起承転結はいらない

起承転結とは

文章を書く上で「起承転結」を利用しなさいというアドバスを良く見かける。このアドバイスは小学生の頃に作文を書くようになり、今現在、私が論文書く際に参考にした文献にいたるまで、それこそ何かの刷り込みのように繰り返し耳にする。自分自身としては、4コマ漫画や文学ならいざ知らず、論理的な文章を書くのに「起承転結」が必要かと常々思っている。
そもそも、起承転結とは四句からなる漢詩の形式である絶句の構成のことである。それが転じて、文章の構成や物事の順序になったわけだ。起承転結に則り物語を書くと

  1. 「起」
    • 話し始め。物語の登場人物や舞台設定をはっきりさせる
  2. 「承」
    • ストーリーが進みだす。主に「転」へのつなぎ
  3. 「転」
    • 急展開。物語が大きく変化する。最も盛り上がる場所。
  4. 「結」
    • 結末。落ち。物語をしっかりと締めくくる。

概ねこのように物語は推移する。物語なら「起承転結」を用いればある種のお約束の文章が書けるが、論理的な文章を書くのに果たして「起承転結」が有効化は疑問だ。論理的な文章を書くなら「承」は構成を変更すべきだし、「転」は不必要だろう。論理的な文章を書くのに、急展開など不必要だ。

論文を参考にする

論理的な文章を書くなら、物語を参考にするよりも論文を参考にすべきだ。なぜならば論文とは、ある事物について理論的な筋道を立てて説かれた文章なのだから。論文の書き方については「How to write a scientific paper」が詳しい。概ね内容は同じだが、サイト上にで文章を書く場合は
「発想→参考サイトの検索→考察→表現」
というフェーズを辿るのではないか。発想を如何に分かり易く表現するかがポイントになってくるとだろう。これは文章に限らず、FLASHやテンプレ、コピペ等、何でも当てはまると思うが。そして、サイト上に文章を書く際にも重要なのが

  1. 有効性 availability
  2. 新規性 originality
  3. 信頼性 reliablity

これらの3つがそれっていなければ、他人の注目されることはまずなく、おそらく個人ニュースサイトに取り上げられることも無いだろう。

論文の構成

さて、論理的な文章を書くならば論文が適している間違いないが、その構成はどうすれば良いのだろう。多くの論文を見れば

  1. 題名・タイトル
  2. 序論・アブストラクト
  3. 本論
  4. 結論

という構成になっているだろう。
タイトルはいわずもなが、読者をひきつける上で重要なポイントである。学術論文でも有名な論文はかなりキャッチーなタイトルであることが多い。
本論には、実験方法やその結果、そしてそこから導き出せる考察を書くのが主であるが、サイトで書く文章に実験はないので、この場合「分析・解析」がそれにあたるのではないか。言いたいことに関する「分析・解析」、つまり言いたいことを相手にわかりやすく因数分解し、そこから考察を深め、結論を導き出すということだ。
奇しくも「ブログ文章術 米光一成|Excite エキサイト ブックス : 自分の思考を冷静に伝える構成」においてもほぼ同じ構成となっている。

1:まず結論を書く
2:次に分析する
3:分析結果を導き出す
4:導き出された分析結果から結論を再確認する
5:最後に結論を繰り返す
ブログ文章術 米光一成|Excite エキサイト ブックス : 自分の思考を冷静に伝える構成より引用

この場合は、序論で結論を書いているが、もちろんそれが効果的な場合もあるし、そうでない場合もあるだろう。私の場合は、序論で世間話的に始め、話題の中心へと近づけ、本論で自分の言いたいことを事例を挙げつつ述べ、最後にまとめることが多い。基本的に言いたいことはタイトルで述べることが多いので、結論を先の述べることがほとんどか。

起承転結は万能じゃない

起承転結による文章構成法はほとんど役に立たないにもあるように、起承転結は万能ではない。むしろ、役に立たないことの方が多いかもしれない。何か伝えたいことがあるなら、論理的に伝えるのが重要で、そのためには自分の考えを、相手にわかりやすく解析・分析する必要がある。そうでなくては伝わるものも伝わらない。しかし、何よりも重要なのは相手に伝えようとする熱い意思だと思う。それが無ければ、どんなに論理的でも受け入れられることはないだろう。