仮面ライダーよく知らないけど庵野作品好きなのでシン・仮面ライダーは楽しかった

のっけから PG12 とデデーンと表示された後にスピルバーグの「激突!」が始まり、その後に流血の惨事に発展するので、PG12 指定で大丈夫なのかと疑問に思いました。

仮面ライダーとしてはブラックの世代ですが、ほとんど見ていません。仮面ライダーは、009 が好きなので石ノ森章太郎関連として知っている程度です。原作は未読。

構成としてはシン・ウルトラマンと同じで、前半にテレビ版のオマージュを詰め込んで、後半にやりたいことをやっている。庵野秀明は観客の見たいものを作っていると述べているが、その観客ってどのあたりを想定しているのだろうか。
名優たちを雑に使い捨てるあたりが、ショッカーっぽい。特に、長澤まさみの使い所よ。庵野秀明の実写作品ではお馴染みの市川実日子はなるほどの配役。
そして、唐突なキカイダーのぶっ込み。つまり、キカイダーも映画化してくれるんでね?

終戦は賛否があるようですが、私は好きです。量産型で死後爆発解禁なあたりが、殺しに来ている感が際立ってイイ!
見所は、変身前の森山未來の所作でしょう。流石、ダンスやっているだけあります。森山未來はうさんくさい教祖やらせたら抜群。実行力のある教祖。まぁ、誰もあの世界に行くことを望んでいないんですけど。
変身前の所作があって、変身後は0号の圧倒的パワーに1号と2号が圧倒されるからこそ、泥臭い取っ組み合いに繋がって行くわけです。

そもそも、量産型の仮面ライダーが登場するあたりからは、シン・エヴァンゲリオンでしたね。また人類保管計画かよと。ライブ・ア・ライブの未来編と通じることがあり、つまりは「ブラッドミュージック 」(未読)なんですが、ルリ子が地獄と表現したのは、お互いの全てが分かっても通じ合わないからで、むしろガンダムニュータイプでしょうか。石ノ森章太郎だと「リュウの道」になりますが、島本和彦は読んでそうだけど、庵野秀明は読んでなさそう。

印象に残ったのは、ハチ・オーグとの戦いで、演出がゲームっぽいなと感じました。一人称視点やゲームの三人称視点が多い、つまり FPS と TPS なあたりがゲームっぽさを感じる理由かなと自己分析。

終戦よりは1号と2号の戦いがちょっと拍子抜けというか、飛び回る戦いはいいんだけど、ちょっと小粒感がありました。ただ、2号のキャラはいい。なので2号のカードがあたって嬉しかった!三枚目かつ、よくしゃべるあたりが柄本佑の役柄にあっていると感じました。庵野作品だとシン・ゴジラに出演していた柄本明の長男。
最初はうさんくさいのですが、最終的に1号である本郷猛やルリ子の遺志を継いでいくのがいい。次回作を期待したくなります。

個人的には十分に楽しめたので、庵野秀明が想定する観客とは、庵野作品が好きな人向けなのかもしれません。