疑問符をつけたのは、現状だとSurface Pro3を用いてKindle for PC上で漫画をフルスクリーン表示すると、画面端まで拡大されず一回り小さな表示になるからです。漫画を読むなら、Kindle Cloud Readerの方が大きく表示されます。
Kindle for PCがやってきた
2014年の9月に Kindle Cloud Reader が開始され、WindowsやMacでも、日本の漫画や版組が固定された電子書籍が読めるようになりました。
今回新たに Kindle for PC がリリースされ、Windows 7/8/8.1ならば日本語のテキストも読めるようになりました。
Kindle for PCにより、これまでKindleを読めなかったWindows タブレットでも、Kindleを利用できるようなりました。ただし、RT系列は対象外ですが。
Kindle for PCにより、Surface Pro3が名実と共に最強のタブレットになったかも?
というわけで、Surface Pro3とVAIO ZとでKindle for PCの使い勝手を比較してみました。それぞれのモデルの解像度なのは以下になります。
モデル | OS | 画面サイズ | 画面比 | 画面タイプ | 解像度 |
VAIO Z (SVZ1311) | Win 7 | 13.1 | 16:9 | Full HD | 1920 × 1080 |
Surface Pro3 | Win 8.1 | 12 | 3:2 | Full HD Plus | 2160 x 1440 |
テキストの表示具合
テキストに関しては、Surface Pro3もVAIO Zも大きな違いはありませんでした。Surface Pro3がタッチ対応になるくらいです。ただし、スワイプではページ送りができません。
横書きにも縦書きにも対応しています。横書きの場合は、1カラムか2カラム表示に切り替えることができます。
ウィンドウのサイズを調整できるので、電子書籍を参照にしながら作業を行えるのは助かりますね。
背景は、白、セピア、黒の3色から選べます。もちろん画面の明るさ、画面幅や文字サイズも変更できます。ただし、フォントの変更はできません。
テキストをドラッグすると辞書が表示されます。ダウンロード後はオフラインでも参照可能です。全文表示すると、辞書に飛ばされるのですが、辞書だけ使うことはできないんですかね。
ブックマーク、ハイライト、メモが左カラムに表示されます。PCなので、参照や変更が楽にできます。
ただし、コレクションに対応してないのが残念ですね。
漫画がきちんとフルスクリーンで表示されない
Surface Pro3においてKindle for PCで漫画をフルスクリーンで表示させると、画面端まで拡大されず、なぜか一回り小さめに表示されます。Kindle Cloud Readerを使ってブラウザで表示させた方が大きな画像で閲覧できます。
VAIO Zで試したところ、for PCでフルスクリーン表示するときちんと画面端まで拡大表示されます。Cloud Readerと比較すると、for PCの方が大きいようです。
Surface Pro3でシドニアの騎士1巻の見開きページを、Kindle for PC(上)とCloud(下)で表示したスクリーンショット。Cloudでは画面端まで表示されますが、for PCでは小さめに表示されます。
VAIO Zでシドニアの騎士1巻の見開きページを、Kindle for PC(上)とCloud(下)で表示したスクリーンショット。共に画面一杯まで表示される。for PCの方がやや大きい。
Surface Pro3のKindle for PCで漫画が大きく表示されない原因を特定するために、他の漫画も表示してみました。
孤独のグルメをSurface Pro3で表示すると、for PCでもCloud Readerでも画面端まで拡大されませんでした。また、孤独のグルメはVAIO Zにおいても、Cloud Readerでは画面端まで拡大されませんでした。一方、for PCではきちんと画面端まで拡大表示されました。
Surface Pro3で孤独のグルメをKindle for PC(上)とCloud(下)で表示したスクリーンショット。共に画面端まで拡大表示されません。Cloud Readerは左上によっています。
VAIO Zで孤独のグルメをKindle for PC(上)とCloud(下)で表示したスクリーンショット。for PCでは画面端まで拡大されますが、Cloud ReaderではSurface Pro3と同様に左上によって表示されます。
孤独のグルメの表示を比較すると、Surface Pro3、VAIO Z共に、Cloud Readerの方がfor PCよりも小さく表示されています。孤独のグルメは、Cloud Readerにおいて、フルスクリーンで表示できる解像度に上限があるのだと思われます。
Surface Pro3で最大まで拡大できないのは、表示できる解像度に上限があるのかもしれません。そこで、Surface Pro3の解像度を変えてフルスクリーン表示してみました。
Surface Pro3の解像度を2160 x 1440から1920 × 1080に変更してKindle for PCで漫画を表示してみました。すると、VAIO Zと同様に画面端まで拡大表示されました。とはいっても画面比と解像度の比が異なるため実際の画面の上下は切れてますが。1920 × 1200でも画面端までは拡大されませんでした。
つまり、Kindle for PCは解像度が縦1080ピクセル以上のスクリーンではフルスクリーン表示しても、画面端まで拡大できないと考えられます。
テキストならfor PC、漫画ならCloud Reader
現状では、Surface Pro3でKindleを利用する場合、テキストならKindle for PCを、漫画ならより大きく表示できるKindle Cloud Readerを使った方が良いでしょう。
Amazonが縦1080ピクセル以上の解像度でもきちんとフルスクリーン表示できるようにしてくれれば、for PCに一本化でき、Surface Pro3が名実共に最強のタブレットと名乗れるのでしょうが・・・。
ちなみに、Kindle Cloud Readerの使い勝手はIEが良く、オフラインで利用するならChrome
でも、書きましたがKindle Cloud Readerで漫画を読むなら、IEの方がスワイプ操作でのページ送りに対応しており使い勝手は良いです。ただし、IEは200MB程度しかキャッシュに保存できないため、たくさんの電子書籍をオフラインで読むのには向いていません。
オフラインで読むなら、アプリも用意され、キャッシュが無制限のChromeを利用した方が良いでしょう。