アフタヌーン

あらすじはまとめ切れそうに無いのでテイストだけ書くと、売れないつまり面白くない芸人の主人公笑太が成り行きで、もう一人の主人公岸辺と出会い、ぶつけ本番でM1グランプリならぬ、○Mグランプリにでアドリブ漫才を行い、大爆笑を誘うと言う漫画。要するに、笑太のツッコミの才能が花開くと言う漫画。ちなみに、現在連載中。


この漫画の主人公の一人岸部君流に言うと、題名なんて後からついてくるものですが(?)題名の意味を紐解いてみよう

lingua franca
(複lingua fran・cas, lin・guae fran・cae /lgwi frnki/ )
リングアフランカ.

  1. (商用などに用いる)国際共通語,混成語.
  2. イタリア語を土台とし地中海沿岸の諸言語を混ぜた混成語.
  3. (言語以外の)共通の意思伝達手段.

ボケの作った台本にアドリブで的確にツッコミを行っていく漫画であるから、恐らく、1か3の意味かな?


漫才漫画と言えば、僕は椎名百貨店の短編(題名は失念)や、マガジンで2003年に連載してたシチサンメガネ(多分打ち切り)を思い出します。


シチサンメガネは、天然ボケに対してツッコミを行うと言う漫画。リンガフランカと似ているが、テイストは逆で、シチサンメガネな主人公がツッコミ役により面白くなっていくという話。つまり、ボケが主人公でツッコミがそれを引っ張っていく話であるが、ツッコミがただのドツキで、ボケが一生懸命過ぎて読んでるこちらとしては引く。そもそも養成所から始める漫才漫画とはいかがなものか?また、今時ドツキオンリーの漫才もしょうがないだろ。


同じくドツキ漫才である椎名百貨店の短編の方がテイストはリンガフランカと似ている。芸人の父を持つ一見普通の女子高生。しかし、その遺伝子にはしっかりと笑いの血が受け告がれており、類い稀なるツッコミの才能を持ちながら、大学に行き結婚をして・・・と言う普通の生活を望むツッコミ役の主人公。
そんな夢とは裏腹に、リンガフランカ同じくボケ役が彼女の才能を見抜き、かつコンビとしての自分の半身であると確信し、無理やりしかもいきなり本番で漫才の舞台に立たせる。
初めての舞台であるが、ボケに対してアドリブで的確にツッコミ会場を爆笑の渦に巻き込み、人を笑わせることの快感を得た主人公は笑いの道へ進む、という短編。
リンガフランカと同じく、漫才の一コマも存在するが、日常でのやり取りが漫才風でテンポが良く面白い。
椎名高志であるので、短編のストーリーもしっかりしている。


漫才漫画としては、椎名百貨店やリンガフランカの様にボケに振り回されるツッコミというテイストが面白いのではないかと思う。
また、なぜ面白いのかを分解・解説する必要は無い。何故なら、それをした時点で面白い話は面白くなくなるから。岸辺曰く「面白いことやって、と言う時点でそれは面白いことじゃなくなる」と似てるかな?


リンガフランカは悪く言えば読みづらい漫画、良く言えば読めば読むほど味の出る漫画である。しかし、シーンの一つ一つはテンポが良くしっかりと漫才風になっていて面白い。
落語家の父の自殺、弟との関係や○Mグランプリと今後色々気になる展開があり、期待大。