映画「ゆるキャン△」は「水曜どうでしょう」で「バック・トゥ・ザ・フューチャー」だった

yurucamp.jp

*各キャラクターの名称がマチマチですが、関係性に考慮した呼び名になっております。

のっけから松竹の富士山からアニメに移行する演出に満点を上げたい。

原作のマンガからして「水曜どうでしょう」の影響を受けているので今更の感想ではありますが、映画は大泉洋さんが全国で有名になってからの「どうでしょう」「どうでしょう」におけるログハウス造り。原付の旅を見たかった、というのも分かる感想です。

*徐々にネタバレを多めに語って行きます。次の段落は、映画の前情報くらいのネタバレです。

ゆるキャン△13.5 オリジナルのマンガが一話あり、残りはキャラクター原案とアニメ版のまとめが掲載されています

映像的挑戦をする「ゆるキャン△

水曜どうでしょう」ネタをぶっ込む「ゆるキャン△」ですが、アニメにはあんまり登場しません。実写版の方が「どうでしょう」分が多いです。
アニメ版と実写版は、どちらも二期やっており、進み具合も同じくらいで、絵作りも似たような感じですが、微妙に違うところもあります。アニメと実写での表現手法の違いもありますが、見せたいモノも異なっているように感じます。

アニメは風景を実物に近く描くことで作品に厚みを持たせています。これは原作も同じ。ただ、原作の絵作りはかなり挑戦的で、超広角やら360度カメラなど、アクションカム的なコマが多いです。魚眼レンズで大きくてゆがんだ画像を手書きで再現するのかと驚かされます。あfろ先生によるアクションカメラを主体としたマンガに「mono」があるので、興味がありましたら!

360度カメラなどはアニメには向きませんが、映画「ゆるキャン△」のタイムラプス映像は原作っぽいなと感じました。実写版も、ドローンでの撮影を行っているあたりが、原作に通じます。Oculus Quest などで見ると、このドローン撮影が映えます。

映画「ゆるキャン△」では、映像以外でも挑戦が行われています。それが「環境音」の再現です。自然音のみならず、蛍光灯の音まで再現されており、力の入れようがわかります。蛍光灯の音は、LED 化が進んだのと、私自身も高周波が聞き取りづらくなっているのもあり、そんなにうるさかったっけ?とは感じましたが。

キャンプが好きなんじゃない、関係性が好きなんだ(少しネタバレ)

映画「ゆるキャン△」を見て、それぞれのキャラクターの関係性が好きなのだなと、再認識しました。キャンプがフレーバーなので、キャンプはしたくなるけど、結局行動には移さない……。

映画では、社会人になりそれぞれの立場が変わっていますが、根っこの関係性は同じ。「大垣」が計画をブチ立て、「なでしこ」の元気に「リンちゃん」が引っ張られ、「アキ」を「犬子」が、「リン」を「恵那」が支える。

自分が好きなシーンは冒頭の、「大垣」からキャンプ場作りを「考えとく」と応えた「リン」と、その後の「大垣」の反応。いきなり深夜にタクシーでキャンプ場候補地まで行くのは「またしても何も知らない大泉洋」感あるのも好きです。
冒頭でも述べましたが、高校生の頃が初期の「水曜どうでしょう」で、就職後は大泉洋さんが全国区で俳優として有名になってからって感じ。それぞれの立場は変わっているけども、関係性は変わっていない。
「リンちゃん」と「なでしこ」の関係性は言わずもなが、「志摩リン」と「大垣」の微妙な距離感が好きなんです。

キャラクターとしては「志摩リン」が一番好きですが、関係性を持ちたいのは「大垣」。というか「大垣」は野クル作ったりと、行動力の塊なのでイベント会社に就職するのも分かるし、その後に地元の観光促進に関わるのも、すごく分かる。「なでしこ」がキャンプギアメーカーで、「恵那」がトリマーなのもすごく納得。ただ、「恵那」はもうちょっと「リン」を見守る感を出して欲しかった!
就職先としては「志摩リン」だけが、ちょっと納得感がない。本好きなので、本に関わる仕事ではありますが「営業」やってた頃が想像つかない・・・・・・。
「あおい」ちゃんが、小学校の先生なのは世話焼きかつ、地元に就職したいからって感じでしょうが、保母さんとかでもいいわけで、この辺は「脚本」の都合と感じてしまう。まぁ。それを言うと「なでしこ」は大学中に起こしたキャンプギアメーカーの CEO のはずでは!?

脚本の都合、多くない?(以下ネタバレ分多め)

脚本の都合としては、土器関連は起承転結の「転」のためのギミック感が強かったです。
物語の都合としてキャンプ場造りが進まなくなる過程が必要だろうなと思っていました。そのため、ゆるキャン△メンバーが運転するシーンは事故らないかヒヤヒヤしてました。特にバイク乗りの「リン」ちゃん。「チクワ」が土器を見つけたときは安心したと同時に、答えあわせでもありました。その先の展開もある程度は予想できます。

キャンプ場造りが滞る理由を、ゆるキャン△メンバーに寄せてしまうと関係性が変わってしまうので、外部に求めたのでしょう。「大垣」が土偶のかぶり物をしているので、一応伏線は張ってありますが・・・・・・野っ原をキャンプ場にするならまだしも、元々あった施設を造成する際に見つからないものだろうか?と疑問が残ります。

大学の卒業旅行で海外へ行き、キャンピングカー借りてアメ横断するロードムービーでもいいじゃん?感はあります。ただ、脚本の都合上ではありますが「リン」が、昔なじみのキャンプ場を再訪し、それぞれのキャンプ場の良さを再認識するシーンには嬉しくなりました。

筋書き以外で気になったのは、少しだけ年を重ねた「リンのお母さん」の作画。それなりの年齢のはずですが見た目が若いため、おばさんという記号では描けません。絵柄として年齢をかき分けるのが難しいので仕方がない部分ではあります。リンと大垣の上司が、どっちもヒゲ面なのはどうかと思います。

バック・トゥ・ザ・フューチャー

映画「ゆるキャン△」は変わらない関係性の話で、それはそれとて原作は続いていきます。逆に、映画「ゆるキャン△」が、原作での関係性の継続を確約したとも解釈できます。だからこそ私は「大垣」に対する「リン」の「考えとく」が好きなのでしょう。

自分の特性として、未来が約束された続編物が好きってのもあります。スター・ウォーズの帝国の逆襲、バック・トゥ・ザ・フューチャー2 を何度も見ているのはそのためでしょう。少し違いますますが、ドラゴンクエスト3 も好きです。メタルギアソリッドシリーズも同じ構造でしょうか。
映画「ゆるキャン△」によって原作での未来が約束されたわけで、自分の中で原作がバック・トゥ・ザ・フューチャーにおける「2」の位置になりました。原作のマンガでも、ゆるキャン△メンバーによる未来の妄想が描かれているので、映画「ゆるキャン△」も揺らいだ未来かもしれません。約束はされているけど揺らいでるのもバック・トゥ・ザ・フューチャーっぽい。

蛇足

先ず「アキ」ちゃんは普通に有能。突発的に動くけど「報連相」はできる子。校庭でたき火するのにきちんと先生に許可取ってるし。また、ゆるキャン△メンバーの家庭は比較的裕福なので、大学くらいは進学しそう。バイトしているのはキャンプのためでしょう。ただ「斉藤」さんは、他のメンバーよりも少し裕福。お高い寝袋を買って貰っていますし、映画でも FIAT 500 に乗ってます。
他のメンバーは「なでしこ」がスズキのジムニー「リン」の「トライアンフラクストン1200R」は高校時代におじいちゃんが乗っていたおさがり。「大垣」が日産マーチで、「あおい」ちゃんはホンダ N-One。
縄文時代は先述の通りに、舞台装置にしかなっていないので同意できる。ただ、「再生」に関しては遺跡とコラボするための名目であり、映画のコンセプトではないと思う。映画のコンセプトは「再生」というか「再帰」だろう。もしくは「変わらないこと」。

Ghostwire: Tokyo で夜の渋谷を探索だ!

bethesda.net
store.steampowered.com


渋谷で霊や妖怪を相手に戦いながら探索するゲームです。探索好きなら楽しめますが、戦闘重視の方にはオススメできません。7月8日まで、Steam でセール中なので気になる方は是非。

渋谷の駅を中心に、街が再現されています。渋谷以外だと谷中や東京タワーなども再現されているそうです。まだ、到達していませんがどちらも楽しみにしています。
実際のスケールよりも小さめですが、渋谷駅の前の再現度はかなりのものでスクランブル交差点の他にラブホ街などもあります。ハチ公は見てのお楽しみ。
渋谷なのに人が全くいないのに違和感がある人もいるでしょうが、むしろいないことでゲームの雰囲気を盛り上げています。

少しこぢんまりとしたスクランブル交差点

渋谷の土地勘がなくても、ファミリーマートとローソンが合わさったようなコンビニや、TERRY’S にコクアール、鳥平民など、実在する店舗のパロディは見ていて面白く、日本の街感を醸し出しています。街の張り紙や広告もしっかり読め、バリエーションがあるのも、面白いです。店舗や看板はコピー&ペーストで作られているのですが、逆にそれが本物っぽさを醸し出しているのが東京っぽいなと感じます。むしろ、Ghostwire: Tokyo をやって渋谷に行くと、面白いまであると思います。
地名や施設名も少しだけ異なり「ヒカリエ」が「カゲリエ」に、「道玄坂」が「幽玄坂」になっているのも、世界観にマッチしています。

奥の方に見えるのが「ヒカリエ」ではなく「カゲリエ」

箱庭の探索ゲームが好きな自分としては、街の中を歩けるだけでも楽しめます。ビルの上なども探索できますし、探索する要素も多く用意されています。PC 版だとレイトレーシングに対応しているので、GPU が許せば半端ないグラッフィクで再現された渋谷の街を歩き回れます。

サカモト ツヨシ!!

一方で、戦闘は大味で単調です。戦闘に重きを置く人にはお勧めできません。霊的エネルギーをショットのように繰り出す FPS です。ショットは、風、水、火と属性があります。弱点を突くというか、攻撃範囲や威力の違いで、アサルトライフル、ショットガン、グレネードを使い分けるみたいな感じ。当然、威力が高くなるほど連射はできません。
敵のとどめを刺す際に、核をワイヤー状の霊力で引っ張り出すのは爽快感がありますが、それまでが単調です。申し訳程度にステルス要素もありますが、戦闘のバリエーションは多くありません。霊力の他に、お札や弓矢が使えるくらいです。
ボス戦も、体力回復アイテムを豊富に使えるため苦労することもありません。難易度は選択できますしジャストガードなどのシステムもありますが、戦闘の単調さを補うほどでもありません。

戦闘面で不満点もありますが、探索を主体とした場合、回避できることも多いです。箱庭の探索ゲームが好きで、実在する街をモデルにしたフィールドを歩き回れるのでかなり楽しめそうです。

飛び出し坊やと駐車場

TUNIC の印象に残った謎と自力で解けなかった謎

lastline.hatenablog.com

TUNIC をプレイして印象に残った謎と自力で解けなかった謎を語ります。

殆どの謎は説明書の文字を解読しなくても解けますが、秘密の宝物#4と54ページの最後の謎は、文字を解読しないと解けません。

説明書の解読は、以下のページを参照して下さい。

tetogame.hatenablog.com
tunic.wiki

印象に残った謎

謎解きの本命である黄金の道は、楽しかったです。ただ、入力数が多すぎるので、自分の答えが間違っているのか、単に入力ミスなのか、はたまたコントローラーがおかしいのか判別できないのが困りものです。無敵モードなどが用意されているので、入力履歴を表示するオプションがあってもよかったのではと思います。
黄金の道のヒントとしては42ページが気に入らなかったです。色が分かりにくい!21ページも途中で途切れているので、繋がっているの方向が下なんか左なのか分かりにくい。
9ページは面白かったです。むしろ、このページのお陰で解き方に確信が持てました。

妖精は場所を探すコマンドがあり、それが分かれば解き方を考えるだけなので、そこまで困りませんでした。東の森の高台にいる8番目の妖精はしばらく解けませんでしたが、分かるとかわいくてニヤけてしまいます。
20番目も各所に点在しているものがヒントだったと気が付いたときは楽しかったです。微妙だなと思った謎は4番目で、ぐるぐる回転していて、方向が分からなくなるので面倒でした。後、場所が分からなかった14番目。

秘密の宝物も説明書にヒントがあるわけですが、#9 はまさに書いてあるじゃん!って所に驚きがありました。秘密の宝物#6は、ボス攻略のテクニックとしても使えます。ただ、入力がシビアなのでよくミスってアイスダガーが暴発します。
秘密の宝物#2、#4、#8 は自力で解けなかったのもありますが、答えを見ても自力で解けなかったでしょうし、納得感がない・・・・・・。

謎の文字を解読しないと解けないのは「宝物#4」と「説明書の54ページの謎」です。それ以外は、謎の文字を解読しなくても解けはします。しかし、個人的に「宝物#2」は、ヒントが謎の文字の解読を前提としているので、どうかと思います。

解けなかった謎

www.ign.com

攻略サイトをみた謎は、宝物#2、#4、#8 と妖精の14番目と最後の謎です。
秘密の宝物#8「パワーアップ」はチャイムの音が関係しているのは分かったのですが、微妙に聞き取れない・・・・・・。チャイムの揺れる方向でも分かりますが、この動きもわずなので微妙なんですね・・・・・・。

14番目の妖精も、どうしても分からなかったのでサイトを見ました。ダイナマイトで壁を破壊する発想に至らなかったです。破壊できたり、動かせたりできる壁の判別方法がないので納得感がないです。妖精のヒントで地面の花ではなく壁を表示して欲しかったです。

これは、大聖堂にある秘密の宝物#2「秘密の伝説」も同じ。説明書の40ページにある地図から隠し階段の存在は推測はできるのですが、どの部屋かが特定できません。謎の文字を解読すれば、”6. In the library there is a double secret.” とあるので、図書館、つまり本のあった部屋に秘密があることが分かります。しかし、謎の文字を解読するよりも、隠し部屋を見つける方が簡単でしょう。

ここまでは、謎の文字を解読する必要はないのですが、秘密の宝物#4と、最後の謎は解読しなければ先ず解けません。
秘密の宝物#4「ヴィンテージ」は51ページと1ページの組み合わせです。1ページに宝物を得るためのヒントが隠されていますが、それを浮き上がらせるヒントは51ページにあります。1ページ目浮き出た絵を見れば場所は分かりますが、コマンドが分かりません。攻略サイトには、正解のコマンドは書いてるのですが、なぜそうなるかまでは書かれていません。
1ページ目に浮き出る文字を解読すると ”The softest feather, corrected eleven times, departed once more. ” となるそうです。英語のなぞなぞなので、非ネイティブにはちょっと難しいです。

"Softest feather"? : TunicGame

”softest feather” は羽毛で「ダウン」、”correct” は「正しい」の類義語で ”right”、” departed” は「出発した」の類義語で ”leave” の過去形の ”left” となります。なぞなぞの翻訳は難しいので、謎の文字のままにしたのでしょうか。

最後のなぞも、54ページに下部にある文字を解読する必要があります。‘3. "Un-sing" to them the greatest song, the song of the Golden Path, as seen from within.’ とあるので、49ページの黄金の道を裏から見て逆順に辿るわけですが、これだけでは答えには辿り着かないという・・・・・・。
謎の文字の解読も含めて、集合知、つまり攻略サイト前提で、一人のプレイヤーが解くことを想定していないように思います。

二周目をやってみた

二周目は、六角形のアークや、冠などを除いた全てのアイテムを所持したまま最初からプレイできます。つよくてニューゲームですが、フィールドに強敵が配置されていることがありました。説明書を全て所持しているので、黄金の道を再度入力することなく、真・エンディングに辿り着けます。
ステータスもパワーアップしており、さらに上乗せできるので基本的には苦戦しませんが、幽霊になったときにギャップに苦労します。強敵が配置されている上に、雑魚ラッシュをもう一度こなす必要があるのでつらいです。

SF てんこ盛りの 十三機兵防衛圏

話題になっていた「十三機兵防衛圏」の Switch 版が出たのでプレイしました。例によって、記事が進むに連れネタバレ度が高まります。

全体を通して、とても満足でき、クリア後のおまけもちょくちょくプレイするくらいには戦闘にもはまったのですが、序盤はモチベーションの維持が大変でした。Twitter で話題になっていなかったら、投げていたかも。ちなみに、ネタバレがちっとも流れてこない健全な Twitter タイムラインのため「十三機兵防衛圏はいいぞ」みたなツイートしか流れてこない。

アドベンチャーの「追想追悼編」、シミュレーションバトルの「崩壊編」、アーカイブの「究明編」に分かれています。それぞれのパートを任意に選択できるため、戦闘がやりたいのにストーリーを延々を見せられる、みたいなストレスが低めなのが個人的にはグッドポイント。ただ、各パートの進行度と連動して各編でプレイできるステージが解放されるため、戦闘ばかりというわけにもいきません。

序盤でモチベーションが上がらなかった理由

序盤でつまった要因はアドベンチャー、バトル共にあります。ストーリーが込み入っているので、一気に進めた方が理解しやすいのですが、モチベーションが上がらない理由がいくつかあります。

アドベンチャーパートは、ノベルゲーにありがちな同じ話を何度も読むハメになるだろうとの勝手な予測がモチベーションを下げる主な要因でした。健全なタイムラインな故に、Twitter のツイートから「叙述トリック的なループもの」だろうと予測していたため、ストーリーパートもループするのだろうと思い込んでいました。チャートを確認できるのも、その思い込みに拍車をかけました。自分がノベルゲーを好まない理由のひとつが、同じ話を何度も繰り返すハメになるところ。実際は、ループではなくルーティンで、つまり日常の繰り返し。そこに気づいてからは、ストーリーを先に進めるのが楽しくなっていきました。読書でページを早くめくりたい感覚に近いでしょうか。ループしているシナリオもありますが、ゲームの根幹と関わっていて、ゲーム全体の進行度によってループの仕組みが明らかになるので、上手い構成です。

バトルは味方の特性や的の対処方法などが掴めなかった点が大きいです。戦闘前にステージに登場する敵が予告されますが、名前と対処方法が今一つ一致しません。クリアしましたが、結局対処法は覚えきれませんでした。ただ、機兵やキャラクターの特徴が分かってくると、コツも分かるし、自分が好きな戦法を取れるので楽しくなってきました。戦闘パートはそこまで難しくもなく、難易度も選択できます。ストーリーを中心に追いたければ難易度下げればよいです。低難度だから真エンディングが見られないなどのペナルティーはありません。

敵の数は多いが一掃できるので爽快

戦闘は敵の数が多いので、最初こそ戸惑いましたが、こちらも一網打尽にできる兵装が多いので、分かってくると爽快感の方が増します。Switch 版は新たに兵装が追加されているようです。
個人的に、連戦ボーナスとペナルティーは意味のある仕様に思えませんでした。クリアするだけなら、メタポイントが不足することはほぼありません。満遍なく育てて欲しいからなのか?

機兵は第一から第四世代まであり、近距離陸戦の第一、近距離陸戦+中距離射撃の第二、遠距離の第三、飛行型の第四となっています。第二世代は汎用ですが扱いが難しく器用貧乏になりがちな印象。特化型の第一世代と第三世代の方がむしろ扱いやすかったです。第一世代は近接陸戦でありながら、対空兵装が充実しているため、第二世代よりもオールマイティな気がします。第一世代のEMPで飛行型を落としつつシールドも無効にし、第三世代の遠距離で一掃後に残った敵を第一世代の近接で一掃するスタイルで運用してました。そこに、空中型の第四世代でさらに第一世代をシールドなどでサポートしつつ、さらに取りこぼした敵を片付ける感じ。第二世界は更なる後片付けを行う感じなので、十郎に主人公感ない・・・・・・。

クリア後のコンテンツでは、一番好きなキャラクターである薬師寺と彼女の強化用に十郎。薬師寺は追加兵装の「ハイパルスレーザー」と「貫通マルチロックミサイル」の使い勝手がよくアーマーも貫通できるため強い。遠距離は、相性の良い如月で、近接に比治山を加えていますが、基本的に EMP 係になってます。入れ替え要因は、「セントリーガン」を沢山置ける東雲と、追加兵装の「クアッドレッグスパイク」の強い鷹宮か、追加の「超巨大ミサイル要因」として三浦を入れています。
ちなみに「セントリーガン」は Switch 版だと弱体化されてるみたいです。

SFてんこ盛り

ストーリーは SF てんこ盛り。古くは「宇宙戦争」や「ゴジラ」から、最近だと「パシフィック・リム」などなど。機兵が無骨でも許されるのは、「パシフィック・リム」のお陰もあるでしょうか。

Twitter で話題にはなっているけど、ネタバレが全然ない時点でループものなんだろうなぁと思ってました。ただ、予想とは違うループもので、ストーリー全体を通して叙述トリックとしてのミスリードが巧みで、伏線もきっちり回収するのは流石でした。

ストーリーを進めると、SF ならではの設定に違和感を覚えます。その違和が、二転三転していき、最後は見事に畳まれており感服しました。気になる所があるにはありますが、戦闘システムがきちんとストーリーに絡んでいるので、個人的にはそれだけで評価が高くなりがち。ストーリーよりも、戦闘をやり込みたいプレイヤーなので、ストーリーと戦闘パートが別れているのも満足度が高いです。

最初は、宇宙人襲来とタイムトラベルものとして進みます。「宇宙戦争」のトライポッドに良く似ているけど、4本足なのでハイクアッドが登場しますが、宇宙人は出てきませんし、全ての年代で崩壊が発生していおり、「R-TYPE」のような未来からの侵攻を思わせますが、それでも説明がつきません。この違和も、序盤で乗れなかった理由のひとつです。本当に畳めるの?という不安ですね。

そもそも、未来とはいえタイムトラベルできるものだろうか?と疑問に感じていると、実は各年代毎に区切られたセクションであることが分かってきます。セクション移動時における、時計の演出はミスリードなわけです。最初こそ内情を分かっている人物は「年代」を呼称しますが、その内に「セクション」と呼び始めます。
この辺の言葉遣いなどの塩梅が、いいさじ加減ではあるものの、アドベンチャーパートはキャラクター毎に異なるため、進行の具合によっては「年代」と「セクション」のパートが前後します。進め方によっては、2つの言葉が混在するため、少々混乱します。

半径30kmのセクションにしか人類がおらず、外の世界があるかのように情報が操作されているのも SF ではあるあるです。地球は人類が存続できず、新たな移住先を探している設定としては「メガゾーン23」に近いでしょうか。1980年代の日本が再現されている点も近いですね。

さて、タイムトラベルではなく、セクション毎に時代が再現されているのは分かりましたが、テレポーテーションできるものだろうか?と思っていたら、実は仮想現実だったことが明かされます。その場合は境界があるのも変ですが、全てをデータで再現するのは計算が大変なため、空間だけは実空間を使っているのかも?
仮想現実ならばナノマシンがコードのように働くのも不思議ではありありません。仮想現実の件は、柴くんやしっぽの扱いが上手いなぁと思いました。十郎編では網口と共に柴くんがいるのに、網口編では柴くんがいません。違う日の出来事でもなさそうで、おかしいなと思っていました。最初はシステム側の存在だと予測していましたが、外しましたね。

最後のバトルは、いつまで耐えればいいのかとか、「マクロス」っぽさもあり、熱い展開でした。S 評価のために2回やるには、ちょっと面倒でしたが・・・・・・。

30時間くらいでサクッと遊べるのがよい

総じて満足度は高かったのですが、個人的に序盤のとっつきにくさが気になりました。私のタイムラインでも、途中で止まっている人がチラホラいるようです。ストーリーが入り組んでいるため、期間が開くと益々モチベーションが下がり、よくない連鎖が起きます。

興が乗るとサクサク進み、30時間前後でクリアできるのは軽くてよいです。バトルもずっと続けられはまっていますが、メタチップのカンストがあるため育成にも上限があるようです。
個人的に、これを据え置きでプレイしたかと問われるとちょっと微妙です。Switch の手持ちくらいがちょうどよく、なんならスマホでもいいくらい。Switch の方がスリープを活用できるので、スマホよりはプレイしやすそう。機会があれば、さらなる追加用のある Steam 版なども出して欲しいですが、Steam Deck とか手持ちできる端末でプレイしたいです。

説明書を再定義した TUNIC

TUNIC の感想を、なるべくネタバレ少なめで。謎解きを含めたネタバレ全開の記事は、謎解きの解説を含めて別に書きたい。
エルデンリングの総括的な感想記事と、十三機兵防衛圏についても書きたいのだが・・・・・・。

先ずはプレイして欲しい

store.steampowered.com

とある島に流れ着いたキツネの主人公が、ゼルダの伝説みたいな見た目の世界で、ゼルダのような謎を解きつつ、ソウルライクな戦闘をこなしていくゲーム。戦闘は歯ごたえがあるものの、メインは謎解きにある。久しぶりに、紙とペンが必要になった。実際にメモとして利用したのは Boox Nova Air だけども。

ゲームの性質上、何を語ってもネタバレになってしまうため、面白そう!と思ったら、この記事など読まずにプレイして欲しい。タイトルが既にネタバレではあるのだが・・・・・・。
Steam の他に、Xbox One 版もある。Steam 版も要求スペックは高くないため、PC 版の方がプレイしやすいかと思う。

nlab.itmedia.co.jp

極力ネタバレを排除した感想

ゼルダよろしく剣と盾の他に魔法のアイテムで謎を解き進めていく。フックショットみたいなアイテムも、ゼルダのリスペクトを感じる。音楽は、クロノ・トリガー聖剣伝説など、旧スクウェアみを感じる。
見た目は、Switch 版の 夢をみる島 に近く、かわいくファンシー。ただ、その見た目とは裏腹に、謎解きも戦闘もガッツリしている。戦いは、盾でのパリイ、ローリングでの回避、ポーションでの回復、そしてゲームオーバーになるとソウルこと魂と共に幾ばくかのお金を落とすのは、まさにソウルライク。

戦闘はソウルライクで、一部のボスに苦戦したものの、数時間スタックされる程ではなかった。パリイはタイミングが難しいので、ほぼほぼ使わなかった。ローリングが強すぎるというのもある。
戦闘よりもメインは謎解きで、ゲーム内外問わず、最も時間を費やした。ゲームそのものは軽く、クリアだけなら15時間くらいだろう。ゲーム外の景色が謎解きに見える症状が発生するくらいには、はまってしまった。

説明書の再定義

TUNIC の肝は、ゲーム内で手に入る「説明書」と覚しき紙切れだ。正方形に近いため、PS など CD ケースに入ったゲームの説明書だろうか。
チュートリアルと共に、ゲームの操作説明が記された「説明書」を入手できる。未知の言語が使われているが、操作説明などは絵で理解できるため、未知の言語が分からなくても推測は可能だ。

この「説明書」が謎解きのヒントにもなっている。「説明書」を集めていくことがゲームクリアの鍵となる。必然的に「説明書」をじっくり読み込むことになる。これ程まで説明書と対峙したゲームは久しぶりで、そして「紙の冊子で欲しい!」としきりに思った。印刷できなくはないが、スクリーンショットをトリミングして・・・・・・となかなかに手間がかかる。

「説明書」のみでゲーム内の謎が解けようになっている。ヒントの出し方がなかなかに絶妙で、出し過ぎでもなく、足りなさすぎでもなくと感じた。

少しネタバレありの語り

最初から実行できるけども「説明書」で気づかされる操作方法の配分が絶妙である。特に、「祈る」や、ゲームの根幹となる十字キーの扱いは、特定の場所や条件で実行する必要がある。仮に偶然発動しても、結局は「説明書」なしでは謎を解くのは困難だからだ。

戦闘は、序盤こそステータスが低いため骨があるが、終盤はステータスと共に装備も充実しているため、死ぬことは殆ど無くなった。雑魚ラッシュも2回目で突破できたし、倒すと「ゲームオーバー」になるボスも、何度かの挑戦で「ゲームオーバー」となった。

私の Twitter のタイムラインでは、TUNIC をクリアした方々が「最後のアレはどうかと思う」と述べていたけども、これには完全に同意するしかない。謎解きとしては面白いのだけど、実行に移す場合に、操作のミスなのか、謎解きをミスってるのかが判別できない。せめて、ここだけは違う方法に置き換えても良かったのでは思う。
ただ、基本的に「説明書」だけで謎が解けるようになっているのは素晴らしかった。

クリアを超えて

クリア後の謎に挑んだが、自力では不可能だった。インターネットで答えを見たのだが、一部は解き方の間違いで、発想を変えれば解けたパズルもあったが、残りは「説明書」に書かれた未知の言語を解読しなければ無理のようだった。

この謎は写真を撮ってパワーポイントで解読した

最後の謎の難易度、そこから得られる次なる謎からしても、集合知というかインターネットでの解読を想定しているようにも思えた。ただし、がんばれば「説明書」のみで文字も解読できるはずなので、我こそは!という人は挑戦してみては?