RPG経済 なぜやくそうは8Gなのか

RPGの道具屋さんは何故値段が一律なのか、という脳内保管エントリを書いて見る。
もちろん、一律じゃないゲームもありますけども。実はすべての道具屋は元締めが同じチェーン店なのかもしれない。たとえば、ポケモンは、コンビニやデパートだからだろう。あるいは、ギルドで守られているのか。ドラクエ1くらい小さな世界ならそれも可能だろうが、2くらいから怪しい。ドラクエ3に至っては別世界でも同じだ。FFもFF5では異なる星なのに値段や通貨基準までもが同じだ*1。ギルドという理由付けは厳しいのではないだろうか。
アイテムの値段が一律な理由を考える前に、RPGの主人公達ははどうやってお金を得ているのか、という点から考察していきたい。

モンスターを倒すとお金が手に入るのは何故?

モンスターを倒したらお金が手に入る理屈は何か。ドラクエやFFだとモンスターを倒すと当たり前のようにお金が手に入る。モンスターが持っているお金なのだろうか。ドラクエは魔王がモンスターを給与で雇っている可能性も捨てきれない。アニメのドラゴンクエストでは、魔王が宝石からモンスターを生み出し、主人公に倒されると宝石に戻っていた。つまり、お金の類を触媒としてモンスターを作り出している可能性もあるだろう。しかし、FFだと野生のモンスターが凶暴化した場合が多く、モンスター給与性や宝石触媒方式は成り立ちそうも無い。FFシリーズでお金をもらえる理由付けがあるのはFF8くらいか。FF8はモンスターを倒してもお金は手に入らない。その代わりSeedという傭兵なので、ゲーム中一定時間経過すると給与が振り込まれる。何かに所属している主人公ならば、モンスターを倒すごとに歩合制で給料が上がっていくという考え方も出来るかもしれない。
他のゲームに目を向けてみると、ポケモンは分かりやすい。他のポケモントレーナーと戦うことでお金が手に入る。要するにカツアゲである*2メタルマックスみたいなモンスターを倒すと賞金が手に入るという理由付けも分かりやすい*3。また、世界樹の迷宮では敵を倒しても一切お金は手に入らない。その代わりに、敵が落とすアイテムを材料として売ることで生計が成り立ったいる。世界樹の迷宮の場合は、冒険者が集まる街という設定なので、冒険者が食べていけるような街づくりがされた特殊な世界ですが。その他のゲームの事例からみるに、一般的に冒険者はモンスターの皮や牙などを売りさばいているか、一部凶暴なモンスターが賞金が出ておりそれでお金を得ているのだろう。ただし、ゲーム中でそれを再現するとシステム的に面倒だし冗長なので、その描写は省かれモンスターを倒すと即入金というシステムになっているのだろう。

  • モンスターを倒すとお金が手に入る理由あれこれ
    1. モンスターが給与で雇われている。
    2. モンスターが宝石などを元に作られている。
    3. モンスターを倒すと賞金が得られる。
    4. モンスターから手に入るアイテムを売っている。
    5. 主人公が給与性、歩合制の場合も。

ゴールドは統一通貨なのか

ここでようやく、タイトルにもかかげた「やくそうがどうして一律8Gなのか」を考えてみる。一つは、はじめにも述べたが、チェーン店やカルテル、ギルドなど道具屋間につながりがある場合。これは小さな世界では成り立つが、大きな世界、ましてや別世界を含むと破綻する。もう一つは、やくそうは各土地でそれぞれ作られているが、生産、流通などのコストが各土地でほとんど変わらず、どの地域も似たような物価指数であるという解釈。ありえなくも無いが、全てのRPGで成り立つかと問われると厳しいのではないか。どうにも出口が見つからないので、通貨単位について考える。
ドラクエだと世界どこへ行ってもGで表すゴールドだ。FFではギルである。基本的にRPGは世界のどこへ行っても同じ通貨単位だ。ポケモン世界樹の迷宮などの小さな世界ならば同じ通貨単位でも問題ない。しかし、通常のRPGは色々な世界を旅する。時には未開の土地に足を踏み入れたりもする。あるいは別世界へも。にも拘らず同じ通貨単位である。一体どういうことなのだろうか。
ところで、最近クロノ・トリガーのDS移植版が発売された。クロノ・トリガーの通貨単位はGであるゴールドだ。クロノ・トリガーでは様々な時代を駆けるが、どの時代でもゴールドが通用する。ただし、通貨という概念の無い原始時代ではキラキラしていると言う理由でアイテムと交換してくれるし、通貨価値の異なる未来でも金(きん)っぽいという理由でアイテムを売ってくれる。クロノ・トリガーの未来や原始においては、通貨といよりも「金(きん)」により売買をしていると言える。これは、どの時代においても「金(きん)」が、ほぼ同じ価値を有するからだろう。現実においても世界的に共通の価値を持つものといえば「金(きん)」である。
本来様々な国で色々な通貨が使われているはずである。国家間で頻繁に両替がなされているなら別だが、ドラクエくらいの国家の離れ方だとそこまで頻繁にお金のやり取りがなされているようには思えない。これは、他の和製RPGも同様。両替屋が省略されている可能性もあるものの、偏狭の地や別世界を網羅するとなると、通貨対通貨ではなく、先のクロノトリガーのように、「金(きん)」を基本においた方が良いだろう。「金(きん)」といえば、ロマサガ1。通貨単位としてそのまま「金(きん)」が用いられている。といっても、たくさんは持てないので1万金を1ジュエルという宝石に変えるという約束事が存在する。Gであるゴールドもそのまま「金(きん)」と解釈した方がよいのかもしれない。あるいは金貨。つまり、8Gとは、8Gという通貨ではなく、8G分の金を持っている、あるいは8G分の金に相対する何かを持っている状態。
ある程度の規模の国家なら、金何gが何G、ギル、ケロ、ルク、ゼニー、オーラム、ガルド、メセタ・・・という取り決めがあるでしょうが、旅の商人や偏狭の村ではそうも行かない。金本位としても、何か基準があったほうが良いだろう。そこで、ドラクエならば世界中どこにでもある「やくそう」だ。ドラクエは1,2では10Gで、3以降は8Gだ。どこにでもある「やくそう」を基準とすることで、レート換算することが出来るだろう。やくそうの生産価格や原価などは地域によって異なるだろうが、やくそうを基準とすれば労働力なども反映することができるのではなかろうか。これは、他のRPGも同様で、例えばFFなら別世界に行ってもポーションを基準にすることで価格交渉をすると。

という事を夢想してみた。実際のところ、価値基準が各国によって異なるはずで、主人公たちは商人と価格交渉し、その描写を省いているだけのこだろう。中には、ドラクエ3のアッサラームみたいな悪徳商人もいるけど、基本的に皆さん良心的。また、中古品を半額で買い取ってくれるのが基本だが、これもほとんど使っていない、あるいは使い古されたという状態の違いを一切無視しているので、アイテムを売る場合も価格交渉は省かれているのだろう。

Q.やくそうはなぜ8Gなのか

A.やくそうが8Gなのではない。やくそうが8Gの基準なのだ。

まとめると、
お金の価値分の何かを得る→通貨に換える→金と交換(場合によっては金に変わる何か)→旅をする→街や村につく→金を通貨や価値に変換→お買い物
この時、金を通貨に返還する際に、きっちり決まっている国もあれば、やくそうなどありふれた物を基準として買い物交渉する場合もあると。場合によっては金じゃなくて、次に行く街で高く売れるものを持っていたり。まぁ、その辺は各自脳内補完だよね。

*1:元々一つの世界だが

*2:本当は賞金

*3:賞金があるのはボスキャラですけど