素朴な疑問。格ゲーの体力ゲージって、昔は真ん中から端に減っていくパターンもあったけど、今は端から真ん中に減っていくパターンしか見なくなった。なぜだろう?このあたりの歴史をまとめたサイトとかないのかな。 pic.twitter.com/34u6j7bID5
— No.17 (@17rotd) October 22, 2020
ツイートを見て疑問に思ったので格闘ゲームの体力ゲージの表示形式を簡単に調べてみました。
「端から中央へ減っていくパターン」は「ストリートファイター2」のスタイルで、「中央から端へ減っていくパターン」は「餓狼伝説」で見られたスタイルです。そのため、SNKが「中央から端へ減っていくパターン」を採用しているのかな?と思って調べたら、「龍虎の拳」も「サムライスピリッツ」も、「KOF」シリーズも「ストリートファイター2」と同じ「端から中央へ減っていくパターン」でした。さらに、ツイート内で「中央から端へ減っていくパターン」として紹介されている、「風雲スーパータッグバトル」はSNKで、「サイバーボッツ」はカプコンなので、メーカーの違いではなさそうです。ちなみに、「風雲スーパータッグバトル」の前作に当たる「風雲黙示録」は、「端から中央へ減っていくパターン」のため同じシリーズで異なるスタイルになっています。
ざっと調べた限りでは、殆どの格闘ゲームは「ストリートファイター2」と同じ形式でした。「イーアルカンフー」もこの形式です。ただし、どちらでもない「両キャラとも右から左へ減っていくパターン」も存在しました。この表示形式はベルトスクロールアクションに似た形式で、初代「ストリートファイター」は右上部に操作キャラと敵キャラがまとめられていますが、似たような形式となっています。「スパルタンX」もこの形式に近いです。
主に 格闘ゲーム年表 - ニコニコMUGENwiki - atwiki(アットウィキ) から気になるゲームをピックアップし、端から「中央へ減っていくパターン(→←)」を「ストリートファイター2形式」、「中央から端へ減っていくパターン(←→)」を「餓狼伝説形式」、「両キャラとも右から左へ減っていくパターン(←←)」を「ファイナルファイト亜種」として分類しました。
端から中央へ減っていくパターン(→←)
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ストリートファイター2形式
リリース年 | ゲーム名 | メーカー名 | 備考 | |
---|---|---|---|---|
1985 | イー・アル・カンフー | コナミ | ||
1991 | ストリートファイター2 | カプコン | ||
1992 | ワールドヒーローズ | アルファ電子 | ||
1992 | 龍虎の拳 | SNK | ||
1993 | ファイターズヒストリー | データイースト | ||
1993 | サムライスピリッツ | SNK | ||
1993 | マーシャルチャンピオン | コナミ | ||
1993 | 豪血寺一族 | アトラス | ||
1993 | バーチャファイター | SEGA | ||
1993 | ドラゴンボールZ (AC) | バンプレスト | 続編は餓狼伝説形式 | |
1993 | ドラゴンボールZ 超武闘伝2 | バンダイ | 1作目はファイナルファイト形式 | |
1994 | ザ・キング・オブ・ファイターズ | SNK | ||
1994 | らんま1/2 超技乱舞篇 | 日本コンピュータシステム | 1, 2作目は餓狼伝説形式 | |
1994 | ヴァンパイア | カプコン | セイヴァーから餓狼伝説形式 | |
1994 | 鉄拳 | ナムコ | ||
1995 | 風雲黙示録 | SNK | ||
1995 | ドラゴンボールZ Ultimate Battle 22 | バンダイ | ||
1999 | 餓狼 MARK OF THE WOLVES | SNK | 以降シリーズなし | |
2002 | モータルコンバット:デッドリーアライアンス | ミッドウェイゲームス | 以降シリーズもストリートファイター2形式 |
「らんま1/2」は格闘ゲームがSFCで三作発売されているが、最後の発売された「超技乱舞篇」のみが「ストリートファイター2形式」で、他の二作は「餓狼伝説形式」。
「ドラゴンボールZ」の格闘ゲームはSFCでは「超武闘伝」が3作と「ハイパーディメンション」がリリースされている。2と3は「ストリートファイター2形式」だが、1は「ファイナルファイト形式」。なぜか「ハイパーディメンション」は「餓狼伝説形式」とシリーズでばらばら。開発元は全て「トーセ」である。また、アーケード版は二作あるが、一作目は「ストリートファイター2形式」だが、二作目の「Super Battle」は、「餓狼伝説形式」となっている。
「ヴァンパイアシリーズ」は「ストリートファイター2形式」であったが「セイヴァー」から「餓狼伝説形式」へ変更。
中央から端へ減っていくパターン(←→)
餓狼伝説形式
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リリース年 | ゲーム名 | メーカー名 |
---|---|---|
1985 | カラテカ | ブローダーバンド |
1985 | キン肉マン マッスルタッグマッチ | バンダイ |
1991 | 餓狼伝説 | SNK |
1992 | らんま1/2 町内激闘篇 | 日本コンピュータシステム |
1992 | モータルコンバット | ミッドウェイゲームス |
1992 | らんま1/2 爆裂乱闘篇 | 日本コンピュータシステム |
1994 | ドラゴンボールZ2 Super Battle | バンプレスト |
1995 | サイバーボッツ | カプコン |
1996 | 風雲スーパータッグバトル | SNK |
1996 | ドラゴンボールZハイパーディメンション | バンダイ |
1997 | ヴァンパイア・セイヴァー | カプコン |
2018 | グラップラー刃牙 アルティメットチャンピオンシップ | バンダイナムコ |
餓狼伝説は1, 2, 3, スペシャル、リアバウト1, 2、WILD AMBITION (1999) までずっとこの形式。MARK OF THE WOLVES (1999) のみが、「ストリートファイター2形式」。
モータルコンバットは、1, 2, 3, トリロジー, 4 (1997) までこの形式。デッドリーアライアンス (2002) 以降は「ストリートファイター2形式」。
両キャラとも右から左へ減っていくパターン(←←)
ファイナルファイト亜種
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以下の表示形式を含む
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操作キャラクター名 ■■■■□□□□
相手キャラクター名 ■■■□□□□□
リリース年 | ゲーム名 | メーカー名 |
---|---|---|
1984 | スパルタンX | アイレム |
1985 | 北派少林 飛龍の拳 | テクノスジャパン |
1986 | 熱血硬派くにおくん | タイトー |
1987 | ストリートファイター | カプコン |
1989 | ファイナルファイト | カプコン |
1993 | ドラゴンボールZ 超武闘伝 | バンダイ |
1993 | ジョイメカファイト | 任天堂 |
1996 | ガーディアンヒーローズ | トレジャー |
2000年以降はほぼ「ストリートファイター2形式?」
全てを調べたわけではありませんが、2000年以降はほぼ「中央へ減っていくパターン(→←)」となる「ストリートファイター2形式」であろうと考えられます。
「両キャラとも右から左へ減っていくパターン(←←)」である「ファイナルファイト亜種」は、ベルトスクロールアクションに類するゲームに多いような気がします。「ドラゴンボールZ 超武闘伝」も、ストーリーモードを主として考えると、体力ゲージをこの形式で表示するのは違和感がありません。また、「くにおくんシリーズ」のように参加キャラクターが多い場合もこの形式が見やすいでしょう。「ガーディアンヒーローズ」がこの形式なのもプレイキャラクターが多いからでしょう。
「中央から端へ減っていくパターン(←→)」である「餓狼伝説形式」も、1Pキャラクターは「ファイナルファイト亜種」として考えると理解しやすいです。2Pは、そのミラーイメージにあたり、その結果中央から体力ゲージが減っていくのでしょう。「餓狼伝説」は対戦方法が独特で、協力プレイからの対戦だったため、ベルトスクロールアクション形式になったのかもしれません。格闘ゲームが跋扈した90年代中頃に見られますが、シリーズものも最終的には「ストリートファイター2形式」へに移行してます。「餓狼伝説シリーズ」と「モータルコンバットシリーズ」がこの形式でしたが、最終的には「ストリートファイター2」形式に移行しています。ただし、「ドラゴンボールZ ハイパーディメンション」はなぜか「超武闘3」が「ストリートファイター2形式」だったのに「餓狼伝説形式」に移行しています。「ハイパーディメンション」には「餓狼伝説」同様に前後のラインがあるので「餓狼伝説」を意識したのかも?
また、「ヴァンパイアシリーズ」は「ストリートファイター2形式」だったのが、「セイヴァー」から「餓狼伝説形式」へと変更されています。「風雲スーパータッグバトル」の例もありますが、「ストリートファイター2形式」から「餓狼伝説形式」への変更は、珍しい部類です。体力ゲージが回復する異色の格闘ゲームのためでしょうか?体力ゲージの表示形式を変更した明確な意図が感じられます。