- AOKZOE: AMD Ryzen 7 6800U Processor Powered Pro Game Console by AOKZOE — Kickstarter
Kickstarter で出資していた、AOKZOE A1 がようやく届きました。一ヶ月半くらいの遅れでしたがクラファンでは早い方ではあります。ただし、遅れた理由がひどいため日本発売予定である11月25日以前に入手できるのか不安になる一ヶ月半でした。この愚痴は、また別の記事で。
長らく待たされましたが、本体は期待通りで満足しています。遅れさえなければ、もっと早めに楽しめていたと思うと残念ですが、スプラトゥーン3で忙しかったので、そこまで触る時間もなかったでしょう。そもそも、今週末はスプラトゥーン3のフェスで忙しいし……。
AMD の 6800U を搭載したハンドヘルドゲーム機で、AYANEO2 や GPD Win4 などもリリース間近です。それらよりも早期に入手できそうなこと、画面が8インチと大きめなこと、バッテリ容量も大きいことを理由に出資しました。Steam Deck にも興味を持っていたのですが、日本でのリリースが遅すぎます。
横幅が 28 cm もあるのでかなりでかいです。幅はほぼ A4 サイズなため、下手なノートPCよりも横幅があります。重さも 730 g もありますが、こちらは持ち方次第では重みを感じません。膝に置いたり、机に置いたりするとよい塩梅です。ベッドなどでうつ伏せになってプレイできるので、お布団のなかでぬくぬくと楽しめそうです。また、排熱もしっかりしているので手に持って熱く感じることもありません。ファンの音は個人的には気になりません。ただ、音にあまり拘りがないので、私の感想はあまり当てにならないかも。
本体がでかいので、ディスプレイも8インチと大きく、ELDEN RING や Cyberpunk 2077 などのテキストも潰れずに読めます。持ち歩く気はありませんが、手軽にさっと Steam のゲームなどをやるのに向いてそうです。また、スマホで買ったけど途中で操作するのが嫌になった FF5 のリマスターや、Switch でも発売予定ですが、OCTOPATH TRAVELER II などにも向いてそうです。
買ったらやること & tips
- マニュアルの確認
- https://aokzoe.com/manual/a1/ で確認できます。
- Windows Update
- Chrome のダウンロードとインストール
- AMD Software: Adrenalin Edition | グラフィックス技術 | AMD のインストール
- Steam のインストール
- エムエスアイコンピュータージャパン から MSI AfterBurner のインストール
ゲームの設定を詰めるために FPS などが表示できるアプリを利用したいところです。MSI AfterBurner なら表示する情報を取捨選択できます。AMD Software も FPS の表示が可能ですが、諸事情により AOKZOE では使い勝手が悪いため、MSI AfterBurner などをインストールした方がよいです。
ゲーム機として
USB-C が本体の上部と下部にあり、どちらからも充電と給電ができるので、状況によって使い分けができます。また、Switch のようなスタンドも便利です。Switch 同様に少しヤワではありますが、必要十分でしょう。
本体上部には、USB-C ポートの他に電源ボタンとボリューム調節ボタンに、イヤホンジャック端子とUSB-A ポートがあります。ボリューム調節ボタンの配置が謎で、左が音量アップで右が音量ダウンになっています。逆では?と思うのですが、Kickstarter のレンダリング画像をみても左が(+)で右が(ー)となったおり、元からこの設計のようです。
ボタン類は基本的に Xbox コントローラに準拠しています。左下に押すとデスクトップ表示、長押しで Xbox ボタンに対応したボタンがあります。右下にある二つのボタンは、上側を押すと仮想キーボードを呼び出せて、長押しするとジョイスティックをマウス操作に切り替えられます。下側は TDP や画面解像を制御できるコンソールを呼び出せます。便利な機能でタッチパネルで気軽に TDP を変更できます。ジョイスティックの操作にも対応しているのですが、制御方法に統一感がないのが、少々残念ですね。
コントローラとしては、ABXY やジョイスティックはイイできですが、LR はトリガーもバンパーもちょっとチープに感じます。バンパーはもう少し遊びがあるの方が好みです。逆に、トリガーはややストロークが長めかも。SEKIRO をやった限りでは、最終的に LB での弾きができていたので、慣れの問題もあるでしょう。D-pad の形状が特殊ですが、SEKIRO でアイテム操作をミスることはありませんでした。ただ、この D-pad を移動に利用した際の使い勝手はよく分かりません。
ディスプレイがネイティブランドスケープではなく、ドライバでタブレット用の縦長パネルを横向きに表示しているため、AMD Software による RSR や FSR が機能しない可能性を危惧していましたが、問題無く利用できるようです。ただ、アクティブにするにはややこしい手順が必要です。また、ゲーム毎に推奨設定を割り振ってくれる Nvidia GeForce Experience に慣れきっているので、自分で設定を詰める必要のある AMD Software はちょっと面倒に感じます。6800U のパフォーマンスが高いので、解像度とゲームで用意されているプリセットを選ぶだけでも十分ではあります。設定次第で、そこそこの解像度で ELDEN RING やCyberpunk 2077 を遊べるはすごいです。
ネイティブランドスケープではないため、AMD Software による FPS などのオーバーレイ表示が使い物になりません。表示はできるのですが、画面左下に横向きで表示されます。つまり、縦型パネルの本来の位置に表示されているわけです。
バッテリーはアップグレードして 65Wh(17100mAh)にしました。ELDEN RING 級を TDP 28W で 1920 × 1200 の解像度でプレイすると2時間くらいは持ちそう。TDP や解像度を下げればもっと延びそうですが、付属しているアダプターの USB-C ケーブルが 1 m くらいあるので給電しながらでも快適にプレイできます。
3DMARK Time Spy の結果
TDP ごとに測定。比較用に第7世代の Core-i7 と GTX1060 (6GB) も掲載します。
第7世代の Core-i7 と比較すると、流石に AMD 6800U の性能が際立ちます。また、GPU の性能としても内蔵の Radeon 680M も健闘しています。消費電力で比較するとパフォーマンスはめちゃくちゃ良いです。
TDP | Score | Graphics score | CPU score |
---|---|---|---|
15W | 1924 | 1766 | 5982 |
18W | 2214 | 1983 | 6567 |
20W | 2324 | 2100 | 6691 |
28W | 2675 | 2405 | 7376 |
Corei7-7700HQ, GTX1060(6GB) | 3517 | 3570 | 3245 |
良かったところと気になった点
- 良かったところ
- ディスプレイが8インチ
- 大容量バッテリー
- 重さや排熱を感じない持ちやすい形状
- 充電、給電用の USB-C ポートが本体の上部と下部の両方にある
- AOKZOE コンソールが便利
- キックスタンドは柔らかいが及第点
- 気になった点
- ディスプレイがネイティブランドスケープでない
- 本体に対して、ディスプレイの向きが横(逆向き)に設定されている
- ボリューム調節ボタンの左右が逆では?
- LR ボタンはトリガーもバンパーも少々安いっぽい
- プレイ時に重さは感じないが、本体そのものは重くでかい
デカいディスプレイと大容量バッテリー搭載のハンドヘルドゲーム機が欲しいならアリかな?
日本でも11月25日に発売予定で、予約も行われています。バッテリ容量の少ない LITE 版は在庫切れのようです。
6800U を搭載したハンドヘルドゲーム機として、ONEXPLAYER MINI が発売中(ただし在庫切れ)で、現在 AYANEO2 がクラファンを既に開始しており、待望の GPD Win4 も11月末に開始予定です。
本体の全体的な完成度としては、AYANEO2 や GPD Win4 の方が高いと予想されます。ただ、AOKZOE A1 は 8インチと Steam Deck よりも大きな画面で、バッテリ容量も一番大きいです。また、円安の影響などを加味すると AOKZOE A1 はコストパフォーマンスにも優れています。
- AYANEO 2: Completely Different AMD 6800U Handheld | Indiegogo
- GPD Win4: Smallest 6800u handheld console | Indiegogo
ただし!Kickstarter での対応があまり良くなかったこと、Twitter 上で Windows 11 のライセンスが認証できなかった問題などが報告されているので、製品はすばらしくとも会社としてはあまり信用できません。
日本の代理店で購入した場合も在庫があれば、交換対応などをしてくれるかもしれませんが、修理対応などになると直接的ではないにせよ、本国の AOKZOE との対応にならざる得ません。要するに、安かろう悪かろうを許容できるかですが、本体価格約14万円は安い買い物ではないわけで。
Steam OS にも対応予定と謳っていますが、あまり期待していません。個人的には Windows の方が運用しやすいと感じているので、Steam OS に対応しなくても問題はありません。