学歴を得るために、儲けるために勉強してるんですか?

「学歴は儲からない」という因果の逆転

「学歴は儲からない」という発想そのものが、今の経済界主導の世界を如実に表現してるわけですね。そもそも儲けるために学歴を付けるわけではないのにおかしな話です。「頭の良い人」ってのは時と場合によりその意味合いが大きく変化するのと同じことでしょうか。高校生くらいまでは「勉強ができる」=「頭が良い」だけど、大学生くらいから「容量が良い人」、そして社会に出ると「仕事が出来る」あるいは「儲けてる人」=「頭が良い」と変化していくみたいに。
結局は何のために勉強するのかと言う話で、それは別に「学歴」をつけるためでも「儲ける」ためでもない。フロンティア理論でノーベル化学賞受賞者である福井謙一は、自身の専門とあまり関係が無いと思われる分野、むしろ全く正反対の分野こそ熱心に勉強しなさいと言っています。実際、福井謙一は化学を専攻していましたが、その当時化学とは無縁であった量子力学を勉強したことで、それを化学の分野で応用することが出来たわけです。つまり、「勉強をすることで選択肢を増やす」のですよ。勉強した結果に「学歴」が付き、そして「儲ける」可能性が高くなるんじゃないですかね。つまり、「学歴」や「儲ける」ことが先に来るのは因果が逆転している。

学歴、人脈、政治そして文系、理系とか

明確に「学歴」が物をいう世界なんて、大学とか会社内の学閥くらいしかないんじゃないか。ただし、学閥も結局は「人脈」で、ここでの「学歴」はその「人脈」に名を連ねるための手段でしかない。これは結局大学も同じことなんじゃないかな。実際白い巨塔的な大学もありますし。そして、それも「人脈」に他ならない。学会から賞をとるにも、文科省にプロジェクトを通して資金を得るにも、果てはノーベル賞貰うのも「人脈」で、結局偉くなると「政治」をしないと何事も出来ないわけで。「研究成果」だけで評価される人ってのは稀です。
儲けるには「人脈」と「政治」が必要で、それは3ToheiLog: いわゆる「文系理系の所得格差」の根っこにある差における縄張り争いが出来ないとだめなわけですな。理系の多くは学問そのものが面白くなってしまったが故に、企業では技術系に行ったり、大学に残ったりするわけで、そして理系の多くはその世界しか見なくても生きていける。理系のその世界では有名って人の多くは、例えば同じ化学であっても、専門が違えば無名であることがほとんど。理系でも成り上がるなら、その世界での政治は必要だけど、所詮内政どまりですからね。