旧スクウェアファンが OCTOPATH TRAVELER をプレイしたら超楽しかった!

OCTOPATH TRAVELER Original Soundtrack

OCTOPATH TRAVELER Original Soundtrack

散々言われている評ですが、かつてのJRPG、特にスーパーファミコン時代のスクウェアが好きな人にはお勧めです。懐かしいけど新しい。そんなゲームです。BGMも抜群で、サントラを購入してしまいました。戦闘音楽が軽快で作業が捗ります。
徐々にネタバレを増やしていく形式で感想を書いてみます。

美麗なフィールドをドット絵キャラクターが駆け回る

ドット絵でありながらエフェクトによる風景がとても綺麗で、それが世界観ともマッチしています。雪国におけるダイヤモンドダストに、森の中の木漏れ日。そして、乾いた熱砂の砂漠。水の流れは3DCGのようですが、それも不思議と背景に溶け込んでいます。

美しいフィールドを歩く楽しみがある一方で、通れる場所と通れない場所の区別がややつきにくく、それがストレスになることも。ダンジョンでは、それを利用して宝箱を隠しているのだけども、引っかかっているのか単に進めないのかが分からないことが多々ありました。

スクウェアらしい戦闘

戦闘はファイナルファンタジー(FF)から脈々と続くサイドビュー形式を踏襲しており、ドット絵と3DCGやエフェクトの組み合わせから、なんとなくゼノギアスが思い起こされました。ジョブやアビリティシステムも同様に踏襲しており、組み合わせの妙を考えるのも楽しみの一つ。

戦闘の流れとしては、敵の弱点を突きブレイクさせ、ピヨッてる間にボコボコにするのが基本となるでしょう。FF13の戦闘をターン制バトルに置き換えたシステムように思えます。敵それぞれに弱点があり、またブレイクさせるまでに必要な攻撃回数も様々です。ブレイクさせないとダメージが通らないため、戦闘毎にパズルを解いているような感覚に陥ります。敵が瀕死になるといやらしい攻撃をしてくるため、撃ち漏らすと雑魚戦でも全滅する恐れがありシビアです。ボス戦は、如何に相手を攻撃させないか、効果的にダメージを与えるか、いつたたみかけるか、などと考えることが多く歯ごたえがあります。ボス攻略のためには、ジョブや装備の組み合わせを工夫する必要があり、この辺もFF13に似ているかなぁと感じました。
また、ブーストポイント(BP)が戦闘に爽快感を生み出しています。ターン毎に溜まっていき、一気に放出することで連続攻撃や大ダメージを与えたり、奥義を使えたりもします。これが先のブレイクと噛み合っており、非常に気持ちがいい。連続攻撃で早めにブレイクさせたり、ブレイク後に大ダメージを与えたり。敵と味方の攻撃順が毎ターン毎に変わるため、手順をじっくり考える必要があります。似たようなシステムは、同じ開発陣が制作したブレイブリーデフォルトにもありましたが、こちらは防御することで溜まってきます。ブレイブリーデフォルトでは我慢が必要ですが、本作では勝手に溜まっていくため、より気軽に使えます。BP管理も戦闘の肝です。

オムニバス形式のストーリー(ややネタバレ)

ストーリーは、各キャラクターごとに四章からなるオムニバス形式で、ライブ・ア・ライブを思い出しました。特定の街を訪れることでプレイヤーが任意のタイミングで進めることができます。気になるキャラクターのストーリーをどんどん進めてもいいし、満遍なく進めても良い。あるいは、ストーリーを横に置いて世界中を巡ることもできる。ただし、ストーリーを無視して新しい街へ行く場合、ドラゴンクエストの橋以上に敵のレベルが一気に上がるため、難易度が高いです。

ストーリーそのものは淡泊で、同様にオムニバス形式であるライブ・ア・ライブと似た構成です。重厚なストーリーを期待している人には物足りないかも。一方で、各キャラクターの一章がやや長いので、ゲームをさっさと薦めたい場合には億劫になります。
道中の折々にパーティーチャットが用意されており、仲間同士の会話を楽しむことができます。逆に言えば、ゲーム中での仲間同士の関わりはこれくらいしかありません。章ごとに用意されているものと、特定の組み合わせのパティーメンバーで酒場に入ると発生するものがあります。章ごとのパーティーチャットを全員分見ようと思ったら結構大変でしょう。

全員の章をクリアしただけでは物語の全容は明らかになりません。特定のサイドクエストを進めて裏ボスに挑む必要があります。オフィーリアやサイラスのストーリーからは裏ボスの存在が、その他は黒幕の存在が分かる程度です。特に、アーフェンとトレサはいい話だなぁて終わってしまいます。

徐々にできることが増えていく(それなりにネタバレ)

適度にできることが増えていくデザインが素晴らしい。これが探索と噛み合っており、フィールドを駆け回る楽しさがあります。

先ずは仲間を集めてパーティー内の組み合わせが増える。次に、二章か三章に着手するあたりでジョブを組み合わせることができるようになる。その頃にはベースジョブの奥義が仕えるようになってくるでしょう。ただし、一部微妙なのもありますが。そして、四章くらいで上級ジョブに挑戦できるようになり、その後に最強装備が手に入り始める。
フィールドはマップで仕切られ、レベルにより区切られています。レベル差があると敵から逃げることさえままなりません。レベルを上げなければ新しいマップに踏み入れるのは危険です。低レベルでも敢えて危険を冒して、ダンジョンの宝箱を集めたり、新しい街に行き着く選択をするのもありでしょう。
新しい街に辿り着けば、住人から情報を聞き出したり、アイテムを買い取ったり、あるいは盗んだりして、有用な装備を集めていくこともできます。クエストをこなしていくのもいいでしょう。
フィールドや街の大きさも、適度に迷いつつ探索できる程度になっています。ただし、先述のように、移動できる場所とそうでない場所を判別しがたいですが。

戦評(攻略上のネタバレ)

私は、二章を始めずに全ての街を巡り、上級ジョブも取得してからストーリーを進めるスタイルで遊びました。オープンワールドでもないのに、こういう遊び方が許容されているのも OCTOPATH TRAVELER の魅力でしょう。
こんなプレイスタイルになってしまった一因は、一章においてプレイアブルな時間が少なかったので、ストーリーを進めるのがやや億劫になったこと。また、二章を始めるに当たり、ストーリーが進行する街を出しておこうと思ったら、道に迷ってしまったから。高レベルの敵が出現する地域に迷い込んだものの、装備で属攻を上げまくったサイラスで倒せてしまったので、そのまま快進撃が続きました。そうこうしていう内に、全ての街を訪れてしまったという経緯。そして、街を訪れる度にクエストをこなし、住民からアイテムを盗んで徴収しまくっていたら、上級ジョブにも挑戦できちゃったのでした。

特に前情報など無しにサイラスでスタートしたのですが強すぎ。まず、予習が便利。ブレイクが起点となる今作において、敵の弱点を知れるのは非常に有利です。また攻撃面でも、敵が多いのもあいまって、三つの属性で全体攻撃できるのはかなりの強みです。さらに、エンカウント率半減まで覚えるので探索が楽になります。エンカウント率が高めのため、エンカウント率半減は是が非でも欲しい所。

パーティー編成としては、紫宝箱を開けるため、テリオンを常備していました。結果的に「盗む」の成功確率も上がるためアイテム収集が二重に捗ります。ただ、本作ではお金が余るのでトレサの買い取りだけでも十分回していけるでしょう。
戦闘面では、雑魚戦は属攻の高いサイラスが蹴散らす。ボス戦は「聖火神エルフリックの導き」をサイラスにかけて、通常攻撃を二回にしてブレイクを早めたり、ダメージ量を増やしたりしてました。サイラス中心で回すと「碩学アレファンの知識」をかける暇があんまりない。プリムロゼを魔術師にする手があるものの「舞踏姫シルティージの囁き」を踊って貰う必要があるので、攻撃にBPを裂けませんでした。
全体として特に弱いジョブってのはないと思いました。トレサは金さえあれば攻撃面では非常に強い。また、ルーンマスターと組み合わせると物理攻撃を完全にシャットアウトできてしまう。アーフェンも攻守共に優れていますね。なにしろ「調合」が強い。トレサ同様に元手が必要ですが、属性三回攻撃はボス戦で役に立ちます。「霊薬公ドーターの恩恵」でアイテムを全体化できるのも強い。ステータス異常がやっかいなこのゲームでは無効にできる「健全化」もありですね。とりあえず、トレサにかけておいて「ルーンマスター」の「拡散のルーン」をかけて「ひとやすみ」しとけば状態異常を回復できちゃう。
ハンイットは弓弱点の敵が多いと心強いのですが・・・・・・。狩人のアビリティは役に奴ものが多く、敵の行動順をターンの最後にする「ねんちゃく糸」やターンの最後にもう一度行動できる可能性のある「ラストアクト」などは、裏ボスまで役に立ちました。

各キャラクターのストーリー(ほぼネタバレ)

各キャラクターのストーリーとしては、トレサ編で旅への意思が受け注がれているのが OCTOPATH TRAVELER における希望になっていて好きです。継承はサイラスの意思であります。知識を独占したい学長に対して、それを広めるべきと考えているサイラス。禁忌の知識をも、後世のために残そうとする意思は学者として見倣いたいものです。
キャラクター同士に共通点があったり、あるいはそれが対比になっています。例えば、オフィーリアとプリムロゼは子どもの頃に両親が亡くなっています。しかし、オフィーリアは他者を信じ、プリムロゼは自分自身の信念しか信じるものがありません。また、オフィーリアとプリムロゼは、マティアスとシメオンの関係性がよく似ていますね。
テリオンもオルベリクも親友と思っていた人物に裏切られおり、テリオンは決別し、オルベリクは和解します。ハンイットもアーフェンも、師匠を追うために旅に出ます。残念ながらアーフェンは会うことはできませんでしたが・・・・・・。
全体のテーマとしては、「他者を信じること」が根底にあるでしょう。テリオンは他者を信じることができませんでしたが、最終的には信じることができるようになりました。トレサやサイラスも他者を信じているからこそ、継承できるのでしょう。

一方で、各キャラクターのストーリーを終えても、それぞれのつながり、つまり共通の敵が見えてきません。特に、トレサやアーフェンに関しては、どのように関わっているのか全く分かりません。黒曜会などを知っていいれば、トレサの手記を狙った女性の素姓は想像できますが、なぜ狙われたのかはさっぱりです。アーフェンに至っては裏世界との繋がりも分からないですし。ハンイットにしても、結局「赤目」がなんだったのかも分かりません。
オルベリクやサイラス、オフィーリアならば、共通の敵の姿がかなり見えてきます。ただ、それでも各キャラクターがどのように関わっているのかまでは掴めません。それを知るには裏ボスに挑戦する必要があります。

裏ボスについて(完全にネタバレ)

裏ボスに挑むには、とあるクエストを終える必要があり、メインストーリーだけを追うだけではありません。ここでようやく、トレサとアーフェンの関わりが判明します。

裏ボスに挑むには、パワーアップした各キャラクターのラスボスを倒す必要があります。ロックマンか!パワーアップしているものの、装備などを調えておけば、概ね3ターンくらいで撃破できてしまいます。1ターンめに「ねんちゃく糸」を使って、2ターン目にボスが攻撃する前にブレイクさせつつ、バフとデバフをかける。そして3ターン目で「ダメージ限界突破」と「BPイーター」をつけたアタッカーが攻撃してフィニッシュ。これを8回繰り返して、裏ボスに挑むわけですが、きちんと対策しておかないと辛いです。それ故に、何度か試行錯誤したのですが、その度に8体のボスを相手にする羽目になり面倒でした。

裏ボスは2パーティーで挑むので、各キャラクターをきちんとレベルを上げておかないと辛いです。私は、初戦は「聖火神エルフリックの導き」をかけたサイラスを攻撃の要として、「舞踏姫シルティージの囁き」をかけたオフィーリアで反射やバフを味方にかける戦法で凌ぎました。二戦目は、「ルーンマスター」のトレサに「拡散のルーン」をかけて「緊急回避」という、恐らく一般的な戦法で挑みました。各パーツを各個撃破を目指し、ダメージソースとしてオルベリクの「雷剣将ブランドの剛撃」か「十文字切り」。聖火神で二回攻撃できる場合は「十文字切り」の方が強いことも。魔法系が弱点の場合はアーフェンの調合でブレイクさせました。

裏ボスに限らずに、全体のボスに言えることですが、対策さえしておけば低レベルでもボスを撃破できるようになっています。「魔大公」や「マーナガルム」はその典型でしょう。ただし、拡散のルーン+緊急回避に思い至る前に挑んだので「マーナガルム」には苦戦しました。物理防御を上げて、回復限界突破でも倒せるけど、お供を散らすのが大変でした。ダブルトマホークを二本持っていいればかなり楽になりますが。

最後に

裏ボス撃破時のプレイ時間は70時間弱でしたが、実際は「盗む」で失敗した場合に何度もリセットしているので、もう少々長そうです。二回目をプレイするつもりは特にありません。やるなら、低レベルクリアとやRTAでしょうか。工夫次第でボスを倒せるのでやり応えはありそうですが、事前調査に時間がかかるので、それなら他のゲームをやりたいですね。積みSteamが何本かあるし・・・・・・。