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転載、引用、盗用 区別のつかない人が意外に多い

自身の覚書としてまとめておきます。間違いがあるかもなので、その際はコメント欄などにて指摘してくれると助かります。あまり、遠くの方から指摘されても拾えません。ココでは主に、著作権に関することについて。
著作者と著作権者は一致しない場合もあります。

転載・引用・盗用の違い

先ずは辞書的な意味の違い。

「転載」
すでに刊行された書物・新聞などの記事や写真を、他の出版物にそのまま載せること。
三省堂提供「大辞林 第二版」より

「引用」
古人の言や他人の文章、また他人の説や事例などを自分の文章の中に引いて説明に用いること。
三省堂提供「大辞林 第二版」より

「盗用」
他人のものを盗んで使うこと。許可を得ないで用いること。
三省堂提供「大辞林 第二版」より

「盗作」
他人の作品の一部または全部を自分の作品として発表すること。剽窃。
三省堂提供「大辞林 第二版」より

転載

著作物の複製を他の著作物に掲載すること。私的複製には当らない。
ネットなら、ある著作物をサイトに掲載したら転載。たとえば、ヤフーニュースは他のニュースサイトの転載だし、新聞サイトのニュースも新聞紙の記事をネットに転載している。
転載は、著作権者の許可が無い限り著作権侵害著作権者が転載の可否を明示していないなら転載禁止と考えて問題ないだろう。転載が認められた場合も、転載元を表記し、転載者のオリジナルではないことも明確にするのが一般的か。ただし、著作者・著作権者次第である。例えば、僕の見た秩序。写真素材使用のお約束 のように個人の利用ならば、報告があれば嬉しいです程度の所もある。
また、転載が許可されていても、同一性保持権により著作者の意図しない改変はできない。一連のひこにゃん騒動でも、「著作者」の同一性保持権が問題視された。これも、転載元と同様に著作者次第で、著作者・著作権者が転載を許可する場合は細かな取り決めを明記すべき。例えば、Wikipedia の記事は自由に利用できますが Wikipedia:著作権 のように厳しい取り決めが明示されています(主に編集する側ですが)。

以下の二種類は著作者の承諾を得なくても自由に転載しても良い。(参考:転載 - Wikipedia

  1. 「国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人又は地方独立行政法人が一般に周知させることを目的として作成し、その著作の名義の下に公表する広報資料、調査統計資料、報告書その他これらに類する著作物」(著作権法32条2項)
  2. 「新聞紙又は雑誌に掲載して発行された政治上、経済上又は社会上の時事問題に関する論説(学術的な性質を有するものを除く)」(著作権法39条1項)
  3. ただし、両者共に著作権者が転載禁止を意思表示している場合は転載できない。
引用

「公表された著作物は,引用して利用することができる。この場合において,その引用は,公正な慣行に合致するものであり,かつ,報道,批評,研究その他の引用の目的上正当な範囲で行なわれるものでなければならない。」(著作権法32条
適正であれば、著作者・著作権者に断りなく引用可能である。無断で引用できるので無断引用という言葉は適切ではない。

一般に引用の要件を満たすには以下の条件が必要(参考:引用 - Wikipedia)。

  1. 引用する必然性があること
  2. 本文が主、引用が従の関係であること
  3. 引用部を明確にする(段落を変える、カギ括弧をつけるなど)
  4. 引用元の明示

これらの条件を満たさない場合は、転載あるいは盗用。たとえば、多くの文章を引用したが、その引用に基く自身の考えが殆ど無かったら引用の要件を満たさない。
引用は、著作者・著作権者に断りなく可能であるから、引用可能かどうか明示する必要はない。個人的には、書く必要はないと考える。

盗用・盗作

盗用は、他人の著作物を許可を得ないで利用すること。著作者・著作権者が許可しない、私的複製以外の複製、転載、改変は盗用と考えても良いだろう。引用の要件を満たしていない場合も、盗用と言って良いだろう。ニュースサイトの記事を自身のブログに丸々転載したり、転載不可の画像を転載するのは無断転載というのではなく、盗用と言うべきなのだろう。
盗作は、他人の著作物を自身の著作物として発表すること。

勝手に改変するのも盗用あるいは盗作。分かり易い例で言うとトレース。技術向上のために絵の構図を写し取るのは昔から行われてきたことだが、それを自身の作品として発表するのは問題。
ただし、著作権侵害著作権侵害親告罪なので、著作者・著作権者次第。著作権・データ利用料について 語源由来辞典公式ブログ のように明確にするのもアリ。
パロディやオマージュと区別されるが、これも著作者・著作権者次第であることが多い。

まとめ

  1. 引用は、要件を満たせば著作者・著作権者の承諾無しにできる。
  2. 転載は、著作者・著作権者の承諾を得れれば可能。ただし、著作者・著作権者の条件を飲む必要がある。
  3. 盗用は著作者・著作権者の承諾を得ない転載、引用の要件を満たさない引用。
  4. 盗作は、他人の著作物を自身の著作物として発表すること。

個人的に思うのは引用と転載の区別がついてない人が多い。引用する側が引用の要件を知らない人が多く、丸々転載して、結果盗用している場合も少なくない。この誤解に関しては、著作者・著作権者側が声を大にすべき所なんだろうけど、著作者・著作権者ですら引用と転載の区別がついてない人がいるのも事実。何とかなりませんか。

画像の引用に関する追記

転載不可画像の転載は盗用と書いているが間違い。引用の範囲内なら盗用ではない。例:小林よしのり裁判。合法違法の線引きは法ではなく法解釈・司法で実質的になされているだから判例を示さないと意味が無い。
ラージアイ・イレブンのブックマーク より

言い訳すると、「転載不可画像の転載」は「転載」で「引用」じゃないからな。

画像の引用に関しては、ゲームサイトと著作権 にて社団法人著作権情報センターに電話をして質問した内容がまとめててありますが、線引きが曖昧。画像を「引用」する必然性があるか否か。ゲームの批評ならば、ゲーム画面を引用する必然性があると判断すれば、自身の責任で引用すれば良いようです。
件の小林よしのり判例については、行動記録 : 脱ゴーマニズム宣言事件に於ける引用の合法性 にあるように

ゴーマニズム宣言が「意見主張漫画」であることが、引用の合法性にかなり影響しているように思える
行動記録 : 脱ゴーマニズム宣言事件に於ける引用の合法性 より

との考察があります。
画像の引用に関しては、kanose さんが ARTIFACT ―人工事実― : 画像引用はどこまで認められているのか? でまとめておられます。
なんとなく、画像は文章よりも引用する必然性に関する取り扱いが難しい気がします。