では実際に、僕が覚えている限りチェックしてみましょう。
- 1巻4話「円卓会議はは踊る」のP91。くじあんの声優について
- 1巻5話「コミコミ」P128。コミケでの田中のハンドルネームとか。
- 1巻6話「秘密の小部屋」のP164。大野さんのポスターの入手所。
- 3巻17話「視線」のP119。アキバの下調べについて。
とざっと見た感じではこんな所?
確かに少ないですが、ネットが無いわけではないですね。
というわけで色々反論
部室ではないですが、大学内にゲーム機を持ち込み仲間内でやっていた僕の感想では、部室で美少女ゲームは多分やりません。
美少女ゲームを部室でやら無い理由として
- 大学の部室と言う世間体の問題
- 美少女ゲームの場合、プレイを見ていたらネタバレを含んでしまう
- コミュニケーションが取りづらいというのもあるが、後ろから茶々を入れられる場合もあり興ざめすることが多い
- 部室のゲーム機とテレビを占有してしまう
つまり、美少女ゲームは部室向きのゲームじゃないのです。やることはやりますが、家でやって部室で話をするというのが基本スタンスなのではないかと。これはRPGと同じだと思います。子供の頃に人の家に遊びに行ってRPGするとかありえないですよね。
では何故ブームが去った格ゲーをしているのかと言うと、ブームが去ったからこそ。
そして、格ゲー(及び対戦パズル)こそ部室向きのゲームと言えるでしょう。
その理由のひとつとして、対戦ゲームは人とやった方がはるかに楽しいからです。
ゲー戦に行けと言う話しですが、ネオジオ世代のゲームは置いてないし、またげんしけんの登場人物は特に格ゲーが強いと言うわけではないので仲間内でやるのが楽しいのですよ。
まとめると『げんしけん』は、コミュニケーション的にはパソコン通信さえも存在しない時代を前提とし、対面コミュニケーションがメイン、そこに現代性の高いアイテムを放り込んで現代性を維持しているために結果的にファンタジーとなっているのではないかと。
果たしてそうでしょうか?僕も限りなく似たようなところにいましたけど、実際にリアル同士でネットの話はネタ関係以外はほとんどしなかったですよ。ネットはネットという感じでした。
げんしけんでネットが希薄なのは部室にネットができる端末が無いというのが一番大きいと思います。げんしけんの話の軸が部室なので、部室にネット環境が無いとネットの話は描きづらいですし。
という訳で僕が言いたいのは、げんしけんの世界にはネットは存在するが話の軸として特に必要が無いので敢て描いていないということ。げんしけんでネットを描くならば、げんしけんの人物同士がネットでコミュニケーションをする姿を描くのが筋ですが、彼らは部室の行けば会えるので別にネットでコミュニケーションをする必要は無い。それ以外のネットでのコミュニケーションの話を描くならば、それはげんしけんの話ではなく、個人の話になってしまう。故に、げんしけんでネットを軸とした話は描けない、あるいは描く必要がないのでは?と思います。
ただ、意図的であるにしろ無いにしろ、ネットを希薄にすることでファンタジーに見えてしまうのは確かかも。ただし、条件によってはげんしけん的環境も十分存在し得るのでファンタジーでもなんでもなく、十分にノンフィクションと言えなくも無いかも。
似たようなお話として・・・
の携帯電話とお話作りと似ている議論かもしれませんが。つまり、僕はまだお話の中でインターネットが存在していなくてもそれを疑問に思う思考回路ができていないだけかもしれませんが。
これはまた別の話ですが、ネットの話を漫画にするというのは結構難しいのではないかな?と思います。なぜならネットはまだ文字中心なので、漫画にする場合はコマが文字だらけになったり、ネームがやたら増えたりするから。クロマティ高校でBBS荒らしの話がありましけども。また、MMORPGの場合は別で、これはむしろ漫画向き。
さて、もう一つ追記で・・・。
げんしけんがファンタジーに見えてしまう理由として大学の立地があると思います。げんしけんの舞台は都内の都市部まで快速に乗って1時間かからない程度。ちょっとアキバに出て行くのは時間がかかるかな?と思います。これは、劇中に「アキバ出張」なる言葉がるようにアキバに出るのは結構骨であるのだと思います。また、咲ちゃんも言っておられますが、大学のまわりに何にも無い田舎と言っておられるように遊ぶところは極端に少ないと思われます。こんなところにいると、一般世間と隔絶された不思議空間が生じユートピア的環境ができても不思議ではないかと・・・。僕はもっとひどいところにいましたが。