HUAWEI P9 のバッテリー交換をキメた

バッテリーの調子がおかしかったので、Amazonから交換キットを購入し、自分で交換してみた。
目に見えてバッテリーの持ちがよくなりました。

持ちが悪いだけならまだしも、バッテリーの残量が50%以下になると、突然シャットダウンすることがあり、それが非常にストレスでした。
交換前は通勤中に30分くらいポケモンGOをやっていると、バッテリーが50%くらいまで減少し、場合によっては強制的にシャットダウンしていたのが、交換前後は85%も残るようになりました。

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突然のシャットダウン

HUAWEI P9を購入して一年半ですが、バッテリーがへたってきました。長期間使用すれば、バッテリーの持ち時間が徐々に短くなるのは宿命です。ただ、最近寒くなったからか残量が50%くらいあるのに突然残りが1%になり強制シャットダウンすることが頻発。その後に充電して数分待つと50%まで回復し、問題なく使用できるという困った症状。
iPhone 6sで起こったいたバッテリーの不具合と似た症状で、恐らく劣化により電力を十分に供給できない時に電源が落ちるのでしょう。

Pokemon GOをやりながら給電する過酷な条件で使用したのが劣化の原因だしょうが、それにしたって突然電源が落ちるのは使い勝手が悪すぎます。

修理するにも問題が

HUAWEIに問い合わせたら修理対応で、バッテリー交換のみなら1万6千円とのこと。イートレンドで購入時した際に加入した保険を適用できそうなんですが免責として3千円を支払う必要があります。

www.e-trend.co.jp

修理するにしても修理期間とバックアップという厄介な問題が立ちはだかります。
銀座や梅田のカスタマーセンターに持って行けば即日対応ですが、交通費がかかります。宅配でも修理可能ですが、一週間かかり、その間はスマホが使えません。古いスマホ使うにも、XPERIA Z3は画面が割れてるので使いたくないです。Yahoo! mobile経由で申し込むと代替機を貸し出してくれますが、やはり一週間くらいかかります。

lastline.hatenablog.com

修理できたとしても、データを全て消される可能性が高く、復旧する必要があるでしょう。データはSDカードに保存していますが、アプリをインストールし直して、再度アカウントを紐付けするのが非常に面倒くさい。

保険が下りても3千円は払わないといけないし、保険は一度きりしか使えないのでバッテリー交換のために使ってもいいのかなぁ?という迷いもありました。

自分でバッテリーを交換できるかな?

修理するにも、修理中のスマホをどうするか。また、その後のデータ復旧が面倒なので、躊躇しました。だからといって、常にモバイルバッテリーを携帯するのも面倒です。

ならばバッテリーを自分で交換してみようとAmazonを見ていたら、純正バッテリーと交換すらための工具がセットで売られているではありませんか!しかも4千円未満なので免責額とそれほど変わらない。

ただし、前知識もなしにスマホを開けて修理すらのは怖い。そこで、YouTubeで動画を探してイメージをつかむことに。動画を見たら、行けそうな感じがしたので修理ではなく自分で交換する決心ができました。

いざ交換


Huawei P9 Battery Repair Guide

動画でイメージトレーニングをしてから、いざ実践!
充電コネクタの両脇にあるネジを外し、吸盤付きの工具でスマホを開けると割となんなく開きました。スマホの修理には、この工具が必須だと思います。ピックなどでこじ開ける必要もありませんでした。開けるのが一番大変だろうなと感じていたので、楽勝だな!と思っていたら、この先に待ち受けるバッテリーの取り外しで地獄が待っていようとは。

バッテリーを交換するためにマザーボードを外す必要があります。ネジを緩めながら、金具を取り、コネクタを外します。コネクタは強度が心配でしたが、割と丈夫にできているようで、取り外しや取り付けで壊れることはなさそうです。
金具は取るのにやや手こずりました。かえしがあり、ボードと引っかかっているので、外すには曲がらないように工夫して外す必要があります。
ただし、この辺の工程は思っていたよりも楽でした。人間が組み立てるので、複雑に設計されていないのでしょう。

ここまでくるとバッテリーを換装するだけですが、バッテリーを外すのが一番苦労しました。動画では粘着テープを引っ張って取り除いていましたが、私の端末は粘着力が強く、引っ張るとちぎれてしまいました。しょうがないので、力業でバッテリーを剥がさなければなりません。しかし、粘着力が強いのでおいそれとは剥がれません。だからと言って、力をかけすぎるとバッテリーが大きく変形して危険です。

バッテリーの取り外しに四苦八苦しましたが、なんとか新しいバッテリーに入れ替えることができました。後は、外したのとは逆の手順で組み立てるだけ。山場も過ぎているので組み立ての方が気が楽ですね。コネクタの付け忘れには要注意。

生き返った!

電源に無事に入り、通信やカメラなども特に問題なさそうです。
バッテリーの持ちは目に見えて代わりました。冒頭にも書いたように、30分くらいポケモンGOを起動していると、交換前は100%から50%くらいまで減っていたのが、交換後は85%までしか減らなくなりました。待機中の電池の減りが明らかに違っており、交換前は1時間で10%程度だったのが、交換後は5%未満になりました。
以前なら5時間程度でなくなっていたのが、14時間くらい持つようになりました。というか、交換前のバッテリーが明らかにおかしいですね。
電池が劣化すると、充電頻度やモバイルバッテリーによる給電回数が増えるので、それがさらなる劣化に拍車をかけているのでしょう。

P9のバッテリー交換で自信ができたので、XPERIA Z3の液晶パネルを交換してみようと動画を見たら行程が煩雑で諦めました。ヒートガンがないと分解はかなり大変そう。P9って組み立て、分解しやすく設計されているのだなと感心しました。

「サルバトール・ムンディ」の500億円で買えるもの

CNN.co.jp : ダビンチ絵画、510億円で落札 芸術作品として史上最高額 - (1/2)
レオナルド・ダビンチの絵画「サルバトール・ムンディ」が510億円(4.5億ドル)で落札されました。これまでの最高落札額はピカソの「アルジェの女たち」の1.8億ドルでしたが、その2.5倍にもなります。
落札額が跳ね上がったのは、ダビンチの絵画が16点と非常に少なく、その中でも「サルバトール・ムンディ」は幻とされ長い間所在が不明だったこと、さらにイエス・キリストを描いたものだからでしょう。それにしても、手数料込みで500億円とは想像もつかない額ですね。

サルバトール・ムンディ | はやり言葉辞典
「サルバトール・ムンディ」はモナリザ以前に描かれました。17世紀頃には英国王室が所有していたそうですが、その後は行方知れずになります。1958年に競売にかけられるも、再び所在が分からなくなり。2005年に再発見されました。保存状態は良くなく、贋作も疑われましたが、修復され鑑定の結果、真作と認定されたようです。

500億円ってどれくらいの金額?

落札したのは個人なのかグループなのかは不明ですが、500億円なんて大金を用意できたのが先ず驚きです。昨日のWBSでは、牛丼換算で12万年分とか全然分からない比較をしていました。新幹線だと10編成だそうで、新幹線爆弾を5回も投入できますね!
ちなみに、WBSでは出国税として1000円を徴収すると年間で400億円が見込まれると報道してました。

510億円(4.5億ドル)は企業買収や新事業への投資などの大規模プロジェクトを動かせる金額です。「サルバトール・ムンディ」を所有すれば、それだけでも目玉となるので、大規模プロジェクトと考えると、投資する価値のある金額かもしれません。美術館を新設できる程度の値段ではありますが・・・・・・。たとえば、六本木にある国立新美術館の事業費が500億円で、建設費は380億円くらいになります。

立派なビルを建設できる

比較として一番分かりやすいのはスカイツリーでしょうか。建設費が450億円(総事業費は650億円)と、もう一本建設できますね。。他の建築物では、ドーム型のスタジアムが大体500億円前後です。JR新宿ミライナタワーの総事業費は580億円なので、それなりに立派なビルを建設できるでしょう。ちなみに、東京国際フォーラム東京都庁の施工費が1500億円くらいです。

イージス艦は買えない

乗り物に換算すると、ボーイング787は一機が1.8億ドル(200億円くらい)、F-35戦闘機が値下がりして大体150億円くらいなので、3台くらいは購入できます。自衛隊のおやしお型潜水艦の総建造費が420億円(船体約250億円、艤装約170億円)と近い金額です。イージス艦は1000億円以上するので、残念ながら購入できません。

戦車が大体5億円から10億円なので、戦車大隊を編成できでしょう。戦車大隊における戦車の台数がマチマチではありますけど。

超大作映画やゲームで3作品

エンターテインメントに目を移せば、510億円(4.5億ドル)もあると超大作の映画が2, 3本ほど制作できます。
最も高い制作費の映画は2007年に公開された「パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド」で3.4億ドル。「タイタニック」ですら約3億ドルです。「ハリー・ポッターと謎のプリンス」が2.7億円なので、シリーズなら二作くらいは作れます。「ロード・オブ・ザ・リング」だと3部作合わせて3億ドルくらいなので、3部作をもう一編制作できます。

ゲームだと、超大作が3, 4本はいけるでしょう。ゲーム制作費ランキングの1位は「Destiny」の5億ドル。ただし、これは非常に高額で2位は「GTA5」の2.6億ドルと、大体半額になります。それでも高いですけど。日本のゲームだと「FF7」が1.7億ドルで、「シェンムー」が1.3億ドルなので、4.5億ドルあれば、さらにもう一本くらい超大作ゲームを制作できます。

小国家を運営得きる

500億円(4.5億ドル)はプロジェクトとしてみるとそれなりに金額ですが、国家予算などと比較すると、一事業くらいの価格帯です。それでも世界には200個くらい国がありますから、小さな国なら運営できます。

GDPに換算すると、ドミニカ(5.8億ドル)、トンガ(4.1億ドル)、パラオ(3.1億ドル)あたりになります。
国家予算だと、サンマリノの歳入6.9億ドルには届きませんが、アンドラ(5.0億ドル)、ガイアナ(4.6億ドル)、リヒテンシュタイン(4.2億ドル)と同じくらい。
ちなみに、日本で一番GDPが低い鳥取県でも約2兆円で予算が3500億円くらいで、大体ヨルダンくらいの規模です。

世界の名目GDP(USドル)ランキング - 世界経済のネタ帳
世界の国家予算ランキング USドルベース 2016年
海外ネタつれずれ:日本の都道府県を同じくらいのGDPを持つ国で示した地図を作ってみた

市場規模だとニッチ

市場規模で500億円となると、ニッチだけど確実に需要がある市場で、例えば、機能性板チョコや骨なし魚の市場規模も500億円くらい。
2016年の日本国内においてクラウドファンディングの市場規模が500億円に到達したそうです。恵方巻きの市場が500億円くらいなので、市場規模の発展度合いを判断する一つのターニングポイントとなる金額と言えるでしょう。

業界ニュース | 健康博覧会2018 国内最大級の健康産業ビジネストレードショー
クラウドファンディングは500億円規模の市場に | プレジデントオンライン | PRESIDENT Online
骨なし・骨取り魚市場規模450億~500億円/大冷、マルハニチロなど5社でシェア7割超 『秋 骨なし特集』 / みなと新聞 電子版

オタク関連だと、2016年は同人活動の市場規模が700億円。アダルトビデオは500億円。コスプレ衣装が400億円くらいです。まさに、ニッチだけど確実に需要のある市場規模です。

オタク市場の調査結果2016年版が面白く興味深いので今年もまとめたみた | elude丸

5000兆円には遠くおよばないけど

「サルバトール・ムンディ」の落札価格である500億円もあると、立派なスタジアムやビルを建設でき、スカイツリーをもう一本建設できちゃいます。
映画やゲームなら超大作を制作できるほど。
市場規模だと、同人活動やコスプレと同じくらいで、狭く深い市場に相当します。
国家規模になると500億円は全然足りませんが、それでもサンマリノの国家予算に少し足りないくらいですね。

「サルバトール・ムンディ」の落札を一つのプロジェクトとしてみると、500億円もありえなくはない金額です。願わくば、グループが落札して公開してほしいものです。

ジェットスイーパーカスタムが楽しかったので

発売されてからずっとスプラトゥーン2をやっており、ガチエリアだけだけどS帯まであがれたのもあり、そろそろ別のゲームでもやろうかと思っていたら「ジェットスイーパーカスタム」が追加されたので、もうちょっとプレイしてみようと思った。とにかく楽しいブキだ。

もともとジェットスイーパーを使い続けていたものの、手持ち無沙汰になる局面が多かった。ホコやヤグラでは防御に回るしかなく、攻めるにしてもまず塗らないとお話にならない。ポイズンミストで足止めはできるけどインクを大量に使うので、状況を打破するほどではない。マルチミサイルは敵が固まっていると威力を発揮する局面はあけども、押し込まれている状況だと打てるタイミングがなかなかない。構えてる間に殺されてしまうので打つに打てない。

最近は、ホコやヤグラでは、ジェットスイーパーとほぼ同じ射程のラピッドブラスターエリートを使ったり、射程が取れないステージではプライムシューターコラボなども使っていた。ラピッドブラスターエリートはハマるとワシワシとキルを取れて結構楽しい。プライムシューターコラボはシャボンが面白いものの、なかなか割れないけども。無難にスプラシューターを持てばよいのだろうが、混線状態が苦手で、少し下がって、戦うのが性に合っているのもあり、中距離ブキい落ち着いている。

行き詰まりを感じていており、マリオでもやろうかなと思っていたら「ジェットスイーパーカスタム」が投入され使ってみたら、なかなか楽しいブキだし、フェスもあるのでもうしばらく遊びたくなった。
メインは同じなので、取り回しに困ることはない。サブがクイックボムとなって、立ち回りの幅が広がった。楽しさのメインはここだろう。まず当てて、メインで止めを刺すもよし。メインで打ち漏らした際に投げるもよし。ジェットスイーパーは足元の塗りが弱いため、クイックボムを着地点に投げたり、壁に投げたりして、陣地を確保できるのも便利。
スペシャルのハイパープレッサーはバージョンアップ前までは産廃だったが、現在はかなり強くなっているのもグッド。キルを狙うもよし、ステージを封鎖するもよし。ガチホコガチヤグラでできることが増えたのも楽しい理由だ。

ジェットスイーパーカスタムでできることが増え、自分が使えるブキも増えたので、もうちょっと続けてみようと思った次第。
ただ、勝率は微妙下がってる。理由は前に出すぎるから。

練習したこと

動画などはあまり見ていないが、偶々見た動画でクリアリングを徹底すべし、というアドバイスは守るように心がけている。
ホコとかヤグラで忘れること多いけども。
率先して練習したのは、試し打ちで各ブキの射程を把握すること。他のブキが届かない射程で戦わないと、先ず打ち負ける。それでも、ローラーの縦振りはやられるけども。

ガチホコ運び

最後に、Twitterに投稿した綺麗にキマったガチホコ運びフィニッシュ集でも。


ルートに迷っていたら、それが上手いことフェイントになったみたい。飛び石のように渡って行けたのは楽しかった。
味方が良いタイミングでキルしてくれて、敵が追随できなかったのも勝因かな。
よく見ると、ガチホコを奪った瞬間に敵方のスロッシャーが回線落ちした模様。このスロッシャーが復活していたら、最後まで運べなかったかも。


敵方のカウントが4なので、ゴール間近に持って行かないと逆転できない状況。
マップを見ていたら、左側のルートが全く塗られていなかったので、ツッコんでみたら大正解。
味方が結構やられているけど、敵方が段差を降りたため、為す術なし。


こちらも相手のカウント18に対して、こちらは72なので逆転したい状況。
ホクサイ持ちの人がずーっとゴール地点で粘っているのは気づいていたけど、ホコを運ぶタイミングがなかった。
ホコを敵に割られるも、味方が丁度良いタイミングでジェットパックを発動。隙を見て、クイックボムで壁を塗りつつ登ることに成功。タイミングが遅かったら、敵に追いつかれていただろうな。
後、もってて良かったジェットスイーパーカスタム。

ポケモンGOがハロウィーン中ですね

ポケモンGOハロウィーンのイベントでホウエン地方のゴーストタイプが先行配信されました。一日目で、大体ゲットできてしまいましたが。サマヨールがかわいいですね。
ジムをハロウィーン仕様にしたいので、崩してはゴーストタイプをせっせとセットしてるんですが、中々乗ってくれる人がいません。

ポケモンの取得状況としては、サナギラスと地域限定を除けば、ゲットできています。サナギラスは単純に進化させてないから。
ジョウト地方で中々ゲットできなかったのは、カポエラーキリンリキカポエラーに進化するバルキーがずっと生まれず、キリンリキはレア度がそんなに高くないはずなのに、9月になるまで遭遇すらできませんでした。
ヨーギラスにしても、横浜のイベントと広島旅行の際と10kmタマゴからしかゲットできていないので、なかなか手に入れることができませんでした。バンギラスはレイドバトルでもゲットできますけど。
地域限定ポケモンとしてケンタロスは、渡米する機会があったのにゲットできなかったのが心残り。そもそも遭遇すらできませんでした。カモネギもでたりでなかったりなので、運が悪かったなぁ。

EXレイドは一度も招待状が届いたことがありません。イオンとマクドナルドが近くに無いので、参加資格すら得られない。横浜スタジアムでゲットできて本当に良かった・・・・・・。

ドラクエ11の時渡りの勇者は何を思い、語るか

ドラクエ11を語りたい

随分前にドラクエ11*1をクリアしたので忘れないうちに感想を書いておく。

はじめに

先ずゲームとしての遊びの部分をレビューし、その後に主人公とプレイヤーの距離感を語りたい。
以下に見出しをまとめておく。

遊びとしては非常に満足しているのだけど、中盤におけるストーリー展開にはやや不満がある。特に、主人公とプレイヤーの距離感をどこに置きたいのかを掴めないまま終わってしまったので、非常にモヤモヤしている。

尚、本作はPS43DSのマルチタイトルであり、さらに3DSに3Dと2Dの二つのモードが存在するため、バージョンの違いによりユーザー体験が微妙に異なると考えられる。私は3DSの3Dモードを主にプレイしたことを明記しておく。

ドラゴンクエストのグランドフィナーレ

ドラクエ11には、各シリーズのオマージュやセルフパロディが随所に散りばめられている。副題も「過ぎ去りし時を求めて」だし、タイトルイメージはドラクエ1のを反転させたものとなっている。クリアすると「ふっかつのじゅもん」により無料でドラクエ1をプレイできる。
3DS版には、各シリーズの世界を訪問できる「時渡りの迷宮」を中心としたおまけクエストが用意されている。

ドラゴンクエストシリーズは、堀井雄二鳥山明すぎやまこういちの三人のクリエイターが売りのタイトルである。
もちろん、現在はこの三人がメインで作ってるわけではない。堀井雄二はゲームバランスやテキスト、謎解きなどの細かな部分では無く、全体の方向性を決める役割を担っている。かつては鳥山明がモンスターのデザインも行っていたが、現在はメインキャラクターのイメージを担当しているだけだ。すぎやまこういちは音楽を担当しているものの、音色などはサウンドエンジニアに任せている*2。この三人がいなくてもドラクエは成り立つだろう。

それでもやはり、11作もの間、この三人の名前があってこそのドラゴンクエストであり続けた。一方、すぎやまこういちは86歳と高齢である。他の二人も年齢を重ねている。三人が名前を連ねるドラゴンクエストとしては、本作である11が最後になるかもしれない。それもあって、11は過去作品を意識した作りになっているのであろう。そして、12は新しいドラゴンクエストシリーズとしてスタートするのではなかろうか。

ドラクエらしい遊び

ゲームバランスやシステムなど、遊びの部分はドラクエらしい出来栄えだ。街中にいるモブのテキストもしっかり作り込まれているのもドラクエらしい。ただちょっとテキストや呪文に堀井節が薄いなと感じるけども。素材集めやクエストなど、フィールドを巡る楽しさもある。

戦闘は、3Dモードだとテンポが悪い。戦闘だけを楽しむなら、2Dモードの方がすっきりしている。一方で、2Dモードはフィールドでのエンカウント率が高い。3Dモードはシンボルエンカウントのため、プレイヤーがエンカウントを調節できる。どちらも帯に短したすきに長し状態だ。PS4では戦闘中にキャラクターが自由に動けるらしいけども、特に意味は無いらしい。

スキルパネルがドラクエに上手く取り込まれている。各キャラクターをプレイヤーの好みに成長さえることができる。スキルは振り直せるので安心だ*3。連携など、格闘ゲームにおける超必殺技のような仕組みも戦闘を盛り上げている。

鍛冶錬金がフレーバーとして上手く機能している。単純に素材を集めて混ぜるだけでなく、ミニゲームである鍛冶を通すことで、より効果の高い武具を作れる。単純に楽しいし、やりこみ要素にもなっている。
スキルや錬金などがあるものの、ダメージがインフレする程でもなく、その辺にドラクエらしい調整を感じる。

本作は属性や状態異常の種類が多くややこしい。普通にプレイする分には、属性はあまり生かされていないように感じた。状態異常を効果的に使用すると戦闘が楽になるのはドラクエらしいが、効果が持続しないため物理で殴った方が早いのも相変わらずだ。
敵もやたらと状態異常攻撃を使ってくるのが面倒である。終盤はその対策に追われることになり、攻撃がままならなくなるボスもいる。ファイナルファンタジーエスナやリボンのように、比較的万能な状態異常対策があれば、その面倒さから解放されるのだが。

先に思いをはせることができないマップ

3Dモードでプレイしたせいか、マップは随分と狭く感じられた。細かな区画が多すぎるのだ。

フィールドとダンジョンの区別はほぼない。リレミトが使えるのがダンジョンなのだろうが、頭上が開けていればルーラがどこでも使える。逆に、天井に覆われているためルーラを使えない街があって不便だった。
フィールドにしてもダンジョンにしても、ストレスを感じない程度に行き止まりがあって、それなりに探索している感覚を与えるようにデザインされている。一方で、しばしロードが必要なマップの区切りが多いため、狭く感じる作りでもある。
特に、フィールドが狭く感じられるのが残念だ。その理由は、関所によって寸断されているからだろう。

従来からマップは関所で区切られていたが、同時に橋でも区切られていた。関所はイベントをクリアしないと通過できないが、橋は自由に行き来できる。その代り、橋を渡ると一段強い敵が出現するため、レベルを上げないと苦労する羽目になる。
ドラクエ11では橋に相当するレベルによる区切りはほぼない。3Dモードであれば、簡単に敵を避けられるからだろう。また、新しい区画に入っても、イベントをこなしフラグを立てないと何も起きない。イベントが見えない関所として機能している。
マップそのものが細かな区画に寸断されているのも狭さを増長させている。先のマップが見えず、どのような世界が広がっているのか思いをはせることができない*4。世界の中心である命の大樹がずっと見るようになっているが、これはゲームのゴールでもあるし、ストーリーの随所にどのような場所かが示唆されている。故に、想像の余地があまりない。

PS43DSの3Dモードもグラフィックの綺麗さに違いはあるが、マップの構成はほぼ同じようだ。2Dモードだと、ドラクエ6以前のように「先が見えるけども行けない体験」ができるのかもしれない。

勇者への回帰

ドラクエ11は勇者に回帰した物語だ。特にドラクエ3の勇者との関連が深い。

ドラクエシリーズは、勇者の物語であったが、5では主人公ではなくなり、6からは主人公補正があるものの誰もが勇者になれる。つまり、選ばれた特定の人物のみではなく、みんなが勇者になれる物語へとシフトしていった*5

ところが、11では選ばれた勇者へと回帰している。もちろん、最終的には「困難に立ち向かう勇気があれば、みんなが勇者になれる」メッセージが込められているが、11の主人公は王族であり、また唯一無二の勇者という、選ばれし者のなかでも、さらに選ばれし者である。生まれた直後に川に流され拾われる当たりは、モーセかよって思いましたが。

勇者へ回帰したのは「過ぎ去りし時を求めて」いるからで、つまり11の主人公が「時渡りの勇者」だからだろう。11の主人公は「時渡りの迷宮」を通して、各シリーズの世界へも渡ることができる。11はドラクエシリーズのターミナルでもある。
「時渡りの迷宮」に関連したクエストで各シリーズの世界へ行けるが、ロンダルキアへの洞くつなど印象深いダンジョンが登場する。ドラクエ9だと、宝の地図によるメタルキングが登場するダンジョンなのが心憎い演出である。ガライの町でガライの墓が攻略できなかったのは残念だったが。

11がドラゴンクエストのグランドフィナーレならば勇者へ回帰するほか無い。各シリーズとの強い繋がりを持つ勇者としては、勇者の始祖であるロトの勇者をおいて他にはいない。
伝説の勇者であるローシュや勇者の剣は3のそれだ。音楽も3からの流用が多く、特にクリア後のフィールド音楽は3の「冒険の旅」である。8のようにラーミアこそ出てこないがケトスの復活やその後の双子による覚醒は、やはり3がモチーフだ。「やみのころも」と、それを祓える勇者の剣などなどなど。世界にも、ロト・ゼタシア、とロトの名が冠されている。

ドラクエ11の主人公も真のエンディングを迎えることで「ロトの勇者」の称号が与えられる。そして、この称号が後の世にも伝われるとされている。聖竜の件からも、11こそがドラゴンクエストの始祖である。

ただ、聖竜はドラゴンクエストであるからドラゴンを登場させた面が強く、また1の竜王へと結びつけるのはやや強引な後付けに思えた。そもそも、3の竜の女王と1の竜王も無理矢理感があるのだが*6
聖竜が姿を変えた命の大樹は、天空シリーズドラクエ9へ繋げる意味もあるだろう。

ドラクエ11の主人公は何者か

ドラクエ11の主人公は、唯一無二、時渡りの勇者である。シリーズ随一の勇者である。しかし、その主人公は何者であろうか。

ドラクエシリーズの主人公はしゃべらないのが伝統である。7くらいまでのグラフィックであれば、しゃべらない主人公=プレイヤーという演出は上手く機能する。しかし、8からは本格的な3Dになったこともあり、キャラクターの表情が豊かになった。黙っていても、表情が色々なことを語っている。これは11の主人公も同じで、主人公の内面が多大に表出している。
それでも、8や9では、主人公の周りのキャラクターが狂言回しとてストーリーを進めることで、主人公が極めて無口でも不自然さを極力感じないように設計されている。8ならば、ヤンガスであったり、トロデ王であったり、9ならばサンディなどがそれに相当する。8では、馬となったミーティア姫が夢の中でしか語れない点も、しゃべらない主人公の違和感を軽減している。その他のゲームに目を向けると、大神におけるイッスンであったり、ゼルダの伝説におけるナビィなどのナビゲーターが、物語を前へ進めている。一方で、狂言回しによるストーリー運びは、巻き込まれた感触が強く、自ら選択し切り開く物語には、あまり向かない。8で主人公がメーティア姫を選択し結婚する動機が薄いと感じるのも、そのためだろう。
ゼルダの伝説の新作であるブレスオブザワイルドでナビゲーターがいないにも、オープンワールドを自分の意思で切り開くためではなかろうか。

ファイナルファンタジーっぽいドラクエ11

ドラクエは、特に11はプレイヤー自身が勇者になる物語であるから、狂言回しによるストーリー運びは本来上手く機能しない*7。シルビアは性格としても人間関係としても狂言回し的なキャラクターではあるものの、基本的には主人公の意思を尊重するため、ストーリー全体を引っ張る役目はない。

ドラクエ11の主人公は、一人で行動したり主人公が中心となってストーリーが進行するシーンが多い。これは、仲間が揃ってからもだ。そのため、主人公がプレイヤーの意思に関係なく、何かしらの意思決定をしていているシーンも多くなる。
ストーリー中に仲間などに身振り手振りで説明するシーンがしばし挟まれる。ここへ更に顔の表情が加わってくる。ドラゴン11の主人公はゲーム中にテキストこそ表示されないものの、多くのことを語っている。
これらの演出は、主人公=プレイヤーを阻害する演出である。ここまで多くを語るなら、しゃべった方が自然である。11の主人公も回想シーンでは普通にセリフがありしゃべっている。ただ、そうなるとすごくのファイナルファンタジーっぽくなるが。

イベントやムービーも多く、その結果、操作できる=プレイアブルな時間が減少しているのも、主人公=プレイヤーを阻害している。特に、序盤のホムラの里へ辿り着くまでは、イベントが多すぎてうんだりした。命の大樹に辿り着いてからもイベントが多く、再度自由に行動できるようになるまでが長い。
DS版では、ムービーとゲーム内での等身が一致しないので、キャラクターの乖離もが生じている。まさか、2017年にもなって1997年に発売されたファイナルファンタジー7における違和感を、再度感じるとは思わなかった。

犠牲となった中盤

主人公の振る舞いやムービーにおけるプレイアブルからの逸脱などのプレイヤーからの乖離から、ファイナルファンタジーっぽい部分を随所に感じたが、その他にもファイナルファンタジーっぽい点がある。

主人公達は命の大樹に辿り着くが、ウルノーガに破れ「その日、世界は引き裂かれた」。その後主人公が「仲間を求めて」再出発した展開に、ファイナルファンタジー6っぽさを感じた人は多いだろう。また、メインキャラクターであるベロニカが死んでしまうのも、ドラクエとしては非常に珍しい、キーファのように途中で抜ける例はあるものの、メインかつプレイアブルキャラクターが自己犠牲として仲間のために死ぬのもファイナルファンタジーっぽい*8

この世界が崩壊した後の展開が本当に辛かった。崩壊直後は、魚としてスタートする。ウルノーガから逃れるためとはいえ、このパートを用意する意図が分からない。私にとっては、より主人公からの乖離が強められるイベントだった。
その後も、それまで育てた仲間と離ればなれになっているし、マップはほぼ同じなのにルーラの行き先がリセットされている。つまり、崩壊直後は自由度が極端に低下する。ストーリーも全てが後手後手で、救われないイベントばかり。もちろん、真のエンディングのための助走ではあるが、あまりにも犠牲が大きすぎる。

真のエンディングで救われるとはいえ、物語上の解釈では、崩壊した世界と崩壊しなかった世界では世界線が異なっているようで、崩壊した世界が救われるわけではない。ただ、この世界線の分岐がゼルダの伝説時のオカリナのように、他のドラクエシリーズを生み出していると解釈できるのは興味深い。崩壊した世界では、ロトの称号をもつものがいないので、天空シリーズへとつながるかもしれない。

この崩壊後が特にファイナルファンタジーっぽいのもあり、私は「ファイナルファンタジーをプレイしたいのではない、ドラクエをプレイしたいのだ」と感じていた。

時渡りの勇者はどのように時を渡ったか

それでも仲間が再度集結し、勇者の剣をみなで打ち直すイベントからは、自分としても盛り上がりテンションも高まった。クリア後から真のクリアに向けたドラクエ3を彷彿させる演出も非常に楽しかった。イベントとしては、ホムラの里のイベントなどはドラクエ3ジパングまでもが救われた気がした。遊びの部分では、強いアイテムが手に入るワクワク感や、スキルパネルなどが解放され、キャラクターを更に成長させることができる高揚感がある。

ただ、少々不満もある。クリア後の世界線ではホメロスとグレイグのすれ違いが解消されていないように感じた。ホメロスが死ぬまで誓いのペンダントを持っていたので、グレイグはホメロスの真意を気づいたかもしれないが。また。ホメロスは人として死んだ方が救いはあるだろう。それから、ケトスはクジラじゃなくてラーミアで良かったのでは。

クリア後は確かに盛り上がるものの、主人公との距離感をずっと掴めないでいた。いっそ主人公がしゃべった方が自然ですらある。しかし、しゃべってしまうとドラクエの伝統を失い、ファイナルファンタジーなどとの違いが無くなってしまう。

11の主人公が、どのようにして時を渡ったのかもよく分からない。崩壊した世界に主人公はいないし、アイテムなども持ち込んでいるため、身体ごと時を渡ったようである。入れ替わったのか、融合したのか。この辺ははっきりと描写されていないが、主人公の記憶はおぼろのようだ。。

命の大樹へ出発する前に時を渡った主人公は、その後の未来を仲間に対して語ることはしない。命の大樹で、ホメロスから不意打ちされる直前に、それをフラッシュバックのように思い出し回避している。デルカダール王がウルノーガに操られている点や、ウルノーガにより勇者の力を奪われたのも、同様にフラッシュバックのように思い出している。
崩壊した世界で勇者としての力を失った場面であり、時を渡ってやり直す重要な時点でもあるため、覚えていないのは不自然だ。むしろ、事前に策を錬っておきたい局面でもある。にもかかわらず、主人公は対策を取らないし、直前まで記憶がないような振る舞いをする。そのため、恐らく時を渡りはしたが、記憶が曖昧なのだろう。

プレイヤーはきちんと覚えているのに、主人公の記憶は曖昧のため、ここでもプレイヤーと主人公との間に乖離が生じている。
主人公の記憶が定かな場合、それをドラクエの文法で表現するのは難しく思える。仲間に信じて貰うには、命の大樹に向かう直前では言葉と時間が十分ではない。セリフのない主人公でかつタイムトラベルを描いた作品としてとしてクロノ・トリガーがあるのの、ルッカや時の賢者説明してくれるため、クロノとしてもプレイヤーとしても納得感がある。*9
主人公が覚えている心理描写を描くにも、やはりプレイヤーへの言葉が必要となる。どちらのパターンでも、ウルノーガと対峙する直前に対策を練るには主人公にセフが不可欠であり、ドラクエの伝統からは逸脱してしまう。時を渡る勇者が主人公の時点で、プレイヤーと乖離せざる得ないのだ。

ドラクエ11の主人公は唯一無二の勇者である

ドラクエ11の主人公は、ドラクエシリーズの主人公の中でもさらに選ばれし者であり、唯一無二の勇者である。ドラクエシリーズの勇者や主人公たちを繋げる「時渡りの勇者」であり、「勇者の力」と「ロトの称号」を有している。
「勇者の力」は唯一無二だが、移動することがウルノーガによって示唆されていたし、真のエンディングではセニカに渡っている。

崩壊した世界には「勇者の力」は残っているが、「ロトの称号」が生まれなかった世界。
崩壊しなかった世界には「勇者の力」が残っていないが、「ロトの称号」が生まれた世界。
そして、セニカが渡ったのが「勇者の力」が二つある世界になるだろうか。

セニカが渡った世界はドラクエ3の上の世界で、崩壊しなかった世界は下の世界、つまりドラクエ1の下の世界ことアレフガルドだろうか。「ロトの称号」が生まれなかった世界は、ロト三部作以外へと繋がっているのだろう。

唯一無二であるが故に、主人公とプレイヤーの乖離が激しい。
台詞こそないものの主人公が仲間やNPCに対して身振り手振りで語っているシーンが目に付く。主人公の表情も豊かで、セリフこそも無いものの、ドラクエの主人公の中では饒舌な部類である。主人公が自らの意思で切り開く物語であるから、狂言回し的なキャラクターに引っ張ってもらう訳にはいかない。そのため、主人公が一人になるシーンも多く、それがますます主人公に多くを語らせる結果になっている。つまり、主人公がプレイヤーではない何者かとして描かれている。
ゲーム開始直後や、命の大樹前後は特にイベントが多く操作できない時間が長く、プレイヤーと主人公との乖離が生じる。さらに、崩壊後は自由度が極端に低下する。3DS版ではムービー時とゲーム操作時の等身が異なるためキャラクターの連続性が失われる。2010年代も後半になって、ゲームにおけるストーリーとプレイアブルのジレンマにイライラさせられるとは思わなかった。

遊びの部分では満足だし、クリア後の展開は盛り上がるものの、ストーリーの中盤が犠牲になっておりプレイしていて辛かった。また、主人公とプレイヤの距離感が非常にあやふやである。主人公にセリフを用意した方が、スムーズに事が進む場面が少なくない。また、PS4にもなって声優を用いずに字幕だけのムービーを流す必要もなくなる。 主人公とプレイヤーとの距離感がどうなるかが次回作の不安でもある。

*1:基本的にドラクエと表記する。また、ナンバリングはローマ数字であるが算用数字を用いる。

*2:ただし、このすぎやまこういちのスタイルは昔から。11は過去作品の流用が多いので、負担は軽かったのではと推測される。

*3:レベル99まで上げれば、ほぼすべてのスキルを取得できる。残りはスキルの種で。

*4:序盤のナプガーナ密林は先の見えるつくりになっているが、この手のマップで行けない部分を作ると、そこに行こうとするプレイヤーが出るのでデザインが難しい。ナプガーナ密林では強敵を見せることで、行かなくても良い場所であることをプレイヤーに伝えている。

*5:8以降は勇者ではないのだが

*6:聖竜が命の大樹となり、邪神を倒す勇者が生まれるのを待ったのは、少々ゼノギアスっぽいなと思った。

*7:http;//lastline.hatenablog.com/entry/20090807/1249648140 で書いたように9では従来のドラクエとは逆のアプローチがなされている。

*8:ドラクエ5のパパスはメインキャラクターだがプレイアブルキャラクターかと問われると疑問

*9:少々異なるが、6も似たような状況であつものの、その局面に至る過程のための演出でもある