エルデンリングの鍛石とすずらん回収用周回チャート

はじめに

エルデンリングの強化素材である「古竜岩の喪石」「古竜岩の喪色鍛石」、「墓すずらんの大輪」と「霊姿すずらんの大輪」をできるだけ多く、短時間で周回できるチャートを組みました。
一部の NPC イベントやダンジョンの攻略は含めていないため、周回で入手できる最大数ではありません。

「古竜岩の喪石」は13個中の11個、「古竜岩の喪色鍛石」は8個中の7個、「墓すずらんの大輪」は6個中の5個を入手できます。「霊姿すずらんの大輪」に関しては4個と2個入手するルートの2つに分岐します。4個入手するにはラニのイベントを進める必要があるため、周回に時間がかかります。
名前付きの遺灰を全て強化したい場合は、ラニのイベントを3周、もしくは4周します。
ラニのイベントをやる場合は大体4時間、やらない場合は3時間半くらい係ります。

先に攻略チャートを示し、後でチャートを構築するに当たって考えたことを記しておきます。

リムグレイブ(30分弱)

  • 目標
    1. ゴドリックから大ルーンを手に入れる。
    2. 円卓でネフェリルーのイベントを進める。
  1. ゴドリックを倒し、大ルーンを手に入れる。
    • 「導きの始まり」→「関門前」→「嵐丘のボロ家」→「城に向かう隧道」
    • 忌み鬼、マルギットを倒す。
    • 「ストームヴィル正門」→「円卓」へ。
    • ストームヴィル城は正門を正面突破し「奥まった小部屋」
    • 接ぎ木のゴドリックを倒す。
    • 「接ぎ木のゴドリック」の祝福を解放。(後で訪れる)
  2. ネフェリルーのイベントを進める。
    • 「円卓」へ。
    • ネフェリルーと会話し旅立たせる。
      • イベントが進まない場合はギデオンと会話し、一旦円卓を出てから戻る。

リエーニエ(40分程度)

「霊姿すずらんの大輪」の最大数となる4個入手するためには、ラニのイベントを進める必要がある。その場合は魔術学院レアルカリアの攻略は不要だが、転送門が便利なため「学院の輝石鍵」は入手した方がよい。

  • 目標
    1. 魔術学院レアルカリアに入る下準備と嵐鷹の古王の入手。
    2. しろがね村でラティナとネフェリルーのイベントを進める。
    3. エインセル河の古竜ランサクスを倒して「霊姿すずらんの大輪」を入手する。
  1. 魔術学院レアルカリアに入る下準備と嵐鷹の古王の入手。
    • 「湖を臨む断崖」→「リエーニエ湖の岸辺」→「ラスカーの廃墟」
    • 「ラスカーの廃墟」の転送門から「レアルカリア南門」へ。
    • 「レアルカリア南門」の西側の岩に飛び降り、輝石竜スマラグの近くにある「学院の輝石鍵」を入手。
    • その後に「四鐘楼の麓」まで向い、「四鐘楼」へ。
      • 「魔石剣の鍵」を入手し、転送門で「王を待つ礼拝堂」へ。
      • 「嵐鷹の古王」を入手する。
  2. 聖樹の秘割符(右)を入手し、しろがねのラティナのイベントを進める。
    • 「ラスカーの廃墟」→「湖脇の結晶洞窟」の祝福を解放し「しろがね村」へ。
      • アルバス老から聖樹の秘割符(右)を入手。
      • 忌み潰しを倒し、ネフェリルーと会話。
    • 「湖脇の結晶洞窟」から「狼の眠るボロ家」
      • しろがねのラティナと会話し遺灰を入手する。
    • 「円卓」へ行き「ネフェリルー」、「ギデオン」の順で会話し、ネフェリルーに「嵐鷹の古王」を渡す。
  3. エインセル河で「霊姿すずらんの大輪」を入手。
    • 「レアルカリア南門」の東側から木をめがけて落下。
    • 「リエーニエ湖、東岸」→「エインセル河の井戸」→「エインセル河、下流
    • ノクステラの竜人兵を撃破。

アルター高原に到達するまで

ラニのイベントを進めるか否かで、チャートが変わる。
進める場合は、ケイリッド方面に向かうので割符を回収しつつラダーンを倒し、アルター高原へ向かう。
やらない場合は、ケイリッドに向かう理由がないので、レナラ撃破してから古遺跡断崖を経由しアルター高原へ行くのが早いと思われる。

ラニのイベントを進める場合(30分強)
  • 目標
    1. カーリアの城館を攻略しラニに会う。
    2. ラダーン祭りのフラグを回収しつつ、デクタスの割符の左右を手に入れる。
    3. ラダーンを撃破し、永遠の都、ノクローンへ。
    4. 永遠の都、ノクローンで「霊姿すずらんの大輪」を手に入れる。
    5. ラニに「指殺しの刃」を渡し永遠の都ノクステラへ行き「霊姿すずらんの大輪」を手に入れる。
    6. アルター高原へ向かう
  1. カーリアの城館を攻略しラニに会う。
    • 「リエーニエ湖、東岸」から、「レアルカリア南門」方面に向かう途中の東屋の転送門から「王家領の廃墟」へ移動。
    • 「城館への道」→「カーリアの城館、正門」
    • カーリアの城館を攻略しスリーシスターズへ。
      • 「城館下層」
      • 親衛騎士ローレッタを撃破。
      • 輝石竜アデューラを追い払う。
    • ラニの魔術師塔」へ。
      • ラニたちと会話し、イベントを進行させる。
  2. ラダーン祭りを開催するフラグを立てつつ、デクタスの割符を入手する。
    • 「導きの始まり」→「宿場跡の地下室」の祝福を解放。
    • 「霧の森のはずれ」→「ハイト砦の西」
    • 「ハイト砦」でデクタスの割符(左)を入手。
    • 「シーフラ河の井戸」→「シーフラ河、岸辺」から東の崖沿いにいるブライヴと会話。
    • ラニの魔術師塔」→「セルブスの魔術師塔」でセルブスと会話し紹介状を貰う。
    • 「宿場跡の地下室」へ行き、セレンに紹介状を渡す。
    • 「ファロス砦」へ行き、デクタスの割符(右)を入手する。
    • ファロス砦へ向かう方法は、いくつかある。
      • 霧の森のはずれから第三マリカ教会の裏にある転送門から獣の神殿に行き、そこから南下する。
      • 霧の森のはずれから第三マリカ教会から、霊気流で崖を登り燻り教会へ。その後、キレムの廃墟を経由してひたすら東へ。
      • 嵐丘のボロ家からひたすら東へ。聖人橋、呼び水村のはずれを経由し、燻り教会に向かう。以後は上記と同じ。
  3. ラダーン祭りに参加する。
    • 「ファロス砦」から「腐れ教会」を経由し、サリアの関門の東にある丘をトレントで下る。
    • 「エオニア沼、南岸」→「不落の大橋」付近の転送門から赤獅子城内へ。
    • 「広場前の部屋」→ジェレーンと会話しラダーン撃破。
  4. ノクローンで「指殺しの刃」と「霊姿すずらんの大輪」を入手する。
    • 「ハイト砦の西」から「永遠の都、ノクローン」へ。
    • 写し身を倒し、「祖霊の森」へ。
    • 「祖霊の森」の南西から「夜の神域」へ。
    • 「夜の神域」北にいる巨人に変身するスライムを倒す。
    • 「指殺しの刃」と「霊姿すずらんの大輪」を宝箱から入手。
  5. 永遠の都ノクステラで「霊姿すずらんの大輪」を入手する。
    • ラニの魔術師塔」でラニに「指殺しの刃」を渡す。
    • レナの魔術師塔からエインセル河本流へ。
    • エインセル河本流」(小さなラニは拾わなくてもよい)から、「永遠の都ノクステラ」へ。
    • 階段を昇り、橋を渡って右の部屋(鉄球に閉じ込められる)の宝箱から「霊姿すずらんの大輪」を入手する。
  6. アルター高原へ向かう。
    • 「レアルカリア南門」→「学院正門前」の転送門で「レアルカリア東門」方面へ。
    • 「デクタスの大昇降機」からアルター高原へ。
ラニのイベントをやらない場合(20分くらい)

ネフェリルーに「嵐鷹の古王」を渡してから、アルター高原へ向かう。
デクタスの割符の左右を入手するか、レアルカリア経由で火山館に向かう方法があるが、移動距離などを考えると、古遺跡断崖を経由するのが早いと思われる。

ー目標

    1. 魔術学院レアルカリアを攻略し大ルーンを入手する。
    2. 「古遺跡断崖」経由でアルター高原へ向かう
  1. 魔術学院レアルカリアを攻略し大ルーンを入手する。
    • 「レアルカリア南門」→「学院正門前」→「カッコウの教会」→「学び舎の一室」
    • 「討論室」でラダゴンの赤狼撃破。
    • 満月の女王レナラ撃破し大ルーンを入手する。
  2. 「古遺跡断崖」経由でアルター高原へ向かう
    • 「学院正門前」の転送門で「レアルカリア東門」方面へ
    • 「ベイルム教会」内の下り坂から「谷底の隠し村」へ
    • 「古遺跡断崖」で溶岩土竜、マカールを倒し、アルター高原へ

王都ローデルの攻略(30分弱)

  • 目標
    1. 王都ローデルでモーゴットを倒す。
    2. ゴドリックの玉座「古竜岩の鍛石」を入手する。
    3. 巨人達の山嶺へ向かう。
  1. 王都ローデルを攻略する。
    • アルター街道の三叉路」→「外廊の幻影樹」
    • 外壁を北東方面へ向かい、竜のツリーガードを倒し「王都城壁前」へ。
    • 「王都東城壁」→「大通り脇の露台」
      • 正規のルートを通ってもいいが、「王都東城壁」から壁沿いに飛び降りて、壁の縁で落下ダメージを軽減すれば下まで落ちれる。
    • 「王都西城壁」→「黄金樹の大聖堂」へ向かい、ゴッドフレイを撃破。
    • 「エルデの玉座」でモーゴットを倒す。
  2. ストームヴィル城で「古竜岩の鍛石」を入手する。
    • 「ゴドリックの玉座」で一旦休憩。
    • 玉座に向かい、ネフェリルーから「古竜岩の鍛石」を貰う。
    • ゴストークから「古竜岩の鍛石」を購入。
  3. 巨人たちの山嶺へ
    • 「王都東城壁」か「大通り脇の露台」から「禁城」方面へ
      • 「王都東城壁」から落下した方が早い
      • 「ロルドの大昇降機」へはひたすら北東へ向かう

巨人たちの山嶺

  • 目標
    1. ソールの城砦で聖樹の秘割符(左)を入手する。
    2. 巨人の火の釜へ向かう道中で「古竜岩の鍛石」を入手。
    3. 黄金樹を焼く。
  1. 「ソールの城砦」で聖樹の秘割符(左)を入手する
    • 「ロルドの大昇降機」→「古遺跡谷の雪谷」から右に曲がり「氷結湖」
    • 「氷結湖」から「古遺跡谷の崖上」を経由し「ソールの城砦、正門」
    • 宿将二アールを倒し聖樹の秘割符(左)を入手する
  2. 「古竜岩の鍛石」を入手。
    • 「古遺跡谷の崖上」から「異端の魔術師塔」の見えない橋を渡り、南の壁にこすりつけるようにトレントで二段ジャップすると、ショートカット可能。
    • 「巨人墓標」
      • 「墓すずらんの大輪」が足りない場合は「巨人戦争の英雄墓」へ向かう。
    • 「安息教会」近くのドクロ城の岩から「古竜岩の鍛石 」を入手する。
  3. 黄金樹を焼く。
    • 「火の釜の麓」に向かい、火の巨人を倒す。
    • 「火の釜の麓」でイベントを起こす。

崩れゆくファルム・アズラを攻略する(1時間弱)

「古竜岩の鍛石」を3個、「古竜岩の喪色鍛石」を1個、「墓すずらんの大輪」を2個入手できる。

  1. 崩れゆくファルム・アズラを攻略する。
    • 「崩れゆく獣墓」の先にいる竜を倒し「古竜岩の鍛石」を入手。
    • 「崩れゆく獣墓、奥部」から左に向かい、一旦建物を出て屋根伝いに隣の建物の2階に入り「墓すずらんの大輪」を入手。
    • 「竜巻を臨む露台」から「竜の聖堂」へ。
    • 「竜の聖堂」から階段に飛び降りて、ハシゴを上ったどん詰まりで「墓すずらんの大輪」を入手する。
    • 「竜の聖堂」から「竜聖堂の祭壇」へ向かい神肌二人を撃破。
    • 「竜聖堂の祭壇」から「竜の聖堂、屋根上」の途中にある階段を昇り、空中に浮く柱を伝った先にある遺体から「古竜岩の鍛石」を入手。
    • 「竜の聖堂、屋根上」へ向かい、その先の竜を倒して「古竜岩の鍛石」を入手。
    • また、竜の奥にある東屋から「古竜岩の喪色鍛石」を入手。
    • 「大橋梁の脇」へ向かい、獣の司祭ことマリケスを撃破。

灰都ローデルからエルデの獣

  1. 「古竜岩の喪色鍛石」を入手しラスボスを倒す
    • 「王都西城壁」の祝福があった付近をうろついているガーゴイル近くの遺体から「古竜岩の喪色鍛石」を入手する。
    • 「黄金樹の大聖堂」でギデオンを撃破し、
    • 「エルデの玉座」で戦士、ホーラ・ルーを倒し、その奥で黄金律ラダゴンとエルデの獣を倒す
    • 次の周回に行かないように

雪別雪原からミケラの聖樹へ(1時間強)

  • 目標
    1. 雪別雪原で「墓すずらんの大輪」を2個、「古竜岩の鍛石 」を3個、「古竜岩の喪色鍛石」を2個入手する。
    2. モーグウィン王朝で「古竜岩の喪色鍛石」「霊姿すずらんの大輪」を入手する。
    3. ミケラの聖樹で「墓すずらんの大輪」を1個、「古竜岩の鍛石 」を2個、「古竜岩の喪色鍛石」を2個入手する。
  1. 雪別雪原で「墓すずらんの大輪」を2個、「古竜岩の鍛石 」を3個、「古竜岩の喪色鍛石」を2個入手する。
    • 「ロルドの大昇降機」から「聖樹への秘路」を経由し「聖別雪原」へ。
    • 「聖別雪原」から「聖別雪原の地下墓」へ向かいボスを倒し「墓すずらんの大輪」を2個入手する。
    • 「聖別雪原、奥地」を起点に、
      • 東へ向かい「大土竜テオドリックス」の裏にある「古竜岩の鍛石 」を入手。
      • 南西にいる「夜の騎兵」を二体倒し「古竜岩の鍛石 」を入手。
      • 西の川沿いで侵入してきた「アナスタシア」を倒し「古竜岩の喪色鍛石」を入手。
    • 典礼街オルディナ」から「棄教の廃屋」へ向かい、ラティナのイベントを終え「古竜岩の喪色鍛石 」を入手する。
    • 「聖別雪原、奥地」から「イエロアニスの坑道」へ向かい遺体から「古竜岩の鍛石 」を入手。
    • 「イエロアニスの坑道」北部の転送門から「モーグウィン王朝」へ。
  2. モーグウィン王朝で「古竜岩の喪色鍛石」「霊姿すずらんの大輪」を入手する。
    • 「王朝に至る崖路」→「王朝廟入口」→「王朝廟中腹」へ向かう洞窟内で「霊姿すずらんの大輪」を入手。
    • 「王朝廟中腹」の像の足下にある宝箱から「古竜岩の喪色鍛石」を入手。
  3. ミケラの聖樹で「墓すずらんの大輪」を1個、「古竜岩の鍛石 」を2個、「古竜岩の喪色鍛石」を2個入手する。
    • 典礼街オルディナ」から「ミケラの聖樹」へ。
    • 「聖樹街」から「聖樹街、広場」へ。
    • 「聖樹街、広場」から「聖樹の騎士、ローレッタ」へ向かい道中の混種の戦士がいる場所で「古竜岩の鍛石 」を入手。
    • ローレッタを倒しハシゴを下りた先の塔を昇って宝箱から「古竜岩の鍛石 」を入手する。
    • 「祈祷室」から腐敗した樹霊のいる場所へ向かい、その奥にある遺体から「古竜岩の喪色鍛石」を入手。
    • 「祈祷室」から「エブレフェールの内壁」へ向かう際に、手すりを飛び越え小部屋の上を通った先にある宝箱から「古竜岩の喪色鍛石」を入手。近くに「苗床の呪い」がある。
    • 「排水路」の祝福を解放し、赤い腐敗沼に戻り奥にある「墓すずらんの大輪 」を入手。爛れた樹霊がいるので注意。

チャート構築の指針

エルデンリングは周回毎に敵が強化され、8周目で最大となります。鍛石に関しては、武器の数が多いため8周で最大強化するのは不可能ですが、遺灰なら8周以内で最大まで強化できます。そこで、8周で遺灰を最大まで強化できるチャートの構築を目指しました。

聖別雪原に行くかどうか

聖別雪原はクリアには必須ではありません。しかし、訪れると、古竜岩の鍛石を5個、古竜岩の喪色鍛石を4個入手できます。ついでに、墓すずらんの大輪が3個も手に入ります。
また、モーグウィン王朝にも寄れます。そうすれば古竜岩の喪色鍛石と霊姿すずらんの大輪を1つずつ入手できます。聖別雪原に行かない手はないでしょう。

王都ローデル前の大ルーン2つ

王都ローデルに入るには、大ルーンを2つ取得する必要があります。王都ローデル以前に入手できる大ルーンは、ゴドリック、レナラ、ラダーン、ライカード、モーグのどれか。
ゴドリックを倒すと、ネフェリルーのイベントで古竜岩の鍛石を最大2個入手できるので外せません。
イカードはお手軽に倒せますが、火山館では古竜岩やすずらんの大輪が入手できないので却下です。
モーグは王朝で古竜岩の喪色鍛石と霊姿すずらんの大輪が入手できますが、王都ローデル前に訪れるにはヴァレーのイベントをこなす必要があります。ネフェリルーのイベントを被る部分もありますが、聖別雪原に行くことを考えれば、王都ローデル前に訪れる必要は無いでしょう。
ラダーンと戦うにはラニのイベントを進める必要があります。フラグ立てに手間がかかりますが「霊姿すずらんの大輪」を2個入手できます。道中でデクタスの割符の割符も入手できます。
名前付きの遺灰を全て強化するには「霊姿すずらんの大輪」を22個集める必要があります。周回で最大4個入手できるので、8周する場合も毎回ラニのイベントを進める必要はありません。その場合は、レナラを倒すのが良いでしょう。
ラニのイベントを進める場合も、魔術学院レアルカリアの転送門は何かと便利なので「学院の輝石鍵」は入手しておきます。

8週目以降

すずらんを集め終わったら、すずらんの入手だけ外せばOKです。
鍛石を集めるなら、glitch を使って崩れゆくファルム・アズラのみを周回するのが最も早いと思います。

古竜岩の入手数と場所

古竜岩の鍛石は13個ありますが、内2つは手に入れには長いイベントを完了する必要があります。
ひとつは、セレンのイベントを進めジェーレンと協力した際、もうひとつは獣の司祭に死の根を9つ渡すと手に入ります。周回を回すなら、この2つを無視した方がよいでしょう。
古竜岩の喪色鍛石は8個手に入りますが、内1つはミリセントのイベントを完了まで進める必要があります。このイベントも手間がかかるため、無視した方が効率はよさそうです。
以下に、古竜岩の鍛石と古竜岩の喪色鍛石の入手方法をまとめました。

  • 古竜岩の鍛石 13個
    • NPCイベント 4個
      • ネフェリ・ルーのイベントを進める
      • ネフェリ・ルーのイベントを進めゴストークから購入
      • セレンのイベントを進めジェーレンと協力(セレンと敵対)
      • 獣の司祭に死の根を9つ渡す
    • 拾う 6個
      • 火の頂の安息教会の南東にある大きな頭蓋骨内の遺体
      • 崩れゆくファルム・アズラにある「竜の聖堂、昇降機前」の昇降機を下りた先の遺体
      • イエロアニスの坑道の遺体
      • 聖別雪原の寄る辺の洞窟から東に向かい大土竜テオドリックスの出現した先の遺体
      • ミケラの聖樹の「聖樹街」から道なりに進んだ混種の戦士がいる場所
      • ミケラの聖樹の「聖樹の大舞台」付近のハシゴを下り、石造りの建物を登った先
    • 敵を倒す 3個
      • 崩れゆくファルム・アズラで「崩れゆく獣墓」の先にいる竜を倒す
      • 崩れゆくファルム・アズラの「竜の聖堂、屋根上」の先にいる竜を倒す
      • 聖別雪原の夜の騎兵を倒す
  • 古竜岩の喪色鍛石 8個
    • NPCイベント 2個
      • ラティナのイベントを完走する(聖樹の秘割符(左)にラティナに会う)
      • ミリセントのイベントの最後で協力する
    • 拾う 5個
      • ファルムアズラの「竜の聖堂、屋根上」の先にある東屋
      • 灰都ローデイルのガーゴイル近くの遺体
      • モーグウィン王朝の「王朝廟中腹」付近の宝箱
      • ミケラの聖樹の「祈祷室」から右手側に下りた遺体
      • ミケラの聖樹の「祈祷室」から「エブレフェールの内壁」の間にある宝箱(上ルート)
    • 敵を倒す 1個
      • 聖別雪原で侵入してきたアナスタシアを倒す
すずらんの入手数と場所

遺灰の数は限られています。可能ならば敵が最大強化される8周目で、全種を強化できるだけの大輪を手に入れたいです。
一般の遺灰は42種で、名前付きが16種と傀儡が6種あります。
一般は「墓すずらんの大輪」、名前付きと傀儡が「霊姿すずらんの大輪」で最大強化できます。
つまり、「墓すずらんの大輪」は42個、「霊姿すずらんの大輪」は22個必要です。
以下に、墓すずらんの大輪と霊姿すずらんの大輪の入手方法を示します。

  • すずらんの大輪 6個
    • 巨人戦争の英雄墓
    • 崩れゆくファルム・アズラの「崩れゆく獣墓」から屋根をつたった先
    • 崩れゆくファルム・アズラの「竜の聖堂」の先
    • 聖別雪原の地下墓のボスを倒す 2個
    • 聖樹の支えの「排水路」の先にある腐敗沼

「墓すずらんの大輪」は最大で6個入手できます。「巨人戦争の英雄墓」は攻略のルート上になく、鍛石なども手に入りません。できれば寄りたくないです。そうすると、2周は頑張って「巨人戦争の英雄墓」に行き、以降の周回は寄らなければ、6 × 2 + 5 × 6 = 42 個入手できます。

  • 霊姿すずらんの大輪 4個
    • エインセル河のノクステラの竜人兵を倒した先の宝箱
    • モーグウィン王朝の「王朝廟中腹」近くのの洞窟内
    • 永遠の都ノクローンの夜の神域にある宝箱
    • 永遠の都ノクステラの宝箱(鉄球に閉じ込められる部屋)

「霊姿すずらんの大輪」は地下世界にあります。設定と結びついていそうで興味深いですね。エインセル河のノクステラの竜人兵以外は、本編とは関係ないフラグを建てる必要があります。最大数集めるにはラニのイベントが必須となります。
ラニに関連するイベントはラダーン祭りも含めて、古竜岩も墓すずらんの大輪も絡みません。回転率を考慮するならラニのイベントは無視したい。
3周はラニのイベントをやって、残りの5周はエインセル河とモーグウィン王朝にある2つを回収すれば、4 × 3 + 2 × 5 = 22 個入手できます
もしくは、ラニのイベントを4周、エインセル河とモーグウィン王朝に訪れる回を2周、モーグウィン王朝のみを訪れる回を2周すれば、4 × 4 + 2 × 2 + 1 × 2 = 22個入手できます。
エインセル河を訪れる理由はないのですが、ラニのイベントは長いため、周回を含めたルート取りは悩ましいです。

エルデンリング周回用メモ

1週目でやっておくこと

  • エンディング以外のトロフィー(実績)を取得する
    • トロフィー(実績)に関わるボスは1週目に倒しておいた方が楽。
    • ただし、一部ボスなどはストーリー進行によっては戦えない。その場合は2週目以降に挑戦する。
    • 伝説の武器、タリスマン、魔術、祈祷も、ストーリー進行で入手不可になるものがある。
    • 伝説の武器を全て入手しても、トロフィーを取得できない不具合がある模様。その際は、伝説の武器を祝福で木箱につめるとトロフィーを取得できる。
  • 追憶からアイテムを得る
    • 追憶は全部で15個ある。
    • 追憶で交換できるアイテムは二種。
    • 霊廟で複製もできるが、霊廟は7カ所しかないため、必然的に周回が必要。
  • 石剣の鍵を集める
    • 1週目で石剣の鍵の部屋を全て開けるよりも、1週目で多めに取得しておき、2週目で開けた方が開け忘れを防止しやすい。
  • 魔術のスクロールと祈祷書を集める
    • 魔術のスクロールと祈祷所書は、リエーニエ地方にある「結びの教会」にいるミリエルに渡すのがおすすめ。場所を移動しないのと、ゲーム終盤まで購入可能。
    • スクロールは、魔術師セレンに渡してもゲーム終盤まで購入可能。
    • 祈祷書はコリンにも渡せるが、イベントを進行させると移動するので見つけるのが面倒。
    • 竜を倒して、竜餐教会で祈祷を得るのも忘れずに。竜の心臓は1週目で必要分を取得可能。
  • 製法書を集める
    • フィールドやダンジョンに落ちている製法書を忘れがち。
  • 各種アイテムを集めておく
    • 鍛石など購入できるアイテムを買い込んでおく
    • 有用な素材も集めておく

2週目に引き継げないもの

  • 祝福の開放状態。地図やロケーションは引き継がれる。
  • 鈴玉類は引き継げないので再取得が必要。
  • 割符などストーリーに関連するアイテム。
  • 黄金の種子と聖杯の雫は引き継げないが、聖杯瓶の強化は1週目で完了できる。

鍛石の鈴玉

鈴玉 地方 場所 鍛石
鍛石掘りの鈴玉【1】 リエーニエ レアルカリア結晶坑道 1, 2
鍛石掘りの鈴玉【2】 アルター高原 封印された坑道 3, 4
鍛石掘りの鈴玉【3】 巨人達の山嶺 ザミエルの廃墟 5, 6
鍛石掘りの鈴玉【4】 崩れゆくファルム・アズラ 神肌のふたり 7, 8
鈴玉 地方 場所 喪色の鍛石
喪色掘りの鈴玉【1】 ケイリッド サリアの結晶坑道 1, 2
喪色掘りの鈴玉【2】 アルター高原 アルター坑道 3, 4
喪色掘りの鈴玉【3】 巨人達の山嶺 第一マリカ教会付近の遺体 5, 6
喪色掘りの鈴玉【4】 崩れゆくファルム・アズラ 竜巻を臨む霞台付近の遺体 7
喪色掘りの鈴玉【5】 崩れゆくファルム・アズラ 大橋梁の脇の下にある遺体 8

古竜岩の鍛石と古竜岩の喪色鍛石

  • 古竜岩の鍛石
    • NPCイベント
      • セレンのイベントを進めジェーレンと協力(セレンと敵対)
      • ネフェリ・ルーのイベントを進める
      • ネフェリ・ルーのイベントを進めゴストークから購入
      • 獣の司祭に死の根を9つ渡す
    • 拾う
      • イエロアニスの坑道の遺体
      • 火の頂の安息教会の南東にある大きな頭蓋骨内の遺体
      • 聖別雪原の寄る辺の洞窟から東に向かい大土竜テオドリックスの出現した先の遺体
      • ミケラの聖樹の「聖樹街」から道なりに進んだ混種の戦士がいる場所
      • ミケラの聖樹の「聖樹の大舞台」付近のハシゴを下り、石造りの建物を登った先
      • 崩れゆくファルム・アズラにある「竜の聖堂、昇降機前」の昇降機を下りた先の遺体
    • 敵を倒す
      • 聖別雪原の夜の騎兵を倒す
      • 崩れゆくファルム・アズラで「崩れゆく獣墓」の先にいる竜を倒す
      • 崩れゆくファルム・アズラの「竜の聖堂、屋根上」の先にいる竜を倒す
  • 古竜岩の喪色鍛石
    • NPCイベント
      • ラティナのイベントを完走する(聖樹の秘割符(左)にラティナに会う)
      • ミリセントのイベントの最後で協力する
    • 拾う
      • ファルムアズラの「竜の聖堂、屋根上」の先にある東屋
      • モーグウィン王朝の「王朝廟中腹」付近の宝箱
      • ミケラの聖樹の「祈祷室」から右手側に下りた遺体
      • ミケラの聖樹の「祈祷室」から「エブレフェールの内壁」の間にある宝箱(上ルート)
      • 灰都ローデイルのガーゴイル近くの遺体
    • 敵を倒す
      • 聖別雪原で侵入してきたアナスタシアを倒す

すずらんの鈴玉

鈴玉 地方 場所 すずらん
すずらん摘みの鈴玉【1】 アルター高原 ウィンダムの地下墓 1, 2, 3
すずらん摘みの鈴玉【2】 巨人たちの山嶺 巨人山嶺の地下墓 4, 5, 6
すずらん摘みの鈴玉【3】 崩れゆくファルム・アズラ 竜巻を望む霞台 7, 8, 9
鈴玉 地方 場所 すずらん
霊姿摘みの鈴玉【1】 シーフラ河 永遠の都、ノクローン 1, 2, 3
霊姿摘みの鈴玉【2】 エインセル 永遠の都、ノクステラ 4, 5, 6
霊姿摘みの鈴玉【3】 ミケラの聖樹 ミケラの聖樹最下層 7, 8, 9

遺灰は数が限られているので、1週目で遺灰を全部集めて、+9 まで強化したほうが効率はよいと思う。

すずらんの大輪と霊姿すずらんの大輪

  • すずらんの大輪
    • 巨人戦争の英雄墓
    • 聖別雪原の地下墓のボス
    • 聖樹の支えの「排水路」の先にある腐敗沼
    • 崩れゆくファルム・アズラの「崩れゆく獣墓」の奥
    • 崩れゆくファルム・アズラの「竜の聖堂」の先
  • 霊姿すずらんの大輪
    • モーグウィン王朝の「王朝廟中腹」近くのの洞窟内
    • エインセル河のノクステラの竜人兵を倒した先の宝箱
    • 永遠の都ノクローンの夜の神域にある宝箱
    • 永遠の都ノクステラの宝箱(鉄球に閉じ込められる部屋)

割符

  • デクタスの割符(左)
    • リムグレイブ地方のハイト砦
  • デクタスの割符(右)
    • ケイリッド地方のファロス砦
  • 聖樹の秘割符(右)
    • リエーニエ地方、しろがね村にいるアルバス老
  • 聖樹の秘割符(左)
    • 巨人たちの山嶺のソールの城砦

取り忘れ OR 二者択一のタリスマン

  • 魔力の蠍
    • セルブスのイベントを、ラニイベントを終える前に完了させる。
  • 戦士の壺の破片(アレキサンダーの破片と択一)
    • アレキサンダーを殺害する
    • リムグレイブの聖人橋から南の崖上が最初
    • ケイリッドのゲール坑道のボス近く
    • リエーニエのカーリア書院の南の高台
  • ミリセントの義手(入手済み)(腐敗翼剣の徽章と択一)
    • ミリセントと敵対する
    • 恐らく、戦乙女の義手を渡して旅立って以降に殺害することでも入手可能

王都ローデルのアイテム

灰都になるとアイテムを入手できなくなる。
特に、伝説の武器である「グランサクスの雷」を取り逃すと、トロフィー(実績)を解除できなくなる。
忌み捨ての地下は灰都後も攻略可能。

  • 黒弓
    • 大通り脇の露台から降りた屋根の上
  • 秘文字の剣
    • 王都西城壁から行ける円卓の中
  • 黄金樹の弓
    • 黄金樹の大聖堂のゴットフレイを倒した先
  • 黄金律原論
    • 黄金樹の大聖堂のゴットフレイを倒した先
  • 黄金樹の種子
    • 大通り脇の露台から降りた先の爛れた樹霊を倒す
    • 黄金樹の種子は多めに手に入るため、倒し忘れても問題なし
  • 戦灰「落雷」
    • 大通り脇の露台付近

時限性NPCイベント

「巨人たちの山嶺」の祝福に触れる、巨人の火の釜でイベントを進行させ黄金樹を焼く、などがフラグになっている模様。

ラニ関連
  • 半狼のブライヴ
    • イベントを全部みたいなら、ラニに会う前にリムグレイブ地方の霧の森の廃墟へ。
    • ラニのイベントを進行すれば、装備一式は入手できる。
  • セルブス
    • ラニのイベントを追える前に完了させないと傀儡や魔力の蠍を入手できなくなる
火山館関連

火山館は関連する NPC が多い。ライカードを倒す前に、進行させる必要のあるイベントが多い。
また、タニスとパッチのイベントには続きがあるようだが、現在の所は進行させる方法はなさそう。ゴストークのイベントの続きがアップデート後に追加されたことから、タニスも追加される可能性がある。
周回前にタニスを殺害し、装備を入手してもよい。
タニス以外のイベントは巨人たちの山嶺でユーノ・ホスローを倒す前までに完了しておく。

  • パッチ
    • リムグレイブの曇り川の洞窟
    • 戦闘になるがとどめを刺さないように。
  • ラーヤ
    • リエーニエの見晴らし島付近
    • 「火山館からの手紙」を優先させると、タニスから忘却の秘薬が貰えなくなる。
  • ディアロス
    • 黄金樹を焼く前にイベントを進行させる。
「巨人たちの山嶺」到達前
  • しろがねのラティナ
    • リエーニエ地方の湖脇の洞窟結晶の先。
    • 巨人たちの山嶺で聖樹の秘割符(左)を入手すると、しろがねのラティナが死亡。同名の遺灰は手に入るが、報酬である古竜岩の喪色鍛石を入手できない。
    • ちなみに、殺害すると蒼銀の防具一式を入手できる。聖別雪原に出現するしろがねの射手もドロップするが一式揃えるのは至難。
  • 血の指の狩人ユラ
    • リムグレイブの海を臨む古遺跡の近くに出現。
    • 巨人たちの山嶺到達に到達するとユラが死亡するため、イベントを追えなくなる。
    • ただし「長牙」は入手可能。侵入イベントも発生するため、アイテムの取り逃しなどはない。
円卓関連

崩れゆくファルム・アズラの到達前、つまり黄金樹を焼く前。
焼いた後だと、円卓からイベントを進行させるための NPC がいなくなるため。

  • 金仮面卿とコリン
    • 円卓が燃える前にコリンのイベントを開始しておかないと完了できなくなる。
    • 灰都ローデルになる前にイベントを進めないと完了できなくなる。
  • Dと死衾の乙女フィア
    • Dとフィアのイベントを進めるなら黄金樹を焼く前に開始しておかないと完了不可。
    • 焼く前に完了させた方がよい。
  • ネフェリルーと糞喰い
    • ネフェリルーのイベントも、黄金樹を焼く前に
    • セルブスの精薬をネフェリルーか糞喰いに飲ませると、セルブスからそれぞれの傀儡を入手できるようになる。両者のイベントを進めたい場合はギデオンに渡す。
ならず者

リエーニエ地方のエビ茹でのボロ家に出現。
ラーヤと糞喰いに関連する。
ゆでカニやを苗床の呪いを入手するなら殺さないこと。

イレーナとエドガー、灯を探すハイータ【追記(4/20):Ver. 1.04】

イレーナとエドガーのイベントは、リムグレイブの贄送りの大橋にいるイレーナに話しかけるとスタート。
ストーリーを進めすぎると、復讐者のボロ家にエドガーが現れない。黄金樹を焼く直前には出現することを確認。
必然的に灯を探すハイータのイベントを完了できなくなる。

4/19にリリースされたパッチ1.04のアップデート情報によると、復讐者のボロ家にエドガーが現れないのはバグだった模様。現在は修正済み。

湖のリエーニエの全てのボスを撃破していた場合に、「復讐者エドガー」、「指痕爛れのヴァイク」が侵入しなくなる不具合の修正

ジェーレンとセレン

ジェレーンと協力すると古竜岩の鍛石を入手できる。
セレンと協力するとジェーレンの装備一式、輝石のクリスを入手できる。

ちゃんと絵を見て!たわわの全面広告は「えっち」でしょ

natalie.mu

えっちでしょ

「月曜日のたわわ」による日経新聞の全面広告が物議を醸しています。個人的に気になったのは該当のイラストが「えっちではない」という主張。
確かに、一見すると「健全」なイラストにようですが、よくよく見ると「えっちなシチュエーション」に描かれています。このシチュエーションは「月曜日のたわわ」の「お約束」でもあり、本作を知らないと気がつくのが難しい「文脈」ではあります。しかし、知らなくても「健全ではない」と感じ取れるようになってもいます。

逆に「月曜日のたわわ」を知っていて、このシチュエーションに気がつかないのは、絵を全く見ていないと言わざるを得ません。

「月曜日のたわわ」とは

「月曜日のたわわ」は、比村奇石(@Strangestone)により、2015年2月から毎週月曜日に Twitter に公開されるイラストで、2016年10月と2021年9月にウェブアニメ化もなされています。また、2020年11月からヤングマガジンヤンマガ)で漫画版の連載がスタートし、今回の日経新聞における全面広告もヤンマガによるもので単行本の宣伝も兼ねています。

当初 @Strangestone のアカウントには「月曜朝の社畜諸兄にたわわをお届けします」と題されていました。ヤンマガも月曜日発売で、このコンセプトを引き継いでいるのでしょう。今回の広告でヤンマガ編集部も、その点を窺わせるコメントをしています。

4月4日は今年の新入社員が最初に迎える月曜日です。
不安を吹き飛ばし、元気になってもらうために全面広告を出しました。

-「月曜日のたわわ」全面広告が日本経済新聞に「不安を吹き飛ばし、元気になってもらうため」(コメントあり) - コミックナタリー

たわわはおっぱい

Twitter 版の「月曜日のたわわ」は胸の豊かな女性の描かれたイラストがアップロードされています。キャラクターも様々です。服こそ着ているものの、胸が強調されたえっちなイラストです。端的に言えば「おっぱい」を強調することでバズを狙ったイラストです。

ヤンマガ版も「おっぱい」が話の中心です。マンガにするにあたり、キャラクターが絞られています。
主に「アイちゃん」、「前髪ちゃん」、「後輩ちゃん」が登場します。それぞれに、シチュエーションがあり、「アイちゃん」は電車で通学する高校生で同じ車内で出会った「お兄さん」との関係性、「前髪ちゃん」も高校生ですが「先生」との関係性、「後輩ちゃん」は職場との先輩との関係性となっています。
今回の広告では「アイちゃん」で、無料公開されている一話に登場しています。
月曜日のたわわ - 第1話 アイちゃん① | ヤンマガWeb

アイちゃんとボタン

「アイちゃん」は胸が大きすぎてシャツのボタンがよく外れます。なぜか、お兄さんを好いており、なぜか、そのボタンをお兄さんにあげます。

この点を抑えた上で、もう一度広告のイラストを見てみましょう。

natalie.mu

「アイちゃん」が身体を左に向け、こちら側を見ています。左手で胸が隠れるように描かれていますが、よくよく見ると胸の大きさを隠し切れていません。そして、右手にボタンを持っています。これの意味するところは、左手はシャツのボタンが外れて押さえている、ということでしょう。
つまり、胸が隠れるように描いているのではなく、「アイちゃん」が胸を隠さざる得ないシチュエーションとして描いているわけです。
まさに「月曜日のたわわ」のお約束が描かれています。この点を考えると日経新聞への掲載意図は、ファン向けというか内輪向けと感じます。Twitter で知ってはいるけど、ヤンマガでの漫画版を知らない、単行本が出ているのを知らない人は多いでしょう。

モブな男の人達

「アイちゃん」の相手役である「お兄さん」は目が描かれていません。これは「前髪ちゃん」の思い人である「先生」や「後輩ちゃん」の「先輩」も同様。
マンガやアニメなどでは、周囲に存在するがストーリーに絡まない人物を細かく描かないことがあります。いわゆるモブですが「お兄さん」はモブでありません。
絵に限らず、主役の相手役なのにディティールが明確に描かれていません。この手法は、モブというよりもエロマンガエロゲーの主人公の描き方に近いと感じます。つまり、相手役はだれでもいいのです。むしろ、ディティールを描かないことで読者に近い存在として描かれています。

男性の顔が描かれないのは「月曜朝の社畜諸兄にたわわをお届けします」のコンセプトとしては一貫してます。服こそ着ていますが「月曜日のたわわ」は、「おっぱい」を愛でるためのイラストであり、マンガなのです。主役の相手役の男性のディティールなど必要ないのです。

合わせ技一本でヤンマガ編集部がダメダメ

個人的に、広告自体は「たわわ」のお約束を示しつつ、現状のギリギリを攻めたなという印象です。日経新聞の全面広告に関しては、作品のコンセプトからすると電車通勤する男性サラリーマンにしか目を向けていないのかな?と感じました。日経新聞としては、それでいいんですかね?と思いますが、まぁいいのでしょうね。

個人的に、編集部が「不安を吹き飛ばし、元気になってもらうために全面広告を出しました」とコメントしたのはダメだったと思います。「たわわ」の作品コンセプトからすると「広告を見た人におっぱいを見て元気になってもらいたいです」と言っているのに等しいと感じます。実際に仕上がったイラストも、前述したように隠しているようで攻めています。

ちなみに、YouTube にアップロードされているヤンマガ版の「月曜日のたわわ 15秒CM」は年齢制限が設けられています。


www.youtube.com

絵や作品をきちんと見た?

「月曜日のたわわ」の広告に使われたイラストは、一見すると「健全」ですが、よくよく見ると
作品の「お約束」を体現した「えっちなシチュエーション」が描かれています。
「月曜日のたわわ」を知らなければ気がつきにくい点ではありますが、逆に知っていれば「違和」に気づけるようにもなっています。その点で、内輪向けというかファン向けのイラストなのでしょう。
Twitter などで見かけたことはあるが、単行本が4巻まで出ているのを知らない人は多いので、そのような人達もターゲットだろうと思われます。

今回のイラストが広告として、ありかなしか、は意見の分かれるところだと思います。個人的には、ギリギリありではあるけども、作品のコンセプトおよびヤンマガ編集部のコメントからして、日経新聞の全面広告はダメだったと考えます。
また、このイラストを「健全である」とか「えっちではない」「性的ではない」との指摘は「絵をきちんと見ていない」と言わざる得ません。あるいは「作品を知らない」。少なくとも、絵の文脈で語るなら、絵をしっかりと見据え、作品のことを知って欲しいと思います。

権力者が毒殺を防ぐために銀食器を使ったのは本当か

貴族が銀食器を好んで使う理由として、毒殺を防ぐためと書かれた本やウェブサイトを見かけますが本当なのでしょうか?
少し調べてみると欧米ではメジャーな雑学ではないようです。どうやら中国か韓国の王朝にその由来がありそうでした。
韓国でステンレス製の箸や器が好まれる理由として、上流階級が銀食器を使ったからとも書かれているのですが、これも本当なのでしょうか?
韓国の上流階級が銀食器を好んで使ったとが、その理由が毒殺を防ぐためという、確からしいソースが見当たりません。

疑問に思って調べてみたら、銀とヒ素の関係、世界史における銀の流通、ヨーロッパにおける食器の歴史に、中国の宮廷料理、韓国における塩不足に、銅やステンレスを含む金属の歴史などなどなど、とんでもない沼にはまってしまいました。

ちなみに、今回調べた内容はほぼウェブからの情報なので、不確かな点も多いです。確証を得るには、様々文献を調べ、専門家の意見を頂きたいところですが、そこまでやると本か何かを出版できるのでは?という気が・・・・・・。

ヨーロッパではメジャーな雑学ではない

Wikipedia の「銀食器」や「カトラリー」の英語版を読んでも、権力者が毒殺を防ぐために銀食器を使ったとは書かれていません。多分、適当な出典がないのでしょう。
日本語版の「銀食器」には、毒殺避けのために銀食器が使われたとありますが、出典は薬学*1や化学*2に関する文献で、ヨーロッパの歴史や食器に関する文献でありません。恐らく、銀の性質を説明するコラムかなにかに、銀食器を使ったとでも書かれているのでしょう。

英語版には、ヨーロッパの上流階級において、豊かな有力者は銀食器を用い、そうでない場合はスズの合金で銀色のしろめを用いていたとはありますが、毒殺避けの記述はありません。銀が好まれたのは、その輝きもさることながら、酸化しにくいからでしょう。もしくは、魔除け的な意味合いもありそうです。

ヨーロッパにおいて、食事の際にナイフやフォークなどのカトラリーを用いるのがマナーとなったのも、16世紀以降だと考えられます。スプーンは古くから使われていましたが、フォークがヨーロッパの貴族で使われ始めたのが16世紀以降だと考えられているからです。カトラリーによるマナーが成立したのは、その後の17世紀や18世紀頃でしょう。

英語で銀食器が使われる理由を検索しても、「毒殺避け」はあまりヒットしません。Quora にある Is it true that the Chinese Emperor used silver chopsticks so that he could detect poison in his food, and what poison is that? - Quora という質問のように、中国の皇帝が毒殺を避けるために銀食器を使った雑学は知られているようです。

あるいは、The Right Chemistry: Arsenic, 'king of poisons' and 'poison of kings' | Montreal Gazette では Korean kingdom of Bakeje (百済)が銀の箸を使ったなどと書かれています。

どうやら、毒殺を避けるために銀を使う由来は、中国や韓国(朝鮮半島)にあるようです。

ヒ素は銀を黒くしない

なぜ、銀食器を使えば毒を避けられるのでしょうか。多くの本やウェブサイトでは「ヒ素が銀を黒くする」からと説明されますが、実はヒ素は銀を黒くしません。

ヒ素毒に不純物として含まれる「硫黄」が銀を黒くしているのです。つまり、銀が硫黄と結びつき硫化銀になるため、黒ずんでしまうのです。なぜ、ヒ素毒には硫黄が含まれるのでしょうか?

ヒ素は古くから毒物として用いられていきました。純粋なヒ素でも中毒になりますが、毒として用いられるのはヒ素酸化物が多いようです。その中でも、三酸化二ヒ素は毒性が高く、硫砒鉄鉱から簡単に得られます。江戸時代頃には殺鼠剤として使われたいたようです。硫砒鉄鉱はその名の通り、硫黄分を含みます。つまり、この硫黄分が銀を黒くするのです。現代の三酸化二ヒ素は純度が高く硫黄を含まないため、銀を黒くしません。

また、銀は硫黄で黒くなるため、卵の黄身でも黒くなります。

青酸カリは銀の黒ずみをとるが・・・・・・

銀と反応する毒物として青酸カリがあります。シアン化物である青酸カリはめっきに使われますが、硫化銀と反応として、水に溶ける化合物に変化します。つまり、青酸カリで銀の黒ずみを取り除けます。

ただし、上流階級において銀食器は光沢を保つために常に磨かれていたはずです。そのため、青酸カリによって銀の黒ずみが無くなる機会はないように思われます。
シアン化カリウム - Wikipedia

清王朝では毒見役が銀の箸を使った

清王朝では毒見役が銀の箸を使っていたようです。

宮廷で御宴が行われる場合,「尚覚禄」と呼ばれる官吏が,皇帝が箸をつける前に,全ての料理を銀製のお箸で安全無毒かどうか試す.

引用元:立命館学術成果リポジトリ

皇帝に供されている料理は、何人もの厳重な検査を経ているが、さらに「賞膳」といって太監にその一部を試食させ、毒物の有無を試みさせた。銀の箸や象牙の箸の使用も毒物を発見するためであった。

引用元:東京家政大学機関リポジトリ より

気になるのは、象牙の箸も使っていたとの記述。毒を見つけるためなら、手段を選ばないように感じます。
食事に盛られる毒はヒ素に限りません。青酸カリに、トリカブトなどのアルカロイド、毒きのこやフグ毒に、ヘビの毒などなど、色々な毒があります。銀は、硫黄を不純物として含むヒ素毒の黒ずむので毒を検知できますが、純粋なヒ素では変化しません。シアン化物に反応する可能性もありますが、それ以外の毒の前には無力です。
銀は毒を検知するひとつの指標にはなりえますが、万能ではありません。先に述べたように、銀は卵黄でも黒くなる可能性があります。

https://kknews.cc/history/3j263v3.html によると、毒見薬には毒の知識が求められたようです。死ぬ可能性があるため、必死にもなるでしょう。恐らく、硫黄により銀が黒くなること、そのため卵黄でもそれが起こることを知っていたのではないでしょうか。
清王朝西太后が毒見のために用いた銀は純度の高い鉱山のものが用いられたようです。しかも、使い捨てとも書かれており、権力と財力のなせる業です。

この一連の毒見のプロセスは、権力による毒殺への抑止力として働いてたようにも思われます。毒見という儀礼。銀の他に象牙が使われたのも、その理由のひとつでしょう。銀は毒を検知する可能性はありますが、それ以上に銀の威光や価値に意味のある儀礼。絶大な権力を有するからこそできる儀礼ですが、裏を返せばそれだけ敵が多かったということでもあります。

薬屋のひとりごと」も、このような背景を下地にしているのでしょう。この「薬屋のひとりごと」は漫画版が、月刊ビッグガンガン月刊サンデーGXと二誌でそれぞれ連載されている、変な作品です。ガンガン版の一巻を買って、サンデー版の二巻を買うなどの事故が発生します。
小説版の出版も、主婦の友社による「Ray Books」レーベルから「ヒーロー文庫」に移っているの、紆余曲折のある小説ですね。

清王朝が毒見のために銀食器を使っていたのは、間違いなさそうですが、清以前の王朝でも同様なことがなされていたのかは分かりませんでした。

中国における銀の流通

金、銀、銅は古代から世界中で貨幣として使われてきました。ただし、どれが広く流通するかは領土内に存在する鉱山によります。中国では日常的には銅貨が使われ、高額となる納税や貿易では紙幣や銀が使われていました。
交易で広く銀が使われたのは、銅よりも価値があるとされ総重量が減るからでしょう。世界的にも、銀は交易で広く流通していました。ドルの名前やドル記号$も銀に由来しています。

中国では古代から日常的に銅貨が使われていることもあり、権力者は銅不足に悩まされていました。銅山の確保が権力を盤石にするといっても過言ではありません。
宋の頃に紙幣が使われ始めます。特に南宋では銅貨の流通が減ったため、紙幣の発行が増加しました。銀は主に交易用に用いられていたようです。
元では国土が広くイスラムや西洋とも交流が盛んだったため、銀が広く流通しました。その結果、中国の銀がイスラム世界からヨーロッパへと渡ります。結果的にユーラシア大陸の各地で銀の過不足が発生しました。
明でも銀が普及していたようですが、その多くは日本からの輸入でした。石見銀山の銀が日本から輸出されたようです。明の後期から清にかけては、新世界から銀がもたらされます。16世紀以降は、スペインにより中南米産の銀が世界中に流通しました。恐らく、ヨーロッパの上流階級が銀の食器を使うようになったは、これ以降でしょう。
この点からしても、清が毒見のために銀の箸を使っていたのは間違いないでしょう。逆に、それ以前に銀が使われていたかは怪しいように思われます。

韓国はなぜステンレス製の箸を使うのか

西太后が自身の食事の際にも銀の箸を使っていたかは不明ですが、現在の中国では日本同様に竹製や木製の箸が使われています。しかし、韓国ではステンレス製の箸が好んで使われます。スプーンや器もステンレス製です。箸は中国の文化圏で使われ、ベトナムなどでも使われていますがステンレス製が好まれるのは韓国だけです。

器に関しては、韓国は中国や日本と同様に陶器が有名な国であり、輸出もしていました。しかし、なぜ陶器よりもステンレス製の器が人気なのでしょうか?
その理由として「上流階級が銀製の箸や食器を使ったから」とされる記事が散見されます。そして上流階級が銀製の箸を好んだ理由が、またしても「毒を発見するため」です。
これまでの調査から、朝鮮半島の王朝が毒見のために銀の箸を使った可能性は薄いと考えられます。また、同様に上流階級が銀の食器を使っていた可能性もなさそうです。

箸とスプーンの関係

箸の歴史は古く、殷の頃にも見つかっていますが、当初は食事用ではなく調理器具だったと考えられています。漢の頃には、熱い汁物を食べる際に箸が使われていたようですが、箸で具材を挟んで食べるようになったのは明の頃からと考えられています。
日本には5世紀頃に仏教共に百済から箸が伝来したとされ、平安時代頃には広く使われていたようです。割り箸が登場したのは江戸時代で、その頃には現代と同じように、具材を掴んだり、そばをたぐるのに使われていたのでしょう。

朝鮮半島には、日本以前に伝わっていました。古代においては青銅製の箸や匙が使われていたようです。中国でも南北朝までは青銅製が使われていましたが、次第に使われなくなりました。

朝鮮半島では青銅製の箸が好んで使われ、時代が下ると真鍮製の箸も使われるようになります。

https://namu.wiki/w/%EC%A0%93%EA%B0%80%EB%9D%BD において、朝鮮半島において箸が普及したのはいつ頃かが議論されています。その中にチゲなどの汁物はスプーンで食べるのが自然で、箸が庶民に普及したのは18世紀頃ではないかとの意見がありました。

特に面白いなと思った指摘は、スプーンは韓国語で「숟가락」で語源は「술 (酒)」と「가락(細長い棒状の者)」と韓国固有の言葉だが、「箸」は中国語由来であるという点。
韓国料理ではスプーンと箸がセットなので、スプーンが古くから使われてきたのは間違いないように思われます。

森林の荒廃

中国でも韓国同様にスプーンが使われます。それ故に、南北朝までは箸もスプーンと同じ素材の青銅製が好んで使われたのでしょう。しかし、中国の銅は重金属を多く含んだため使われなくなり、韓国はそうではなかったため引き続き青銅製の箸が使われたと 箸 - Wikipedia にはありますが、これは要検証。
朝鮮民主主義人民共和国の鉱業 - Wikipedia によると、朝鮮半島の北部は鉱物資源が豊かであるものの、李氏朝鮮の4代国王である世宗は鉱山の開発には積極的ではなかったそうです。この点から、朝鮮半島の上流階級が食事の際に銀製の食器を使ったとするのは疑問です。

森の話 朝鮮半島 などでは、李氏朝鮮時代から森林が荒廃したともあります。水田を広げるためだったとされますが、結果として様々な弊害があったようです。

そのひとつが塩不足です。朝鮮半島においては海水から塩を得るのが手っ取り早いでしょう。海水から塩を得る方法として、海水を煮詰める方法と、天日干しにする天日製塩法とがあります。前者は薪などの燃料が必要ですが、後者は必要ありません。しかし、天日製塩法では広い塩田が必要です。また、降雨量の多い地域にも向きません。両方の点で、天日製塩法は日本と朝鮮半島では不向きです。日本にも塩田があり、天日を利用して海水を蒸発させますが、最終的には煮詰めています。

朝鮮半島では森林の荒廃により薪が不足していたため、塩も不足していたようです。また、朝鮮半島で製塩が下火になった背景として、中国から塩が大量に流入していたことも上げられます。中国なら、天日製塩法により安価に塩を精製できるからです。

韓国のキムチに唐辛子が入っているのは、塩不足が背景にあったと考えられています。元々は塩漬けだったようですが、唐辛子にとって変わられました。唐辛子を用いれば味付けの塩も減らせます。
唐辛子は、秀吉の朝鮮出兵の頃に朝鮮半島へ伝わったとされます。唐辛子の原産は中南米で、大航海時代にヨーロッパから日本に伝わり、それが朝鮮半島や中国に伝わったと考えられています。「唐辛子」の「唐」は中国ではなく、「海外」という意味でしょう。

さて、ここからは私の推測ですが、森林が荒廃していたとすると、塩不足の他に陶器の製造や鋳金もままならなかったでしょう。実際、陶器は高級品が中心で大量生産はされていなかったようです。
世宗が鉱山の開発に消極的だったのは、中国などから鉱物を要求されるのを回避するためにとの説がありますが、燃料不足のため精製や加工がままならなかった可能性も考えられます。
朝鮮半島は冬の寒さが厳しく、薪は煮炊きとともに暖房に必須です。煮炊き用の釜戸と床暖房が合わさったオンドルが発展したのも冬の寒さのためでしょう。

戦後に普及したステンレス製

朝鮮半島では、森林荒廃による薪不足で、金属加工がままならなかったと考えると、青銅製や真鍮製のの箸や匙は高級品だったのでしょう。つまり、「朝鮮半島では上流階級が金属製の食器を使っていた」のはあり得そうです。ただ、銀製とは考えにくいです。

韓国でいつからステンレス製の食器が使われ始めたのかを調べていたら、韓国人がステンレス製の箸を使う理由とは?庶民の夢・毒殺防止。 | ゆかしき世界 に気になる記述がありました。韓国人である呉善花さんによる「ワサビの日本人と唐辛子の韓国人」からの引用で、韓国でステンレス製の食器が広まったのは1970年代以降とあるのです。
幸いにも、Kindle Unlimited で直ぐに読めました。以下に該当部分を引用します。

現在の韓国でステンレス製の食器が一般の間に使われるようになったのは、二十数年前からのことである。
それ以前、庶民は白色の磁器を、上流階層では銅製の食器を使用するのが普通だった。銅製の食器は磨くとキラキラと金のように輝いて、庶民にとっては憧れの的であった。
戦後、生活が豊かになるにしたがって、銅製の食器は庶民の手にも入るようになったが、銅器というのはすぐに錆びてしまうから、磨くのに手間がかかるのが玉にきずだった。
そこで、ステンレス製の食器が市場に出るようになると、磨かなくても常時キラキラ輝いているということで、アッという間に韓国全土に普及していったのである。

本書は、呉善花さんのコラムを再録したもので、引用部分は1994年に発表されています。つまり、「二十数年前」とは大体1970年頃と考えられます。また、ここでの「戦後」は日本語で書かれているため第二次世界大戦後(1945年)の可能性もありますが、朝鮮戦争後(1953年)と考えた方がいいのかもしれません。
戦後に庶民を銅製の食器を使うようになったが、それがステンレス製に置き換わったと考えるのは自然に思えます。恐らく、スプーンや箸がステンレス製になったのもその頃でしょう。
年代的にもステンレスが大量生産されるようになった時期と一致します。

ステンレスは1910年代に工業的に実用化され始め、1940年代までに様々な改良がなされて行きながら利用が拡大していきます。耐食性の高さから航空機や鉄道の車両、建造物などに利用され始めます。
1950年代以降は欧米では大量に生産できるようになります。日本では、1965年以降に生産量が急増しています。恐らく、韓国のステンレスも日本で製造されたものでしょう。
アルミニウムの箸もあるようですが、アルミニウムの生産量が増えるのはステンレスよりも少し後なため、最初に普及したのはステンレス製でしょう。また、アルミニウムは傷が付きやすく耐食性を高めるためにアルマイトにすると、キラキラした金属光沢が失われる点も、ステンレスに劣ります。

長い長いまとめ

銀はヒ素と反応し黒くなるため、毒の判別に使われたとよく言われるが、銀を黒くするのは、ヒ素ではなくヒ素毒に含まれる硫黄分。硫化銀が銀の黒ずみのもと。硫砒鉄鉱などから、三酸化二ヒ素などのヒ素毒を精製する際に、硫黄を取り除けなかったから。硫黄を含む卵黄でも銀は黒くなり得る。三酸化二ヒ素は16世紀頃には殺鼠剤として、庶民にも使われていた。
シアン化物である青酸カリは、銀の黒ずみである硫化銀を取り除く。つまり、銀は青酸カリの判別にも使えるが、有力者の銀は磨かれて金ぴかだっただろうから、青酸カリと反応する可能性は低いだろう。

毒殺を防ぐために銀の箸や食器を使っていたのは、清王朝。ただし、銀は硫黄分を含むヒ素毒にしか反応しない。銀は毒見における、ひとつの指針にすぎない。また、料理に毒を入れさせないための儀式的な意味合いも強かったと考えられる。
ヨーロッパの上流階級も銀食器を使ったが、毒見のためではない。ヨーロッパにおいて、スプーンは昔から使われていたが、フォークが使われだしたのは16世紀頃。ナイフとフォークのマナーが成立したのはそれ以降だと考えられる。

中国では、もっぱら銅銭や鉄銭が用いられ、銀は主に交易で用いられた。世界的にも、銀は古くから交易での取引で用いられた。銅より価値があり、金よりは稀少でなかったからだろう。
スペインが中南米を支配したことで、中南米産の銀が世界中に出回った。清王朝も銀を輸入している。ヨーロッパの上流階級で銀食器が使われ出したのも、同じ時期と思われる。

韓国でステンレス製の箸や食器が好んで使われるのは、上流階級が銀を使っていたのに憧れてという説がある。銀を好んで使ったのは毒見のためともあるが、朝鮮半島の王朝が銀を毒見のために使ったかは不明。可能性としては低いと考えられる。
朝鮮半島は鉱物資源が豊かであるものの、李氏朝鮮は鉱山開発に消極的であった。理由は不明だが、同時期に森林の荒廃が進んでいたようで、そのため塩が不足していた。海水から塩を得るには、煮詰めるための薪が不可欠なため。大規模な塩田が作れず、雨も多いことから、天日製塩法での製塩は困難。天日で塩の濃度を高めることはできるが、塩の結晶を得るには煮詰める必要があった。
塩不足のために、唐辛子が好んで使われたとされる。唐辛子の辛さにより少ない塩でも味付けが可能。キムチのような保存食にも利用できる。
韓国では古くから青銅や真鍮製の箸やスプーンが使われていた。森林の荒廃により、鋳金もままならなかったと考えられるため、金属製の食器は上流階級のみが使っていたと推測される。
韓国で金属製の食器が人気なのは、上流階級が使っていたから、との説は恐らく正しい。ただし、銀ではなく銅製である。
事実、朝鮮戦争後に豊かになると韓国では庶民も銅製の食器を使うようになる。しかし、銅製は手入れが面倒であった。1950年から1960年代に欧米ではステンレスが大量に生産されていた。東アジアでは1965年頃から日本の生産量が急増した。その結果、1970年代頃に韓国の食器は手入れが面倒な銅製からステンレス製に置き換わっていった。

最後に短めに

毒見のために銀製の箸を使っていたのは清王朝。ヨーロッパの貴族が銀製のカトラリーを好んで使ったのは、毒見のためではない。
そもそも、ヒ素で銀は黒くならない。ヒ素毒に含まれた硫黄が銀を黒くする。
韓国でステンレス製の食器が使われるのは、朝鮮半島の王侯貴族が金属製の食器を使っていたことへの憧れ。ただし、主に使っていたのは銅であり銀ではない。ステンレス製が広まったのは日本でステンレスが生産されるようになった1970年代以降と考えられる。

恐らく、清王朝、特に西太后が毒殺を防ぐために銀の箸や器を使ったことのインパクトが強すぎて、それが他の事柄と結びついてしまったのでしょう。西洋で銀製のカトラリーが使われた理由に毒見説を上げるのも、日本語ではみかけますが、英語では一般的ではないようです。

*1:図解入門業界研究最新調剤薬局の動向とカラクリがよーくわかる本

*2:図解入門最新金属の基本がわかる事典

エルデンリングの UI で気になったところ

ソウルシリーズは全くプレイしておらず、SEKIRO が面白かったのでエルデンリングをプレイしてますが楽しいですね。

侍女剣士で目隠しは性癖とはな・・・

SEKIRO よろしく侍でプレイしています。固有防具名に「葦の」と付くので、これも「葦名のため」。キャラは壮年の女剣士で、目隠しは完全に自分の性癖です。しかし、2B みたいな装備は見つけられていません。

f:id:lastline:20220314095036j:plain

ソウルシリーズよろしくゲームオーバーになるとオートセーブから何事もなく再開ではなく、ペナルティとしてルーン*1を全て失います。復活後に死んだ場所まで戻れば回収できますが、回収前に死ぬと完全に消失するので復活地点から遠いと回収できるまでドキドキします。

ペナルティとしてはそれだけなので、強敵と戦う前はルーンを消費したり、アイテムに換金したりするなり、あるいは諦めずに倒せば取り返せます。SEKIRO みたいにゲームオーバーを繰り返しても NPC が竜咳*2になったりはしないっぽい?

この先、ミニマップは必要無いぞ。しかし、説明さえあれば・・・

automaton-media.com

フィールドにおける UI はシンプルで情報が少ないです。視界が開けておりランドマークもよく見えるので探索面ではコンパスがあれば十分だと思います。ミニマップがあっても迷う人は迷うでしょう。

戦闘面では必要最低限ですが、HPバーなどに下に表示されるアイコンの意味がしばらく分かりませんでした。バフとデバフ(強化と弱体化)などの状態を示すのですが、特に説明はありません。知らぬ間に、HP 減少のデバフを常時喰らっていました。

『エルデンリング』の「左上のアイコン」は何を意味しているのか?戸惑う褪せ人たちへ - AUTOMATON

エストのジャーナルはありません、クエストの数は少なく、登場人物も限られています。そのため、ジャーナルがないと困るという程でもありません。ただ、クエスト名も表示されないため、つまった際に検索しにくいが厄介です。

メニューは膨大で、セーブポイントである「祝福」だけで可能なメニューもあります。しかし、その説明は十分ではありません。
アイテムも膨大ですが、取得時に詳細を確認することはできません。わざわざアイテム一覧から確認する必要があり、さらにアイテムの詳細表示形式も数パターンあります。ヒントとして商人から情報を購入できますが、その内容を読むだけでも手間がかかります。

フィールドの UI はシンプルでも探索時には困りませんが、アイコンやアイテムにメニュー回りの説明不足は単に不親切なだけに思えるので、改善して欲しいです。

フィールドをご照覧あれ、そして、この先地図が有効だ。

エルデンリングのフィールドは開けており、怪しそうなランドマークがそこかしこに配置されています。ストーリーの重要度が高いランドマークほど大きく遠くから見えるようになっています。
地図は比較的細かく描かれているので*3、探索のあたりもつけやすいです。高低差もありますが、行けそうで行けないもどかしさも探索の醍醐味でしょう。

探索の勘所があれば地図を見て、あるいはフィールド上で見える怪しい場所に赴けば、しばし何かが配置されているます*4。コンパスは常に表示されているので、ミニマップは無くても問題ないと感じます。方向を見失い易い人は、そもそもミニマップがあっても迷うでしょう。

f:id:lastline:20220314140128j:plain

かなり早い段階で馬も入手できるので、探索がさらに捗ります。移動速度も速く、敵を振り切っての探索もできます。敵が多い場所は、一旦引いてから攻めるもよし。無理矢理、馬で突入するのもよし。

ストーリーを進行させたいなら、「祝福」の指し示す方向に従えばいいですし、迷ってる間もルーンやアイテムに経験も蓄積されるので強くなっていきます。
ただ、ストーリーに関わらない「祝福」は見つけずらい場所にあるのが困りもの。「祝福」や宝箱やアイテムの場所などは、他のプレヤーの残したメッセージに助けられることもあります。メッセージは攻略のヒントにもなり、これを含めてのゲームバランスだろうとも感じます。

フィールドマップは細かいですが、ダンジョンや建物の地図はありません。ダンジョンの複雑さは謎解きの楽しみを含んでいるので、迷ってこそ、という気もします。ここでも、メッセージがヒントになり得ます。
城くらいに大きな建物になると探索は骨が折れます。屋根や壁をつたい、階段やハシゴを昇り、時には飛び降りて立体的に攻略する必要があります。そもそもが複雑なため、仮に城内の地図があっても迷うだろうと思います。

一時停止さえあれば・・・

エルデンリングでは地図を開いていても、ゲーム内の時間は停止しません。地図を開いていても敵が近づけば地図の画面から通常のゲーム画面に遷移します。つまり、敵が近づき危険が迫ったので、操作キャラが地図を閉じたのでしょう。

メニューも同様で、開いてもゲーム内の時間は停止せずに流れ続けます。敵に見つかっている状態で装備などを付け替えようものなら、ボコボコにされる危険があります。予め複数の武器やアイテムを装備しておけば、即座に持ち替えることはできますが、武器を沢山持つと動きが鈍くなります。その点で、持ち運べるアイテムの重量に制限がないのは助かります。装備重量とアイテム所有重量の両方あるのはストレスでしかないですし。

『エルデンリング』で“ゲームを無理やりポーズ(一時停止)”する試みに注目集まる。ちょっとした裏技扱い - AUTOMATON

一時停止できない理由は、ゲームの方向性としては理解はできるものの、現実世界では突然に宅配便が届いたり、電話がかかってきたりするので不便です。放置するにも YOU DEAD でルーンを全て失う危険があります。一応、メニューを開いてヘルプを開くと一時停止できる裏技があるものの即座に停止というわけにもいきません。

キャンセルとはな・・・、そして、この先、アイテム取得に注意しろ

一時停止できないのは仕方がないにしても、メニュー回りの操作系に慣れません。その代表的なのが、マップの開閉です。
多くのゲームではマップボタンを押すとマップが開き、もう一度押すと閉じるようになっています。エルデンリングでは、マップボタンでマップを開き、キャンセルボタンで閉じます。マップを開いている状態でマップボタンを押すと、ヘルプが出てきます。

恐らく、操作キャラがマップを見ていて、それを閉じた=キャンセルしたという動きを再現したのでしょう。メニューと同じ操作系で統一感はあるものの、マップを閉じるつもりで、閉じない事態がしばし発生します。

アイテム取得時も煩わしいです。
アイテムを取得すると、画面下部にアイテムの名前の他、見た目と種別を示すアイコンが表示されます。このクソデカなウィンドウ表示はユニークアイテムなら理解できるのですが、そこら辺に沢山落ちている「黄金のルーン」を入手する度にデカデカと表示されるのは邪魔でしかありません。しかも、わざわざ閉じる必要があります。

f:id:lastline:20220314095038j:plain

ちなみに、アイテム取得時のウィンドウを閉じるのはアイテム取得ボタンと同じで、マップやメニューを閉じる操作系とは異なっています。アイテム取得のために連打していると、消してしまいます。
本作は、敵が多くても強行突破で落ちているアイテムを拾えます。そのような状況下でのアイテム取得にはリスクがあることを表現したかったのかも知れません。しかし、敵を殲滅し安全な状態でも、わざわざ表示を閉じる必要があるのは面倒くさくて適いません。

魔法はまだか・・・ただし、その資格は無い

アイテム取得時にわざわざウィンドウを開きデカデカと表示するのに、そこから詳細を確認することはできません。アイテム一覧から、取得したアイテムの名前、見た目、種別を頼りに探さなければなりません。手紙を読むにも一苦労です。しかも、アイテムの表示形式や方式も数パターンあるため、余計に大変です。
アイテム取得順にソートもできますが、ソート方法の説明もありません。

特定のアイテムを入手すると、「祝福」でのメニューが増加します。アイテム取得時に説明はありますが「祝福」に辿り着いても再度説明してくれる親切切開ではありません。アイテム取得から祝福に辿り着くまでタイムラグがあるため、忘れてしまうこともしばしばありました。

そのひとつが魔法の使い方です。魔法職ではないのもあって、しばらく魔法の使い方が分かりませんでした。ダンジョン内などで魔法を入手するのですが、どうすれば使えるようになるかが分かりません。「祝福」で魔法をセットするのと合わせて、杖が必要なことに気がつくので大分かかりました。

追憶を捧げよ

探索同様に、これらのメニューも試行錯誤するのがゲームの目指す方向性ではあるのでしょう。しかし、アイテム類は二度と手に入らないかも、というケチくさい恐れが試行錯誤を妨げてしまいました。割と長い間、武器のスキルは一度外すと無くなると思っていましたし、調合した霊薬も「祝福」で使用回数がリセットされるのに気が付きませんでした。

ただ、しばらくプレイしてみるとエルデンリングは多くの要素が取り返せるようにはなっています。操作キャラの見た目や能力値の振り直しもできます。NPC と敵対しても、贖罪することで関係を修復できます。ただ、ユニークな武具を売ったら二度と手に入りませんが。
個人的に後悔したのは、ボスを倒すと取得できる追憶を SEKIRO に則りルーンとして消費してしまったこと。追悼はユニーク装備やスキルなどのアイテムにも交換できると知ったのは随分後のことです。追悼は、特定の条件を満たせば復活できるものの、追憶から入手できるアイテムは2種類あります。つまり、一度ルーンとして消費してしまうと、片方しか入手できなくなります。

試行錯誤を目指せ

エルデンリングは全体的に説明不足で、探索はそれがよい方向に向いていますが、システム回りは分かりにくく不便で仕方が無いです。
至れり尽くせりにしろとは思いませんが、バフやデバフを示すアイコンの説明が全くないのは不親切極まりないでしょう。
後、画面が美しいのにフォトモードがないのは残念です。

f:id:lastline:20220314140012j:plain

*1:経験値けんお金

*2:NPCのイベントが進まなくなる

*3:ただし、地図と地形が異なる部分もある

*4:一部のダンジョンの入口にはヒントもある