MGS4のタイアップを考える

MGS4プレイ中です。戦場なのでかなりのストレスがかかります。スネークの気力ゲージとも連動してる気がして、もしかしたら小島監督はここまで考えていたのかも?と思うと改めてMGSシリーズの凄さを実感している日々です。

ゲームのタイアップ

ゲームのタイアップとそのメリット&デメリット を読んでMGS4はすごい沢山タイアップしてるよなーと思って検索してみたら、 とても難しいタイアップ商法 で既に述べられてたけど気にしない。というか、どちらも永谷園の「帰ってきたマリオブラザーズ」を挙げてた。まぁ基本ですよね。
ゲーム内広告やタイアップは昔から行われているのだけど、ゲームのタイアップとそのメリット&デメリット で指摘されるようにゲームの世界観をぶち壊す危険も孕んでいるので扱いが難しい。もう一つの問題は、広告が古くなってしまうこと。SFCの名前は忘れましたが、ある野球ゲームがキリンの飲料の広告を外野の壁などに出してました。午後の紅茶は今でもありますが、缶コーヒーはFIREの前のブランドで、今ではもうありません。インターネットではFLASHゲームに広告を埋め込むのが主流になっており、広告が古くなる事はありません。現在ならビデオゲームもネット対応ですから、適宜変えることもできますね。それこそ、野球ゲームなんかは。
MGSは3と4でタイアップが展開されましたが、幸いな事にタイアップしても世界観が壊れることが無く、むしろ世界観を補強してさえいます。MGS3ネイキッド・スネークは食いしん坊なので、カロリーメイトを食べると「うまい!」とか「もっとくわせろ」等と叫ぶ。MGSシリーズは元々ゲーム内で当たり前にゲームであることを認識させるメタなゲームで、その部分を笑いに昇華しているからできる芸当かもしれませんが。

MGS4のタイアップ一覧

ちなみに、伊藤計劃さんの虐殺器官もMGSシリーズというか小島監督作品好きなら楽しめると思うのでお勧めです。

ドレビンが飲むNARCもタイアップすればいいのにって、NARCは麻薬、あるいは麻薬捜査官を指すスラングだから流石に無理ですね。

MGS4はなぜこんなにタイアップしているのか?

MGS3でもカロリーメイトや、ガーコケロタン*1などとタイアップしてましたが、MGS4のタイアップ数は尋常ではない。それだけ開発費がかかったのかなぁと思いますが、ユニクロTシャツなんかはデザインがなかなか良いので嬉しいタイアップ。iPodMGS4バージョンとか出たら買ってしまいそうです。ここら辺のタイアップ具合だと、逆にマルチプラットフォームだと面倒な場合があるかも、と思った。
マルチプラットフォームに関し、小島監督はブルーレイの容量でも足りないよと言ってたそうですが、プレイしてみると確かにその通り。やりたいことやりすぎで色々詰め込みすぎ。これでも削ったというのだから驚きだ。そりゃ、全てのアイテムのディティールを作りこみ、フルボイスで、iPodに極詰め込み、映画数本文のCGが入ってたら容量足りないわ。ここら辺の詰め込み具合は、スマブラの桜井さんに通じるものがありますね。
さて、どうしてMGS4はココまでタイアップしているのか。考えられる一つの理由は、高騰した開発費の回収。タイアップすることでゲームの宣伝にもなりますし、ユニクロTシャツはライセンス料などがあるでしょう。
さて、とても難しいタイアップ商法 では以下のようにゲームの開発費高騰に警鐘を鳴らしています。

‥‥なぜMGS4のタイアップは行われたのでしょうか。
MGSが持つ独特の世界観を世の中に広めたかったから?
高騰する開発費を少しでも補うための苦肉の策だった?

いちゲーマーとしては、後者である可能性を否定したいところです。
なぜなら、そうまでして開発費をひねり出さなくてはならないのがPS3であるという
証明にもなってしまうからです。
とても難しいタイアップ商法 より

僕は、小島監督は両方考えているんじゃないかなと思います。
技術開発は一旦止めてしまうと、今度は追いつくのにお金がかかる。競争力を保つには技術開発し続けないといけない。だから、大作にはお金がかかる。しかし、お金がかかるプロジェクトはリスクが大きい。売れなければ終わりだ。だから、会社は大作に臆病になる。大作がかかるのに、お金が下りてこないジレンマ。そこで、大作でも売ることができれば、企画が通りやすくなり、大作にお金も人も回ってくると。その辺も視野に入れたMGS4開発であり、タイアップなのだろう。タイアップすることで、大作でも開発費をひねり出す事のできる先例になるかもしれないし。ただまぁ、タイアップするためにゲームを作るのはどうかと思いますが。
テレビドラマや、映画なんかも製作協力や協賛なんてのがあるんですから、ゲームでやってもおかしく無いですよね。特に昨今は描画能力が上がったから製品の魅力を十分伝えられるでしょう。
というわけでMGS4には、大作でも売れるよという流れと、タイアップすることで開発費を捻出可能である先例を作り出すという意味もあるんじゃ無いかなーと。

*1:コナミブランドですが