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水中ならガラスがはさみで切れる

注:実験する場合はガラスの破片に気をつけましょう。はさみでガラスを切ると細かな破片が出るので大変危険です。

Yahoo!オークション - ■『HOW TO コツ』 愛蔵版 暮らしに役立つヒント」の3枚目にも載ってるので本当かも。というわけで、スライドガラスでやってみると、まぁ切れなくは無いって感じ。切れるというか、ガラスの割れる速度が遅いため、細かく砕けているのが切れているような感じ。スライドガラスは薄すぎるので、もうちょっと厚いガラスなら、youtubeの動画みたいにジョキジョキ切れると思います。


空中でやると、割れる速度が速いのではさみで切ろうとすると割れてしまうが、水中ならば割れる速度が遅くなるので切れるのか。理屈は分からんが、弾性波の伝わりが遅くなるのか、youtubeの説明にあるように、破壊時に発生する弾性波の高周波成分が水に吸収され共鳴しないからか。それとも破壊時に酸化ケイ素の結合部分に水が水和するのか。ちょっと分かりません。弾性波の高周波成分を水が吸収するならば、より粘性の高い液体なら簡単に切れるだろうし、化学結合なら水以外ならできないってことかしら。
ただ、どちらにせよ割れる速度が遅くなっているだけで、切れるというかゆっくり砕けてるだけですかね。

追記:水中でガラスを切っても割れない理由はケモメカニカル効果らしい

コメ欄に割れない理由は「ケモメカニカル効果」と書かれていたので調べてみた。

水中ではガラスがハサミで切れる現象(大きなクラックが生じにくい現象でケモメカニカル効果と呼ばれる)
工業技術院機械技術研究所より引用

つまり、砕けるように切れるという印象は間違ってないのだけど、じゃあケモメカニカル効果って何だ。

ケモメカニカル効果(chemomechanical effect)
化学エネルギーが直接力学エネルギーに変換され、機械的運動をすることをいう。ケモメカニカル反応は熱、イオン強度、溶媒交換、電場、光などの外部刺激により開始され、高分子ゲルなどの分子のミクロなコンホメーション変化を引き起こし、高分子ゲルの膨張や収縮による機械的運動を発生する。
高分子辞典 高分子学会 より引用

ますます分からないのだけど、切る際に何らかの化学変化が起こっていると言うことだろうか?
表面の化学反応その3」を参考に考えれば、ガラスを水につけることで柔らかくなったから、クッラクが生じにくくなったのか。確かに、ガラスは水で腐食するが、腐食は遅い化学反応である。そんな遅い化学反応が直接的に関ってくるのか良く分からない。ガラスの表面を考える必要があるのだろうが、あいにく表面学については詳しくないのよね。

追記 2014年3月12日

2ちゃんねるこれ知ってなんになるんだ・・・ってなる豆知識上げてけ。 でこの記事が取り上げられたせいか、まとめサイト経由でアクセスがあるようです。
はてなブックマークも増加し、コメントにて ガラスの破壊における水分の効果 (PDF) が紹介されていたので、その内容を引用し追記します。

ガラスの破壊における水分の効果 によると、割れる際にクラックが生じますが、そのクラックがゆっくりと延びるため、割れる速度が遅くなりハサミでガラスが切れると考えられているようです。文章中に、ガラスの応力腐食の過程が図で説明されているので、化学を囓ったことのある人ならなんとなく分かるかも知れません。

また、水中でハサミをガラスで切ることができる応力腐食のメカニズムを以下に引用します。

引っ張り応力のかかっているガラスの表面が水に接していると,水分子との化学反応により低い応力でも結合が切断される。これは応力腐食現象と呼ばれ,クラックの伸長に対して提案されたモデルであるが,クラックの生成に対しても適用できると考えられる。

これをハサミで切る場合に当てはめると、空気中で切るよりも水中の方が分子の結合が切れやすくなるため、水中の方がガラスを簡単に切れるようになる、と考えられます。ただし、これはモデルの一つなので、正確には何が起こっているか解明されたわけではなさそうです。
何はともあれ、水中だとガラスを切る速度が遅くなるからハサミで切れるという私の直感は間違ってなさそうです。