完成に14日かかるカルボナーラ

察しのいい人なら、パンチェッタを手作りするのだなと分かると思います。
前半で、パンチェッタの作り方を説明し、後半でそれを使ったカルボナーラの作り方を紹介します。
新型コロナでそんなに外に行けないので、家で少しだけ手間をかけていい物を食べるのは如何でしょうか?
ヨーロッパでは冬になる前に豚を仕込むそうなので、この機会にお試しあれ。

カルボナーラは全卵のみ、フライパン一本で作ります。
牛乳も、生クリームもなくても、パンチェッタの脂があれば十分にコクがでます。

パンチェッタを作る

必要なものはシンプル
  1. 豚バラ肉か肩ロース(脂身:赤身=4:6程度)
  2. 塩(肉に対して10%)
  3. 脱水シート
  4. ハーブやスパイスはお好みで

必要なものはシンプルに肉と塩と脱水用のシートのみ。ハーブやスパイスなどがあればお好みで入れましょう。行程も簡単で、肉に塩をまぶして、脱水シートで包み冷蔵で寝かしつつ、適度に脱水シートを交換するだけです。大体2週間から3週間で美味しくできあがります。

脱水シートはキッチンペーパーでも代用できますが、脱水シートを使った方が圧倒的に楽です。
私は、100円ショップなどで購入できるペットのトイレ用シートを使っています。気になる方は少々お高いですが料理用の「ピチット」がお勧めです。「ピチット」を使う場合、塩の量は肉に対して3~5%に減らしても大丈夫かと思います。塩抜きの手間がなくなります。100円ショップのペット用シートが8枚100円なのに対し、「ピチット」は15枚1,000円と。およそ5倍しますが、それだけ性能の差があります。

肉は「豚バラ肉」がお勧めです。私は、脂:肉=4:6程度の肉を選んでいます。パンチェッタの旨味の多くは脂なので、脂が多くても問題は無いです。肉の旨味も楽しみたい場合は、肉が多めのを選びましょう。肉は水が抜けると大きく縮みます。ちなみに、赤身だけ作ると干し肉ができあがります。

パンチェッタを仕込む

初日の行程もとてもシンプルです

  1. 肉の重さに対して10%に相当する塩をすり込む
  2. 脱水シートに包む
  3. 冷蔵庫で寝かす

豚バラ肉がお勧めですが、今回は脂と肉のバランスがいい塩梅の肩ロースがあったので、肩ロースで作りました。行程としては、豚バラ肉でも同じです。

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肩ロース約500g
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塩は肉に対して1/10なので約50g
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肉に塩をまぶす
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脱水シートで肉を包む
パンチェッタを熟成される

塩で肉から水分が出てきます。2日くらいは水がたくさん出るので、頻繁にシートを交換しましょう。
キッチンペーパーを使った場合は、特に頻繁に取り替えて下さい。また、皿などに乗せておけば水が出すぎでも安心です。
大体2週間から3週間で完成です。私は2週間くらいで食べ始め、3週間くらいにかかることに完食しています。冷凍保存もできるので、大量に作ってもいいですね。

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0日 塩をまぶして包む前
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1日 結構水が出ているのでシートを交換
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2日 まだまだ水が出ているのでシートを交換
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5日 かなり水が出なくなりました。シートが汚れているので交換
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10日 もうほとんど水が出ません。そろそろ食べ頃です。
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15日 もう十分でしょう。肉の色が変わっています。

カルボナーラを作る

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卵と粉チース

材料は至ってシンプルです。
黒胡椒が望ましいですが、胡椒でも大丈夫です。塩と脂は、パンチェッタから出るので不要です。牛乳も生クリームもいらないです。
以下は、およそ1.5から2人前の分量です。

  1. 自家製パンチェッタ
  2. 卵2個
  3. 粉チーズ適量
  4. パスタ
  5. 黒胡椒

行程としては以下のような感じで、私はフライパンでパンチェッタを炒めて、そのままパスタも茹でてしまいます。
と言っても、フライパンのみで作れるのは大体二人前ですので、それ以上の場合はパスタを茹でて作りましょう。

  1. パンチェッタの塩抜き
  2. パンチェッタの脂出し
  3. パスタを茹でながら、卵の下ごしらえ
  4. パスタへ卵を投入し、弱火でひたすら混ぜる
  5. 黒胡椒をかけて完成
1. パンチェッタの塩抜きを忘れずに

パンチェッタを適量切ったら、まず塩抜きをします。流水に10分から15分程度付けて塩抜きしましょう。
作ったパンチェッタを丸ごと流水につけ、1時間から2時間程度かけて塩抜きする方法もありますが、保存性が悪くなるので私はやっていません。

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熟成が進んでいい感じの赤色に
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10分から15分程度、流水で塩抜き
2. パンチェッタから脂を出す

パンチェッタをフライパンで弱火にかけて、じっくりと脂を出します。
カルボナーラの美味しさは、豚の脂なので存分に出しましょう。

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パンチェッタから脂を出す
3. パスタをフライパンで茹でる

パンチェッタの脂を出したフライパンに投入。パスタが被るくらい水を入れて、はじめは中火で、湧いてきたらやや弱めの中火で茹でていきます。
水分が蒸発した頃にはいい感じに茹で上がりますが、パスタが固い場合は適宜水を入れれば大丈夫です。

その間に、卵の下準備もすませましょう。準備と言っても、卵と粉チーズを混ぜるだけですが。卵はフォークでまぜると、だまになりにくい気がします。

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パスタをフライパンで茹でる
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卵はフォークで混ぜると、だまにならない気がする
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粉チーズはお好みで。私は、卵が見えなくなるくらいが好きです。
4. パスタへ卵を投入

水が減ってきて、パスタに少し芯が残る程度になったら一旦火を止めてから卵を投入します。
写真くらいには、水が残っているのが理想的です。別途パスタを茹でている場合は、パスタをフライパンに投入してから、茹で汁を加えて下さい。
次に、火にかけないままかき混ぜて全体に卵を馴染ませます。
その後に、弱火にかけてひたすらに混ぜ続けゆっくりと水分を飛ばします。
徐々に水分が飛ぶと、粘度が高まっていき、フライパンを傾けてゆっくり落ちる程度になったら完成です。
ただ、最後の方が水分の飛びも早いのでまだ緩いな?と思った当たりで様子を見ましょう。

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水が少し残った状態で卵を投入
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弱火でひたすら混ぜる!
5. 黒胡椒をかけて完成!
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黒胡椒をかけて完成!

パンチェッタの行く先

作ったパンチェッタは冷凍保存ができます。
その他に、ホットサンドを作っても美味しいですし、炒飯などもお勧めです。あるいは、スープにしてもいいですね。
もちろん、そのまま焼いても十分に美味しいです。

ちなみに、脂身のない豚肉、あるいは牛肉で作ると干し肉ができあがります。これはこれで、美味しい。