巨大数が熱い!

裏サンデーで連載されている 寿司 虚空編 が面白い。3話に渡って巨大数を扱っています。今後も巨大数を扱うのか、それとも別の話題になるのか分かりませんが続きが楽しみです。作者は ねぎ姉さん小林銅蟲。独特なシュールな雰囲気が、巨大数の意味不明なデカさと相まってカオスを作り出しています。カオス理論とかやってくれないかな。

大きな数には不思議な魅力があります。大きな数の単位である、恒河沙とか那由他には中二病的なかっこ良さがあります。でも、実生活では精々国家予算で「兆」の単位を聞く程度です。インフレーションを積極的に取り込んだゲームである Cookie Clicker では一秒あたりにクッキーを数十億程度生産でき、クッキーの総生産枚数が「垓」や「予」に届くのではないでしょうか。それでも、那由他を使う機会はなさそうです。これ以上の大きな数字を見かけるには、組み合わせを用いるか宇宙規模の数字を扱わなければなりません。以前に、
数量の比較を実際に調べてみた。 ことがあります。ジョーカーを除いたトランプの山のパターンは10の67乗オーダーで無量大数へと近づきます。それ以上となると 数の比較 - Wikipedia で示されるように全宇宙の陽子の数が10の79乗オーダーで存在すると予想されています。宇宙の粒子を取り扱っても10の100乗は超えないのは不思議な感じもします。

寿司 虚空編 ではもっともっと大きな数について取り扱っています。一話ではグラハム数を取り扱っています。グラハム数 - Wikipedia でも述べられていますが、グラハム数は数学の問題の解として得られた、つまり巨大さ以外で意味のある自然数としては最大の数とされます。二話からは、巨大さのみを追求して作られたふぃっしゅ数を扱っています。ふぃっしゅ数は2ちゃんねるの数学板の「巨大数探索スレッド」においてふぃっしゅっしゅ氏が定義した数です。 寿司 虚空編 を読むとなんとなくそのヤバさが分かます。グラハム数やふぃっしゅ数レベルになると、無量大数など超サイヤ人の戦いについていけないチャオズのようなものなのでしょう。ただ、読んで疑問に思ったのはこんな大きな数同士をどうやって比較するのだろうということ。後、なんで「3」を使うのか。疑問に思って、「ふぃっしゅ数」でググってみると 巨大数論 を見つけました。なんと、ふぃっしゅっしゅ氏本人の解説ではないですか。しかも、小林銅蟲さんとの関係も書かれています。さらに、寿司 虚空編 の連載で解説を改定して、ふぃっしゅ数バージョン7まで発表している!ふぃっしゅっしゅ氏召喚に関しては3話でネタにしてましたね。

ふぃっしゅっしゅ氏による解説である 巨大数論 を読めば大きな数同士をどのように比較するのかが分かります。また、寿司 虚空編 でも述べられていますがより大きな数を作るには膨張率が重要なのだなということが分かります。

大きな数を紙に書くとしたら、小学生なら9を書きまくって桁を増やしていくでしょう。中学生になれば、指数を使うでしょう。9をズラーッと並べるよりも指数を使ったほうが大きな数を表現できます。ふぃっしゅ数も基本的には考えは同じです。指数などよりも膨張率の大きな関数を用いれば、より大きな数を表現できます。しかし、ふぃっしゅ数ともなると大きすぎて果たして大きさ以外で意味のある数として扱われる日が来るのでしょうか?量子コンピュータが実現したら、暗号技術的に意味のある数字になるかも?

ふぃっしゅ数も自然数ですから無限には到達しません。さらに、濃度 (数学) - Wikipedia によると無限にも大小、正確には濃度の違いがあるそうで、なんだか人間のイメージを超えています。大将が言ってましたが、イメージをイメージで越えて行かないと捉えきれません。