ゲーム製作側の技術的制限と面白さ

ゲーム内の制限が面白さに繋がるという話を前回やったんだけど、ハードの性能などによる技術的な制限も面白さに繋がってくる。技術的な制限と、ゲーム内の制限は全く無関係ではなく、相互に関係している。昔のゲームのほうが面白かったと感じられるのは、回顧主義だけでなく、技術的制限が面白さに繋がった結果もあるだろう。

制約の中で如何にやりたいことを還元するか

FCのゲームの全てが面白いわけではないが、今でもプレイされる名作が多いのも確かである。それは、FCでできることに限界があったからだろう。FCでは製作者のやりたいことを思う存分発揮できない。そこで、やりたいことを何とかFC内に収めるために創意工夫を行う。つまり、技術的な制限により面白さが発揮される。HUNTER×HUNTERの制限と制約じゃないけど、多分そういうこと。ただし、製作者が自身のやりたいことを上手に還元できないと、思わぬクソゲーが生まれてしまう。所謂早すぎたゲームという奴で、例えばバンゲリングベイなどは、それに当るだろう。逆に技術的な制限を生かしつつ作ったのが、ロックマンメタルギアMSXだけど)などか。

技術格差

さて、FCからSFCが。そして、PS、SS、N64と続く次世代機が生まれ、さらにPS2とハードの性能は急激に増加していった。そして、さらにPS3Xbox360Wiiというハイスペックマシンが主流になりつつある。技術革新は進み、FCの頃は10の力で作れたのが、PS2なら70、そしてPS3では100の力が欲求される(数値は例)。FCの頃は、要求される力が少ないので、力の無いメーカーが作っても、それなりに面白いゲームができる。ただ、素晴らしい製作者は10の力のFCで15や20の力を発揮できるが。
SFCの頃になると、FCよりできることが多く、製作者はより自由に自分を表現できる容易なるが、それでも、完全に自分のやりたいことがでず、つまり余裕があり、それが制約となり面白さに繋がる。
そして、PSなどの次世代機の登場により、真に製作者がやりたかったことできるようになってきたが、それは能力を最大限に使う必要があり、あまり余裕は無い。優れた製作者なら、PS程度じゃ自身のやりたいこと完全に再現できなかったかもしれないが。
さらに、PS2とスペックが向上すると、自身のやりたいことを十分に表現できるが、それ故にグラフィックやシステムを作りこむ必要が出てくる。どんなに優れた製作者でも、ゲームシステム以外にやらなくてはならない部分が増えてくる。PS3ともなると、恐るべきグラフィックであるが、その分それにつぎ込む労力は半端ではない。そうなると、ゲームを面白くさせるためのシステムを吟味する余裕も無くなる。だからこその、ゲームはグラフィックじゃないよという反発が生まれるのだろう。
ちなみに、Wiiにしても、あのコントローラーを生かすゲームを考えるという意味では、多くの製作者にとっては悩みの種であろう。ハードは任天堂により作られるが、製作側はそんなこと知ったこっちゃ無い。任天堂がやりたいことを実現できるが、他のメーカーは望んでいないかもしれない。まぁ、任天堂のゲームができればそれでいい人もいるのですが。

以下、メタルギアオタクによるまとめ

低スペックならば、グラフィックなどに限界があるので、製作者はゲームのシステムといった面白さにかける割合が多くなる。ただし、それにも限界があるので、高スペックが望まれるが、するとグラフィックなどの見栄えにも気を使う必要があり、ゲームへの面白さを追求できなくなる。そして、見栄えを良くするには人件費がかかり、弱小メーカーは撤退を余儀なくされる。
超私見ですが、ハードが高性能になっても唯一、むしろハードが高性能になった方がワクワクさせられるゲームはメタルギアくらいじゃないか。PSで3Dを生かすことで、スニーキングミッションのドキドキ間を演出し、PS2では武器の操作の自由度が増した。PS3ではさらに、リアルなグラフィックが臨場感を演出すると予想される。元々のMSXメタルギアも、スペックの制限により多くの敵が出せないので、敵から隠れながら進むという、制約と制限の織り成されたゲームだからな。