一ヶ月かかって Essential Phone がやってきた

Essential Phone を購入したので、Essential Phone でレビューを書いた。
非常に気に入ってはいるが、半分くらいは Android P の良さに思える。

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Prime day 祭り!

Amazon.comで「Essential Phone PH-1」が$249.99(約2万8千円)にセール | 寝る子ブログ

Amazon.com のPrime day にて $250 で投げ売りされていたのを確保。送料とデポジット込みで $280 と、最新のローエンドモデルの価格で、昨年のハイエンドと同等のスペックで、最新の Android を使えるため非常にお得であった。その代わり、祭りに出遅れて在庫がなくなってから注文したため、到着まで一ヶ月くらいかかってしまったが。

その後、公式サイトで 360カメラが $10 で販売され始めたものの、送料が安くなかったため見送り。すると、Amazon.com でも送料も含めて $40 になっていたため注文したら、本体よりもガメラの方が届いてしまった。

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色は特に何も考えずに、Black Moon にしてしまった。評判は通り指紋が目立つが、ディスプレイを消すと真っ黒な板になるのが気に入っている。

価格も安く、待たされたのもあって満足度は高い。バッテリーの持ちなどはまだよく分からないが、恐らくゲームなどを頻繁に利用しなければ特に困らない程度は持つだろう。ただし、360カメラを使うとものすごい勢いで減っていくが。

Essential Phone とは

Simple is the best!

エッセンシャルフォン

Android 共同創業者のアンディー・ルーピンが開発した、世界で初めてノッチが搭載されたスマートフォンである。

ノッチは賛否両論があるものの、通知領域として利用するだけならスペースを有効活用でき、画面に表示できる情報量が増える。そのため、画面が大きく感じる。ディスプレイはQHDと微細である。漫画なども読もうと思えば、拡大せずとも読めるくらいだ。

Snapdragon835 を搭載し、RAM も 4 GB と2017年のハイエンドモデルと同等で、現在でも 十分に高いスペックである。AnTuTuベンチマークスコアとしては、18万程度が報告されている。
むしろ、25万台を叩き出す845のスペックが高過ぎである。

デザインは至ってシンプルで、ロゴなどは全くない。中身もほぼ素の Android とシンプル。セキュリティアップデートなども定期的に配信され、最新版の Android である P (9.0) を利用できる。現在のところ日本で唯一技適の通った、Android P 端末でもある。

拡張性を兼ね備えたスマートフォン

Essential Phone はシンプルでありながら、スマートフォンの拡張を目指した製品でもある。
背面にアクセサリーを取り付けることができるようになっている。例えば、360カメラ などが用意されいる。

スマートフォンの拡張を試みたのは Essential が最初ではない。最近だと、2016年にモトローラが moto Z を拡張するため moto mods family JP | Motorola を展開している。拡張バッテリーの他、ハッセルブラドのカメラに、プロジェクターなどが用意されている。

スマートフォンに限らずガジェット類の拡張で問題となるのは、本体のデザイン変更により既存のアクセサリーを流用できなくなる点がある。これは、メーカーとしても消費者としてもデメリットである。
大きなエコサイクルであるアップルであっても、2年ごとに筐体や、コネクタ類の変更が行われる。
Essential Phone はこの点を乗り越えようとした節がある。アクセサリーとの接続は背面にある二点のポッチ経由で行われる。このデザインであれば曲面スマートフォンが主流にならない限り、他のモデルでも流用できるだろう。問題は、そこまで Essential が存続するかであるが。

360カメラ

さて、肝心の360カメラであるが、360カメラそのものを初めて利用するため、他との比較ができない。
スマートフォンに装着するだけで使えるためお気軽ではあるが、使用できるまで時間がかかることがあるのがいただけない。
また、必ず自分自身が映り込むのを免れない。私は人を撮したくないため、絶対に自分が映り込むのが残念である。
ただし、フレームで切り取るカメラとは違って予想もしないものが映り込むんでいる面白さがある。
山の頂上とかドーム内のような全方位に眺望のある場所で撮影すると面白そうだ。美術系であればシスティーナ礼拝堂などを撮影できたらとても面白い絵が撮れそうだ。

発売から一年を経て完成した Essential Phone

Essential Phone は 2017年の8月末にアメリカで発売され、2018年の4月末から欧州の一部や日本でも発売されるようになった。
発売当初は $700 と、他社のハイエンドモデルと比較すると安いものの、中身がシンプルすぎたため評判は芳しくなかった。日本向けではなかったとはいえ、日本語のレビュー記事もほとんどない。むしろ、Android P の配信もあって Prime day 以降の方が多いかもしれない。
例えば、カメラなどはひどいものだったという。現在は度重なるアップデートにより改善され、使えるレベルになっているが、リリース当初は撮れればいいだろってくらい低度な仕上がりであった。タッチパネルの感度が悪いのも相まって、撮れたかどうか分からないという代物で、HUAWEI などが採用しているカラーとモノクロのデュアルレンズカメラを全く生かせていなかった。

デザイン最高だけどカメラはいまいち…。Essential Phoneレビュー | ギズモード・ジャパン
Essential Phone PH−1レビュー「あの悪い評判は本当か?」: ゆるガジェCHANNEL

価格は徐々に下がり、アメリカ国外へ展開する直前の2018年3月に $500 となり、現在は $350 と当初の半額まで値下がりしている。
それと平行してアップデートが繰り返し行われ進化し続けた。ノッチに対応した Android P がリリースされ、一応の完成をみたと考えてよいだろう。実際、Android P の相性は抜群だ。

Android P ではホームボタン周りの操作方法が一新された。特に、アプリ履歴ボタンが消えたのが大きな変更点であろう。また、戻るボタンも常時表示されるわけではない。
バー状のホームボタンが画面下部に表示され、アプリを立ち上げると戻るボタンが表示される。ホームボタンをタップするとホームが表示され、軽くスワイプするとアプリ履歴が表示される。iPhone Xに近いが、個人的には Android P の方が好みだ。特に、大きく上にスライドするとアプリ一覧が表示されるのが Android らしくて使い勝手もよい。

完成度は高いが、au 系の SIM を利用していると、通常ニュースがけたたまし音と共に緊急速報で通知される既知の不具合がある。
Android P の Beta 4 からある不具合なのだが、これはAndroid P というよりも、キャリアである au に問題がある。au は通常ニュースを緊急速報用である ETWS で流しており、それを Android P Beta 4 から緊急速報として拾うようになってしまったようだ。

なにもしてないのにEssential Phoneが5日でこわれました - nuits.jp blog

Essential Phone のだめなところ

素の Android が利用でき、価格の割にはスペックが高いので、非常に満足しているものの、いくつか気になる点はある。

180 g を重いと感じる人は多いかもしれない。私は HUAWEI P9 にラギットアーマーを装着したのと同じくらいなのであまり気にならなかった。ちなみに、iPhone X も 174 g と近い重さでもある。

恐らく、一番の難点はタッチパネルの感度の悪さだ。ATOK では感度を調整できるが、最高にしても取りこぼしが生じる。開発者向けオプションから感度を変更でき、上げるとフリック入力の取りこぼしはなくなる。ところが、そうすると Pokemon GO でボールをキープできなくなることが発覚。タッチしていても、ポロポロとボールを落とすため、ボールを投げることすらままならない。結局、感度はデフォルトに戻した。入力に関しては慣れはしたが、それでも取りこぼしが多いと感じる。タッチではなく、スワイプの感度に問題がありそうで、スワイプを多用するゲームでの影響が気になるが、私はやらないので判断できない。

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指紋認証が背面にあるのは好みの問題ではあるが、Android P に限ってはホームボタン下部に何もない方が使い勝手が良さそうである。Essential Phone の場合は関係ないが、Samsung などがどのようなアレンジを施すかも気にかかる。ハイエンドは顔認証が基本になると予想され、ハードウェアによるホームボタンは廃される方向になるだろう。

カメラに関しては、アップデートされたものの、個人的には露出やシャッタースピードをコントロールできた方が楽しいため、作り込みが足りないと感じる。私は P9 の絵作りが好きで、そちらを使うため、Essential Phone ではそれなりに撮れれば問題はない。ディテールとしては、P9 より同じかやや上くらいのレベルにまで向上している。

気がかりなのは Essential社の動向だ。身売りも噂されている。現在、投げ売り状態ではあるのだが、Prime day ではなくなくなった在庫をわざわざ新たに確保して販売もしている。在庫はあまり抱えていなようなので、先ずは認知度を高める方向にシフトしたのかもしれない。
Holy Gray には Alexa が標準搭載されており、また Prime day で安売りした点から、もしかしたら Amazon Fire Phone の復活のため狙っている可能性も?

身売り話もあるEssential、PH-1に「2年のアップデートと3年のセキュリティパッチ提供」を明言 - Engadget 日本版

個人的な運用指針など

実は、現在使っている HUAWEI P9 に特に不満はない。強いていえば電池の持ちが悪くなったことだが、それは主に Pokemon GO のせいである。問題の多くは Pokemon GO のせいなのだ。Pokemon GOHUAWEI のカメラは共にバッテリー喰いであり、メモリ喰いでもある。そのため両立が難しい。両方を使っていると一時間もせずにバッテリーがなくなることもざらだ。

P9 に不満はないのだが、そろそろ二年になるので買い換えたい。P20 Pro は発表当初からずっと気になっている。日本発売は6月までお預けになったが、そうなってくるとMate 20 も気になってくる時期だ。性能としては、Mate シリーズの方が上である。

P20 Pro はおサイフケータイに対応したものの、docomo 独占というのが気に入らない。実際、電話などのアプリは docomo のに置き換わっているし、リモコン操作などの機能も排除されている。Mate 20 まで待ってみるのもありだろう。

そもそも、P20 だろうが Mate 20 だろうが、Pokemon GO の問題は解決しない。
というわけで、Essential Phone を Pokemon GO 用として運用することにした。二台の持ちにはなるが、モバイルバッテリーを常用するよりも、スマートフォン本体への負担は軽くなるだろう。