漫画における背景の変遷を、こち亀から追ってみた

最近、アニメで実在する地域を舞台とした作品が増えたなと。より具体的には、場所が特定できる背景描写が増えたなと。。というわけで、カトゆーさんにお願いしたら調べてくれました。

2000年以降の資料ですが、実在する地域を舞台にするアニメが増えたと言えるでしょう。
そこで、私は漫画の場合は、どうなのかをザックリと追ってみました。詳しい分析は、漫画研究家に委ねたいですね。

技術と需要

増えた理由として、作画が緻密になったからだと推測しました。作画が緻密になった理由は、大きく二つに分けられ、一つは技術の向上、もう一つは必要とされるレベルの向上です。ただし、この二つはお互いに相関しており、必要とされる作品の質が高くなると技術が上がりますし、技術が上がれば作品の最低水準も上がっていきます。

一口に技術と言っても、色々ありまして、カタカナで書くならばテクノロジーやテクニックやスキルなどに分けられます。PCでも絵を描けるようになり、紙の上に描くのとは異なるスキルやテクニックが必要となります。 昔は、スキルが不可欠だったのに、今はテクノロジーによりスキルが補われたり、手間暇がかからなくなったり。たとえば、「王立宇宙軍 オネアミスの翼(1987年)」における、ロケットの発射シーンで、ロケットから剥がれ落ちる数多の氷の破片は手描きですが、今だとCGを使うんじゃないですかね。スキルやテクニックというよりも、手間のかけ方の違いですが。

絵を描くテクノロジーのみが発達したわけではなく、資料の参照方法も発達しています。その代表例が、デジカメやインターネットで、これらにより格段と資料を揃えやすくなりました。デジカメにより、写真を圧倒的に揃えられるようになりました。インターネットでは、Googleストリートビューのみならず、多くの人が写真を掲載しています。また、インターネットにより、受け手が舞台を容易に特定できるようにもなりました。
舞台を特定しやすくなったのが直接の要因ではないでしょうが、アニメに限らず、ドラマや小説などの創作において、実在する地域を舞台に使用するハードルが下がったような気がします。個人の感想ですけど。

緻密な作画はリアリティ、つまり説得力を与えます。これは裏を返せば、強力な説得力が求められているとも言えます。そのためには、緻密なバックグラウンドが必要となります。実在する地域を舞台にすれば、バックグラウンドをゼロから構築する必要はありません。これは背景も同様です。幸か不幸か、緻密な背景を描くための技術も向上しているし、資料も集めやすい環境が揃っています。

フィルムツーリズム

ドラマの場合、生放送の頃はセットで撮影するしかありません。一方、映画ではセット撮影もありましたが、ロケ地での撮影もありました。実在する地域の利用や、ロケ地フィルムツーリズムと切っても切れない関係にあり、フィルムツーリズム - Wikipedia にあるように、尾道を舞台とした「東京物語(1953年)」においても、映画による観光効果が期待されていたようです。昨今ではアニメを利用したツーリズムが増加しています。フィルムツーリズムが成立するには、ロケ地や舞台が明らかになっている必要がありますが、昨今ではインターネットにより、特定されやすくなっていますね。

漫画における背景の変遷

アニメでは、実在する地域を舞台にした作品が増えていますが、漫画はどうなのかざっくり調べてみました。

漫画は絵である以上、モデルやモチーフが必要です。全くの想像で描くのは困難です。ただし、デフォルメされた漫画では、どこにでもあるが、どこにもない風景となり、場所を特定できない場合が多いです。また、フィルムツーリズムなどの影響を鑑みて、敢えて特定できないようにしているケースもあります。

リアルな背景の漫画を考察する場合、1960年前後に登場した「劇画」の存在は外せないでしょう。劇画の名付け親である 辰巳ヨシヒロ 1970年ガロ掲載作品 ( 漫画、コミック ) - 萬画三昧―漫画・マンガ・まんがの大好きな人集まれ - Yahoo!ブログ の扉絵は背景が細かく描かれています。ただし、ある特定の場所といった感じでもないですが。

この年代における背景を描き込む漫画家と言えば、水木しげる、そのアシスタントのつげ義春池上遼一などでしょう。つげ義春¤Ä¤²µÁ½Õ¤Ë²ñ¤¤¤Ë¹Ô¤¯/ÆÃÊÌÊÓ¡Ú¸åÊÔ¡Û で紹介されるように、つげ義春福島県岩瀬郡天栄村二岐温泉・湯小屋旅館をモチーフにした「二岐渓谷(1968年)」を描いています。「ねじ式(1968年)」における、あまりも独創的な目医者の絵が有名ですが、最近になって 「ねじ式」眼科看板シーンの元ネタ写真が発見される - Hagex-day info にあるように元となった写真が発見されました。

背景が描き込まれるようになったのは、子ども向けから大人向けの作品への変遷による、デフォルメでない漫画の登場によるものでしょう。もちろん、印刷技術も向上しているはずです。
漫画の背景の歴史は、読者のイメージを喚起する背景の表現法とは?――マンガの描き方の歴史9 | 日刊SPA! に簡単に触れられていますが、ここで紹介されている「まんが・入門編(1971年)」において、背景をじっくり描き込む手法について論じられています。「まんが・入門編(1971年)」 の名義は藤子不二雄ですが、先のリンクで紹介されている絵は藤子不二雄Aによるものですね。

1970年代後半から1980年代前半において、人物と背景を共に綿密に描き込み写真的、映画的な作風の大友克洋は外せないでしょう。江口寿史は大友の影響により、絵がイラスト的になったと語っています、江口寿史のイラストは街を切り取ったスナップ写真のようであり、その作風は江口に影響を受けた上條淳士などにも見られます。この流れは、松本大洋へと続くでしょう。彼の場合は広角レンズから覗いたような絵が特徴的です。

カメラの登場により絵の技法は大きく変わりましたが、これは漫画も同じ事です。1980年頃から、写真的な絵の漫画が増えますが、これは コンパクトカメラ - Wikipedia の普及による影響が考えられます。気軽にカメラを扱えるようになった結果、漫画家自らが写真を撮影し、それを手本として作画することが増えたのではないでしょうか。
また、恐らくコピー機の普及も影響しています。日本国内の複写機(コピー機)の歴史を調べている。①普及状況 年度別の出荷台数あるいは販売台数、1台あ... | レファレンス協同データベース から判断するに、コピー機も1980年代頃から急速に普及しているようです。

1980年後半からは、背景のみならず、部屋やそこに配置されるテーブルなどの家具も、資料を見て描く機会が増えてきています。1986年に発売された、写ルンですなどの使い捨てカメラ(レンズ付きフィルムとも)が登場しています。
unlimited blue text archive:「10」の壁を巡る冒険(『ANGEL HEART 2ndシーズン』北条司の衝撃) では「シティーハンター(1985年~1991年)」の背景が考察されています。初期の机などは、資料を見ずに描いている感じですが、後期におけるウォーターサーバーなどは資料を元に描いているように見えます。エンジェルハートでは、ソファや棚や背景の建物など、何かしらの資料を元に描いていることが明らかです。

90年代前後からは、シティーハンターの後期のように、背景のみならず小道具も資料を用いて写実的に描く漫画が増えています。代表例として、「ろくでなしブルース(1988年~1997年)」や「スラムダンク(1990年~1996年)」を挙げておきます。

緻密な背景の漫画として、バンド・デシネがあります。先の大友もバンド・デシネの影響を受けていますが、週刊連載で緻密な背景が描かれるのは驚くべきことです。ただし、写真のような背景が主流だったわけではなく、機動警察パトレイバー(1988年~1994年)は、漫画的にデフォルメされた背景が描かれています。

2000年前後から、漫画にCGが使われ始めます。GANTZ(2000年~2013年)では、背景にCGが利用されています。漫画のデジタル化は進み、近年では浅野いにお花沢健吾などのように写真をそのまま利用する漫画家も出てきています。これらは、CGソフトの一般化やデジカメの普及によるところが大きいでしょう。また、最近のイラストソフトでは、3D背景素材を利用することもできます。

設定や舞台背景、作画の簡略化のために写真やCGが使われますが、その内AIにより、それっぽいけど、どこにもない風景を生成し、それを利用した作品が登場するんじゃないかと。そこまでくると、作品自体を作るAIができそうですが。

こち亀(1976年から2016年)でみる背景の変化

ざっくりと漫画の背景を追ってきましたが、この辺は漫画研究家の人にじっくり語って欲しいなとも思います。

網羅的に調べるのは大変ですが、一つに的を絞って変化を追っていくと見えてくるものがあるでしょう。また、できれば誰でも参照できる資料を元にしたいものです。そこで、「こちら葛飾区亀有公園前派出所(1976年から2016年)」における背景の変化を各巻の一話ごとに確認しました。
こちら葛飾区亀有公園前派出所 1 | 少年ジャンプ+ から、こち亀の各巻の一話のみを読めます。一話のみですが200巻もあるので200話分になります。

連載開始時はデフォルメされた絵でしたが、1980年前後から写真を元にしたと思われる背景や小道具が描かれ始めます。
1985年頃から、場面転換として小さなコマに下町の風景がカットインされ始めます。また、1986年からは下町の風景が扉絵に利用されるようになります。1989年から1996年までは単行本の表紙も下町となっています。
1990年代からは、小さなコマに下町を使う表現が減りますが、1990年代後半から取材力の高い話が増え始め、そのような回は背景や小道具にも気合いが入っています。
2000年以降は背景技術が熟れてきて、2005年頃には写真を加工としたと思われる背景も見られます。
これらの変遷は、1980年代のコンパクトカメラ、1980年代中盤は使い捨てカメラ、2000年以降のデジカメの影響などが考えられそうです。

しかしながら、2010年頃からコマ割り大きくなったものの、凝った背景を利用した話は減ってきます。これは、年齢的な問題のような気がします。

以下に、分析をまとめておきます。

1~10巻 デフォルメの多い初期

10巻の一話(1978年)までは、漫画的な背景となっています。一部の小道具のディティールがしっかりしており、特に拳銃は描き込まれています。黒電話などの小道具はデフォルメされています。
自動車類はピンキリで、スポーツカーなどはミニカーのような感じです。そんな中、9巻(1978年)のポルシェはしっかりと描かれています。

11~30巻 徐々に写真が使われ始める

10巻以降は徐々に写真を元にしたと思われる絵が増え始めます。
14巻(1979年)の9ページの背景は、モデルがありそうです。また18巻(1980年)の「劇画刑事・星 逃田IIの巻」では写真がそのまま利用されています。ギャグ漫画なので、元々このような実験的手法がやりやすい作品ではあります。
背景ではありませんが、13巻(1979年)のヤマハ製のスノーモービルはしっかりと描き込まれています。

23巻(単行本:1982年)の表紙は写真が使われています。28巻(1983年)の旧警視庁は資料を元に描かれているようです。25巻に収録されている「ゴキブリ帝国の巻(1981年)」は、両さんが小さくなってゴキブリに追われる夢の話なのですが、リアリティを出すためか、タバコやラジオなどのディティールはすごくしっかりしているのに、電話機は適当に描かれています。

31~50巻 下町が意識され始める

30巻以降は、写真を利用した背景が散見され始めます。
31巻(1984年)に明治神宮駅前と原宿駅前が登場します。写真を元にしたわけではありませんが、建物の位置関係などが意識して描かれています。36巻(1983年)のアメヤ横町は、資料を元に描かれているように見えます。

39巻(1984年)のジープや鉄道も資料を元に描かれています。また、全く同じジープが他のコマにもあるため、コピー機も使われているようです。
44巻(1985年)の荒川の工場(?)は、実在する風景を元にしているように見えます。
48巻(1985年)の扉絵は戦車ですが、戦車はもちろんのこと背景も写真を元にしているようです。また、49巻(1986年)「なんてたって愛ドールの巻」の13、 21ページにはワンカットの下町の風景が描かれています。

1話のみしか追っていませんが、下町の風景が場面転換のカット割りとして使われたのは49巻(1986年)が初めてです。同様の表現は50巻(1986年)にも見られます。梗概:漫画『こちら葛飾区亀有公園前派出所』における下町描写に関する研究 における論考において、1979年頃から下町空間が描かれ始め、1984年から1987年当たりに秋本治がその点を意識するようになったとあり、この年代とよく一致します。

51巻~70巻 下町探訪扉絵シリーズが始まる

52巻(1986年)では、下町探訪扉絵シリーズの第二弾として浅草の花屋敷が描かれています。53巻の「 麗子の秘密の巻(1986年)」は写真背景こそ使われていませんが、小道具のディティールがしっかりとしています。
54巻(1987年)には富士五湖が、56巻の「ニセ車販売店を探せ!の巻(1987年)」では、非常に細かなカットに下町の風景が利用されています。また大量のポルシェが描かれたコマはコピー機を使ったものですね。
同様に、57、58、59巻(1987、8年)の一話には、小さなコマに写真を元とした下町の風景があります。

45巻(1985年)頃から写真を元にした背景が増え始め、55巻(1987年)以降は、秋本治が下町の風景を意識して描いていることが分かります。

63巻(単行本:1989年)からは、単行本の表紙が実在する下町の風景が使われ始めています。63巻は帝釈天参道、64巻は駄菓子屋、65巻は浅草寺の雷門となっています。
64巻(1989年)は1話から4話までが下町シリーズとなっており、背景の描き込みに力が入っています。

71~110巻 下町のカット割りは減る

70巻代(1990~1992年)は扉絵が下町で、場面転換のカット割りに下町の風景が必ずあります。一方、80巻から90巻代(1992年~1996年)は扉絵こそ下町となっていますが、場面転換のカット割りに下町の風景が使われる頻度が下がります。

100巻(1996年)以降は単行本の表紙が下町ではなくなりますが、中表紙は下町のままです。
背景とは関係ありませんが、この頃は異常に詳しいグッズ解説シリーズが多いですね。101巻の「両さんのパソコンツアーの巻(1996年)」を始めとし、105巻の「超育てゲー『モンちっち』の巻(1997年)」などはすごく調べてありますね。その他、G-SHOCKバスケットシューズなども。

ちなみに、101巻から目次のページがPCになっています。

111~140巻 取材力の高い話が増える

100巻以降は詳細に取材された話が増えてきます。ギャグパートとは異なり、背景などのディティールが描き込まれています。
例えば、114巻の「トロバス物語の巻(1999年)」や115巻の「亀有名画座物語の巻(1999年)」は詳細に取材して描かれた話と思われ、内容も背景も小道具も非常に力が入れられています。
125巻の「京都ものがたり(1)うわさの二人旅の巻(2001年)」も細かなシーンまで背景が描き込まれています。恐らく、この影響で123巻の一話目(2000年)の扉絵は、東京近郊ではなく京都の嵐電となっています。

また、120巻(単行本:2000年)の表紙は、写真に直接両さんと中川が描かれています。23巻(1982年)の表紙とはまた異なる写真の使い方ですね。実写版と言えば、127巻(単行本:2001年)ではラサール石井が表紙を飾っています。

141~160巻 さらに描き込まれた背景が増えるも

125巻の京都編に続き、140巻の「通天閣署・御堂春(ミドウハル)登場!!(2004年)」と143巻の「大阪はわての地元でんがな!の巻(2004年)」の大阪編も大阪の街が描き込まれています。
また、145巻の「両さん錬金術'04の巻(2004年)」の扉絵における神社は、これまでの背景とはまたレベルの違う仕上げになってます。160巻の「工場に惹かれての巻(2007年)」における工場も同様で、写真を元に加工したように思われます。

153巻の「京都花見百景の巻(前編)(2006年)」は、以前のようにしっかりと取材された記事ではなく、むしろギャグ回ですが、背景がしっかりと描き込まれており、技術として熟れてきた感じがあります。

ちなみに、151巻から目次がお品書きでしたが、156巻からケータイに取って代わられました。

161巻~200巻 線が徐々に簡素に

150巻前後で、写真を加工としたと思われる背景が出現し始めましたが、170巻代(2009年~2011年)からは、扉絵や中扉こそ下町の風が使われいますが、本編では背景が詳細に描き込まれた話が見られなくなります。描き込まれた背景の話としては、179巻の「気がついたら大阪の巻(2011年)」くらいでしょうか。185巻の「迷惑な正夢の巻(2012年)」には一コマだけ経済ニュースでよく見る、エンパイアステートをバックにしたニューヨークが出てきますが、それくらいですね。
それでも、183巻の「1950年代 過去の旅の巻(2011年)」は過去の浅草が舞台なため、資料が多めでしょうか。

190巻(2013年)以降はコマが大きくなった印象があります。また、100巻の頃ほどには凝った背景を描いた話がありません。198巻の「夏の旅行の巻(2015年)」はサーフィンの話で、ここで描かれる波は、資料を元にしているようです。

まとめ

年代が進むにつれ、実在する地域を舞台や背景を利用する作品が増えましたと言えるでしょう。その要因の一つは技術の進歩によるものです。もう一つは、作品のディティールを補強するためです。

1970年代前後では劇画において、実在する地域を背景に描いた作品が増え始めたと考えられます。その後、デフォルメのみならず写実的な表現が増えていきます。
1980年代は、大友克洋などがより写実的な漫画を描いていきます。江口寿史などは街のスナップ写真のようなイラストを描くようになります。写真的な表現が増えた背景として、コンパクトカメラや使い捨てカメラの普及は見逃せないでしょう。
1990年代からは、写真を資料として利用した漫画が増加し、2000年代前後からはPCが利用され始めます。もちろん、デジカメもこの頃から普及し始めました。
2005年頃からは、背景にデジカメで撮影したデータを加工して利用されるようにもなります。
2000年以降はインターネットの利用も見逃せません。目的とする舞台を容易に検索できるようにになりました。ただし、コピーによる不正利用が容易になった面もあります。

HUAWEI P9のカメラをレビュー

HUAWEI P9を使い始めて一ヶ月が経過しました。なかなか使い勝手がよく気に入ってきます。 

今回はカメラのレビューをしたいと思います。

 

 

写真は全てオートモードで撮影しています。

コントラストは高め

コントラストが高めで奥行きのある写真が撮れます。

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逆光に強い

ダブルレンズのおかげか、逆光にも強いです。

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 ご飯もバッチリ

ご飯も美味しそうに撮影できます。色合いとしてはiPhoneに似てるいると思います。
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 ワイドアパーチャは使い勝手が難しい

一眼レフのようなぼけ味の出せるワイドアパーチャ機能もありますが、ソフトウェア処理のため、被写体や距離を適当に選択しないと不自然になることが多い気がします。

フォーカスをピンポイントで合わせられるので、以下の写真みたいに被写体に近づけて自然とボケを生じさせる方が私は好みです。
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モノクロがいい味

ダブルレンズの一つはカラー、もう一つはモノクロセンサー用となっています。カラー写真をモノクロにしたのとはまた違った味の絵を作れます。
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夜景も良い感じに

夜景も良い感じに撮影できます。GALAXY Edge7の方が暗いところに強いみたいですが、P9の方が明るい街灯などがあっても白飛びしにくいようです。
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室内はちょっと弱いかも

室内は他のスマホと比べてちょっと弱いかなぁと言う気がします。気をつけないとピンぼけしやすいです。
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その他機能

ボケ味の作れるワイドアパーチャ、モノクロセンサーによる撮影の他、PROモードではシャッター速度から露出なども調整できます。

その他にも、ライトペインティングモードでは、自動車のテイルランプや滝などを長時間露光し軌跡を撮影する事もできます。ただし、三脚が必須なので甘利手軽に撮影できませんけども。

オートでもしっかりと撮影できますし、時々モノクロ撮影をしてみるなどの使い方がスマホのカメラとしてお手軽に使えて良いと思います。

 

シン・カンソウ

50億円は行きそうですね。当然のように全力でネタバレしています。

エヴァ作れよ→シン・ゴジラ超楽しかったです!

公開前はゴジラを作るぐらいなら、さっさと「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」を公開してくれと思っていた口です。
庵野監督のファンだから、なんだかんだで見るだろうとプンスカしつつ、樋口真嗣との「巨神兵東京に現る」でゴジラを再現するだろうから、特撮パートのために劇場へ足を運びたいと、やや複雑な感情を抱きつつ、公開日を迎えました。
蓋を開けたら、見た人等がネットでホクホク顔の感想を漏らしていたので、ネタバレを喰らう前に見に行かなくちゃならない事態に。ゴジラのモーションが野村萬斎とか絶対見に行かないとダメじゃないですか。

というわけで、初回はIMAXで楽しみ、二度目は石原さとみの匂い目当てて4DXで体験しました。匂いを感じられずに残念に思っていたら、別に石原さとみの匂いはしないそうで。

在来線爆弾いいよね

特撮・CGパートだけでなく、政治ドラマ部分の作り込みが半端なく。カット割りなどは、庵野監督差品のアニメをまんま実写にしており見応えがありました。伊福部昭を使っていたのも満足度が高かったです。
庵野監督は「シン・ゴジラ」で自分の作りたいモノを全力で作っていたなぁとシミジミしました。監督とっても、ファンにとっても「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」のために必要な「シン・ゴジラ」だったのだなと。

2012年の夏になりますが「館長庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技」へ行ったことが、ある意味で「シン・ゴジラ」への伏線、そして予習になるとは思ってもみませんでした。東宝の市川さんは、特撮展には触れていませんが、これがなかったら「シン・ゴジラ」は誕生しなかったかも?

異常に尻尾が長いゴジラの造形は庵野監督のこだわり。自己進化する完全生命体である点は使徒なのだろうし、熱戦は巨神兵でありラミエルのそれでした。
一番好きなシーンはやはり東京駅におけるゴジラ退治で、庵野監督やりたい放題だなと。KITTEや新丸ビルゴジラに壊され、グランド東京はゴジラをころばせるために爆破される。東宝が関係各所の調整をしたのだろうなぁと思うと胸が熱くなります。
ドローンをおとりに使うのは、まさに正しい無人兵器の使い方だし、航空機を本能で迎撃するも足下がお留守なゴジラに対して列車爆弾を使うのは見事な作戦かつ演出だなと。「新幹線大爆破」を本当にやりやがったなと。しかも二台も併走で。在来線が一斉にやってきたのも大変興奮し、このためだけに何度もIMAXで見たいなぁと。
そして東京駅庁舎に横たわるシン・ゴジラの絵も良いですね。八重洲口にあるみずほ銀行とかヤンマーのビルもしっかり映っているので、東京駅をご利用の際はガッツリ見学しましょう。

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新幹線と在来線爆弾は、東京駅の地下に沈降させるためだが、東京駅の地盤は元々ゆるい。さらに、東京駅は外観を保つために容積率を周辺の高層ビルに譲渡している。その結果、東京駅周辺に超高層ビルが増えている。地盤のゆるさ、東京駅庁舎だけ背が低く、その周辺に高層ビルが多いなど、東京駅はゴジラをころばせるには、うってつけの立地なのだ。まさに神の采配。それはもちろん、神である庵野監督が脚本でそのように導いたからだけども、ゴジラは使徒と違って東京にやって来る理由を説明しなくて良いのも、監督が好き放題で来た理由かな。

超圧縮

シン・ゴジラ」は非常に密度が濃く、圧縮された物語だ。圧縮はされているが、そぎ落とされたわけではない。先ず、セリフ回しが速い。通常は3時間程度の脚本になるという。ドキュメンタリー風なテロップでの状況説明は芸の域に達している。

小ネタも非常に多く散りばめられている。庵野監督はしばし多くのネタを詰め込む。しかも、一人の視聴者では回収しきれないほどの。昨今のSNSであれば、膨大な小ネタも集合知で回収可能だろう。
例えば、冒頭のプレジャーボートの名前のグローリー丸は、54年版ゴジラの栄光丸から来ているし、船籍番号であるMJG15041はマイティジャックの全幅と全高から。マイティジャックといえば、ゴジラ大田区呑川から遡上する際に画面右にある動物病院の看板の猫は、庵野家の愛猫であるマイティジャックとマイティサリーであるらしい。

シン・ゴジラ」は俳優陣が非常に豪華で、配役も緻密だ。この配役芸も物語の超圧縮に貢献している。俳優には適したキャラクターが個々にある。「シン・ゴジラ」では、その俳優の持つキャラクターが、劇中に登場する人物のバックボーンをほぼ説明している。たとえば、一見無能そうで昼行灯な狸親父である内閣総理大臣臨時代理となった里見祐介に平泉成 を配したり、「仕事ですから」と言わしめる統合幕僚長國村隼を用いるなど。
チョイ役であっても、色々背景が見えてきそうな配役だ。内閣官房副長官秘書官である志村祐介(高良健吾)と繋がっているジャーナリストに松尾スズキ、お茶くみに片桐はいり、警視庁長官官房長に古田新太、冒頭のアクアラインから非難する女子である前田敦子や、避難指示を請う消防隊隊長である小出恵介などなど。配役に関してはBlu-rayなどで確認しながらじっくりと楽しみたい。

エヴァの呪縛からの開放

シン・ゴジラ」によってエヴァの呪縛が完全に解けたわけではないだろうが、ゴジラだからこそ辿り着いた境地であろう。
物語には「理由」が必要だ。エヴァではその「理由」のために、衒学的に物語を構成した。その結果、魅力ある物語となったが、理由付けのために大変な苦労を強いられることになった。それが、TV版で収拾が付けられなかった一因だろうし「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」が世に出ていないのもそのためだろう。
エヴァンゲリオン」では使徒と戦う理由が必要だ。「シン・ゴジラ」の場合、ゴジラなので、東京に上陸する理由を明確にする必要がない。もちろん、牧博士(岡本喜八)が呼び寄せた可能性も示唆されてはいるが、上陸後のゴジラの行動は本能によるものであろう。

観客がゴジラを知っているのが前提の脚本である。そのため、ゴジラの説明にシーンを割く必要がない。これは、脚本の圧縮にも貢献している。観客は劇中の人物よりも先を予見できる。初動で多くの閣僚等が上陸しないと楽観視しているが、観客は上陸することを知っている。
ゴジラを知っている観客は、いち早く巨大生物の可能性を疑った矢口蘭堂(長谷川博己)の側、つまり巨災対へと引き寄せられる。一方で、円谷英二もおらず、ゴジラも出現しなかった世界で矢口が巨大生物を疑った理由については、色々考察できそうだ。
巨災対において、ゴジラのエネルギー源に関する議論において、尾頭ヒロミ(市川実日子)が核エネルギーの可能性を示唆するが、安田龍彥(高橋一生)はありえないと否定する。観客はゴジラは核をエネルギー源とすることを知っており、後にそれが明らかになる。明らかになって、安田が尾頭に即座に謝罪するのは、気持ちが良く、好きなシーンです。

ゴジラの呪縛では無いけども、伊福部昭の音楽はそのままだ。得体の知れないゴジラを表現する上で、伊福部以上に適した音楽はないからだろう。ちなみに、あの不安を煽る緊急地震速報音も伊福部の音源が元になっている。
鷺巣詩郎の楽曲は主にEM20が使用されている。パンフレットによると、ドキュメンタリーでEM20が多く使われるようになったため、ドキュメンタリー調の「シン・ゴジラ」へEM20を使うことにしたのだとか。そして、その目論見は成功したと言えるだろう。

庵野監督の移し身・観客の映し身

シン・ゴジラ」は多くの謎が散りばめられているが、それらが特定できるような作りにはなっていない。想像の余地が多大に残されている。ラストシーンの尻尾にまとわりつく人型など、続編や他作品とのつながりを匂わせる謎が目に付くが、この思わせぶりな見せ方は庵野監督のいつものやり口だ。エヴァの際には心理学者などを巻き込んで謎本が多く出版された。結局その多くが自分語りだったわけだけども。エヴァと同様に「シン・ゴジラ」を考察するのは、自分自信の内面を見つめるのに等しい。「シン・ゴジラ」に散りばめられた謎や設定、ネタは感想を述べる者の鏡として作用する。

「俺の物語だ」と思わせた物語は勝ちである。庵野監督は、ハイコンテクストで読み解くのが難しいなネタをぶち込むことでそれをなしている。自分だけが見つけられた、分かった、解釈できた。このことが、ますます「シン・ゴジラ」を自分だけの物語にさせる。
といわけで「シン・ゴジラ」の感想、つまり色んな人の自分語りを読みたいのだけども、識者の方々はこの点を意識しておかないと、それこそ「シン・ゴジラ」で首相官邸に呼び出された三人の有識者になりかねない。

シン・ゴジラ」の世界で3.11は発生したのか

シン・ゴジラ」では、早くも研究者が劇中の「日本」について警鐘を鳴らしている。これも結局は、「シン・ゴジラ」の感想と言うよりも彼らからの現代日本への警鐘であろう。
日本人の理想が描かれているという指摘は同意できるのだが、「シン・ゴジラ」は「立派な指導者が出てくれば、日本はまだまだやれる」を感じさせる作品である、という辻田真佐憲氏の言説には疑問である。 この点は、矢口ら作中の政治家達が否定しているように思う。省庁間の調整に関しても困難であったことが作中で示唆されている。例えば、羽田空港の閉鎖に関して「経済的損失をあるもの」なる経産省の意向と推測される文言が即座に追加され、訂正している。このように、細かな政治ネタも良く作ってあって見応え抜群だ。

ただこの濃厚な政治ドラマだけども個人的には大きな疑問がある。

シン・ゴジラ」は「3.11を経験した現在の日本に、もしもゴジラが上陸したら」というコンセプトの元に作られたらしい。しかし、劇中で3.11が起こったのかが不明である。
3.11が発生した示唆としては、二度目の上陸における鎌倉にて、地震に対する補強のため道路工事をしている案内板などがある。一方で、防災対策や、ゴジラ放射能を有することが明らかになった際などに3.11への言及がないのは不自然だ。もちろん、配慮した脚本になっていると解釈もできるが。
仮に3.11が発生していたとしたら、政府の初動は残念に思える。一方で、シン・ゴジラの凍結こそが3.11における原発事故への希望に繋がる、と解釈もできる。

Blu-rayと脚本集を早く!

誰かに語りたくなる物語は良い物語だ。
というわけで、みんなドンドン自分語りすれば良いし、早くBlu-rayを発売して欲しいし、発生上映会を特典映像にして欲しい。また、可能ならば脚本集も出版して欲しい。

HUAWEI P9の良いところ、普通なところ、良くないところ

P9を使って一週間くらいたったので、簡単な感想をまとめておきます。ポケモンGOもできるよ!

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  • 良いところ
    1. 指紋認証が早い
    2. カメラが楽しい
    3. 手に持った感触がよい
    4. 通知バーに通信速度を表示できる
  • 普通なところ
    1. 電池は可もなく不可もなく
    2. 細かなところまで手が届くUI
  • 良くないところ
    1. スピーカーがモノラル
    2. ナビゲーションバーが少しセンシティブ
    3. GPUが弱い

良いところ

1. 指紋認証が早い

センサーをタッチすればすぐにロックが解除されます。しかも、どの方向からタッチしてもOK。私は手に持って操作することが多いので、背面に指をあててロックが解除できるのは使い勝手が良く快適です。置いて操作する機会が多い人は、表にある機種が便利でしょう。

センサーをスライドすることで通知パネルを出せるのも楽。また、プリインストールのギャラリーに限りますが、スライドで写真を切り替えることも可能。Kindleのページめくりなどもできれば、さらに便利なんですけどねぇ。

2. カメラが楽しい

ボケを生じさせるワイドアパチャーや、露出やシャッタースピードなども変えられるProモード、露光時間を長く設定できる夜景モードなどもあり、楽しいカメラです。モノクロカメラだと、非常に味のある写真が撮れれます。カラーをモノクロに返るのとはまた違います。光の取り込み方が違うのでしょう。
フォーカスや露出をタッチで合わせやすいのもナイスです。

Xperia Z3の方がはっきりとシャープに映ります。色味はiPhoneに近いと思いますが、ホワイトバランスとしてはP9の方が見た目に近い色だと思います。全体的にコントラストが強く、これは二眼カメラの特徴かもしれません。
ただし、二眼故に手ぶれ補正がないのが残念です。特に動画撮影はブレブレになります。

3. 手に持った感触がよい

とは言いつつも、現在はラギッド・アーマーを装着していますけども。
素の状態だとすごく手にフィットする感覚があります。エッジの周りや、重みのバランスがすごく良い感じです。薄いのに、カメラレンズが出っ張っていないのもグッド。

【Spigen】 Huawei P9 ケース, ラギッド・アーマー [ 米軍MIL規格取得 落下 衝撃 吸収 ] ファーウェイ P9 用 TPU カバー (P9, ブラック)

ラギッド・アーマーは本体にフィットしすぎて、装着しているとGショックスマホのような見た目になります。ホールド感もあり、マッド加工されたゴムの感触も気持ちよく、守られている感じがして安心感があります。
つい先日、コンクリートの上に落としましたが、本体はまったく傷つかず、ケースも目立たない程度の傷が残るのみでした。

4. 通知バーに通信速度を表示できる

通信速度が表示されているのが地味に便利です。
ページが切り替わらないときに、通信がスタックしてるのか、アプリが止まってるのかを確認できます。
SIMフリーだと、通信速度が制限されてるかも推測できますし。

普通なところ

1. 電池は可もなく不可もなく

電池の持ちはそれなりだと思います。
ただし、スリープ時における電池の持ちは著しく良いです。Facebookアプリなどを強制的にオフにできるのが大きいです。
画面の解像度を下げて、バッテリーを伸ばせるのが面白いと思いました。

2. 細かなところまで手が届くUI

電源やメモリに通信など、色々と細かに設定ができますが、それ故に面倒でもあります。スリープ状態でアプリをオフにするのがデフォルトのため、プッシュ通知して欲しいアプリを保護してスリープ状態でもオンになるように設定しなければなりません。

色々設定できるけども、何を設定できるのかが分かりづらいのも問題。デフォルトアプリの変更や、スリープ時にオフしないアプリの保護や、操作の変更などが、バラバラに散らばっている印象。設定を変えるときに、どこで設定したかをすぐに思い出せなかったり。
というわけで、良い点もあるし改善できる点もあるので、UIは「普通」の評価。Androidよりも、iOSを使っている方がなじみ深いかもという気がします。

一旦自分好みに設定してしまえば、すこぶる快適です。まぁ、これはAndroidの儀式みたいなものですが。

良くないところ

1. スピーカーがモノラル

スピーカーの音質は良く、大きな音でも音割れしないのですが、残念ながらモノラル。私は、ヘッドホンなどを使うので、特に重要視はしていませんが。

2. ナビゲーションバーが少しセンシティブ

Android 6.0からホームボタンの長押しでNow on Tapが出るようになりましたが、この時間が少し短い。ホームボタンを押したつもりが、長押しと判定されNow on Tapが出てしまうことも。
また、戻るボタンを押したつもりが押せていなかったり。思っているよりも、認識できる領域が狭い気がします。

3. GPUが弱い

CPUはなかなか良いのですが、それに対してGPUがかなり貧弱です。私はゲームをやらないのであまり困ることはないですが。
ただ、Civilization Revolution 2をプレイした限りだと、Nexus 7(2013)やXperia Z3よりも快適でした。これはGPUよりもCPUが効いてるのかも。

コストパフォーマンス良いと思います

6万円弱で手に入り、MVNO運用すると月々の通信費も抑えられるので、コストパフォーマンスの良い機種でしょう。iOSと似たUIのため、iPhoneから移行でも特に違和感なく使えると思います。ただし、ベンチマークで比較するとiPhone SEのコストパフォーマンスが良すぎですが。

カメラに関しては、8万円くらいするハイエンド機には及ばないかなと。暗いところでの撮影をGalaxy Edge7と比較すると、どうしてもP9の方が劣るようです。あんまり明るく撮れすぎても、夜景としては綺麗ではなかったりしますが。

HUAWEI P9を買った

Xperia Z3からHUAWEIのP9へ乗り換えました。Xperia Z3の画面が割れてタッチパネルも利かなくなったからという消極的な理由。

最近、ガジェット運がないので、3年安心保障のある e-TREND|ファーウェイジャパン EVA-L09/P9/TG [Huawei P9/Titanium Grey] から購入。また、ラギッド・アーマーとガラスフィルムもAmazonから購入。ラギッド・アーマーは見た目もかっこよく、ホールド感があり安心感できます。ガラスフィルムとの一体感もあります。

WANLOK 2016 改善版 HUAWEI P9 5.2インチ フルカバー ブラックフレーム ガラスフィルム 【実機確認済】 NSG 日本板硝子社 国産ガラス採用 ガラスフィルム 2.5D 硬度9H 0.3mm ラウンドエッジ加工 【国内正規流通品】 P9 Black…

ファーストインプレッションとしては、非常にiPhoneチックだなと。丸無を帯びたエッジはiPhone6見たいですし、UIや画面の動きもヌルヌルでiOSみたい。イヤホンも完全にiPhone

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Xperia Z3と比較して

画面は、Xperia Z3の方がクリアに見えます。一方、P9はUIのデザインもあるでしょうが、柔らかい感じ。カメラはZ3がシャープでクリアで、P9はコントラストが強いです。カメラとしての使い勝手はシャッターボタンのあるZ3に分がありますが、P9の「プロモード」はシャッタースピードや露出、絞りなどを調節でき、面白いですね。

P9には指紋センサーがあるので、レポンスが良くスリープからの立ち上がりがスムーズです。Z3はポケットで誤作動することがよくありましたが、P9には「タップ無効モード」があるので、誤作動は起こらなさそうです。指紋センサーは、カメラのシャッターを切れたり、スライドで通知パネルを出せたりと使い勝手もナイスです。
通知パネルに関しては素のAndroidに近い、Z3の方が好みです。慣れの問題ではありますが、Z3の方がWi-Fi設定などにアクセスするステップが少なく感じます。

Z3よりも明らかに良くなったのは電波の掴みですが、それは私のXperia Z3がグローバル版のため、LTEのバンドがマッチしてなかったから。SIMフリー端末を購入する際は、LTEバンドも意識しないとダメですね。

また、Xperia Z3はストレージの容量が16GBでSDカードにアプリを退避するなどしてやりくりしていましたが、P9だと32GBのため、そこまで神経質になる必要がないです。ただ、ほぼ同じようなアプリをインストールしてるはずなのに、Z3ではストレージが14GBも占有しているのに、P9では8GBで事足りました。Z3はプリインストールアプリの容量が多いのかなぁ。

独自UIのEMUIは色々設定できるのですが、設定項目が多すぎる気がします。網羅的にまとめられているサイトがなかったので、まとめておこうかと思います。

先ずは通知やバッテリー周りを設定しよう

P9に日本モデルはNFCが付いているので、タップ&ゴーでデータ移行ができるかと思っていましたが、上手く動作しませんでした。
連絡先やブックマークなどはGoogleバックアップで移行できますし、写真や音楽はSDカードに保存してあるので、データの移行は特に問題なし。
アプリを移行できなくても、不必要だったアプリを整理できる面もあります。Google認証やLINEの移行などがやや面倒かなといった感じです。

Wi-Fiやら、APNの設定やら、アカウントの移行が済み、アプリをインストールし終えたら、先ず確認しておきたいのが、通知周りの設定。EMUIは、バッテリーの持ちを良くするために、強烈なスリープモードを搭載しています。アプリを保護しないと、画面オフ時にアプリが起動しないため、プッシュ通知が来ません。
Xperiaシリーズにも、似たような電源プランがありました。日本版はスリープするアプリを選択する形式でしたが、グローバル版はその逆で起動させたいアプリを選択する方式でした。前者がブラックリスト、後者がホワイトリスト形式ですが、EMUIはホワイトリスト形式となっています。

プリインストールアプリのほとんどはアンインストールできませんが、アプリを非表示にすることもできます。ホーム画面でピンチアウトすると、非表示にするアプリを設定できます。非表示になったアプリは、ピンチアウトした画面にまとめられるので、ランチャーのような使い方もできます。

ランチャーの変更は「ホーム画面のスタイル」からではなく、[設定]→[アプリ] を開き、左下の「詳細設定」からデフォルトのアプリを変更できます。その他に、メーラーメッセンジャーなどもここから変更します。

プリインストールされたアプリのみで痒いところに手が届きます。例えば、メモリ最適化やキャッシュ削除などもできます。ファイルマネジャーもしっかりしてますね。
通信量の管理も設定できます。個人的に便利だなと思ったのは、通知バーに通信速度を表示できること。通信制限がかかっているか、読み込みが遅いのは通信速度の問題なのかアプリ側の問題なのかを確認できて助かります。

便利かもしれない設定

[設定] → [指紋ID] から、指紋センサーのジェスチャーを設定できます。長押しで写真撮影や電話を受けることができます。また、スライドすると通知パネルを表示でき、ダブルタップで通知を一括消去することができます。
写真を閲覧する際に、左右のスライドで写真を切り替えることもできます。この機能はKindleなどで利用できれば、便利そうなのですが、プリインストールされた「ギャラリー」でのみでしか利用できません。

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[設定]→[スマートアシスト] からも、色々な設定が可能です。私が使っているのは、フローディングボタンとワンハンドUI。
フローディングボタンはiOSにもありますが、EMUIでは画面の左右端吸い付いたフローディングボタンをタップにより展開して使用します。ナビゲーションバーおよび、画面のロック、メモリの最適化を行えます。私の周りのiPhoneを使っている中国人を見ると、大体の人がフローディングボタンを使っているので、中国では人気のある機能なのかなと。



ワンハンドUIとしては、似たような機能がiOSにありますが、EMUIではナビゲーションバーを左右にスワイプすると、画面が縮小されます。ギリギリ片手で、Chromeのホームボタンが押せるかなという縮小具合です。

ナックルジェスチャーは記事を書く際にスクリーンショットを撮影するために使いました。

電源プランも細かく設定できます。面白いなと感じたのは、解像度を下げることができる点。解像度を下げると、バッテリー消費を抑えるほかにも、ゲームの動作を軽くすることができます。

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細かな使い午後値などは後日

カメラや電池の持ちなどは、また後日に書こうと思います。
デザインや、指紋認証など満足しています。GPU周りが弱いようですが、ゲームをそこまでやらないので、実はそこまでハイスペックなスマホが必要ないのかなとも。