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京都はほんまにえげつないでー

ぶぶ漬けですね。「ぶぶ漬けいかがどす?」と言われたら、そろそろ帰ってきてくれませんかということを婉曲的に表現する京都独自の暗黙の了解である。ただ実際は、色々な駆け引きがあるみたいですが。

そんな京都の暗黙の了解の一つが残っているのが京都の山科にある毘沙門堂。実際は風習ではなく部屋が残っているのだが。毘沙門堂はその名の通り、本尊は毘沙門天天台宗のお寺。力はあったらしく、狩野探幽の絵などが残っています。また、客間も豪華な仕立てになっています。その客間の一つに「あわずの間」という間がある。その間の襖には竹にコマヒヨドリが描かれたものと梅に山鳥が描かたものがある。「梅に鶯」と言うように、襖に梅を描く際に添える鳥は鶯と決まっています。なのに、山鳥が描かれている。これは何を意味するのか。木に鳥が合ってない→とりあわない→取り合わない、というわけでこの間に案内されたら取り合わないので帰って下さいと言う意味なんですね。これも、「梅に鶯」が暗黙の了解だから成り立つわけです。ちなみに「竹には雀」です。
毘沙門堂のお坊さんの説明では、「あわずの間」に案内されてこの洒落に気付かず帰らなかった人は教養がないと判断され社会的に制裁を受けたと言ってましたが、実際の所どうなんですかね。

ちなみに、毘沙門堂には九老之図と呼ばれる動く絵があります。絵に描かれた机を見ながら歩くと、机が変形して見えると言う不思議な絵。同じく京都嵐山にある天竜寺の雲龍図は八方にらみの龍と呼ばれる。龍の目を見ながら円に沿って歩くと、自分を追うように龍の頭が動く様は見ていて奇妙で必見の価値ありです。