コピペは引用ではない

古より伝わるコピペレポート

学生レポートのコピペが問題となっている。インターネットにより、昔に比べ簡単にレポートをコピペで仕上げることができるようになった。“コピペ論文”を判別 「コピペルナー」 などもリリースされている。

なぜ学生はレポートをコピペですますのか。コピー&ペーストは本当に悪いのか? 学生の「コピペレポート」に憤慨する大学教員に異議あり! では教員がレポートをきちんと読まないから、学生がレポートを安易にコピペするのだと指摘している。確かに一理あるだろう。コピペのレポートでも単位がもらえるなら、コピペで済ます学生は多いだろう。レポートのコピペ問題に関しては、インターネット登場以前からの問題である。先輩のレポートが継承されていくのはどこの大学にもあるだろう。ワープロの登場でコピペが楽になり、インターネットにより先輩に頼らなくても良くなっただけであり、コピペレポートの本質は昔から変わっていない。


レポートをコピペで仕上げるのはなぜ悪いのか。それは自分の頭で考えていないからだ。ただし、本当に理解しているのならばコピペだけでもきちんとしたレポートが書けるはずだ。H-Yamaguchi.net: コピペの「作法」 ではコピペのみで構成されたレポートを課題について述べられている。コピペ元は明記するなどの採点基準を明確にし学生にレポートを書かせると、レベルの違いが明確になったそうだ。コピペであっても、理解度やコピペ元を探してくる能力が異なってくるからだろう。コピー&ペーストは本当に悪いのか? 学生の「コピペレポート」に憤慨する大学教員に異議あり! におけるハーバードの学生のレポートも上記と同じように、課題に対する理解度や著作の調べ方、分類などが優れているのだろう。

コピペ≠引用

コピー&ペーストは本当に悪いのか? 学生の「コピペレポート」に憤慨する大学教員に異議あり! の後半における 学界こそ巨大なコピペ社会 の認識が随分と酷い。

学術論文はコピペから成り立っているわけではない。学術論文が引用や参照から成り立っているのは事実だ。研究を位置づけるために、引用や参考文献は不可欠である。また、研究結果を裏付けるためにも必要となってくる。しかし、引用や参照はコピペではない。学生レポートと問題視されているコピペと引用は別物である。コピペの多くは引用元が明記されず、引用であることも明示されてない。これは剽窃である。

学生レポートや学術論文における plagiarism(剽窃)は日本以外でも問題視されている。例えば「plagiarism student」などで検索してみると良い。Why Students Plagiarize では学生がなぜ剽窃を行うのかについて論じられている。
What Constitutes Plagiarism? § Harvard Guide to Using SourcesPLAGIARISM などでは何が剽窃に当たるかが具体的にまとめられている。コピペはもちろんのこと、文章の入れ替え、言葉の言い換えなども剽窃に当たる。これらの報告を読むと、学生に引用と剽窃の違いを認識させることが如何に難しいのかが伺える。

ソースロンダリング ダメ絶対

引用元を明記しないのは剽窃である。昨今、引用元を明記しないブログやツイートなどが多い。それらが2ちゃんねるに転載され、ソース元がどんどんあやふやになっている。そして、そのあやふやな情報を元に煽る。まさにマネーロンダリングならぬソースロンダリングだ。ソースロンダリングを横行させないためにも、ソース元の明記とソース元を当たることを徹底して頂きたい。

本日もなぜ未だに『虚構新聞』の記事にマジレスする人がいるのか・・・「橋下市長、市内の小中学生にツイッターを義務化」記事に騙される人たち : はちま起稿 のように虚構新聞が問題視されていた。マジレスしている=信じているとは限らないのだけども、虚構新聞である旨を確認してない人は注意して頂きたい。また「虚構新聞に釣られたm9(^Д^)プギャー」と釣られた人をバカにするのは何も有意義なことはない。「ネタを笑って人を笑うな」。