読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ゲームの右と左 マリオはなぜ右を向いているのか

*ここでのゲームはテレビ、ビデオ、コンピュータゲームを指す
*長文なので、なげーよ!論点まとめろよって人は、味も素っ気も無いけど 簡略版 へゴー

チキチキマシン猛レース」は常に右から左に向かってレースをしているのだ。

物語は舞台の上手(かみて)から下手(しもて)、つまり右から左に進むのが洋の東西を問わず一般的。映画などでも、主人公は上手の右、敵役は左にいる。主人公は右から入場し左へと退場していく。つまり、物語は「←」と右から左へ進行する。縦書き右綴じな日本の漫画は「←」で右から左に物語が進むが、横書き左綴じの西洋の漫画は「→」と左から右に進む。日本の漫画は左右が映像のロジックと一致しており大変読み易いと言える。
しかし、ゲームは「→」と左から右へ進行する。スーパーマリオブラザーズを始めとする横スクロールアクションやグラデュウスなどの横スクロールシューティングにおいて自機は右を向き、「→」と左から右へ進む。格闘ゲームなども1Pは左側で必殺技も右に出る(キャラ右向き時)。映像のロジックで考えるとゲームの進行方向は左右が逆になっている。これは何に起因するのだろう。

左右を論じる前に、左上位と右上位

左右というのは非常に難しい。往々にして混乱する。例えば鏡は右と左が逆になっているように感じるが実際は前後が逆になっているだけだ。オーストラリアのある部族は右と左に当たる言葉がなく方向は常に東西南北で把握するという。これは、あまりにだった広い所にすんでいるため方向を示す対象物がなく常に太陽を基準にするからと考えられている。
日本はそもそも左上位である。漢は右上位であった。右腕や座右の銘など右はポジティブだが左遷など左はネガティブ。しかし、唐でそれが逆転。北が最も上座で皇帝は南を向いて座る。その際太陽は皇帝から見て左である東から上るので左上位となった。日本も唐の長安を倣って平城京を造ったため左上位となった。だから京都で左京区は東に、右京区は西にある。だから、右大臣よりも左大臣の方が偉い。
一方西洋では、"right"に正しいと言う意味があるように右上位。"left"は"leave(去る)"の過去形であり(語源は別の単語。弱い、役立たずという説がある)、"left-hand"には不誠実なと言う意味もある。明治以降、日本では西洋の右上位が流入する。これまで天皇は向かって右(天皇にとっては左)だったのが、大正天皇の即位の際に天皇が向かって左(天皇にとって右)に座った。この影響により、これまで「お雛様 お内裏様」とお内裏様を向かって右に置いていたのが、「お内裏様 お雛様」と置くことが関東を中心に広まったとされている。

また、日本は古来より縦書きであり文字を右上から左下に読む。しかし、これも左上位同様に横文字の流入により左上から右下に読む横書きも広まった。縦書きにおいて、右上から左下へと書く理由は元々中国では木管に文章を書いており、それを繋げて巻物にする際に右から左にまとめた方が読みやすいからという理由である。だから、巻物は右から左へと読み、この形式がそのまま本になると左綴じの本となる。一方横書きも元々は現在のアラビア文字のように右から左に書いていた。その理由は右利きの人が石版に刻む際に、左手にノミ、右手に槌を持った方が力を入れやすいから。それから、洋紙などに書くようになると右手でペンをもつので書きやすい右から左になったと考えられている。
ちなみに、昔の日本語の横書きを右から読むと考えがちだが、あれは一文字の縦書きだ。目線で言うと「←」と右から左から読むのではなく、縦に「↓\↓」と上から下へ、右下から左上と読むことになる。
「翼右ムェゲ」
参考図書として「図解雑学 左と右の科学」を上げておこう。

図解雑学 左と右の科学 (図解雑学シリーズ)

図解雑学 左と右の科学 (図解雑学シリーズ)

日本は元々左上位だったが現代は右上位が優先。さらに、縦書きと横書きが混在している。そのため、日本で右と左の文化的背景を追う場合はこの辺をきちんと留意しないと混乱することになる。また、右と左が非常に相対的で、どちらから見るかが大きなポイントでこれも混乱の原因。

映像のロジックは「←」右から左

ゲームの左右を考える前に、物語の右と左の関係についてまとめておこう。
映像における右と左に関しては、キャラクターの移動する方向 - 教えて!goo におけるNo.3,4,5が大変詳しいので参考にさせていただく。
舞台において、上手は観客から見て右側で下手は左側となる。西洋では壇上から見るためか、上手を”left hand(stage left)”、下手を”right hand(stage right)”と呼ぶが上手と下手の位置関係や役割は日本と同じである。以下に、舞台や映画などの映像作品における右と左をまとめる。

  • 観客から見て右側が上手で、左側が下手
    1. 上下関係は上手である右が偉い。つまり、右が上座。
      • 落語で、身分の高い人に話しかける際は舞台の上手である右を見る。
      • 舞台では下座である左に玄関が配置される。
    2. 主人公は右、敵役は左に配される
  • 物語は右から左に進行する。
    1. 「舞台には上手から下手に風がゆるやかに吹いている」
    2. 来訪者は左からやってくる
      • 下手である左が下座となり玄関だから
    • 子役も左から
    1. 主人公は右から入場する
      • 右が上座となるから。また、来訪者が来る場合は右にいる。
    • 主人公より格上は主人公よりも右。
    1. 主人公は左へと旅たち、右に帰還する
      • 玄関が左にあるので、「←」と右から左へと動く場合は旅たち、前進
      • 逆に「→」と左から右の場合は帰還となる。
      • エンドロールで、「←」と右から左なら成長や希望に向かって
      • 逆の「→」と左から右の場合は帰る場所がある場合は安らぎだが、無い場合は彷徨いを暗示する。
    2. 味方は右から敵は左から
      • 「←」と右から左へと動きは、「安心、肯定」
      • 「→」と左から右への動きは、「不安、否定」
      • ちなみに、ラブロマンスでは「←」と右から左へと動きが告白や思いが強い方向。
    3. 左へ加速し右へ減速する
      • 「←」と右から左へと動きは、「加速」
      • 「→」と左から右への動きは、「減速」
    4. 主人公は右から左に攻撃する
      • ライダーキック、ウルトラマンの光線も「←」の右から左。
      • 「←」と右から左へと動きは「加速」で勢いがある。
  • 入退場の一部例外
    1. 幽霊や泥棒などの不意の来訪者は右から入場する
      • お約束を破る形か
    2. 能や歌舞伎は左から入場し左から退場する
      • 能は「左右左」。左から入場するのが常。
      • 歌舞伎は花道が左にある。
    3. 舞踊も左から入場し左へ退場する
      • 能に倣ってか。ただし、目線で考えると左から入場したほうが見やすい。
      • その他、音楽は左から入場し左へ退場する。

ちなみに、舞台の時系列が右から左に進むのは昔は青空舞台で見やすさの観点から、北が舞台で南が観客席だったかという説がある。この時、太陽が昇る東が右で沈む西が左となるので、時間が右から左へ進むというもの。

「←」と右から左へと動きはなぜ加速か

チキチキマシン猛レースはなぜ右から左に進行するのか。それは、主人公達が右から左に進行するのが映像のロジックだから。逆の「→」の左から右へは「帰還」になり、ゴールを目指す場合は「←」の右から左が映像のロジックである。

縦書きの文庫本であれば、右手には過去、左手には未来がある。

右から左に文字を読む縦書き文化と、「←」と右から左へ進む映像のロジックが一致した日本の漫画は非常に理にかなっている。一方、横書きでは物事は左から右へと進む。横書き文化における漫画は左から右へと進み映像のロジックとしては理にかなっていない。
さて、視線の動かしやすさを考えた場合左右は「→」と左から右に動かしたほうが見やすいといわれる。それにも拘らず、チキチキマシン猛レースは「←」と右から左に進行する。なぜ、映像では右から左へと進むのが一般的なのか。富野由悠季は「映像の原則」で心臓は左側にあるから、なんとかかんとか書かれているそうですが。
映像で右から左へと進むのが一般的という問題の答えとなるであろう考察が フレームのカミシモ 別役実の演劇教室 舞台を遊ぶ にあった。それは映画のスタッフロール。上下で考えると視線は「↓」と上から下に流れるのが自然だろう。しかし、映画のスタッフロールは「↑」と下から上に上昇する。テレビのスタッフロールも同様に「←」と右から左に流れる。ニコニコ動画のコメントも「←」と右から左に流れる。
どうしてニコニコ動画のコメントは「←」と右から左に流れるのか。これは、横書きされたコメントを「→」と左から右へ読むからだ。視線が「→」と左から右へと動くか、目標が「←」と右から左へと流れた方が捉えやすい。なぜならば、「→」と左から右へ動く視線に「←」と右から左へ流れる目標が交錯するから。相対速度を考えると、視線と目標の動きが交錯するのでスピードアップし、結果として文字を早く読める。
一方、視線と目標の動きが「→」と左から右と一致する場合は相対速度が下がり、減速しているように見える。例えば、能などの演舞で演者が左から登場するのは視線の動きと一致するから、じっくりと演舞を観察することができる利点がある。
視線が「→」と左から右へ動くからこそ、「←」と右から左の動きは加速されて見える。だから、「舞台には上手から下手に風がゆるやかに吹いている」。ライダーキックなどのヒーローのフィニッシュ技が「←」と右から左なのも加速することで勢いが増すからだろう。また、幽霊などの不意の来訪者が右から登場するのも加速が関係しているかもしれない。
「←」と右から左が加速で、「→」と左から右が減速なのは日本の漫画でも同じで ネギま!で遊ぶ で実際にコマ割を逆転させて検証している。漫画でのコマ割は手塚治虫や特に石ノ森章太郎が完成させたといわれる。参考・石森章太郎(石ノ森章太郎)のコマ構成 が大変詳しいので参考にされたし。つまり、映像のロジックにおいて、「←」と右から左が加速に当るのでチキチキマシン猛レースは右から左へと進む。
日本の漫画を考える場合に、紙芝居や絵巻物は外せない。紙芝居の時系列も「←」と右から左であり、紙を抜く際は観客から見て「←」と左へ抜ける。左に抜くので、主人公は左向きに書かないと抜く際に主人公がバック=及び腰になる。そのため、紙芝居で絵を描く際は登場人物の向きに留意しなくてはならい。紙芝居の時系列も「←」と右から左なのは、絵巻物を継承しているからであろう。

ついでに、レースにおける右と左。F1では右回り(時計回り)のコースが多いのでコースの外から見るとマシンは「←」と右から左と進む。一方人間のレースでは、軸足の関係から左回り(反時計回り)である。100m走りなどは「→」と左から右へ動く。また、水泳などもゴールは右に撮影される。レースの観客の視点が「←」と右から左と進むからチキチキマシン猛レースもそれに則っている可能性もある。

ゲームのロジック 「→」と左から右へクリアする

映像のロジックにおいて

  1. 物語は「←」と右から左へ進行する
  2. 右が主人公で、敵は左に配置される
  3. 「←」と右から左は加速を表現する
  4. 前進は「←」と右から左で表現される

にも拘らず、ゲームはキャラが右を向き「→」と左から右へ進行するのが一般的である。これはコンピュータゲームというようにコンピュータを継承しているからだろう。コンピュータの起点は画面左上である。これは、「→」と左から右へと読む横書き文化圏で発展したからだろう。同様に理工系において、数直線は「→」と左から右へと増加する。プログラム上もこれに則り、「→」と左から右へ増加する。
PCで読む漫画と紙で読む漫画、同じモノでも感触は違う で語られるようにPC上で漫画が読みづらいのはPCの進行方向が「→」と左から右だからという面もあるだろう。コンピュータ的に考えると「→」と左から右が増加、加速、時系列的である。しかし、これだけの理由でゲームが「→」と左から右へ進行すると考えても良いのだろうか。

コンピューターゲームの歴史から

コンピューターゲームの歴史から紐解いてみよう。コンピュータゲームの歴史 - Wikipedia によると、スクロールを本格的に扱ったのは1980年のアーケードゲーム ディフェンダー Wikipedia である。このディフェンダーは任意スクロールであり左右の違いは無い(参考:ディフェンダー - STG系譜)。
ディフェンダーの後にコナミスクランブル - Wikipedia を1981年に発表した。スクランブルは「→」と左から右への強制スクロールである(参考:スクランブル - STG系譜)。このスクランブルの強制スクロールがゲームの進行方向を「→」と左から右へと決定付けたのだろうか。

ド畜生:掲示板 において島国さんがゲームの左右について以下のように語っている。

最初期のアーケードゲームが、中央にレバー、左右にボタンがあり、どっちのボタンも
同じ機能という、両利き対応でしたが、次第に重要なショットボタンを右につけた、
右利き用のレイアウトが主になっていきました。

「ボタンが右側にあるという事は、飛び道具やパンチは右に進むべき」なので、
そこから右向きスクロールゲームが定番になったんじゃないかと。

  • ド畜生:掲示板 の投稿者:島国@ぽっくり 投稿日:2008年 3月28日(金)01時35分15秒

任意スクロールのディフェンダーにコントローラーに左右があったかどうかはわからない。しかし、ゲームのインターフェースは左に方向ボタン、右にアクションボタンという配置が一般的になっていった。これは、右利きが多いからだろう。右にアクションボタンがあるのだから、パンチや弾などの攻撃は「→」と左から右へ進むべきであり、すると自機は右向きで、その結果スクロールも右向きになったという考察。つまり、ゲームの進行方向が「→」と左から右なのはインターフェースが決定付けたと。スカイキッド - Wikipedia なる左スクロールの異色のゲームも生まれているが主流とはなっていないのはインターフェースと合致しなかったからか(参考:スカイキッド - STG系譜)。

右アクションボタンが「→」と左から右を決定付けた?

右にアクションボタンが配された理由は、トリガーを右で引く、また右利きの人が連打する場合は右が良いからということだろう。ただし、左が方向ボタンで、右がアクションボタンが扱いやすいのは先天的なものか後天的なものかは不明である。ちなみに、「武力ONE」という格闘ゲームは右がレバーで左にボタンが配されていたらしい。

右にアクションボタンが配されるインターフェース上の仕様からゲームは「→」と左から右へ進行すると考えられる。ゲームで1Pが左側なのも右にアクションボタンがあるからか。しかし、それでもやはりゲームが映像作品であることに代わりはない。映像のロジックに則り「←」と右から左進むと大変気持ち悪いのは何故か。ゲーム脳だからか。

スーパーマリオブラザーズでマリオは左から右へ進む。スクロールはしないがドンキーコングでもマリオは既に右を向いている。エキサイトバイクも「→」と左から右へ進む。あの宮本茂がマリオを右向きにデザインしたのだからきっと意味があるはずだ。
先に述べたように、視線は「→」と左から右の方が動かし易いため、目標が「←」と右から左に流れると加速、「→」と左から右へ動くと減速して見える。流れる文字などは「←」と右から左に動いた方が視線と交錯し捉え易く読みやすいが、踊りなどは「→」と左から右へ移動した方が視線の向きと一致しじっくりと観察できる。ゲームでは自機を自分で操作する。常に自機を見ているわけで、自機はじっくりと観察できた方が良い。また、敵の攻撃は右からやってきた方が視線が交錯するので捉え易い。つまり、自分で操作するゲームでは映像のロジックが逆転していると言える。これは、物語は受け入れる受動であるのに対し、ゲームは自ら操作する能動であるため、右と左の進行方向の働きが逆になったといえるかもしれない。能動的な操作の場合、進行方向は「→」と左から右であるという点について、ビデオなどどの再生ボタン、早送りは「→」矢印であることを付記しておきたい。

ところで、同じ宮本茂がディレクターであるスパルタンXは最初の階でトーマスは左を向き「←」と右から左へ進む。2階に上がると、右向きで「→」と左から右へ進む。スパルタンXは奇数階で「←」と右から左へ、偶数階で「→」と左から右へ進む。面の構成としては、左向きの奇数階は敵をなぎ倒し、右向きの偶数階は障害物を避ける面である。視線という観点で考えると、トラップは右から来たほうがよけやすいので偶数階で「→」と左から右へ進むのは説明できるのですが・・・。

映像のロジックに則ったFF

ゲームは左に方向ボタン、右にアクションボタというインターフェースから右に攻撃出るべきであると同時に、視線が「→」と左から右へ移動しやすいことから、「→」と左から右が進行方向である。しかし、スパルタンXの1面は「←」と右から左へ進む。2面で「→」と左から右に逆転する。つまり、スパルタンXは奇数階で「←」と右から左へ、偶数階で「→」と左から右へ進む。全5面であるから最後のシーンでトーマスは「←」と右から左へシルビアを助ける。これは思いは「←」と右から左へ伝わるという映像のロジックに則っているかもしれない。これはストーリーは似ても似つかないが映画スパルタンXを元にしたゲームだからか。
スパルタンXが映像のロジックに従ったかどうかはわからないが、ゲームのロジックに従わず映像のロジックに則ったゲームがある。その代表的な作品がFFである。
FFの戦闘画面は右に主人公、左に敵が配される。また、4,5,6においてバックアッタックなどの不意打ちの場合に敵が右、主人公が左に追いやられる。これはまさに映像のロジックである。サイドビュー形式の戦闘を採用するRPGなどでは右に主人公が配置されるのが一般的である。スクウェア作品ならば、半熟英雄、ロマシングサガシリーズ。スクウェア以外のRPGだとAAAのスターオーシャンヴァルキリープロファイル任天堂ファイアーエムブレムバンプレストスパロボシリーズなども主人公達は右に配置される。また、ロマサガではマスコンバットやトレードでもプレイヤーが右側で、「←」右から左へと攻める。これは、先に述べたように物語のロジックにおいて「←」右から左が加速であるから、その方が勢いがあることにもよるだろう。
これらは作品はヴィジュアル重視のゲームである。FFは1より魔法効果や大きな敵などビジュアル重視である。スターオーシャンヴァルキリープロファイルスパロボなどは派手は戦闘演出が売りでもある。つまり、映像重視であるからこそ、映像のロジックである右に主人公、左に敵と舞台の上手と下手に倣ったのかもしれない。自身でプレイすると言う観点から考えると「→」と左から右のはずだが、RPGでの戦闘で自機を重い通りには操作できない。まぁスターオーシャンヴァルキリープロファイルは割と操作できますが。
この作品群の中で、半熟英雄は非常に興味深い。先ず、半熟英雄で戦闘に勝利した場合は、「←」と右から左へ侵攻する。さらに、半熟英雄は物語が舞台上で進行する。舞台でストーリーが進むなら、舞台のセオリーで戦闘も進めるべきだろう。FFもストーリー回しが舞台のようだ。特にFF6までは固定された画面でキャラクターがセリフとその位置関係のみでストーリーを進める。この時プレイヤーは介在できず見るだけであるから、舞台のロジックに則っているだろう。FFに関しては以下のような話がある。

マンガやアニメの世界で培われてきた表現方法を、スーパーファミコンというハードの性能のおかげで取り込めるようになり、よりキャラクターを立てる演出を使っていくようにしたんです。

FF4からではあるものの、マンガの表現方法を取り込んでいったという点は非常に興味深い。ただ、戦闘部分と異なりRPGのストーリー部分では王様が上に配置されたり、進行方向が上と、上手が上なため左右よりも上下の方が意識しやすい。例はあまり無いが、FF5のムーアの森で敵であるエクスデスはバッツたちを「→」と左から右へ攻撃している。

ゲームに映画を持ち込んだという点では、メタルギアシリーズのディレクターである 小島秀夫 は外せない。特に、スナッチャーは映画的手法を取り込んだ初めてのゲームと言われている。そんあ映画好きの小島秀夫であるから映画の手法、つまり映像のロジックを使っていないはずがない。例えば無線。MGSの無線画面では主人公であるスネークが右で相手が左である。例えばMGS3のOPでは、任務に向かうスネークたちを乗せた飛行機は「←」と右から左に進行。スネークがHALO降下する際も「←」と右から左。そして、パラシュートが減速する場合は「→」と左から右である。また、ボスを倒した後の帰還するためのWIGは「→」と左を向き、右へ飛んでいくのも映像のロジックである。
このようにゲームであってもサイドビュー形式のRPGの戦闘や、ムービーシーンは映像のロジックに則っている。この辺、格闘ゲームなどで映画的手法を使う演出がチグハグになってしまうのだが。

まとめ

  • 映像のロジックは「←」と右から左に進行
    • 右が上手で、左が下手
    • 右の上手が上座で偉い人
    • 主人公は右で、敵は左
    • 左が下手が下座なので玄関
      • 「←」と右から左へ移動したときは旅たち、前進
      • 「→」と左から右は帰還、後退
    • 物語は「←」と右から左へ進行する
    • 「←」と右から左は加速
    • 「→」と左から右は減速
  • 視線のロジック
    • 視線は「→」と左から右へ移動させやすい
    • 「←」と右から左へ移動するする目標は捉え易い
    • 「→」と左から右へ移動する目標はじっくりと観察できる
      • 視線が「→」と左から右なので、「←」と右から左は交錯し、「→」と左から右は一致する。つまり、相対速度の問題。
  • ゲームのロジックは「→」と左から右と進行
    • 左に方向、右にアクションボタンが配されるので右に攻撃が出るべき
    • 視線のロジックにより、「→」と左から右と進んだ方が自機を補足しやすい
    • 一方、敵は「←」と右から左に攻撃した方が気付き易い
    • ただし、RPGの戦闘やムービーシーンは映像のロジックに則る

映像のロジックが「←」と右から左でゲームのロジックが「→」と左から右と左右が逆転するのは映像は受動的でゲームは能動的だから。自分で操作するゲームは「→」と左から右に進行するからマリオは右を向いているのだ。