完全分離型のワイヤレスイヤホン AVIOT TE-D01b をレビュー

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連続再生時間の長い分離型のワイヤレスイヤホンが欲しくて、クラウドファンディングにて8月頃に出資した「AVIOT TE-D01b」がようやく届きました。出荷遅れのアナウンスにおいて、やや不信感が募る対応があったものの、製品そのものは質が良く概ね満足しています。
再生時間は公称で9時間ですが、コーデックによる違いがあるようです。高音質でも5時間弱は連続使用できるので実用上では問題ないのですが、宣伝文句の半分程度ってのはちょっとモヤモヤします。

出荷が遅れるのは構わないのだけど

当初は11月上旬に出荷予定でしたが、11月の最終週に延びました。出荷遅れのアナウンスは丁寧な内容だったのですが、延期された出荷予定の週にまったく音沙汰がありませんでした。クラウドファンディングなので、ものが届けば特に文句はないのですが、出荷予定の週にアナウンスができなかった申し開きが少々ありえないと思いました。アナウンスする予定だったが、エラーでアップできなかたなどと言い訳するなら、しない方がマシでしょう。

高品質、高音質に偽りなし

分離型のワイヤレスイヤホンでありながら、9時間連続使用を謳っています。将来的には TrueWireless Stereo Plus に対応予定で、さらなら長時間再生が期待されます。

色はネイビーとブラックにガンメタリックが用意されており、私はブラックにしました。ブラックは充電ケースのマット感がすばらしいのですが、イヤホン本体は指紋が目立つテカリ具合なのが気になりました。イヤホン本体に関しては、ガンメタリックも捨てがたかった。

質感は非常によく、高級感があります。イヤホンとしてはやや大きめで、一目で装着していることがわかります。ただ、分離型のイヤホンの中では小さい方ですけど。装着感もよく、ポロッと落ちるような心配もありません。
充電ケースは名刺サイズとやや大きめ。四から五回程度充電できるようですが、本体の再生時間そのものが長いので、もう少し小さい方が嬉しかったです。また、個人的にはマイクロUSB端子なのもガッカリしました。

他の残念な点としては、イヤホン本体からは再生、停止、曲送りのみしかできません。曲戻しや音量調整はできません。これは本体が小さいので仕方がない面もあります。私はスマートウォッチで操作するので問題ありません。

音質も日本人に合わせたと謳うだけあって、良いと思います。低音のみならず、広いレンジで音が出ています。曲によっては抜けるように響いて心地よい。東京などなら、家電量販店でお試しできるようなので装着感も合わせて確認するのをおすすめします。

遅延や音切れは?

ワイヤレスイヤホンで気になるのは、遅延と音切れです。遅延に関しては、ビデオなどであれば気になることは無いものの、ゲームではやはり気になります。明確に遅延しているのが分かるため、音ゲー以前にゲーム全般が厳しいでしょう。

音切れに関しては、山手線などで切れることはありませんでした。流石に、アキヨドでは結構な頻度で音切れが発生しましたが。また、人混みなど関係なく音が飛ぶときもあるものの、総じて切れにくいと思います。

気になる連続再生時間は?

分離型でありながら再生時間が長いのは、左右で親機と子機を入れ替える仕組みになっているから。従来型のイヤホンは親機の方がバッテリーの減りが早いため、子機の方が残っていても使えなくなってしまいます。
AVIOT TE-D01b は最近リリースされたクアルコム製のQCC3026を搭載しており、親機と子機を適宜入れ替えることで再生時間を延ばす仕組みになっています。

AVIOT TE-D01b は公称での連続再生が9時間となっています。とはいうものの、公称の宣伝文句は実働とは異なるものです。そこで、実際に連続再生時間を調べてみました。その結果、コーデックにより駆動時間の違いが見られました。

Bluetoothのコーデックとして、SBC、AAC、apt-Xがあります。後者になるほど高音質で遅延も少ないです。それぞれのコーデックで再生時間を確認すると、SBCはギリギリ8時間に届かず、AACは7時間程度、最も音質のよいapt-Xでは5時間を前に力尽きました。

SBCなら宣伝文句通りの再生時間ではありますが、高音質を謳いながらapt-Xでの再生だと9時間の半分程度しか持たないのは、宣伝に偽りありではないでしょうか。
ただ、個人的には5時間弱持てば十分ではあります。朝からずっと聞きっぱなしだと昼前に電池が切れますが、昼休み中にケースに戻して充電すれば電池は回復します。これは午後も同じで、9時間ずっと聞きっぱなしということは先ずありません。間に休憩を挟むなら、その度にケースに戻すでしょう。つまり、5時間程度持てば十分ではあります。

TrueWireless Stereo Plus に期待

スマートフォンからイヤホンのバッテリーをチェックできるのですが、40%や30%程度残量があるのに再生できなくなります。恐らく、片方だけ電池がなくなったのでしょう。小さなサイズでありながら、apt-Xで5時間弱は再生できるため、親機と子機の切り替えは行われていると思われます。ただしバランスよく切り替わってないようです。この点から、左右のイヤホンにそれぞれ音を伝える TrueWireless Stereo Plus に対応すれば、再生時間は延びそうです。


AVIOT TE-D01bのペアリングと操作方法
左右を共に親機として登録する必要があるので、ペアリング方法が通常のワイヤレスイヤホンと異なります。YouTubeに動画があったので紹介しておきます。

QCC3026搭載イヤホン

QCC3026を搭載したイヤホンは最近リリースされ始めました。AVIOT TE-D01bの他に日本で手に入りそうなのは、Mavin Air-X や NUARL NT01AX などで連続再生時間は10時間程度。共に、19,600円(税込み)なので、16,070円(税込み)であるTE-D01bの方が安いです。ただし、NUARL NT01AX はイヤホンのみで音量の調整もできるようです。

Makuake でクラウドファンディングをしている、Zeeny も同じチップを搭載していますが、こちらは音声UIでのアシスタント機能が売りなので、音楽用イヤホンとは扱いがやや異なるように感じました。筐体がAVIOTによく似てるので、製造元が同じなんでしょうねぇ。

NUARL NT01AX はコーデックにより再生時間が異なる点が明記されています。SBC/AACなら10時間以上、apt-Xでは7時間以上となっています。この点から TE-D01bにおいても apt-X で再生時間が短くなるのは合理的だと考えられます。つまり、現状だと TrueWireless Stereo Plus に対応予定がないものの AAC で再生される iPhone の方が、再生時間は長いと考えられます。問題は、AVIOT がコーデックによる再生時間の違いを明記していないこと。今後、TrueWireless Stereo Plus への対応を考えると、信頼できるメーカーから購入した方がよいかもしれません。

私が AVIOT を強くオススメできない理由の一つが、早期出資特典として11,250円で入手したのもあります。16,000円となると、Air-X や NT01AX に今後発売される QCC3026 搭載のイヤホンも検討するでしょう。また、イヤホンに関しては装着感や音質などの好みもあるので紹介が難しいですね。
AVIOT TE-D01b の特長としては防水性能がIPX7なことでしょう。スポーツ用や日本での屋外での利用では AVIOT TE-D01b が適しているでしょう。日本向けと豪語するだけはあると思います。