五爪の龍

京都に引っ越してからは神社・仏閣巡りに勤しんでおります。さて、先日天竜寺に行った際に加山又造描いた「雲龍図」を見てきた。普段は非公開で、偶々特別公開をやっていたのはラッキーだった。
この「雲龍図」について和尚さんが語っていたのだが、日本でも珍しい五爪の龍であるらしい。言われてみると、確かに一本だけ五爪である。京都には建仁寺の法堂に描かれた龍以外は全て三爪とのこと。なんでも、五爪の龍は中国の皇帝しか使うことしかできない、高貴な龍らしい。皇帝以外の臣下が龍を身につける場合は四爪までという決まりごとがあり、近隣諸国になると、朝鮮は最高で四爪、日本は三爪と決められていたので、伝統的な日本の龍の絵は三爪しか存在しない。なんというか、中華思想バリバリで、龍の爪の数だけ見ても、中国>朝鮮>日本であるから、現在のように日本があまた一つ出てきたら、中国や朝鮮は叩くに決まってるなと思った。そんな、下地があると日中、日韓友好は難しいのではないかね。
爪の数を見れば、龍の位が分かる。日本で龍と言えばドラゴンボール(天竜寺の和尚さんも落ちにドランゴールは持ってないけど、と言っていた)というわけでドラゴンボール神龍の爪の数を数えてみたら四本であった。これで、ナメック星の神龍であるポルンガが五爪なら面白かったのだけど、残念ながら(?)神龍と同じ四爪であった。
他に龍はいないかと、思い出したらまんが日本昔話のOPの龍がいた。こいつも四爪。日本の伝統的な絵に則って龍を描けば三爪のはずだけど、四爪なのは、絵的な問題なんだろう。
ちなみに、天竜寺の「雲龍図」は八方にらみの絵としても有名。龍の目を見ながら円に沿って歩くと、龍が自分を目を追うように絵が動く様は見ていて奇妙です。

龍のまとめ

  • 龍の九似
    • 角は鹿、頭は駱駝、目は鬼(あるいは兎)、項は蛇、腹は蜃、鱗は鯉、爪は鷹、掌は虎、耳は牛
  • 五爪の龍
    • 五爪は皇帝のみ
    • 「ニ角五爪の龍は皇帝だけが使える」と決めたのは北宋の政治家王安石
    • 臣下や近隣諸国は五爪以下で、朝鮮が四爪、日本は三爪と決められていた
    • 三本爪は青年、四本爪は壮年、五本爪は帝王という説もある