クロスカントリーのルールでは、気温がマイナス20度あるいは25度を下回る場合、競技を中断、延期、あるいは中止しなければならない。これは、凍傷などの危険があるから。
日本の夏におけるスポーツ大会は熱中症の危険をはらんでいる。現在、日本体育協会が熱中症予防のための指針を発表しているが、真剣に熱中症対策に取り組むならば、熱中症の恐れがある場合において競技を中断しなければならない規定を明確にするべきである。
運動中での熱中症
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猛暑が続いている中、高校野球の地区予選が進んでいます。熊谷で最高気温38.3℃を記録した11日に、川越初雁球場の第三試合で選手が熱中症で倒れる事態に。
指導者は、昔は熱中症で倒れる選手などいなかった、今の選手がやわだからと考えている節がありますが、環境省による 熱中症環境保健マニュアル にある 熱中症はどれくらい起こっているのか を見ると、1990年以降に熱中症による死亡事故が急増していることがわかります。原因は 熱中症による死亡と気象条件 などで分析されていますが、地球温暖化とヒートアイランド現象によるものでしょう。
今後も猛暑が続き、スポーツ大会、特に野球での熱中症が懸念されます。環境省が 運動時の注意事項 をまとめています。また、日本体育協会は 熱中症予防のための運動指針 を示しており、WBGT(Wet-bulb Globe Temperature:湿球黒球温度)が31度以上(乾球温度=いわゆる気温なら35度以上)の場合は運動は原則として中止すべきととの「指針」となっています。11日の川越初雁球場の気温はわかりませんが、少なくとも厳重警戒、あるいは原則中止の可能があったでしょう。
環境省の他、厚生省も熱中症の注意喚起をしていますが、もっと積極的に熱中症を防ぐならば、大会の主催者、あるいは大会を取り仕切る連盟がルールとして大会を延期あるいは中止できる明確な基準を設けるべきではないでしょうか。死亡事故が起きてから対策するのでは遅いのです。
クロスカントリーの例
夏ではなく冬のスポーツになりますが、クロスカントリーは気温が低すぎる場合には、ジュリーが競技の延期、中断、中止を決定しなければならいことになっています。理由は、凍傷などの危険があるから。また、FILE-026 時々、猿も木から落ちるのだ! によるとスキーの滑りも悪くなるようです。
以下に国際スキー連盟のルールブックを引用します。
- 303.2 ジュリーの任務
- 303.2.2 ジュリーは、次の点を明確にし、決定しなければならない:
- 競技の延期、中断及び中止。コース中の最低気温が−20℃以下を記録した場合、ジュリーは競技を延期又は中止する。競技を妨げる気象条件下(例:強風、高湿、豪雪、高温)では、参加国のチームリーダーや競技に責任を負う医師と相談の上、競技の延期又は中止を決定する。
- 国際パラリンピック委員会 | IPC ノルディックスキー | バイアスロン&クロスカントリースキー規則
- 387 Cold Weather Precautions
- 387.1 Background
- 387.1.1 There are three main factors to be considered by the Jury regarding cold weather safety: the temperature; the duration of the exposure; and, the clothing and other protection against cold weather. These factors together with any other relevant information such as the "wind chill factor" must be taken into consideration when a decision is made regarding cold weather.
- 387.2 Between minus 15 ° and minus 25 °C
- 387.2.1 If the temperature level is forecast to be between minus 15 °C and minus 25 °C at any point on the course, recommendations regarding cold weather protection should be made available to the participants. Under such conditions it is the responsibility of the participants to seek the information and to follow the recommendations given by the organiser.
- 387.3 Minus 25 °C and below
- 387.3.1 If the temperature in a major portion of the course is minus 25 °C or below, the competition shall be delayed or cancelled.