺害する
    • リムグレイブの聖人橋から南の崖上が最初
    • ケイリッドのゲール坑道のボス近く
    • リエーニエのカーリア書院の南の高台
  • ミリセントの義手(入手済み)(腐敗翼剣の徽章と択一)
    • ミリセントと敵対する
    • 恐らく、戦乙女の義手を渡して旅立って以降に殺害することでも入手可能

王都ローデルのアイテム

灰都になるとアイテムを入手できなくなる。
特に、伝説の武器である「グランサクスの雷」を取り逃すと、トロフィー(実績)を解除できなくなる。
忌み捨ての地下は灰都後も攻略可能。

  • 黒弓
    • 大通り脇の露台から降りた屋根の上
  • 秘文字の剣
    • 王都西城壁から行ける円卓の中
  • 黄金樹の弓
    • 黄金樹の大聖堂のゴットフレイを倒した先
  • 黄金律原論
    • 黄金樹の大聖堂のゴットフレイを倒した先
  • 黄金樹の種子
    • 大通り脇の露台から降りた先の爛れた樹霊を倒す
    • 黄金樹の種子は多めに手に入るため、倒し忘れても問題なし
  • 戦灰「落雷」
    • 大通り脇の露台付近

時限性NPCイベント

「巨人たちの山嶺」の祝福に触れる、巨人の火の釜でイベントを進行させ黄金樹を焼く、などがフラグになっている模様。

ラニ関連
  • 半狼のブライヴ
    • イベントを全部みたいなら、ラニに会う前にリムグレイブ地方の霧の森の廃墟へ。
    • ラニのイベントを進行すれば、装備一式は入手できる。
  • セルブス
    • ラニのイベントを追える前に完了させないと傀儡や魔力の蠍を入手できなくなる
火山館関連

火山館は関連する NPC が多い。ライカードを倒す前に、進行させる必要のあるイベントが多い。
また、タニスとパッチのイベントには続きがあるようだが、現在の所は進行させる方法はなさそう。ゴストークのイベントの続きがアップデート後に追加されたことから、タニスも追加される可能性がある。
周回前にタニスを殺害し、装備を入手してもよい。
タニス以外のイベントは巨人たちの山嶺でユーノ・ホスローを倒す前までに完了しておく。

  • パッチ
    • リムグレイブの曇り川の洞窟
    • 戦闘になるがとどめを刺さないように。
  • ラーヤ
    • リエーニエの見晴らし島付近
    • 「火山館からの手紙」を優先させると、タニスから忘却の秘薬が貰えなくなる。
  • ディアロス
    • 黄金樹を焼く前にイベントを進行させる。
「巨人たちの山嶺」到達前
  • しろがねのラティナ
    • リエーニエ地方の湖脇の洞窟結晶の先。
    • 巨人たちの山嶺で聖樹の秘割符(左)を入手すると、しろがねのラティナが死亡。同名の遺灰は手に入るが、報酬である古竜岩の喪色鍛石を入手できない。
    • ちなみに、殺害すると蒼銀の防具一式を入手できる。聖別雪原に出現するしろがねの射手もドロップするが一式揃えるのは至難。
  • 血の指の狩人ユラ
    • リムグレイブの海を臨む古遺跡の近くに出現。
    • 巨人たちの山嶺到達に到達するとユラが死亡するため、イベントを追えなくなる。
    • ただし「長牙」は入手可能。侵入イベントも発生するため、アイテムの取り逃しなどはない。
円卓関連

崩れゆくファルム・アズラの到達前、つまり黄金樹を焼く前。
焼いた後だと、円卓からイベントを進行させるための NPC がいなくなるため。

  • 金仮面卿とコリン
    • 円卓が燃える前にコリンのイベントを開始しておかないと完了できなくなる。
    • 灰都ローデルになる前にイベントを進めないと完了できなくなる。
  • Dと死衾の乙女フィア
    • Dとフィアのイベントを進めるなら黄金樹を焼く前に開始しておかないと完了不可。
    • 焼く前に完了させた方がよい。
  • ネフェリルーと糞喰い
    • ネフェリルーのイベントも、黄金樹を焼く前に
    • セルブスの精薬をネフェリルーか糞喰いに飲ませると、セルブスからそれぞれの傀儡を入手できるようになる。両者のイベントを進めたい場合はギデオンに渡す。
ならず者

リエーニエ地方のエビ茹でのボロ家に出現。
ラーヤと糞喰いに関連する。
ゆでカニやを苗床の呪いを入手するなら殺さないこと。

イレーナとエドガー、灯を探すハイータ【追記(4/20):Ver. 1.04】

イレーナとエドガーのイベントは、リムグレイブの贄送りの大橋にいるイレーナに話しかけるとスタート。
ストーリーを進めすぎると、復讐者のボロ家にエドガーが現れない。黄金樹を焼く直前には出現することを確認。
必然的に灯を探すハイータのイベントを完了できなくなる。

4/19にリリースされたパッチ1.04のアップデート情報によると、復讐者のボロ家にエドガーが現れないのはバグだった模様。現在は修正済み。

湖のリエーニエの全てのボスを撃破していた場合に、「復讐者エドガー」、「指痕爛れのヴァイク」が侵入しなくなる不具合の修正

ジェーレンとセレン

ジェレーンと協力すると古竜岩の鍛石を入手できる。
セレンと協力するとジェーレンの装備一式、輝石のクリスを入手できる。

ちゃんと絵を見て!たわわの全面広告は「えっち」でしょ

natalie.mu

えっちでしょ

「月曜日のたわわ」による日経新聞の全面広告が物議を醸しています。個人的に気になったのは該当のイラストが「えっちではない」という主張。
確かに、一見すると「健全」なイラストにようですが、よくよく見ると「えっちなシチュエーション」に描かれています。このシチュエーションは「月曜日のたわわ」の「お約束」でもあり、本作を知らないと気がつくのが難しい「文脈」ではあります。しかし、知らなくても「健全ではない」と感じ取れるようになってもいます。

逆に「月曜日のたわわ」を知っていて、このシチュエーションに気がつかないのは、絵を全く見ていないと言わざるを得ません。

「月曜日のたわわ」とは

「月曜日のたわわ」は、比村奇石(@Strangestone)により、2015年2月から毎週月曜日に Twitter に公開されるイラストで、2016年10月と2021年9月にウェブアニメ化もなされています。また、2020年11月からヤングマガジンヤンマガ)で漫画版の連載がスタートし、今回の日経新聞における全面広告もヤンマガによるもので単行本の宣伝も兼ねています。

当初 @Strangestone のアカウントには「月曜朝の社畜諸兄にたわわをお届けします」と題されていました。ヤンマガも月曜日発売で、このコンセプトを引き継いでいるのでしょう。今回の広告でヤンマガ編集部も、その点を窺わせるコメントをしています。

4月4日は今年の新入社員が最初に迎える月曜日です。
不安を吹き飛ばし、元気になってもらうために全面広告を出しました。

-「月曜日のたわわ」全面広告が日本経済新聞に「不安を吹き飛ばし、元気になってもらうため」(コメントあり) - コミックナタリー

たわわはおっぱい

Twitter 版の「月曜日のたわわ」は胸の豊かな女性の描かれたイラストがアップロードされています。キャラクターも様々です。服こそ着ているものの、胸が強調されたえっちなイラストです。端的に言えば「おっぱい」を強調することでバズを狙ったイラストです。

ヤンマガ版も「おっぱい」が話の中心です。マンガにするにあたり、キャラクターが絞られています。
主に「アイちゃん」、「前髪ちゃん」、「後輩ちゃん」が登場します。それぞれに、シチュエーションがあり、「アイちゃん」は電車で通学する高校生で同じ車内で出会った「お兄さん」との関係性、「前髪ちゃん」も高校生ですが「先生」との関係性、「後輩ちゃん」は職場との先輩との関係性となっています。
今回の広告では「アイちゃん」で、無料公開されている一話に登場しています。
月曜日のたわわ - 第1話 アイちゃん① | ヤンマガWeb

アイちゃんとボタン

「アイちゃん」は胸が大きすぎてシャツのボタンがよく外れます。なぜか、お兄さんを好いており、なぜか、そのボタンをお兄さんにあげます。

この点を抑えた上で、もう一度広告のイラストを見てみましょう。

natalie.mu

「アイちゃん」が身体を左に向け、こちら側を見ています。左手で胸が隠れるように描かれていますが、よくよく見ると胸の大きさを隠し切れていません。そして、右手にボタンを持っています。これの意味するところは、左手はシャツのボタンが外れて押さえている、ということでしょう。
つまり、胸が隠れるように描いているのではなく、「アイちゃん」が胸を隠さざる得ないシチュエーションとして描いているわけです。
まさに「月曜日のたわわ」のお約束が描かれています。この点を考えると日経新聞への掲載意図は、ファン向けというか内輪向けと感じます。Twitter で知ってはいるけど、ヤンマガでの漫画版を知らない、単行本が出ているのを知らない人は多いでしょう。

モブな男の人達

「アイちゃん」の相手役である「お兄さん」は目が描かれていません。これは「前髪ちゃん」の思い人である「先生」や「後輩ちゃん」の「先輩」も同様。
マンガやアニメなどでは、周囲に存在するがストーリーに絡まない人物を細かく描かないことがあります。いわゆるモブですが「お兄さん」はモブでありません。
絵に限らず、主役の相手役なのにディティールが明確に描かれていません。この手法は、モブというよりもエロマンガエロゲーの主人公の描き方に近いと感じます。つまり、相手役はだれでもいいのです。むしろ、ディティールを描かないことで読者に近い存在として描かれています。

男性の顔が描かれないのは「月曜朝の社畜諸兄にたわわをお届けします」のコンセプトとしては一貫してます。服こそ着ていますが「月曜日のたわわ」は、「おっぱい」を愛でるためのイラストであり、マンガなのです。主役の相手役の男性のディティールなど必要ないのです。

合わせ技一本でヤンマガ編集部がダメダメ

個人的に、広告自体は「たわわ」のお約束を示しつつ、現状のギリギリを攻めたなという印象です。日経新聞の全面広告に関しては、作品のコンセプトからすると電車通勤する男性サラリーマンにしか目を向けていないのかな?と感じました。日経新聞としては、それでいいんですかね?と思いますが、まぁいいのでしょうね。

個人的に、編集部が「不安を吹き飛ばし、元気になってもらうために全面広告を出しました」とコメントしたのはダメだったと思います。「たわわ」の作品コンセプトからすると「広告を見た人におっぱいを見て元気になってもらいたいです」と言っているのに等しいと感じます。実際に仕上がったイラストも、前述したように隠しているようで攻めています。

ちなみに、YouTube にアップロードされているヤンマガ版の「月曜日のたわわ 15秒CM」は年齢制限が設けられています。


www.youtube.com

絵や作品をきちんと見た?

「月曜日のたわわ」の広告に使われたイラストは、一見すると「健全」ですが、よくよく見ると
作品の「お約束」を体現した「えっちなシチュエーション」が描かれています。
「月曜日のたわわ」を知らなければ気がつきにくい点ではありますが、逆に知っていれば「違和」に気づけるようにもなっています。その点で、内輪向けというかファン向けのイラストなのでしょう。
Twitter などで見かけたことはあるが、単行本が4巻まで出ているのを知らない人は多いので、そのような人達もターゲットだろうと思われます。

今回のイラストが広告として、ありかなしか、は意見の分かれるところだと思います。個人的には、ギリギリありではあるけども、作品のコンセプトおよびヤンマガ編集部のコメントからして、日経新聞の全面広告はダメだったと考えます。
また、このイラストを「健全である」とか「えっちではない」「性的ではない」との指摘は「絵をきちんと見ていない」と言わざる得ません。あるいは「作品を知らない」。少なくとも、絵の文脈で語るなら、絵をしっかりと見据え、作品のことを知って欲しいと思います。

権力者が毒殺を防ぐために銀食器を使ったのは本当か

貴族が銀食器を好んで使う理由として、毒殺を防ぐためと書かれた本やウェブサイトを見かけますが本当なのでしょうか?
少し調べてみると欧米ではメジャーな雑学ではないようです。どうやら中国か韓国の王朝にその由来がありそうでした。
韓国でステンレス製の箸や器が好まれる理由として、上流階級が銀食器を使ったからとも書かれているのですが、これも本当なのでしょうか?
韓国の上流階級が銀食器を好んで使ったとが、その理由が毒殺を防ぐためという、確からしいソースが見当たりません。

疑問に思って調べてみたら、銀とヒ素の関係、世界史における銀の流通、ヨーロッパにおける食器の歴史に、中国の宮廷料理、韓国における塩不足に、銅やステンレスを含む金属の歴史などなどなど、とんでもない沼にはまってしまいました。

ちなみに、今回調べた内容はほぼウェブからの情報なので、不確かな点も多いです。確証を得るには、様々文献を調べ、専門家の意見を頂きたいところですが、そこまでやると本か何かを出版できるのでは?という気が・・・・・・。

ヨーロッパではメジャーな雑学ではない

Wikipedia の「銀食器」や「カトラリー」の英語版を読んでも、権力者が毒殺を防ぐために銀食器を使ったとは書かれていません。多分、適当な出典がないのでしょう。
日本語版の「銀食器」には、毒殺避けのために銀食器が使われたとありますが、出典は薬学*1や化学*2に関する文献で、ヨーロッパの歴史や食器に関する文献でありません。恐らく、銀の性質を説明するコラムかなにかに、銀食器を使ったとでも書かれているのでしょう。

英語版には、ヨーロッパの上流階級において、豊かな有力者は銀食器を用い、そうでない場合はスズの合金で銀色のしろめを用いていたとはありますが、毒殺避けの記述はありません。銀が好まれたのは、その輝きもさることながら、酸化しにくいからでしょう。もしくは、魔除け的な意味合いもありそうです。

ヨーロッパにおいて、食事の際にナイフやフォークなどのカトラリーを用いるのがマナーとなったのも、16世紀以降だと考えられます。スプーンは古くから使われていましたが、フォークがヨーロッパの貴族で使われ始めたのが16世紀以降だと考えられているからです。カトラリーによるマナーが成立したのは、その後の17世紀や18世紀頃でしょう。

英語で銀食器が使われる理由を検索しても、「毒殺避け」はあまりヒットしません。Quora にある Is it true that the Chinese Emperor used silver chopsticks so that he could detect poison in his food, and what poison is that? - Quora という質問のように、中国の皇帝が毒殺を避けるために銀食器を使った雑学は知られているようです。

あるいは、The Right Chemistry: Arsenic, 'king of poisons' and 'poison of kings' | Montreal Gazette では Korean kingdom of Bakeje (百済)が銀の箸を使ったなどと書かれています。

どうやら、毒殺を避けるために銀を使う由来は、中国や韓国(朝鮮半島)にあるようです。

ヒ素は銀を黒くしない

なぜ、銀食器を使えば毒を避けられるのでしょうか。多くの本やウェブサイトでは「ヒ素が銀を黒くする」からと説明されますが、実はヒ素は銀を黒くしません。

ヒ素毒に不純物として含まれる「硫黄」が銀を黒くしているのです。つまり、銀が硫黄と結びつき硫化銀になるため、黒ずんでしまうのです。なぜ、ヒ素毒には硫黄が含まれるのでしょうか?

ヒ素は古くから毒物として用いられていきました。純粋なヒ素でも中毒になりますが、毒として用いられるのはヒ素酸化物が多いようです。その中でも、三酸化二ヒ素は毒性が高く、硫砒鉄鉱から簡単に得られます。江戸時代頃には殺鼠剤として使われたいたようです。硫砒鉄鉱はその名の通り、硫黄分を含みます。つまり、この硫黄分が銀を黒くするのです。現代の三酸化二ヒ素は純度が高く硫黄を含まないため、銀を黒くしません。

また、銀は硫黄で黒くなるため、卵の黄身でも黒くなります。

青酸カリは銀の黒ずみをとるが・・・・・・

銀と反応する毒物として青酸カリがあります。シアン化物である青酸カリはめっきに使われますが、硫化銀と反応として、水に溶ける化合物に変化します。つまり、青酸カリで銀の黒ずみを取り除けます。

ただし、上流階級において銀食器は光沢を保つために常に磨かれていたはずです。そのため、青酸カリによって銀の黒ずみが無くなる機会はないように思われます。
シアン化カリウム - Wikipedia

清王朝では毒見役が銀の箸を使った

清王朝では毒見役が銀の箸を使っていたようです。

宮廷で御宴が行われる場合,「尚覚禄」と呼ばれる官吏が,皇帝が箸をつける前に,全ての料理を銀製のお箸で安全無毒かどうか試す.

引用元:立命館学術成果リポジトリ

皇帝に供されている料理は、何人もの厳重な検査を経ているが、さらに「賞膳」といって太監にその一部を試食させ、毒物の有無を試みさせた。銀の箸や象牙の箸の使用も毒物を発見するためであった。

引用元:東京家政大学機関リポジトリ より

気になるのは、象牙の箸も使っていたとの記述。毒を見つけるためなら、手段を選ばないように感じます。
食事に盛られる毒はヒ素に限りません。青酸カリに、トリカブトなどのアルカロイド、毒きのこやフグ毒に、ヘビの毒などなど、色々な毒があります。銀は、硫黄を不純物として含むヒ素毒の黒ずむので毒を検知できますが、純粋なヒ素では変化しません。シアン化物に反応する可能性もありますが、それ以外の毒の前には無力です。
銀は毒を検知するひとつの指標にはなりえますが、万能ではありません。先に述べたように、銀は卵黄でも黒くなる可能性があります。

https://kknews.cc/history/3j263v3.html によると、毒見薬には毒の知識が求められたようです。死ぬ可能性があるため、必死にもなるでしょう。恐らく、硫黄により銀が黒くなること、そのため卵黄でもそれが起こることを知っていたのではないでしょうか。
清王朝西太后が毒見のために用いた銀は純度の高い鉱山のものが用いられたようです。しかも、使い捨てとも書かれており、権力と財力のなせる業です。

この一連の毒見のプロセスは、権力による毒殺への抑止力として働いてたようにも思われます。毒見という儀礼。銀の他に象牙が使われたのも、その理由のひとつでしょう。銀は毒を検知する可能性はありますが、それ以上に銀の威光や価値に意味のある儀礼。絶大な権力を有するからこそできる儀礼ですが、裏を返せばそれだけ敵が多かったということでもあります。

薬屋のひとりごと」も、このような背景を下地にしているのでしょう。この「薬屋のひとりごと」は漫画版が、月刊ビッグガンガン月刊サンデーGXと二誌でそれぞれ連載されている、変な作品です。ガンガン版の一巻を買って、サンデー版の二巻を買うなどの事故が発生します。
小説版の出版も、主婦の友社による「Ray Books」レーベルから「ヒーロー文庫」に移っているの、紆余曲折のある小説ですね。

清王朝が毒見のために銀食器を使っていたのは、間違いなさそうですが、清以前の王朝でも同様なことがなされていたのかは分かりませんでした。

中国における銀の流通

金、銀、銅は古代から世界中で貨幣として使われてきました。ただし、どれが広く流通するかは領土内に存在する鉱山によります。中国では日常的には銅貨が使われ、高額となる納税や貿易では紙幣や銀が使われていました。
交易で広く銀が使われたのは、銅よりも価値があるとされ総重量が減るからでしょう。世界的にも、銀は交易で広く流通していました。ドルの名前やドル記号$も銀に由来しています。

中国では古代から日常的に銅貨が使われていることもあり、権力者は銅不足に悩まされていました。銅山の確保が権力を盤石にするといっても過言ではありません。
宋の頃に紙幣が使われ始めます。特に南宋では銅貨の流通が減ったため、紙幣の発行が増加しました。銀は主に交易用に用いられていたようです。
元では国土が広くイスラムや西洋とも交流が盛んだったため、銀が広く流通しました。その結果、中国の銀がイスラム世界からヨーロッパへと渡ります。結果的にユーラシア大陸の各地で銀の過不足が発生しました。
明でも銀が普及していたようですが、その多くは日本からの輸入でした。石見銀山の銀が日本から輸出されたようです。明の後期から清にかけては、新世界から銀がもたらされます。16世紀以降は、スペインにより中南米産の銀が世界中に流通しました。恐らく、ヨーロッパの上流階級が銀の食器を使うようになったは、これ以降でしょう。
この点からしても、清が毒見のために銀の箸を使っていたのは間違いないでしょう。逆に、それ以前に銀が使われていたかは怪しいように思われます。

韓国はなぜステンレス製の箸を使うのか

西太后が自身の食事の際にも銀の箸を使っていたかは不明ですが、現在の中国では日本同様に竹製や木製の箸が使われています。しかし、韓国ではステンレス製の箸が好んで使われます。スプーンや器もステンレス製です。箸は中国の文化圏で使われ、ベトナムなどでも使われていますがステンレス製が好まれるのは韓国だけです。

器に関しては、韓国は中国や日本と同様に陶器が有名な国であり、輸出もしていました。しかし、なぜ陶器よりもステンレス製の器が人気なのでしょうか?
その理由として「上流階級が銀製の箸や食器を使ったから」とされる記事が散見されます。そして上流階級が銀製の箸を好んだ理由が、またしても「毒を発見するため」です。
これまでの調査から、朝鮮半島の王朝が毒見のために銀の箸を使った可能性は薄いと考えられます。また、同様に上流階級が銀の食器を使っていた可能性もなさそうです。

箸とスプーンの関係

箸の歴史は古く、殷の頃にも見つかっていますが、当初は食事用ではなく調理器具だったと考えられています。漢の頃には、熱い汁物を食べる際に箸が使われていたようですが、箸で具材を挟んで食べるようになったのは明の頃からと考えられています。
日本には5世紀頃に仏教共に百済から箸が伝来したとされ、平安時代頃には広く使われていたようです。割り箸が登場したのは江戸時代で、その頃には現代と同じように、具材を掴んだり、そばをたぐるのに使われていたのでしょう。

朝鮮半島には、日本以前に伝わっていました。古代においては青銅製の箸や匙が使われていたようです。中国でも南北朝までは青銅製が使われていましたが、次第に使われなくなりました。

朝鮮半島では青銅製の箸が好んで使われ、時代が下ると真鍮製の箸も使われるようになります。

https://namu.wiki/w/%EC%A0%93%EA%B0%80%EB%9D%BD において、朝鮮半島において箸が普及したのはいつ頃かが議論されています。その中にチゲなどの汁物はスプーンで食べるのが自然で、箸が庶民に普及したのは18世紀頃ではないかとの意見がありました。

特に面白いなと思った指摘は、スプーンは韓国語で「숟가락」で語源は「술 (酒)」と「가락(細長い棒状の者)」と韓国固有の言葉だが、「箸」は中国語由来であるという点。
韓国料理ではスプーンと箸がセットなので、スプーンが古くから使われてきたのは間違いないように思われます。

森林の荒廃

中国でも韓国同様にスプーンが使われます。それ故に、南北朝までは箸もスプーンと同じ素材の青銅製が好んで使われたのでしょう。しかし、中国の銅は重金属を多く含んだため使われなくなり、韓国はそうではなかったため引き続き青銅製の箸が使われたと 箸 - Wikipedia にはありますが、これは要検証。
朝鮮民主主義人民共和国の鉱業 - Wikipedia によると、朝鮮半島の北部は鉱物資源が豊かであるものの、李氏朝鮮の4代国王である世宗は鉱山の開発には積極的ではなかったそうです。この点から、朝鮮半島の上流階級が食事の際に銀製の食器を使ったとするのは疑問です。

森の話 朝鮮半島 などでは、李氏朝鮮時代から森林が荒廃したともあります。水田を広げるためだったとされますが、結果として様々な弊害があったようです。

そのひとつが塩不足です。朝鮮半島においては海水から塩を得るのが手っ取り早いでしょう。海水から塩を得る方法として、海水を煮詰める方法と、天日干しにする天日製塩法とがあります。前者は薪などの燃料が必要ですが、後者は必要ありません。しかし、天日製塩法では広い塩田が必要です。また、降雨量の多い地域にも向きません。両方の点で、天日製塩法は日本と朝鮮半島では不向きです。日本にも塩田があり、天日を利用して海水を蒸発させますが、最終的には煮詰めています。

朝鮮半島では森林の荒廃により薪が不足していたため、塩も不足していたようです。また、朝鮮半島で製塩が下火になった背景として、中国から塩が大量に流入していたことも上げられます。中国なら、天日製塩法により安価に塩を精製できるからです。

韓国のキムチに唐辛子が入っているのは、塩不足が背景にあったと考えられています。元々は塩漬けだったようですが、唐辛子にとって変わられました。唐辛子を用いれば味付けの塩も減らせます。
唐辛子は、秀吉の朝鮮出兵の頃に朝鮮半島へ伝わったとされます。唐辛子の原産は中南米で、大航海時代にヨーロッパから日本に伝わり、それが朝鮮半島や中国に伝わったと考えられています。「唐辛子」の「唐」は中国ではなく、「海外」という意味でしょう。

さて、ここからは私の推測ですが、森林が荒廃していたとすると、塩不足の他に陶器の製造や鋳金もままならなかったでしょう。実際、陶器は高級品が中心で大量生産はされていなかったようです。
世宗が鉱山の開発に消極的だったのは、中国などから鉱物を要求されるのを回避するためにとの説がありますが、燃料不足のため精製や加工がままならなかった可能性も考えられます。
朝鮮半島は冬の寒さが厳しく、薪は煮炊きとともに暖房に必須です。煮炊き用の釜戸と床暖房が合わさったオンドルが発展したのも冬の寒さのためでしょう。

戦後に普及したステンレス製

朝鮮半島では、森林荒廃による薪不足で、金属加工がままならなかったと考えると、青銅製や真鍮製のの箸や匙は高級品だったのでしょう。つまり、「朝鮮半島では上流階級が金属製の食器を使っていた」のはあり得そうです。ただ、銀製とは考えにくいです。

韓国でいつからステンレス製の食器が使われ始めたのかを調べていたら、韓国人がステンレス製の箸を使う理由とは?庶民の夢・毒殺防止。 | ゆかしき世界 に気になる記述がありました。韓国人である呉善花さんによる「ワサビの日本人と唐辛子の韓国人」からの引用で、韓国でステンレス製の食器が広まったのは1970年代以降とあるのです。
幸いにも、Kindle Unlimited で直ぐに読めました。以下に該当部分を引用します。

現在の韓国でステンレス製の食器が一般の間に使われるようになったのは、二十数年前からのことである。
それ以前、庶民は白色の磁器を、上流階層では銅製の食器を使用するのが普通だった。銅製の食器は磨くとキラキラと金のように輝いて、庶民にとっては憧れの的であった。
戦後、生活が豊かになるにしたがって、銅製の食器は庶民の手にも入るようになったが、銅器というのはすぐに錆びてしまうから、磨くのに手間がかかるのが玉にきずだった。
そこで、ステンレス製の食器が市場に出るようになると、磨かなくても常時キラキラ輝いているということで、アッという間に韓国全土に普及していったのである。

本書は、呉善花さんのコラムを再録したもので、引用部分は1994年に発表されています。つまり、「二十数年前」とは大体1970年頃と考えられます。また、ここでの「戦後」は日本語で書かれているため第二次世界大戦後(1945年)の可能性もありますが、朝鮮戦争後(1953年)と考えた方がいいのかもしれません。
戦後に庶民を銅製の食器を使うようになったが、それがステンレス製に置き換わったと考えるのは自然に思えます。恐らく、スプーンや箸がステンレス製になったのもその頃でしょう。
年代的にもステンレスが大量生産されるようになった時期と一致します。

ステンレスは1910年代に工業的に実用化され始め、1940年代までに様々な改良がなされて行きながら利用が拡大していきます。耐食性の高さから航空機や鉄道の車両、建造物などに利用され始めます。
1950年代以降は欧米では大量に生産できるようになります。日本では、1965年以降に生産量が急増しています。恐らく、韓国のステンレスも日本で製造されたものでしょう。
アルミニウムの箸もあるようですが、アルミニウムの生産量が増えるのはステンレスよりも少し後なため、最初に普及したのはステンレス製でしょう。また、アルミニウムは傷が付きやすく耐食性を高めるためにアルマイトにすると、キラキラした金属光沢が失われる点も、ステンレスに劣ります。

長い長いまとめ

銀はヒ素と反応し黒くなるため、毒の判別に使われたとよく言われるが、銀を黒くするのは、ヒ素ではなくヒ素毒に含まれる硫黄分。硫化銀が銀の黒ずみのもと。硫砒鉄鉱などから、三酸化二ヒ素などのヒ素毒を精製する際に、硫黄を取り除けなかったから。硫黄を含む卵黄でも銀は黒くなり得る。三酸化二ヒ素は16世紀頃には殺鼠剤として、庶民にも使われていた。
シアン化物である青酸カリは、銀の黒ずみである硫化銀を取り除く。つまり、銀は青酸カリの判別にも使えるが、有力者の銀は磨かれて金ぴかだっただろうから、青酸カリと反応する可能性は低いだろう。

毒殺を防ぐために銀の箸や食器を使っていたのは、清王朝。ただし、銀は硫黄分を含むヒ素毒にしか反応しない。銀は毒見における、ひとつの指針にすぎない。また、料理に毒を入れさせないための儀式的な意味合いも強かったと考えられる。
ヨーロッパの上流階級も銀食器を使ったが、毒見のためではない。ヨーロッパにおいて、スプーンは昔から使われていたが、フォークが使われだしたのは16世紀頃。ナイフとフォークのマナーが成立したのはそれ以降だと考えられる。

中国では、もっぱら銅銭や鉄銭が用いられ、銀は主に交易で用いられた。世界的にも、銀は古くから交易での取引で用いられた。銅より価値があり、金よりは稀少でなかったからだろう。
スペインが中南米を支配したことで、中南米産の銀が世界中に出回った。清王朝も銀を輸入している。ヨーロッパの上流階級で銀食器が使われ出したのも、同じ時期と思われる。

韓国でステンレス製の箸や食器が好んで使われるのは、上流階級が銀を使っていたのに憧れてという説がある。銀を好んで使ったのは毒見のためともあるが、朝鮮半島の王朝が銀を毒見のために使ったかは不明。可能性としては低いと考えられる。
朝鮮半島は鉱物資源が豊かであるものの、李氏朝鮮は鉱山開発に消極的であった。理由は不明だが、同時期に森林の荒廃が進んでいたようで、そのため塩が不足していた。海水から塩を得るには、煮詰めるための薪が不可欠なため。大規模な塩田が作れず、雨も多いことから、天日製塩法での製塩は困難。天日で塩の濃度を高めることはできるが、塩の結晶を得るには煮詰める必要があった。
塩不足のために、唐辛子が好んで使われたとされる。唐辛子の辛さにより少ない塩でも味付けが可能。キムチのような保存食にも利用できる。
韓国では古くから青銅や真鍮製の箸やスプーンが使われていた。森林の荒廃により、鋳金もままならなかったと考えられるため、金属製の食器は上流階級のみが使っていたと推測される。
韓国で金属製の食器が人気なのは、上流階級が使っていたから、との説は恐らく正しい。ただし、銀ではなく銅製である。
事実、朝鮮戦争後に豊かになると韓国では庶民も銅製の食器を使うようになる。しかし、銅製は手入れが面倒であった。1950年から1960年代に欧米ではステンレスが大量に生産されていた。東アジアでは1965年頃から日本の生産量が急増した。その結果、1970年代頃に韓国の食器は手入れが面倒な銅製からステンレス製に置き換わっていった。

最後に短めに

毒見のために銀製の箸を使っていたのは清王朝。ヨーロッパの貴族が銀製のカトラリーを好んで使ったのは、毒見のためではない。
そもそも、ヒ素で銀は黒くならない。ヒ素毒に含まれた硫黄が銀を黒くする。
韓国でステンレス製の食器が使われるのは、朝鮮半島の王侯貴族が金属製の食器を使っていたことへの憧れ。ただし、主に使っていたのは銅であり銀ではない。ステンレス製が広まったのは日本でステンレスが生産されるようになった1970年代以降と考えられる。

恐らく、清王朝、特に西太后が毒殺を防ぐために銀の箸や器を使ったことのインパクトが強すぎて、それが他の事柄と結びついてしまったのでしょう。西洋で銀製のカトラリーが使われた理由に毒見説を上げるのも、日本語ではみかけますが、英語では一般的ではないようです。

*1:図解入門業界研究最新調剤薬局の動向とカラクリがよーくわかる本

*2:図解入門最新金属の基本がわかる事典

エルデンリングの UI で気になったところ

ソウルシリーズは全くプレイしておらず、SEKIRO が面白かったのでエルデンリングをプレイしてますが楽しいですね。

侍女剣士で目隠しは性癖とはな・・・

SEKIRO よろしく侍でプレイしています。固有防具名に「葦の」と付くので、これも「葦名のため」。キャラは壮年の女剣士で、目隠しは完全に自分の性癖です。しかし、2B みたいな装備は見つけられていません。

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ソウルシリーズよろしくゲームオーバーになるとオートセーブから何事もなく再開ではなく、ペナルティとしてルーン*1を全て失います。復活後に死んだ場所まで戻れば回収できますが、回収前に死ぬと完全に消失するので復活地点から遠いと回収できるまでドキドキします。

ペナルティとしてはそれだけなので、強敵と戦う前はルーンを消費したり、アイテムに換金したりするなり、あるいは諦めずに倒せば取り返せます。SEKIRO みたいにゲームオーバーを繰り返しても NPC が竜咳*2になったりはしないっぽい?

この先、ミニマップは必要無いぞ。しかし、説明さえあれば・・・

automaton-media.com

フィールドにおける UI はシンプルで情報が少ないです。視界が開けておりランドマークもよく見えるので探索面ではコンパスがあれば十分だと思います。ミニマップがあっても迷う人は迷うでしょう。

戦闘面では必要最低限ですが、HPバーなどに下に表示されるアイコンの意味がしばらく分かりませんでした。バフとデバフ(強化と弱体化)などの状態を示すのですが、特に説明はありません。知らぬ間に、HP 減少のデバフを常時喰らっていました。

『エルデンリング』の「左上のアイコン」は何を意味しているのか?戸惑う褪せ人たちへ - AUTOMATON

エストのジャーナルはありません、クエストの数は少なく、登場人物も限られています。そのため、ジャーナルがないと困るという程でもありません。ただ、クエスト名も表示されないため、つまった際に検索しにくいが厄介です。

メニューは膨大で、セーブポイントである「祝福」だけで可能なメニューもあります。しかし、その説明は十分ではありません。
アイテムも膨大ですが、取得時に詳細を確認することはできません。わざわざアイテム一覧から確認する必要があり、さらにアイテムの詳細表示形式も数パターンあります。ヒントとして商人から情報を購入できますが、その内容を読むだけでも手間がかかります。

フィールドの UI はシンプルでも探索時には困りませんが、アイコンやアイテムにメニュー回りの説明不足は単に不親切なだけに思えるので、改善して欲しいです。

フィールドをご照覧あれ、そして、この先地図が有効だ。

エルデンリングのフィールドは開けており、怪しそうなランドマークがそこかしこに配置されています。ストーリーの重要度が高いランドマークほど大きく遠くから見えるようになっています。
地図は比較的細かく描かれているので*3、探索のあたりもつけやすいです。高低差もありますが、行けそうで行けないもどかしさも探索の醍醐味でしょう。

探索の勘所があれば地図を見て、あるいはフィールド上で見える怪しい場所に赴けば、しばし何かが配置されているます*4。コンパスは常に表示されているので、ミニマップは無くても問題ないと感じます。方向を見失い易い人は、そもそもミニマップがあっても迷うでしょう。

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かなり早い段階で馬も入手できるので、探索がさらに捗ります。移動速度も速く、敵を振り切っての探索もできます。敵が多い場所は、一旦引いてから攻めるもよし。無理矢理、馬で突入するのもよし。

ストーリーを進行させたいなら、「祝福」の指し示す方向に従えばいいですし、迷ってる間もルーンやアイテムに経験も蓄積されるので強くなっていきます。
ただ、ストーリーに関わらない「祝福」は見つけずらい場所にあるのが困りもの。「祝福」や宝箱やアイテムの場所などは、他のプレヤーの残したメッセージに助けられることもあります。メッセージは攻略のヒントにもなり、これを含めてのゲームバランスだろうとも感じます。

フィールドマップは細かいですが、ダンジョンや建物の地図はありません。ダンジョンの複雑さは謎解きの楽しみを含んでいるので、迷ってこそ、という気もします。ここでも、メッセージがヒントになり得ます。
城くらいに大きな建物になると探索は骨が折れます。屋根や壁をつたい、階段やハシゴを昇り、時には飛び降りて立体的に攻略する必要があります。そもそもが複雑なため、仮に城内の地図があっても迷うだろうと思います。

一時停止さえあれば・・・

エルデンリングでは地図を開いていても、ゲーム内の時間は停止しません。地図を開いていても敵が近づけば地図の画面から通常のゲーム画面に遷移します。つまり、敵が近づき危険が迫ったので、操作キャラが地図を閉じたのでしょう。

メニューも同様で、開いてもゲーム内の時間は停止せずに流れ続けます。敵に見つかっている状態で装備などを付け替えようものなら、ボコボコにされる危険があります。予め複数の武器やアイテムを装備しておけば、即座に持ち替えることはできますが、武器を沢山持つと動きが鈍くなります。その点で、持ち運べるアイテムの重量に制限がないのは助かります。装備重量とアイテム所有重量の両方あるのはストレスでしかないですし。

『エルデンリング』で“ゲームを無理やりポーズ(一時停止)”する試みに注目集まる。ちょっとした裏技扱い - AUTOMATON

一時停止できない理由は、ゲームの方向性としては理解はできるものの、現実世界では突然に宅配便が届いたり、電話がかかってきたりするので不便です。放置するにも YOU DEAD でルーンを全て失う危険があります。一応、メニューを開いてヘルプを開くと一時停止できる裏技があるものの即座に停止というわけにもいきません。

キャンセルとはな・・・、そして、この先、アイテム取得に注意しろ

一時停止できないのは仕方がないにしても、メニュー回りの操作系に慣れません。その代表的なのが、マップの開閉です。
多くのゲームではマップボタンを押すとマップが開き、もう一度押すと閉じるようになっています。エルデンリングでは、マップボタンでマップを開き、キャンセルボタンで閉じます。マップを開いている状態でマップボタンを押すと、ヘルプが出てきます。

恐らく、操作キャラがマップを見ていて、それを閉じた=キャンセルしたという動きを再現したのでしょう。メニューと同じ操作系で統一感はあるものの、マップを閉じるつもりで、閉じない事態がしばし発生します。

アイテム取得時も煩わしいです。
アイテムを取得すると、画面下部にアイテムの名前の他、見た目と種別を示すアイコンが表示されます。このクソデカなウィンドウ表示はユニークアイテムなら理解できるのですが、そこら辺に沢山落ちている「黄金のルーン」を入手する度にデカデカと表示されるのは邪魔でしかありません。しかも、わざわざ閉じる必要があります。

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ちなみに、アイテム取得時のウィンドウを閉じるのはアイテム取得ボタンと同じで、マップやメニューを閉じる操作系とは異なっています。アイテム取得のために連打していると、消してしまいます。
本作は、敵が多くても強行突破で落ちているアイテムを拾えます。そのような状況下でのアイテム取得にはリスクがあることを表現したかったのかも知れません。しかし、敵を殲滅し安全な状態でも、わざわざ表示を閉じる必要があるのは面倒くさくて適いません。

魔法はまだか・・・ただし、その資格は無い

アイテム取得時にわざわざウィンドウを開きデカデカと表示するのに、そこから詳細を確認することはできません。アイテム一覧から、取得したアイテムの名前、見た目、種別を頼りに探さなければなりません。手紙を読むにも一苦労です。しかも、アイテムの表示形式や方式も数パターンあるため、余計に大変です。
アイテム取得順にソートもできますが、ソート方法の説明もありません。

特定のアイテムを入手すると、「祝福」でのメニューが増加します。アイテム取得時に説明はありますが「祝福」に辿り着いても再度説明してくれる親切切開ではありません。アイテム取得から祝福に辿り着くまでタイムラグがあるため、忘れてしまうこともしばしばありました。

そのひとつが魔法の使い方です。魔法職ではないのもあって、しばらく魔法の使い方が分かりませんでした。ダンジョン内などで魔法を入手するのですが、どうすれば使えるようになるかが分かりません。「祝福」で魔法をセットするのと合わせて、杖が必要なことに気がつくので大分かかりました。

追憶を捧げよ

探索同様に、これらのメニューも試行錯誤するのがゲームの目指す方向性ではあるのでしょう。しかし、アイテム類は二度と手に入らないかも、というケチくさい恐れが試行錯誤を妨げてしまいました。割と長い間、武器のスキルは一度外すと無くなると思っていましたし、調合した霊薬も「祝福」で使用回数がリセットされるのに気が付きませんでした。

ただ、しばらくプレイしてみるとエルデンリングは多くの要素が取り返せるようにはなっています。操作キャラの見た目や能力値の振り直しもできます。NPC と敵対しても、贖罪することで関係を修復できます。ただ、ユニークな武具を売ったら二度と手に入りませんが。
個人的に後悔したのは、ボスを倒すと取得できる追憶を SEKIRO に則りルーンとして消費してしまったこと。追悼はユニーク装備やスキルなどのアイテムにも交換できると知ったのは随分後のことです。追悼は、特定の条件を満たせば復活できるものの、追憶から入手できるアイテムは2種類あります。つまり、一度ルーンとして消費してしまうと、片方しか入手できなくなります。

試行錯誤を目指せ

エルデンリングは全体的に説明不足で、探索はそれがよい方向に向いていますが、システム回りは分かりにくく不便で仕方が無いです。
至れり尽くせりにしろとは思いませんが、バフやデバフを示すアイコンの説明が全くないのは不親切極まりないでしょう。
後、画面が美しいのにフォトモードがないのは残念です。

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*1:経験値けんお金

*2:NPCのイベントが進まなくなる

*3:ただし、地図と地形が異なる部分もある

*4:一部のダンジョンの入口にはヒントもある

Outer Wildsから解放された!

序にかえて

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ようやく解放された!

先ず始めに、ネタバレ無しの感想から。

てっけんさんが、Outer Wilds ゾンビになっていたので購入したものの、長い間積んでいた。何度かトライしたがモチベーションが続かずに詰んでいた。
Steam の購入履歴には 2020年10月とあり、直ぐに手を付けたはずなので、1年半越しのクリアとなった。ただ、ずっとプレイしていたわけでもないので、本格的に取り組んだ期間は2週間弱である。

攻略サイトなどを一切見ずに、ノーヒントでのクリアを目指したが、【攻略ガイド】難関の謎を手助けする『Outer Wilds』の解き方|岡田勘一[編集者・ライター]|note のような段階的なヒントくらいは見ておけばよかったかもしれない。ただ、本作は「探索→発見→推理→実行→解決」の繰り返しが主軸であるので、攻略情報を見る塩梅をコントロールするのも難しい。
私は、Outer Wilds について調べることをせず、Twitter でも率先してプレイしているとも述べず、一切の情報を遮断する方針にした。

エルデンリングの発売前

Horizon Zero Dawn をクリアしてから手を付けた MAFIA が思いのほか早く終わってしまった。エルデンリングの発売までに微妙な間があるので、それまでにクリアしてしまおうと2月になって思い立った。しかし、再開を軌道に乗せるまでもエネルギーが必要だった。
感覚を取り戻すのに時間を要したし、忘れていることも多く一度訪れた地点を何度も探索してしまった。

以前に挫折した原因は、ひとつの所に執着したからだった。オープンワールドをプレイするときには、特定の地域や地点を中心に広げていくのだが、本作はもっと自由な作品だ。もっと好き勝手に動き回ればよかったとも思う。再開して空に目を向けるようになってからは攻略がスムーズになり始めて、なんとかエルデンリングの発売前にクリアできた。

クリアした感想を率直に述べると、ようやく解放された!というのが正直な気持ち。本作の仕組みを考えると「解放された!」という感想は、とてもマッチしてると思う。
面白かったし、ゲームのデザイン、物語の構造などなど好きだし語り明かしたいところだけど、今のところ DLC をプレイするモチベーションはない。

以下は、徐々にネタバレの確度を上げながら、感想を述べていきたい。
先ずは、私の攻略記から。その後に、ストーリーについて軽く触れたい。

できることが限られている

本作は太陽系ならどこにでも行ける。オープンワールドとされるが、個人的には距離感が独特なので「箱庭太陽系」との表現がしっくりくる。ゲーム開始時に目的が明示されるわけでもない。強いて言えば、探索することが示唆されるのみので、本当に自由だ。一方で、主人公のできることは少ない。開かれた自由な世界で、主人公の制限されたアクションが、攻略の鍵になっているしヒントとしても機能している。

主人公自身はジャンプしかできない。ボタンを押したり、視線を元に謎の光る球を動かせたりと特定のオブジェクトに干渉できるが、特に能力があるけではない。手に持てるオブジェクトもあるが、ひとつしか持てず収拾することもできない。たき火の前ではマシュマロを焼いたり、うたた寝したりもできる。

宇宙服を着るとジェットパックで3次元的に移動できるようになるが、酸素や燃料には限りがあるし重力に強く支配される。その他に、探索機を射出する、シグナルスコープや翻訳機を装備する、ヘッドライトをオン・オフすることはできるが、なにかを採掘したり、倒したりだとか、新たな装備を獲得したり、なんてこともない。
探査艇は移動に特化されており、アームやらミサイルなど仰々しい装備はない。

Outer Wilds は世界の広がりと比べると、とれるアクションが限られいるが、そこに攻略の糸口がある。

記述と記録と記憶

本作は太陽が爆発するまでの22分間をループする。この手のループもので重要になるのは、ゲーム内での情報でありプレイヤーの記憶である。
主人公が発射コードを覚えているのが示唆的だ。最初は、一度で覚えるか?と思ったが、結局何度も入力するハメになるので、最終的には無意識で入力してるんじゃなかろうか。

幸いにも探査艇内の航海日誌はループしても記録が増えていくし、情報は的確だ。星系に散りばめられた Nomai 達の記述も役に立つ。中には、航海日誌に記録されないが、ヒントになる記述もある。知識を得てからは解釈も変わるため、原典に何度も当たるのは大切だ。

プレイヤーの記憶、航海日誌による記録、Nomai 達の記述。この中で、最も当てにならないのがプレイヤーの記憶である。Outer Wilds は、結果が発生した理由が分からない現象が頻発する。

突然のワープ

ワープなどがその典型だろう。偶発的にワープを経験するが、発生した理由や原理までは分からない。そのため、自発的にワープすることができない、この点は、プレイ内容を録画しておけばと感じた部分だ。
初めてのワープは、灰の双子星を探索していた時だった。ただ、その時は何が起こったのかまったく分からなかった。その後に、脆い空洞のブラックホールに何度も落ちることで、ようやくワープの仕組みを理解した。ワープは本作の肝であり「探索→発見→推理→実行→解決」のルーチンに最も時間がかかるプロセスのひとつであろう。

灰の双子星の仕組みは、ゲーム上よくできていると感心する。灰の双子星探索していると、徐々に現れる赤道付近の橋と塔に否が応でも注目させられる。橋を歩いていると、砂柱を避けるために塔に避難したり、木の炉辺に対応する塔で酸素を補給したりして、突然ワープすることがある。あるいは砂柱と塔が重なったら何かがおきるという期待から、塔に入る場合もあるだろう。
ただ、ワープの初体験は脆い空洞経由が多そうな気もする。

攻略の初期にワープを体験していたのだが、長く理屈が分からなかった。つまった原因は、太陽なき街に捕らわれすぎて、空にシグナルスコープを向けるのを辞めてしまったからだ。高エネルギー研究所には早々にたどり着いていたが、ブラックホールとホワイトホールのワープ実験までは起動できなかった。
太陽なき街に固執した結果、燃えさかる双子星に重力砲があることも気がつかず、湖底の洞窟の探索ももほったらかしにしていた。木の炉辺にある闇のイバラからの落下物にはシグナルスコープを向け、探索機も射出していたのだが、忘れてしまっていた。

太陽なき街が、星の内部に遺跡があることを示唆しているのに、脆い空洞の内部を探索する発想が出てこなかった。ただまぁ、脆い空洞を探索するとなるとなかなかに大変でもある。

クラゲとアンコウ

シグナルスコープを使い始めてから攻略がスムーズになった。ワープの仕組みを解明できたお陰で、太陽ステーションや灰の双子星への行き方も発見できた。
同じ頃に、闇のイバラの探索は船を残すのみとなったし、巨人の大海は中心部に到達するのみとなっていた。

しかし、アンコウとクラゲが立ちはだかった。できることが限られているので、試せることは少ない。けれども、正しい動きを実施できているという実感がないことが多い。
アンコウの回避方法は推測できても、具体策が分からなかった。入ってすぐに3匹たむろしているが、そこに入る前にも絶妙な位置にアンコウがいるし、上手く入らないと速度が出ない。3匹が密集しているので、いかにもぶつかりそうである。実際は、当たり判定が小さいのでアンコウにぶつかることはそうそうない。Nomai の墓から探索機を射出した際に、アンコウが探索機に反応してなさそうなのが、正解への道を阻んだ。ジェットパックよりも探索機を放出する方が音が大きいからだ。もちろん、目の前で射出するとアンコウに見つかるのだが。

巨人の大海は海流を突破しクラゲを見て、即座に中心部への到達するにはクラゲを使うことがわかった。事前の探索で情報を得ていたからだ。しかし、具体的な侵入方法が長らく分からなかった。ジェットパックの操作自体は、そこまで難しいとは感じなかった。せめて、クラゲと速度同調できるよにしてもよかったのでは?と思わなくもない。割と、小さなオブジェクトに対しても速度同調できるのに・・・・・・。

共に、考え方は間違っていなかったが、実行方法が間違っていたので詰まった事例だ。

量子の月に行ってない

アンコウとクラゲを突破してからは、消化試合であった。その後に量子の月を探索するのかと思ったら、クリアっぽい演出が流れてきた。
量子の月の航海日誌が埋まっていないので、埋まるのか確認するために検索したら、うっかり行き方を知ってしまった。ただ、これも考え方はあっているが、実行方法が間違っていた事例だった。

量子の月に関しては、制作者も難しいと考えたのか試練と称して学ぶ機会が多く、情報も多いのだが、大きな勘違いをしていた。それは、量子の月を捉え続けなければならないと思い込んでいたこと。そのため、捉え続けられる星系とタイミング、軌道を合わせるのが面倒で、量子の月への着陸を諦めていた。

実績解除

sunagi.hatenadiary.jp

いくつかの実績を検索しながら解除していった。「ビギナーズラック」以外は解除したと思う。
太陽ステーションへの着陸はいくつかのサイトや動画を参考にした。焦ってシートベルトをしたままダッシュボタンを押してしまい、太陽ステーションに激突、あるいはなす術もなく太陽に落下することも多々あった。

航海日誌を完成させるにあたり、無重力洞窟がまるっと埋まっていないのは我ながらびっくりした。初プレイ時にやったはずだが、その後にはじめからプレイし直したので訪れてすらいなかったのだろう。

ループからの解放

sunagi.hatenadiary.jp

主人公は偶然ながら、太陽が爆発するまでのループに囚われてしまっている。太陽の爆発と宇宙の終焉を止める術はないため、このループから解放されればクリアであろう。つまり、死亡したり、パラドクス、もしくは死なないが生きてもいない状態も、ループからの解放であるからエンディングとなり得る。

このループが、ゲームにおいてはコンテニューの理由付けになっているのはうまい仕組みだと感心する。私は、恐らく200弱はループしているはず。ただ、一部エンディングを迎えてセーブから再開する理由は少し弱い。作中における量子現象でこじつけることは可能だが。

ジェットパックの操作が独特であるが、速度同調を駆使すればそこまで難しいとは感じなかった。きちんと歩かないと、落ちたり、つっかかったりするのも意図してのものだろう。間違っても、最初からやり直せばいいのだが、これが割とストレスを感じる。ただ、これも意図してのものだろう。

「解放された!」という感想は、ある意味で主人公の気持ちともシンクロしているのではないかな?と思う。流石に、何度も死ぬ体験をしたくはないだろう。
それと同時に、プレイヤーをゾンビをする一因でもある。主人公と最もシンクロするのが、ゲームクリア時であるのに、本作では同じ体験が不可能だ。解放されたのに解放されないのは、まさにゾンビと表現するよりない。

宇宙の眼とはなんだろう

主人公の目的はループから抜け出すことになる。抜け出そうが抜け出すまいが、宇宙は終焉するため主人公は生きてはいないだろう。例のエンディングは宇宙の眼の謎を解明したかったが幽霊物質で死滅してしまったNomaiらの思いを主人公が成し遂げたというからこそ、トゥルーエンドたり得るのだろうか。

宇宙の眼とはなんなのだろうか。Nomaiらの分析によると、宇宙の誕生以前から存在しているらしい。本作では観察することが意味を持つ。恐らく、宇宙の眼が観察することで宇宙が成り立っているのであろう。宇宙の眼がなけれな、宇宙は存在する状態としない状態のどちらでもいいはずだ。
宇宙の眼が誰かに作られたのか、元から存在するのかは分からないない。エンディングで、宇宙の眼によって新たな宇宙が生まれたようだ。それには、宇宙の終焉時に知性のある観察者の意思が必要なのかもしれない。

主人公は宇宙の眼で仲間達に出会うが、彼らは恐らく主人公の記憶によるものだろう。あるいは、宇宙の眼が観察した姿かも知れない。ただ、量子の月と彼女(?)と出会っていないとあの場に登場しないし、彼女が言葉を発していることから、仕組みはどうあれ、主人公の記憶に基づくものであるだろう。

主人公の意思が介在したからこそ、宇宙の循環がなし得たと考えるのがゲームの終わりとしても相応しく思われる。Nomai 達や主人公達のような知的生命体には探究心がある。特に、Nomai 達が宇宙の眼に固執していた。知的生命体が宇宙の眼に辿り着くことが宇宙の循環に必須であるのは、宇宙の眼を作った知性体、あるいは宇宙の眼そのものの意図に思えてならない。

攻略することで、ゲームとしてSFとして成立する Outer Wilds はプレイヤーもまた宇宙の眼なのだろう。