インターネットのせいで若者が海外旅行に行かなくなったという恣意的な記事

同記事を今朝のフジテレビのとくダネ!のトピックスでもやってました。「若者はインターネットのせいで海外旅行に行かない」と小倉さんが紹介したら男性アナウンサーが「今の若者はそこが浅いなー」と応えていましたが、気味の底の方が浅いよね。もちろん一番浅いのは記事書いた記者と、推進委室長だけど。

なぜ若者が海外に出ないのか−。推進委の沢辺宏推進室長は「パソコン一つで世界中の情報が楽しめる。『頭の中の旅』が新鮮さを奪った」とみる。

だったら、世界遺産とか世界の車窓からは旅の新鮮さを奪っているんだなぁ。僕はむしろ、両番組を見たら行きたくなりますけどね。

元記事の海外旅行する若者が減った根拠も良く分かりませんが。

出国者数を人口で割った「出国率」を2000年と06年で年齢別に比べると、50代後半から60代で増加しているのに対し、20代前半で19・8%から17・1%に、同後半は25・7%から21・1%へと落ち込んだ。

これは、それぞれの世代の人口で割ったってことなのかな?
2000年と2007年の日本の人口は微妙に違うけど、平均すると1億2700万人だろう。2000年の旅行者数は1782万人で出国率14%。2007人は1729万人で13%。10代以下や70台以上を含めて計算しているとはいえ、若者は平均よりも出国率が高い。また、増えたと言われる50代後半から60代のデータが無いので、本当に若者が行っていないのか疑問のデータである。

観光白書 には2006年までのデータしかないが2000年と2006年の海外旅行者の年代別比率をまとめると以下。

年代 2000年 2006年
20代 24% 16%
30代 20% 23%
40代 16% 17%
50代 18% 17%
60代 14% 11%

20代と30代の逆転現象は起きているが、海外旅行に行っているのは以前若者だ。インターネットにより若者の海外旅行者数が減っていると言う結論ありきの分析でしょうね。2007年のデータではないですが、元記事は恣意的な記事ですね。
観光白書 で面白いなと思ったのは女性は20代で海外行く人が多いのに、男性は30代に多い点。女性は遊び、男性のは海外出張でしょうね。

僕は記事を読んだ直前では、若者の車離れ同様、賃金が少なく海外旅行に行く暇がないからだと思ってましたが、実際に統計を見てみたらそもそも若者が海外に行ってないという分析が嘘でしたみたいな。