ラスボスの動機などを中心に。機会があれば他のゲームのラスボスもまとめてみたい。主に旧スクウェアRPG系から。
ロト伝説は時系列の関係上3から。
- ドラクエ3:ゾーマ
- アレフガルドに表れた魔王。ルビスを石化し、世界を闇に覆う。アレフガルドをほぼ支配したゾーマは上の世界へバラモスを送り込み、さらなる覇権を狙う。
- ゾーマは憎魔とも。憎しみにより生まれ、あらゆる攻撃を受け付けない「やみのころも」をまとう。竜の女王から譲り受けた「ひかりのたま」により「やみのころも」をうち払った勇者ロトに討たれる。
- 世界を作ったルビスを封印し、世界を闇に包み、攻撃を無効化する「やみのころも」を纏うなど絶大な力を誇る。バラモスを倒し帰還し、王に報告する直後に黒幕として登場するインパクトが大きいため、後のシリーズにゾーマよりも強大な魔王がいるものの、プレイヤの記憶に残る魔王である。
- ドラクエ:竜王
- ラダトームより「ひかりのたま」を奪い、アレフガルドを再び闇に覆った。
メルキドドムドーラを滅ぼし、ローラ姫をさらい、ダースドラゴンに守らせた。どうやらローラ姫と結婚する気だったらしい。
- 3に登場する竜の女王の子孫とされる。先ほど、「ひかりのたま」を奪ったと書いたが、元は竜王の一族の所有物であったことを考えると取り戻したとも言える。
- 通常時は魔導士のような人間形態だが、ドラゴンにも姿を変えることができる。勇者に世界の半分をやろうと交渉を持ちかけることでも有名。竜の女王の子孫ならば、人間の味方であるはずだが、なぜ魔王として闇に落ちたかは不明である。
- ドラクエ2:シドー
- 神官ハーゴンにより召喚された破壊神。魔王ではない。死導とも書き、その本能は破壊そのもの。
- ただし、ドラクエ2の世界を絶望に包んでいたのはハーゴン。その力は絶大で、シドー以外にもアトラス、ハズズ、べリアルを呼び出した。さらに魔界から得た技術でキラーマシンの量産にも成功している。アトラスやキラーマシンなどの共通点から、ハーゴンの通じた魔界は5と関係があるのではとなる考察もある。
- ちなみに、2には竜王のひ孫が登場する。ハーゴンにより自身の求心力が弱まったと考えており、王子たちに愚痴をこぼす。
- ドラクエ4:デスピサロ
- ピサロは魔族の王。世界征服を目論む。自らの野望を実現するため、勇者狩りを行ったり、地獄の王エスタークを復活させる為に進化の秘宝について研究したりと知略に富む魔王である。
- 恋仲であったロザリーが人間に殺され、その悲しみから自身に進化の秘宝を使い理性を失ったデスピサロと化す。しかし、人間にロザリーを殺させたのはエビルプリーストの策略であった。このことからリメイク版でピサロが仲間に加わり、黒幕を倒すシナリオが追加されている。
- ドラクエ5:ミルドラース
- 暗黒世界のエビルマウンテンに居を構える自称大魔王。エルヘブンの民の伝承によると、元は神にも匹敵する力を求めた人間であったという。神の怒りをかって魔界に封じされた、あるいは自らの邪悪さにより魔王になったという。ピサロ同様に進化の秘宝を使ったのではないかとする考察もある。
- 魔界に封じられた身であるため、人間界に侵攻することができない。そこで、鍵であるマーサ(主人公の母)を利用することを考えるとがマーサの力により逆に封印される。しかし、ゲマを従え「光の教団」を利用することで人間界への侵攻を虎視眈々と企み続けた。2のシドーのように人間界へ召喚される方法を模索していたのだろう。
- 主人公の息子である勇者によって討たれた。ちなみに、主人公はロトの血を引き*1、その妻は天空人の血を引くため最強の勇者との呼び声も高い。
- ドラクエ6:デスタムーア
- ムドーなどの配下の魔王を戦略的に配置した大魔王。部下であるムドーは魔王を討つ勇者の生まれるダーマの神殿を封印したり、夢の世界を利用し魔族の脅威となる人間を封印し、効率的に人間界を支配しており非常に優秀なである。
- 優秀な部下と、それを的確に配置するなど戦略的に見ても優秀であり、自らの住む狭間の世界を創生する力を持つなどドラクエシリーズでも1、2を争うほど強大な魔王であるはずだが、登場があまりにも遅すぎて印象が薄いプレイヤが多いのではないか。
- ドラクエ7:オルゴデミーラ
- ドラクエ史上最も世界の完全支配に近づいた魔王。神と戦い勝利を収めたとされる。主人公の住む島以外の大陸を掌握していた。一旦主人公に倒されるが神になりすまし復活。精霊、ダーマの神殿と共に闇の世界に封印した。
- グノーシス派の唱える、デミウルゴスが元ネタであるとされる。デミウルゴスは物質界を作った悪神で、人間を物質界に留めようとしている。凶悪な魔王であるはずが、ゲーム自体が長すぎるためか、6同様に印象の薄い魔王かもしれない。
- ドラクエ8:ラプソーン
- 暗黒神。シドー同様に魔王ではない。暗黒の世界を支配していた。居城は暗黒魔城都市で、光の世界侵攻の拠点でもある。神鳥と七賢者により魂は神鳥の杖に封印されていた。力を求めたドルマゲスがその封印を解くも、ラプソーンに操られ七賢者の末裔を殺し、ラプソーンを復活させる。闇の世界を牛耳る暗黒神だが、七賢者に封印されるあたり、強いのか弱いのか。人間の手を借り復活する様は、オルゴデミーラとも通じる。
- ちなみに、神鳥レティスは3に登場するラーミアでもある。
- ドラクエ9:エルギオス
- 堕天使であり、やはり魔王ではない。
- そもそもの黒幕は、暗黒皇帝ガナサダイであろう。エルギオスは主人公と同じく守護天使であったが、ある出来事がきっかけで魔帝国ガナサダイに囚われることとなる。人間を守る守護天使でありながら、人間に裏切られたと人間、天使そして神を憎しみ続けた。その憎しみは深く、神の国、天使界、さらには人間界まで力を及ぼすことのできるほど強大な力を持つ堕天使となる。
大別すると、魔界から人間界に侵攻したラスボスは5のミルドラース、6のデスタムーア、7のラプソーンである。同じ世界に存在するのが1の竜王、3のゾーマ、4のデスピサロ、7のオルゴデミーラ、9のエルギオス。異質なのが破壊神として召喚されたシドーだろう。
FFのラスボス
- FF1:カオス
- 姫をさらった最初のボスであるガーランドは戦士によって討たれるが、土、火、水、風のカオスによって2000年前に転生されカオスとして蘇る。カオスはガーランドを引き戻すため2000年後に土、火、水、風のカオスを送り込む。ガーランドがカオスであり、カオスがガーランドである。この2000年は無限ループであるものの、光の戦士により断ち切られる。カオスの目的はこの無限ループを永遠に繰り返すことだったと思われる。
- FF3:暗闇の雲
- 光と闇のバランスを崩したザンデにより呼び出されたすべてを無に帰すもの。1000年前の光の氾濫の際にもあらわれ、闇の戦士と戦ったとされる。
- ザンデは大魔導師ノアの弟子の一人。主人公たちを手助けするドーガとウネもノアの弟子である。ノアは死んだ際に弟子たちに遺産を残した。「魔力」を引き継いだドーガ、「夢の世界」を引き継いだウネ、そして「人間としての生」を与えられたザンデ。ノアはザンデを最も愛し「人間としての生」を与えが、ザンデはその遺志を弟子として最も認められていないと取り違えてしまったようだ。そのため、光と闇のバランスを崩し世界を無に帰すことで永遠の命を得ようと考えたようだ。
- ちなみに、ザンデはFFシリーズには珍しい「魔王」である。
- FF4:ゼロムス
- ゴルベーザの「いいでずとも!」で倒されたゼムスが死してなお憎悪を燃やし、完全暗黒物質と変貌した姿。完全暗黒物質であるため攻撃が全く通じないが、心正しきものがクリスタルを使うことでその本性を表すことが出来る。
- ゼムスは月の民ひとり。月の民は自らの星を滅ぼしてしまったため移住先を求めて宇宙をさまよった結果、青き星を見つけるが既に人類が生息していたため、その人類が交渉できるようになるまで待つことを決めた。しかし強硬派であるゼムスは青き星を我が物にしようと企み、強力な思念を元にゴルベーザなどを操り目的を果たそうとした。
- FF5:ネオエクスデス
- 1000年前にエヌオーが手に入れた「無」の力に取り込まれたエクスデスの末路。エクスデスの自我はなく、すべてを無に帰そうとするだけの存在となった。エクスデスはムーアの大森林の樹に邪悪な意志が宿って生まれた暗黒魔道士で、その名の通り死を超越したものである。世界を支配するために「無」の力を求めたが、結局制御できなかったわけだ。
- エヌオーも死を超越した魔道士で、絶大な力である「無」を手に入れたが、その代償として不死身ではなくなった。この辺エクスデスと全く同じである。
- FF6:ケフカ
- ガストラ皇帝直属の人造魔道士。人工的魔力を注入された副作用で精神に破綻をきたしたとの設定がある。その性格は幼稚で、独占欲、支配欲が強い。特に力への異常なこだわりが見られる。勝つためには卑劣な手段を厭わない。ガストラ皇帝を暗殺し、世界の魔力の元である三闘神の目覚めさせ、そしてその力を吸収し神に匹敵する力を得た。
- ケフカが三闘神を目覚めさせたことで、世界の魔力のバランスが崩れ、世界は崩壊の危機にある。魔力の元が三闘神からケフカに移動しているため、世界を救うにはケフカを倒さなければならない。
- FF7:セフィロス
- 古代種を人工的に復活させるため、当初古代種と思われていた宇宙生物ジェノバの細胞を埋めこまれた人間。それ故に類まれなる身体能力を有し、「英雄」と謳われる。しかし、自らが作られた存在であることを知り、そしてジェノバを母であると勘違いし暴走。その後、ライフストリームに落ち星の記憶を見ることでメテオにより星を傷つけ、そこに集まるライフストリームを自身が吸収し星と一体化することを目論んだ。
- FF8:アルティミシア
- 遠い遠い未来の魔女。魔女として迫害されてきた恨みから、その世界を根本的に覆そうと時間圧縮を行い、世界を自分しか存在できない状態におこうとした。時間圧縮を行ったことで、全ての時代の魔女の力を得ている。全時代で時間圧縮を行うため、エルオーネの原理を利用した意志だけを過去に送れるマシンにより過去に干渉していたが、さらなる過去に戻るためにエルオーネそのものを利用としたことで、スコールやラグナと戦うこととなる。
- アルティメシアは全時代を掌握したと考えると、どんなゲームのラスボスよりも強大なのかもしれない。
- FF9:永遠の闇
- 通称ペプシマン。クジャを倒した後に現れるすべてを破壊する者。ゲーム上一切の説明がないためぽっと出のラスボスである。
- テラの民は滅び行く星であるテラを再生させるためガイアを取り込もうとした。そのために管理者であるガーランドを作り出し、ガーランドは目的を果たすため自我をクジャを作りだしガイアへ送り込んだ。クジャは目論見通りガイアを戦乱の渦に巻き込んだものの、ガーランドに反旗を翻す。クジャはリミッターとして寿命が短く設定されていたことから、世界の破滅を望んでいたようで、そのための力を得ることに尽力していた。ジタン達に敗れその野望は阻止されたが、その想いが永遠の闇となったのかもしれない。
- FF10:エボン=ジュ
- シンを召喚し続けるもの。夢のザナルカンドを永続させるための鎧がシンである。シンは究極召喚によってのみ倒されるとされるが、倒されたシンは傷付いた究極召喚を自身の新たなる鎧として復活する。その復活の期間が、シンのいないナギ節となるのである。エボン=ジュの目的は夢のザナルカンドを永続させることであるが、シンがただ殺戮を繰り返すだけの存在になると人間が死に絶えてしまうため、希望として究極召喚やナギ節などの仕組みを残したのかもしれない。あるいは、召喚を永続的なものにするためある程度新陳代謝が必要なのかもしれない。この死の螺旋を利用してスピラを事実上支配しているのがエボン教団である。
- ちなみに、エボン=ジュ戦は常にリレイズがかかっており、負けることはほぼ無いためイベント戦闘である。故に、戦闘上のラスボスはブラスカの究極召喚であるジェクトであろう。
- FF11:?
- 終わりがないのでゲームシステム上のラスボスは存在しないが、各ミッションの最後のボスがラスボスと呼ばれることがある。
- FF12:不滅なるもの
- アルケイディア帝国の
ジャッジマスターである皇帝の三男であるヴェインと世界を統治するオキューリアであるヴェーネスが融合し、空中要塞バハムートの破片を寄せ集めた形態をしている。
- ヴェインは軍事に関して天才的な手腕を発揮し、次期皇帝との呼び声も高い。彼自身の目的は敵対勢力を殲滅し、平和を持とらした後弟のラーサーに帝位を譲ることだったのではないかと思われる。
- FF12の世界は不滅の存在であるオキューリアによって管理されている。世界の創造主でないが、召喚獣なども想像でき、人間にしてみれば神のような存在である。ヴェーネスはオキューリアが人間を導くことに反感をいだいていたようで、それ故にアルケイディア帝国のシドの研究に協力していた。
説明文を書いていて、自分でも何が言いたいのかよく分からないのがFFのラスボスですね。種類としては、人間、超存在、概念に分けられる。目的は世界の支配、自ら構築したシステムの永続、あるいは世界の破滅。世界の支配を望んでいたのに、力を制御できずに破壊とか、自暴自棄になって世界を破壊とかが多い気がする。
ドラクエのラスボスは世界の支配と目的がはっきりしているし、その背景も支配欲と実に単純明快。一方FFはラスボスの動機が分かりにくい。動機が分かってもその背景を加味しなければ理解出来ない。理解できても、出てくるラスボスが概念的なためよく分からない。