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プラスチックを分解するバクテリアはプラスチックを工業製品から排斥するか

ポリエチレンを分解するバクテリアを発見したというお話。使用済みのポリエチレンの処理が問題になっているので、画期的な発見だと思います。ただ、プラスチックを分解するバクテリアは手放しでは喜べない という人もいるようで。
WIRED VISION の記事中には、「土にイースト菌を混ぜ水を加えたものの中に、粉状にしたプラスチックを入れて、30度にした」とあるので、条件が簡単に揃わない自然界で簡単に分解されるという事はないだろう。また、粉状にしたとあるので製品だと分解はより時間がかかる。つまり、水道管が簡単に腐食されるという事もないでしょう。

また、ポリエチレンは電線の被覆材料や自動車などにも使われます。ただ、電線の被覆材料や自動車などの場合はバクテリアが活動できる条件がますます揃わないでしょう。ポリエチレンを分解する菌の発見で、ポリエチレンを工業的に使用できなくなるってのは短絡的。金属も微生物腐食が起こりますが、対策は材料を変える、あるいは環境に注意するという方法がある。つまり、水道管をポリエチレン以外のプラスチックにするか、殺菌、あるいはラミネートなど表面加工するなどの方法が考えられるだろう。むしろ、バクテリアの発見により、ポリエチレンをより長く使用するにはどのような対策を施せば良いかが明確になると考えられる。さらに、ポリエチレンに限らずプラスチックや化学製品を分解するバクテリアをドンドン発見して、その対策を研究した方が良いとも言える。金属は腐食する事前提で加工されていますから、今後はプラスチックは今回のようなバクテリアも念頭に入れて加工を施せば良いだけの話。

プラスチックを分解する兵器になるんじゃないかというSFめいた指摘も有りますが、全てのプラスチックが同じ結合を有する訳ではない。ポリエチレンには今回のバクテリア、PETにはまた異なる、ケブラーなどのポリアミドはまた他のバクテリアが必要だろう。さらに、バクテリアが活動できる条件も整える必要があるので沿う簡単には兵器にはできないでしょう。
もし、全てのプラスチックを分解するバクテリアがいたら、恐らくほぼ全ての有機結合を分解できることになるので、問題はプラスチックに限りません。そんなスーパーバクテリアなんているんでしょうか。