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色覚異常で困ること 改善されてほしいこと

ヒトデさんが色弱で困ることを挙げていたので、同じく色弱色覚異常とも)の私も困ることを書いておこうかなと。
ついでに、色覚異常の仕組みと、人類に色覚異常が生じた経緯などもまとめようと思います。
色弱なのか色盲なのか、色覚異常なのかは議論の分かれるところですが本稿では色覚異常で統一したいと思います。

ヒトデさんの記事には色覚検査の図がありますが、私は左上から「見えない、12、見えない、17、70、5」です。ただし、ディスプレイでは環境により色味が異なるため、気になる方は印刷物で正確な検査を行いましょう。色覚異常で無ければ、右下は「見えない」のが正常です。ちなみに1色覚で色の区別がつかない人は「12」すら見えません。
一時期、色覚テストを受けてみたら何故か低IQとか同性愛者ってことになってた - Togetterまとめ で紹介されるように色覚検査の図を心理テストだと偽ったデマが流れていましたが、これもある意味色覚異常で困ることかなとも。

色弱色覚異常といっても、人によって見え方が違います。私の色覚異常は祖父からの遺伝で、赤と緑の見分けがつきにくいタイプです。同じ遺伝子のはずですが、私と弟では見え方が微妙に違うみたいです。ちなみに、色覚異常メンデルの法則における劣性遺伝に則るので、私の兄弟やおばの息子は50%の確率で色覚異常になるはずですが、全員色覚異常です。ちなみに、妹の息子も色覚異常っぽく、遺伝子強すぎるだろっていう。

明度が似ていると見分けづらい

ヒトデさんは焼き肉が困ると言ってますが、私はあんまり困りません。それは、半生が好きだからです。半生好きですが肉の焼き加減はよく分かりません。 焼き肉の焼け具合が分からないのは、ピンクと灰色の見分けは極めてつきにくいからです。生焼けとちゃんと焼けた状態がぱっと見でわかりません。半生好きなので焼き肉では困りませんが、鍋物やしゃぶしゃぶは困ります。豚や鶏肉でやる場合は特に。

普通の人からしてみると、ピンクと灰色の見分けがつかないのは信じられないでしょう。鮮やかなピンクなら見分けがつきますが、限りなく薄いピンクは灰色なのか、あるいは白なのかよくわかりません。ただし、見え方は明るさや周囲の環境などによっても変わってきます。
たとえば、桜などは綺麗なピンクに見える時もあれば、灰色にしか見えないこともあります。
同じ自然の景色としては、紅葉が綺麗に見えないこともあります。黄色やオレンジなら色づいているのがわかるのですが、赤色は判別がつきません。指摘されても赤に色づいている木々を見つけられないこともあります。赤だと分かっても、かなりくすんで見えるため綺麗だと感じられません。

色としては茶色が鬼門です。赤にも緑にも黄色にも見えます。カーキや茶色が特に苦手で、服をコーディネートする際に色の取り合わせがあっていないことがあります。家族などに指摘されて、合ってないことがわかります。なので茶色はなるべく避けます。

総じて明度の近い色同士を見分けるのが辛いです。薄いピンクや薄い水色、薄い緑色は灰色や白と見分けがつきません。暗い緑と赤色もかなりつらいです。PCディスプレイ上で見る赤(FF0000)と緑(00FF00)は見分けられますが、かなり近い色に見えます。というか、緑(00FF00)はかなり暗い色に感じられます。黒板に赤い文字は特につらいです。黒板と言っても、実際は緑のためです。緑バックに赤など最悪の組み合わせです。黒板に関しては、白と黄色以外は見づらくてしょうがありません。

赤と緑のLEDの見分けがつかない

はてなブックマークのコメントにも書きましたが、赤と緑色のLEDで充電状況などを知らせる機器は滅んで欲しいです。全部オレンジというか黄色に見えるので、状況がまったく把握できません。オレンジ色のLEDを使っている場合もあるそうですが、同様に区別がつきません。

色覚異常者には最も判別しにくい「赤と緑」での表示がこんなに多用されるのは色覚正常者にはそれがいちばんわかりやすいからなのだろうと想像している - Togetterまとめ でも語られていますが、歴史的に先ず開発され普及したLEDが赤と緑であり、通常の色覚を持つ人には見分けやすいため、広く使われるようになったのでしょうが、私には見分けが区別がつきません。
これはレーザーも同じ。赤や緑のレーザーの色を見分ける必要はありませんが、はっきりと見えません。つまり、私にとっては、赤や緑のレーザー光は目立たせるためのポインターとして機能していません。

しばし話題になる、信号機は通常であれば困りません。緑が見えにくい人もいるそうですが、私はそうでもありません。見分けがつきにくくても、一番右か下が光ってれば「緑」であると記憶しています。私には赤と黄色の方が難しいです。三色の信号機ならば、そもそも位置が違いますし、赤は点灯、黄色は点滅のため、色でなくても区別ができます。夜になると、赤点滅になる場合もありますが、それも位置で分かります。単色の信号が点滅していると、赤と黄色のどちらが光っているかが分かりません。常に、一時停止すれば安全ではありますが。

赤と緑の区別が難しいので、飛行機の翼の先にある夜間灯の左右の区別もつきません。色覚異常だとパイロットになることはできません。交通関係は危険なので職種が制限されるのは仕方が無いのかなとは思います。信号の色などは色覚異常であっても見分けがつくように改善できますが、自然の色はそうではありませんしね。

色のみでお知らせされるのは総じて困る

赤と緑のLEDで状態を知らせる機器に限らず、色のみで情報をお知らせする案内板や説明書、プレゼンテーションなどは困ります。

日常生活で困る例としては路線図です。じっくりとみれば見分けがつくのですが、パッと見てどの路線か分からないことが多いです。これはグラフも同様で、判例を色のみで分類されると区別が難しいです。区別のつきにくい色を使っていない場合でも瞬時に把握できません。じっくり見れば区別はできますが、区別するのに集中するあまり本論を聞き逃したり、プレゼンテーションなどでは区別がついた頃に次のページに行ったり、次のページに凡例がなく記憶を頼りに色で識別しないといけない場合などは最悪ですね。

キタグチ印刷株式会社 事業案内 などで紹介されるような方法で描いてくれると分かりやすくなります。とは言うものの、健常者が色覚異常者にとって区別のつきにくい色を意識するのは難しいでしょう。点線にしたり、引出線や文字情報を増やしたりと、白黒になっても区別できるようにすると、色覚異常の人でもぐっと見やすくなるかと思います。

色のみで情報をお知らせするものとして、ゲームもありますが、個人的に、ゲーム、特にパズルゲームで困った記憶はあまりありません。最近では、『スプラトゥーン』は色覚サポートを実装…デモ版の説明書から判明 | インサイド のような色覚サポートが搭載されたゲームも増えています。
個人的に困った記憶は少ないのですが、色覚サポート機能について| パズル&ドラゴンズ を試してみたら視認性がかなり変わりました。パズドラは通常でも赤と緑の見分けはつくのですが、色覚サポートを使うとぐっと見やすくなりました。ぷよぷよなども微妙に形も違うのでそんなに困っていなかったのですが、通常の色覚の人と比べたら視認性が悪いのかも知れません。健常者がどのように見えているのかさっぱりわからないのです。

ちなみにゲームで困ったのは、ワイルドアームズ3rdにおけるパズル。本編での謎解きではなく、おまけ要素なのでやる必要はないのですが、赤と緑のブロックの見分けがつきづらく困りました。よく見ると見分けがつくのですが、色を見分けることに集中するとパズルを解くための頭が回らないという。


Wild Arms 3 pt 113 - Millenium puzzle part 1

緑色のサンタクロース

絵を描くときも困ります。子どもが幼稚園などのお絵かきで独特な色使いをするため疑問に思った親が、という経緯で色覚異常が判明することもあります。
私の場合は、緑色のサンタクロースです。赤と緑の区別が難しいので、サンタクロースを緑色に塗ってしまったのです。
肌の色をオレンジ色に塗って「なんで、そんな色に塗るのか」と言われるのは辛かったです。「何色?」って聞かれるても全然分かりませんでしたし、聞かれること自体が嫌にもなりました。ベージュやピンクなんかは、本当に何色か分かりません。色音痴と言っても良いかも知れません。

仮に赤いサンタクロースが緑色に見えても、赤いクレヨンも緑色に見えるはずだから、結果的にサンタクロースを赤に塗るはず、というのは必ずしも正しくありません。
なぜならば、常に赤が緑に、緑が赤に見えるわけではなく、二つの色の見分けがつきにくいからです。
サンタクロースを塗る場合には4つの場合が考えられます。

  1. サンタクロースが赤色に見えた→赤いクレヨンを選んだ→サンタクロースを赤色に塗った
  2. サンタクロースが赤色に見えた→緑色のクレヨンを選んだ→サンタクロースを緑色に塗った
  3. サンタクロースが緑色に見えた→赤いクレヨンを選んだ→サンタクロースを赤色に塗った
  4. サンタクロースが緑色に見えた→緑色のクレヨンを選んだ→サンタクロースを緑色に塗った

またサンタクロースの場合は、見て描くのではなく記憶で描く場合もあります。この場合は、記憶の中のサンタクロースが何色だったかによるでしょう。

私も弟も、親戚も甥っ子もサンタクロースを緑色に塗っていたそうなので、サンタクロースの赤がかなり暗く見えるせいで、発色の良いクレヨンなどの画材の「赤」と同じに見えず、緑色に塗っていたのかな?。

なぜ色の区別ができないのか

はてなブックマーク - 色弱の僕がとりあえず困ること - 今日はヒトデ祭りだぞ! で紹介されている 色が見えない私にこの眼鏡が色を与えてくれました | roomie(ルーミー) を利用して見えない色が見えるのは、原理的に考えられません。なぜなら、色覚異常の多くは色を見分ける錐体に異常があるからです。
人間の眼には、光の三原色である赤と緑と青に対応したセンサーである錐体があります。赤と緑が見分けられない色覚異常は、赤か緑の錐体の錐体に異常があります。一般的に緑に反応する錐体に異常があることが多く、機能していないか、一部あるいはほとんどが欠損しています。同じ緑の錐体に異常がある場合でも、機能や欠損の状態によって見え方が違ってくるのでしょう。

つまり、色覚異常は光の三原色に対応したセンサーが壊れている状態です。壊れた状態でフィルターを通しても、壊れたセンサーは反応しません。よって、カラーフィルターにより今まで見えなかった色が見えるのは原理的に考えてありえません。メガネをかけることで赤と緑の視認性が向上する可能性はありますが、それは色覚異常で無い人と同じ世界が見えることを意味しません。
先のメガネを紹介する動画や記事の多くは色覚異常で無い人の見え方が「正常」であるって考え方に基づく感動ポルノにしか感じられません。

そもそも、色覚異常で無い人同士であっても同じ色が見えているとも限りません。眼の虹彩の色の違いによって見え方が違うようです。同じ色の虹彩であっても、青緑などは人によっては青っぽくもしくは緑よりに見えています。その代表格が信号機の青緑です。また、四色型色覚を持っているとされる人もいます。
さらに、あのドレスはいつ白と金に見えるのか - デイリーポータルZ:@nifty のように知覚によってもまったく色の見え方は異なってきます。

なんで色覚異常があるの?

脊椎動物は四色型色覚を有していますが、ほ乳類は一般に二色型色覚で「赤と緑」を区別できません。これは初期のほ乳類が夜行性で色覚が生存に必要なかったからだと考えられています。
ところが、ある時にヒトの祖先である霊長類に新たな遺伝子が発現し三色型色覚になったそうです。色覚が復活したのはメスのX染色体で、後にオスにも色覚が復活しました。X染色体に色覚が復活したため、XY染色体を有する男性は、一般的なほ乳類と同じ二色型色覚の、いわゆる色覚異常を発現しやすいです。そのため、女性よりも男性の方が色覚異常の割合が多いわけですね。

- 色覚の多様性と視覚バリアフリーなプレゼンテーション | 第1回 色覚の原理と色盲のメカニズム
マカクザルやチンパンジーは、色覚異常の割合が人間よりも低いそうです。人間の方が色覚異常が多い理由は、狩猟生活にあると考えられています。肉食動物の多くは二色型色覚です。人間が狩猟をするようになった結果、色覚異常の遺伝子が自然淘汰されにくくなったのでしょう。

むしろ狩猟で有利だったすら可能性もあります。私は、明度が似た色の区別は困難ですが、逆にコントラストの違いが顕著に見えます。最近、家族と話して分かったのですが、健常者とは柴犬の見え方が全く違うことが分かりました。私にとって柴犬は、かなり明るい色に見えます。犬よっては黄緑に近い色に見えることもあります。つまり、森の中などに柴犬がいる場合、通常の色覚を有する人よりも柴犬がはっきりと見えます。
嘘か本当かは分かりませんが、米国や英国の軍隊が第二次世界大戦ベトナム戦争において迷彩服で隠れている敵兵を見つけるため色覚異常者を部隊に同行させたという話もあります。色覚異常者はコントラストの違いがはっきり見えるため、迷彩服によるカモフラージュを発見しやいのはあり得る話かなと。

"There are several good theories that hunters did a lot better if the group had a mix of colour-blind and non-colour-blind members."

This idea is backed up by anecdotal evidence that the American and British militaries targeted colour-blind individuals to help with camouflage-spotting in the Second World War, the Vietnam War and the Rhodesian War.

ユニバーサルデザインをお願いします!

自然の色などで見分けがつかないのは仕方が無いことですが、人間がデザインしたもので見分けがつきにくいのは工夫により回避できます。

色のみで情報を伝える路線図やグラフなどは、線の形で区別できたり、線引きで文字情報を加えたりして、白黒でも判別ができるように心がけてくれると助かります。
自然の色なども含めて、色の見え方が違う人がいることを心に留めてもらえると幸いです。