NNNドキュメント「ゲームの中の戦争」のまとめ感想

  • 戦争から生まれたゲーム

ゲームの元である、コンピュータ自体が戦争から生まれたものであり、世界初のビデオゲームであるTennis for Twoもミサイルの軌道を計算する過程で生まれたそうだ。つまり、ゲームは戦争の申し子なのだ。

参考

Tennis for One
http://homepage2.nifty.com/nsh/java/tennis.html
「テレビゲームとデジタル科学展」7月17日から開催
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/0716/tvgame.htm
  • 日本ゲーム黎明期

1978年にスペースインベーダーが大ヒットする。このスペースインベーダーの草案においては的が現在のインベーダーではなく、人にするという案もあったが開発者である西角友宏氏の上司が戦争経験者だったので断固として反対したようだ。結果として、的を人ではなくインベーダーにしたことがこの後の日本ゲーム業界の方向性を生み出したのではないかと思う。
史上最も成功したと言われる1980年のパックマンや1985年のスーパーマリオブラザーズは残虐性をよりソフトにした作品と言えるだろう。

パックマンがギネス入り 「最も成功したゲーム」
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0505/19/news090.html
  • ゲームと戦争

1983年にファミコンが発売され、ゲーム業界を席巻した任天堂だが思わぬ逆風が吹くことになる。1991年の湾岸戦争でミサイルがテレビゲームのように施設を的確に破壊する様をアメリカの報道機関が"Nintendo War"と呼んだのだ。
これに目をつけたのか、アメリカでは軍が訓練や勧誘のためにゲームを用いている。バーチャルリアリティを通じて、戦場で役に立つ思考を訓練するのが目的なようだ。

湾岸戦争
http://encyclopedie-ja.snyke.com/articles/%E6%B9%BE%E5%B2%B8%E6%88%A6%E4%BA%89.html
ゲームをやって陸軍に入ろう
http://hotwired.goo.ne.jp/news/culture/story/20020708201.html

しかし、スーパーマリオブラザースの生みの親である宮本茂氏に言わせると、"Nintendo War"は無機質なゲームが問題なのではなく、報道側の姿勢の問題だという。報道する側が、ミサイルの目標に何があり、実際にどのようなことが行われているかをメッセージとして伝えば、無機質なそれこそ"Nintendo War"のようにはならないからだ。
個人的にこの「戦争で実際に起こっていることを伝え反戦を訴える」という流れを組むと思っているのが、番組でやや中心的に扱われていたメタルギアソリッド(以下MGS)の開発者である小島秀夫氏であろうか。MGSの小島節は必要ないよという意見もあるが、この小島節でリアリティが生まれていると言う面もあるので僕個人はあったほうがよいと思う。そして、知ってかしらずかMGS1から登場するマンハッタン計画に参加した祖父をもつオタコがゲームと戦争の関係を見事に表現しているのではないかと思う。

ドラクエの生みの親である堀井雄二氏は、故郷である淡路島での子供の頃の体験がドラクエを作る際に生きているそうだ。これは全てのクリエーターに共通していたのが、子供の頃などに現実の体験を元にして、仮想現実を生み出しているということ。確かに、若い世代ほどゲームからゲームを創造しようとしている。だから説得力が無いのか。
また、堀井雄二氏の姿勢は自身戦争を実際に体験したわけではないから「戦争反対」と言っても説得力が無い。むしろ「平和」であることを訴えた方が自身としても説得力があるということ。

  • 以下雑感

番組自体の感想としては上手いこともって行ったなと。小島監督を中心にすえたのも若い+戦争に近いゲームを作っているからでしょう。僕としては、ビデオゲームが戦争の申し子って視点は新しいかなと思いました。
個人的にはテレビでMGS4の映像が見れたのは大収穫。でも、MGS3のED直後のムービー流してよいのかしらと思う。スクエニから独立したヒゲのおっさんが出てないのはちょっとかわいそうかなと。そしてビデオに撮っておけば良かったと激しく後悔。