「○○警察警察」が「自粛警察」について語ります

Twitterなどを見ていると「ネットスラングである自粛警察がテレビなどのメディアで当たり前に使われている」なる言説を見かけるのですが、ものすごくもにょります。
「○○警察」という、○○に詳しいことを意味するネットスラングがあります。「自粛警察」もネット発祥なのでしょうが、意味合いそのものは相互監視や私刑を想起させるため、「秘密警察」や「私設警察」に近い言葉だと考えます。「自粛警察」はネットスラングである「○○警察」が下地にあるでしょうが、「自粛警察」は自粛に詳しい人を意味しません。

ネットスラングの「○○警察」は、恐らく「東方警察」から誕生した言葉です。「東方警察」は「秘密警察」や「私設警察」に近いニュアンスがありました。つまり「自粛警察」は、本来の意味に戻ってきたとも言えます。「○○警察」は「弓道警察」から派生したスラングで、○○に詳しい人による野暮なツッコミという、ややネガティブな意味を含有しています。徐々にそのネガティブな要素が減少し、○○に詳しい人、詳しいことへと変遷していきました。

というわけで、弓道警察の意味合いに近い「○○警察警察」の私が、つまり細かいことにめんどくせぇ奴が「○○警察」の変遷について語ります。

東方警察 2013年

東方警察に関しては 東方警察とは (トウホウケイサツとは) [単語記事] - ニコニコ大百科 に詳しいです(*2番目以降を読むこと)。

2013年に行われたとある東方オンリーイベントにおいて、とあるサークルが新刊として艦これの同人誌を出したのが物議を醸し、そこから東方と艦これの対立がネット上で煽られました。「東方警察」はその最中に生み出された言葉です。「東方警察」はスパイやぬけ忍の監視、あるいはそこから派生した相互監視のニュアンスがあるため「秘密警察」や「政治警察」などに着想を得た言葉でしょう。
東方警察」は早々にネタ化され、pixiv では東方のキャラクターに警察の格好をさせたタグとして使われたり、Twitter でも大喜利が展開されたりしました。

弓道警察 2014年

弓道警察の誕生は、2014年にアニメ版艦これのキービジュアルが発表された際に、弓の構え方について弓道経験者が強い反発を覚えたことに端を発します。
警察の言葉が選ばれたのは、可否を判断し断罪を下すことに起因するのでしょうが、恐らく先の「東方警察」も無関係ではないでしょう。

弓道警察」から「○○警察」が派生し、○○に詳しい人からの野暮なツッコミ、あるいは設定などの矛盾点を付き作品そのものを貶める行為を指す言葉として、Twitterを中心に広がっていきます。

弓道警察」以前から、弓道経験者が弓の構え方に強く言及することはありました。また、弓道に限らず、作品における詳しい人から見るとおかしな描写や、設定の矛盾点を指摘する行為はありました。フィクションにおけるハッカーの描写はよくネタにされます。設定の矛盾点を指摘しこき下ろす芸風はSFでよくみられます。
野暮なツッコミや、作品への非難は昔からありましたが、それを的確に表す言葉がなかったのが「○○警察」が広まった理由の一つでしょう。

ヒアリ警察とフォント警察 2017年

「○○警察」は、○○に詳しい人を野暮であるとするネガティブな意味合いが含まれています。それが、徐々に○○に詳しい人、詳しいことへと変化していき、ネガティブな要素がウォッシュアウトされていきました。
「○○警察」が野暮であることが認知され、あるいは○○警察自体が炎上リスクであることなどから、指摘方法自体が変わっていった側面はあるでしょう。

ヒアリ警察」のように「○○警察」自体が、イメージアップにつながった事例があります。2017年に日本で外来種であるヒアリが問題となりました。強い毒性と繁殖力をもつため、港や空港などでの水際での対策が連日報じられました。そのような最中に写真からヒアリかどうかを判別してくれる「ヒアリ警察」なるTwitterアカウントが登場します。アリに対する専門知識もさることながら、大喜利にも反応してくれるため話題となりました。

同年には、写真やキャプチャー画像などから、そこに使われている文字を判別し近いフォントを見つけてくれる「Adobe Capture CC」が「フォント警察」と評されています。「フォント警察」は人を指しませんし、ネガティブな意味合いもありません。写真からフォントを判別するあたり「ヒアリ警察」との共通点が見て取れます。

自粛警察 2020年

COVID-19 の感染拡大に伴い、政府から外出自粛の要請がなされました。自粛と自ら進んで言動を慎むことなので、他者がそれを要請した際に、それは自粛なのか?という疑問がありますが、忖度の国らしいと思います。

「自粛の要請」がなされる中で、自粛していない人を私的に責め立てたり、制裁を行ったりする行為が見られるようになりました。ネット上では早くからこのような行為を「自粛警察」と表現していました。
恐らく「○○警察」の下地があったからでしょうが、ここには既に○○に詳しい人という意味合いはありません。むしろ「東方警察」の方がニュアンスは近く、つまり「秘密警察」や「私設警察」に近い言葉として機能しています。そのような背景もあって、世間一般にも伝わりやすいことからテレビや新聞などでも「自粛警察」が使われているのでしょう。
ネットスラングではあるのですが、世間的に使われるのに違和感のない程度の言葉だと、私は思います。

昔のゲームは想像力をかき立てたか

「昔のゲームの方が想像力を刺激されて良かった」は本当か|てっけん|note
俺たちは、ゲームを遊ぶ時に何を「想像」していたのか: 不倒城

「昔のゲームの方が想像力をかき立てられた」って言説は「グラフィックの向上が面白さに寄与していない」の言い換えだと考えています。

昔のゲームは記号で構成されていました。ドラゴンクエストドラクエ)はシンボルで描かれていました。勇者のシンボルを動かし、それが町のシンボルに重なれば町に入り、洞窟ならその中へ。町人のシンボルの前で立って「はなす」を選択すれば話を聞けて、宝箱の前に立ってコマンドを選択すれば宝箱の中身が手に入る。
ドラクエ以前であれば、グラフィックではなく「*」や「◆」などの記号が使われていたゲームもありました。つまり、記号によるお約束がゲームでした。シンボルで成立するのは、RPGの成り立ちや、将棋や囲碁などを挙げるまでもなくゲームが見立てだからでしょう。

シンプルな記号故に想像の余地があったのは確かで、プレイヤーはドラクエの勇者や仲間達の性格、町並みやダンジョンの様相などを各自で想像していたでしょう。それをして「昔のゲームの方が想像力を刺激されて良かった」となるのでしょう。プレイヤー同士で語り合ったら、それぞれ異なるイメージがあるでしょう。そのような下地があるからこそドラゴンクエスト4コママンガ劇場もウケたのではないでしょうか。

しかし、ドラゴンクエストで決定的に姿がぶれないものがあります。それはモンスターです。鳥山明のキャラクターデザインが優れているのもありますが、モンスターだけは想像の余地が少ないグラフィックで描かれ続けました。これはドラクエに限らずRPGではモンスターを倒すことが、プレイヤーの共通目的だからでしょう。ビホルダーと言われて、色々と思い出される人も多いのではないでしょうか。
ドラゴンクエストはシリーズが進むにつれグラフィックが向上し、ドラクエ8からは3Dへとなっていきますが*1、モンスターだけは鳥山明のデザインがそのまま再現されています。ドラクエをはじめとするRPGのモンスターに目を向けると「昔のゲームの方が想像力を刺激されて良かった」は疑問符が付きます。

見立てからリアルへ

冒頭にも述べたように、多くの場合「昔のゲームの方が想像力をかき立てられた」は「昔のゲームの方が好みだった」とか「グラフィックの向上が面白さに寄与していない」など、不満点の言い換えだろうと思います。

ゲームが見立てであるならば、必ずしも美麗なグラフィックは必要はありません。綺麗なグラフィックはゲームのルールやシステムの面白さに必ずしも寄与しません。むしろ、そのようなグラフィックを用意するには時間も人員も資金も必要です。そこに労力を費やすなら、ゲームの中身に心血を注いでくれという反発があるのも理解できます。

グラフィックが発展していく中で旧来のお約束が成り立たなくなったり、違和感を覚えたりするケースがあります。
記号的なシンボルで描かれなくなると、あらゆるものを絵として表示しなければなりません。グラフィックが中途半端だと、ダンジョン出入り口が分からなかったり、イベントが発生する場所に気づかなかったりします。聖剣伝説3 TRIALS of MANA が楽しくて6周した - 最終防衛ライン3 でも少し述べましたが、SFC版の聖剣伝説3を改めてプレイし直すと、そのような場面によく遭遇しました。聖剣伝説3は当時としては綺麗なグラフィックではありますが、表現したいことがSFCの性能に追いついていないように感じました。

また、これまでのお約束を踏襲したら違和感が発生するケースもあります。例えば、FINAL FANTASY 8 (FF8)は等身がリアルなのに、従来のRPGに倣って先頭キャラクターの後ろに仲間がぞろぞろとついて行きます。FFシリーズは先頭キャラクターのみを表示するのが常だったのに、なぜかドラクエのように先頭キャラクターの後を金魚の糞のように仲間がついて行く表現にしたのが、ちょっと謎です。
あるいは、FF7くらいから戦闘時に敵と味方が対峙するのも違和感のある表現です。攻撃時に敵に近づき、律儀に元の位置に戻るのもおかしなものです。

グラフィック向上によるストレス

グラフィックが向上すると、アイテムなども記号的なシンボルから、リアル寄りになっていきます。これも、グラフィックが中途半端だとアイテムだと視認できないこともあり、現在でもアイテムボックスで代用されるケースがあります。ゲームにもよりますが、アイテムを現地調達し、それを瞬時に把握する必要があるならば、視認しやすいグラフィックが望ましいでしょう。しかしながら、これもデザイン次第では、ゲームにマッチしないことも。

背景やフィールドが作り込まれてくると、見えているのに行けない場所や通れない場所へのストレスが溜まりやすいです。FF13 はレールプレイングゲームで RPG と評されていました。FF13が一本道になってしまったのは、これまでのようにフィールドを作り込めなかった故に一本道になったのでしょう。マップ構成としては、見えているのに行けない場所はあまりないので工夫が見られます。それ故に狭苦しく見えます。まぁ、そもそも物語が狭苦しいのですけど。

想像は無限大

「昔のゲームの方が想像力をかき立てられた」は現代のゲームに対する言語化できない不満があることの表明が含まれているように思います。その大きな要因が、グラフィックの綺麗さが必ずしもゲームの面白さにつながらないことだったり、あるいはゲームの見立てやお約束への違和感であったり、単に not for me であったりするだけでしょう。

今も昔も、ゲームでは様々な想像力を駆使します。もちろん、想像力を使う場所は違ってきているでしょう。小説とマンガやアニメの比較すると、小説の方が主人公の姿などに想像の余地がありますが、それ故にイメージがぶれやすく個々人で異なる可能性が高いです。一方で、マンガやアニメならばそのイメージがぶれません。ただし、それを実写化するとなると、誰に演じて欲しいかは想像の余地があります。

グラフィックがしっかりしていれば、他のプレイヤーと共通の認識を持ちつつ、別の方向に想像を膨らませる余剰が生まれやすいです。スカイリムなどは、私はその世界を体験するためにプレイしています。戦闘システムは、当時としても洗練されたものではありませんが、私はスカイリムの世界を体験するためにプレイしているので、戦闘システム自体はどうでもいいと思っています。むしろ、世界がそれらしくあればあるほど楽しいので、グラフィックが向上すればするほど楽しいと感じるでしょう。スカイリムでは、冒険者の物と思われる野営跡があったり、道半ばとなった人との装備が落ちていたりと想像をかき立てられる風景を目にします。これらの想像は、綺麗なグラフィックだからこそなせることでしょう。グラフィックが綺麗であれば、ゲームの中に住む人々の生活様式が見えてきます。着るものや食べるの、建築様式などから、色々と想像ができます。

おまけ:カンバーランド併合

なんで帝国ってわるもんばっかりなの?はてなブックマークのコメントで、主人公側の事例としてロマンシング サガ2のバレンヌ帝国を挙げました。その際に、バレンヌ帝国が各国を併合していくのは、七英雄という共通敵がいるから正当化されているけど、カンバーランドの併合は強引ではと指摘しました。ただ、よくよく考えるとカンバーランドの方が皇帝を呼んで王位継承の相談をしていますし、建築様式もアバロンと良く似ています。そう考えると、バレンヌ帝国の全盛期にはカンバーランドはその属国だったのでしょう。七英雄に立ち向かう国力の無いカンバーランドが帝国に併合されるも自然の流れかなと。

*1:正確には7から

聖剣伝説3 TRIALS of MANA が楽しくて6周した

聖剣伝説3 TRIALS of MANA がすげぇ楽しくて、6周して全主人公を制覇しました。
SFC版の頃からして、主人公によってラスボスが3パターンに分かれていますし、後戻りできないクラスチェンジなども相まって周回するのを意識した作りだったように思います。ただ、毎回レベル1からなのは結構しんどいです。リメイク版では「つよくてニューゲーム」のお陰で、お気楽に3周できちゃいます。トロフィーや実績が追加されているので、全実績を解除するには最低でも3周する必要がありますが、それでも大体50時間くらいあれば事足りるでしょう。

ストーリーやセリフ回しなどは当時のままに、ボイスの追加に伴い、道中でのキャラクター同士の掛け合いが追加されているので、パーティーの組み合わせを考える楽しみが増えています。女性三人で魔法王国アルテナに行くと楽しいですよ。
それにしても、声で聞くと ケヴィンの しゃべりかた ちょっと きつい。なんで、ほかの獣人は ふつうに話してる。どうして、ケヴィン かたこと。
逆にシャルトットは再現度がすごいでち。さすが せいとうぇんでるの びしょうじょでち!

各キャラクターを主人公にして思ったのは、リースが一番主人公っぽいなと。もちろん、聖剣伝説の正統派主人公は剣士であるデュランで、リメイク版にも特別なイベントがあります。ただ、リースは序盤のローラント城奪還や、フラミーの名付けなど、ストーリーに直接関わることが多いです。また、エンディングまで、そしてその後の目的も他のキャラクターと比べると一貫しており明確でもあります。

聖剣伝説3といえば、菊田裕樹さんの音楽ですが、リメイク版ではSFC版の雰囲気を保ちつつ、いい感じにアレンジされています。オプションでオリジナル音源でもプレイできるようになっていますが、当時の音源のままで遜色なくプレイできるのが末恐ろしいです。

3つのプラットフォームがありますが、Steam版を購入しました。Nintendo Switchだと手持ちで気軽に遊べるのですが、リングフィットと平行しているのと、Steam版の推奨環境を見たら、そこそこスペックが必要だったので、それなら美麗グラフィックで遊んだ方が楽しいのではと思い、Steam版にしました。MODも導入できるしな!(結局、導入してない)
Steam版だとスペックが許すなら4K 120FPSも可能のようですが、私の環境では快適に遊ぶには 2K 60FPSが限度でした。

ブラシュアップされた戦闘

戦闘システムは、SFC版の手触りをもとにブラシュアップされています。できることが増え、SFC版の頃にあった理不尽さがかなり軽減されています。ただし、ぬるくなったと感じる人もいるでしょう。リメイク版は難易度選択ができハードモードもありますが、そこまで難しいとは感じません。

リメイク版では、弱攻撃、強攻撃、回避にジャンプとSFC版よりもできることが大幅に増えています。間合いを取って敵を攻撃し、必殺技ゲージを貯めてそれを撃っていくスタイルはそのままに、敵の必殺技や魔法を回避できるようになりました。敵の得意技は、その範囲や軌道が予め赤く表示され、タイミング良く回避すればダメージを受けません。黄金の街道のダーツやルガーの必殺技だって回避できます。SFC版では操作を受け付けず、なすすべもなく、ただ見守るしかなかったなかった敵の攻撃群も、回避のための予備動作にとって代わり理不尽さが減っています。ただし、ジャンプにより空中が加わったことで、飛んでいる敵の対処が厄介になっていますが……。
敵の得意技の発動を阻止することもできます。SFC版でも敵を怯ませるなどして可能ではありましたが、積極的に狙うのは困難でした。リメイク版では強攻撃を織り交ぜ積極的に怯みを誘発し技の発動を阻止できるので、戦闘面での爽快感が増しています。

SFC版で不遇だった魔法はショートカットにより使い勝手が向上しました。魔法によって追尾だったり、範囲攻撃だったり、あるいは特定の軌道をもっていたりと、使って楽しくなっていますCPUも適度に魔法を使って攻撃、回復、サポートをしてくれるので雑魚処理が捗ります。ただ、物理攻撃はもっとして欲しいですけど。
また、SFC版では魔法や必殺技をかますとカウンターをしてくる敵やボスが多かったので、結局それらを使わないプレイになりがちでしたが、リメイク版では予備動作から回避できるようになったので、バンバン使えます。これに加え、リメイク版で新たに追加されたアビリティとクラス4へのクラスチェンジで、SFC版では不遇だったアンジェラが最強キャラになりました。

地味な変更として、必殺技ゲージを次の戦闘に持ち越せます。また、必殺技の打ち分けも戦闘中に可能です。レベル3つ分の必殺技ゲージがある場合に、全部をレベル3に使い切ってもいいですし、レベル1を放って、レベル2の分だけ残すこともできます。
必殺技を含めた雑魚対処
としてはリースが優秀です。槍のリーチが長く、強攻撃時の範囲攻撃も広い上に、突進力があります。怯ませやすいので、敵の攻撃をキャンセルさせやすい。また、レベル1の必殺技が空中を含めた敵を巻き込みやすく、多段ヒットするので、使い勝手がいいです。闇ルートだとレベル2の必殺技も範囲攻撃なので、連発してれば雑魚を一掃できます。

集めると楽しいアビリティ

SFC版は、レベルが上がるとステータスを選んでアップさせるシステムで、ステータスが特定の値に達したら得意技が使えるようになる仕組みでした。レベルアップしても、一つずつしか覚えないので、クラスチェンジしてステータスが十分でもレベルアップする必要がありました。
リメイク版はそのシステムを踏襲しつつ、スキルポイント制に切り替わりました。スキルポイントを各種ステータスに振り分けると、一定値ごとにステータスアップや、得意技やアビリティを取得できます。予めスキルポイントを振っておけば精霊を手に入れた瞬間から、その精霊に対応する魔法を使えます。
新しく追加されたアビリティは、取得したキャラクターしか使えないものと、パーティー全員で共有できるものがあります。また、特定のイベントをクリアして貰えるアビリティもあり、それらは「つよくてニューゲーム」で引き継げます。戦闘毎にレベル2の必殺技ゲージが溜まっているアビリティや、経験値が3倍になるアビリティなどがあるので、周回がますます捗ります。

魔法の強化とアビリティの追加で、アンジェラがバカみたいに強化されています。どれくらい強いかと言えば、リメイク版で追加された裏ボスも、SFC版にも登場するブラックラビも闇闇ルートのクラス4アンジェラがいればそれで事足ります。自身や仲間のHPを削りながら戦う必要があり、ピーキーではありますが、その威力は絶大です。

広くなったフィールド

戦闘は従来通りのシンボルエンカウント形式ですが、フィールドがエリア毎ではなく、一つの地域やダンジョンで一つのマップになり、大きく広がっています。敵に接近すると戦闘エリアが設定され、その中で戦うことになります。SFC版の一区画に近く、そのエリアから出ようとすると逃走できます。

さらに、マップとミニマップが追加されました。目的地も表示されるので、ジャドの町の出口が分からなくて困るなんてこともなくなりました!SFC版って、全体的に出入り口のグラフィックが分かりづらいんですよね……。
フィールドマップは原作を踏襲しつつ、それを3Dに興した感じになっていて地味ですが作り込みに本気さが窺い知れます。リメイク版の後にSFC版でも遊んだのですが、リメイク版のマップ構造に助けられることが何度もありました。それくらい、再現度が高いです。
ただ、3Dになったことで弊害もあります。特にマナの聖域でラスボスの配下達が入り口で律儀に待っているのが見えるのはおかしみがあります。

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律儀にリース達を待つ美獣と邪眼の伯爵

黄金の女神像が増えています。ボス前の道中には必ず配置されています。SFC版では、マップによっては黄金の女神像のあるエリアを通らずにボス戦に突入する、なんてこともありました。

UIなども大幅に変更され、使い勝手がよくなりました。そもそもSFC版のステータス画面が独特すぎです。装備変更やアイテムの下取りがSFC版に比べると格段にスムーズです。回復アイテムも倉庫から勝手に補充してくれるので助かります。ただ、そもそもアイテムが多いので倉庫からリングコマンドへの入れ替え面倒です。アイテムはカテゴリ毎に分けられてるとはいえ、数が多いので見つけるのが大変です。また、新たに追加されたアビリティも数が多いので、目的のアビリティが見つからないことがしばしあります。
リングコマンドも改善されていますが、これは廃止してもよかったんじゃないかなぁという気もします。十字キーの上下でアイテムと得意技を切り替えますが、結局最後まで上下のどちらが対応しているのが覚えられませんでした。

とてもよいリメイクでした

聖剣伝説2 SECRET of MANA の評価がイマイチだったので、本作は発売日には手がだせまんでした。しかし、TwitterにてSFC版の手触りがありつつ、それがブラシュアップされてるとの感想が多数見られ、自粛要請中のゴールデンウィークに特にやることもなかったので購入したのですが大正解でした。
手触りも良く、SFC版を踏襲しつつ遊びやすくなっていますし、周回もお気楽にプレイできるので、SFC版をやっていても、やっていなくてもお勧めのゲームです。

期せずして在宅環境が整っていた

新型コロナこと COVID-19禍の中、皆様いかがお過ごしでしょうか。私はテレワーク中ですが、それ以前から書き物中心の仕事が溜まっており、それらをやっつけていたので、やることはあんまり変わっていません。

22日に政府の専門家会議から「人との接触を8割減らす、10のポイント」が示されましたが、引きこもり気味なのでもとからやっていることが多いなと。食料品以外は以前から通販が基本です。テレワークや部屋の中での運動なども推奨されていますが、1月頃から引きこもりつつ、なぜか健康になっています。

モバイルディスプレイ

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ノートPCのサブディスプレイは欲しいけども、大きなディスプレイを置くスペースを確保するのが面倒なのと、ノートPCと共にディスプレイも移動させたいなと思ってモバイルディスプレイを購入していました。
テレビを見ながら大きめの画面で Nintendo Switch を遊んだりしてましたが、在宅ワークでも重宝してます。タッチパネルに対応してるので、タブレットみたいに手で操作できますし、縦置きにしてるので縦長の資料が読みやすい。
モバイルディスプレイにスタンドはついていますが、縦置きには対応していないのでダイソー書見台を使っています。調節できる角度も広く、用途通りに本を置いたり、あるいはタブレット端末を立てかけたりと便利な一品です。

ゲルクッションと人をダメにするソファ

腰がやばいのでゲルクッションは在宅ワークを始めてから購入しました。
椅子を置ける部屋作りでないため、畳に座って仕事をする羽目になりました。以前から腰痛が酷いので、床に座ると腰が死にます。そこで、座っても卵が潰れないとの触れ込みのゲルクッションを購入してみたのですが、これがなかなかよい。長時間座っていても、お尻もお腰も痛くなりません。椅子生活でもおすすめできそうです。

背もたれっぽく「人をダメにするソファ」こと無印良品の「体にフィットするソファ」を使っています。背伸びをしたり、寝っ転がりながらメールチェックなどができるので仕事場よりも快適かも。簡単な仕事なら、これに座りながら Surface GO で片付けられるのでお気楽。

リングフィット アドベンチャー

ここ数年の健康診断で内臓脂肪がやばく肝臓がフォアグラになってますよと忠告されるので、ジムに通おうと思い続けて幾星霜。足が遠のく以前に、通うのが面倒くさいと思っていたら、リングフィット アドベンチャーが発売されました。これなら家で運動できるじゃん!と、日々 Amazon などをチェックしていたら、運良く1月くらいに購入できました。
週に五日ほどのプレイで、ゲーム内では70日目になろうかという頃です。リングフィットと合わせて、早歩き徒歩通勤を始めたり、Oculus Quest で遊んだりとしてますが、そのお陰か体重も減り、体脂肪が20%に迫ろうかという値から、17%くらいまで下がってきました。最近を軽く走っても疲れを感じないので、効果を実感できます。また、リングフィットは体幹レーニングが主ですが、そのせいか Oculus Quest 中でもふらつくことが減りました。
リングフィットをやるに当たり、分厚いヨガマットを探したのですが、スポーツ用品店に全く売って折らず、諦めていた所にイオンに行ったら 10 mm 厚のマットが格安で売られていました。流石、ガチでゆりかごから墓場までのイオン。ちなみに、在宅ではこのマットの上にゲルクッションを敷いて仕事してます。

Oculus Quest

Oculus Quest のお陰で運動もできますし、家にいながらGoogleストリートビューで旅行気分を味わったり、あるいは Skyrim の世界に旅立ったり、あるいは大画面で映画を見たりと、ステイホームを楽しんでいます。

スタンドアローンで利用できので、装着したままの利用が捗ります。最近 Oculus Quest 本体をタップすると現実空間を投影するパススルーを表示できるようになったので、快適性が増しました。さらに、ホーム画面をパススルーに設定できるようになったので、部屋の中にブラウザ画面を映し出す、つまり電脳コイルっぽいことができるようになりました。Oculus Quest を取り外さなくても、部屋の中を気楽に歩き回れるようになって、VRに篭もることが増えました。

ゲームも、運動型や環境型があるので、体を動かしたり、あるいは見たことの無い世界を見たりと楽しいです。Skyrim はつくづく、VR向きのコンテンツだなと思います。景色見るのも楽しいですが、弓を実際に射るように扱えるので臨場感があります。

映画は映画館にいるような体験ができます。4月30日まで、ヱヴァンゲリヲン新劇場版が無料公開してます。Blu-ray は持ってはいるのですが、Oculus Quest ならYouTube を大画面で鑑賞できるので、めちゃくちゃ楽しんでいます。ここでも「体にフィットするソファ」が大活躍です。

アフターコロナ

オリンピックが延期したり、原油先物価格がマイナスに突入したりと、世界の教科書に載るであろうレベルの出来事が起こっています。アフターCOVID-19が議論されていますが、様変わりしそうではあります。
身近な所で言えば、テレワークで割と回っている、あるいはテレワークが快適な人にしてみれば、毎日満員電車に揺られて通勤できるようになるのかね?とか。
各種イベントが延期になる中、VR関連はVRイベントで行われる頻度が増えました。COVID-19がどうなるかは分かりませんが、VR機器はスマホ以上の速度で普及する目もあるんじゃないかなと感じています。

GREEN FUNDING でクラファンしている「KIWI Big HD Tab」が産廃を超えた害悪な件:追記・返金対応あるみたい

クラウドファンディングで出資する機会が増えました。カバンやちょっとしたガジェットに出資することが多いです。面白い製品が多いので、メルマガに登録しているのですが、時々怪しい製品に出会うことがあります。また、出資したのに届かないなどのトラブルもあるので、見極めが必要です。

既存のクラウドファンディングからのパクリは以前から問題視されていましたが、最近見かけた酷い製品は「KIWI Big HD Tab」です。

greenfunding.jp

24インチの大画面に興味を惹かれたのですが、よくよく見るとスペックがひどい。軽量といいながら 4 kg を超えています。それに目をつむっても、CPUにメモリにOSもひどい。
CPUは、2013年初頭に発表された「NVIDIA Tegra 4」で、OSは2015年3月に発表され2018年3月にサポートが終了した「Android 5.1」です。2014年の iPhone 6 あたりと同世代です。こちらは 2019年に発表された iOS13 のサポート対象外です。
CPUが貧弱なので、最新のアプリを動作できるか心許ないです。そもそもOSが古すぎるのでセキュリティが心配です。産廃でもゴミでもなく、むしろ古いOSを搭載した端末を売り出すとか害悪でしかないでしょう。しかも、それを85,000円で売りつけるつもりです。なんと、クラウドファンディング出資すると半額の42,500円できますが、それならお安くなった iPad なり、最近流行のモバイルディスプレイを購入した方が幸せになれるでしょう。

あまりにも古い端末で、出自が気になります。出資受付中の24インチAndroidタブレット「KIWI Big HD Tab」の出自を探る | 24Wireless によると、2014年に発売された「Nabi Big Tab HD 24」に相当する製品のようです。ほぼ同じスペックの製品が、アリババで150ドル付近で発売されています。

https://www.alibaba.com/product-detail/big-size-tablet-24-inch-quad_60539905700.htmlwww.alibaba.com

在庫処分なのかよく分かりませんが、元より85,000円で売るつもりはないのでしょう。それ以前に、スペックが産廃であり、OSも古さも相まって、このような端末が世に出回るのは害悪でしかありません。それを販売するのは、邪悪に他なりません。

japanese.engadget.com

そんな邪悪を、engadget が紹介しており幻滅しました。というか、このような邪悪に出資を募ることを許した GREEN FUNDING にも問題があるでしょう。
実は、この出資の発表当時から追っているのですが、発表とほぼ同時にプロジェクト達成になっていました。恐らく、桜でしょう。その後も、順調に出資者は増え、現在の所81人になっています。
よく見ずに出資する出資者にも問題はあるものの、85,000円の価値もない製品を半額にして、さらに既製品を調達という名目も無く出資を募るのはかなり詐欺的です。スペック表記はあるものの、なぜか画像になっているのもいただけません。
先行販売でも無く、5年も前の製品を売り出す許可を出すとかクラウドファンディングの運営元である GREEN FUNDING の信用にも関わります。即刻、出資募集を停止するべきです。*1

追記(4月17日)・返金対応あるみたい

「KIWI Big HD Tab」OSバージョンについて | 24インチAndroidタブレット「KIWI Big HD Tab」 大画面なのに軽量ポータブル! 【フルHD/タッチパネル/AI音声認識/バッテリー内蔵】 | GREEN FUNDING
活動報告にて、本製品が過去製品のリバイバル品であること、また Android 5.1 のため対応していないアプリがある点などが告知されました。

Twitter にて、運営元にキャンセルを求めたら、対応していただけたとの報告を頂きましたので、該当するツイートを紹介します。
運営側が審査基準に触れられおり、先の活動報告から合わせて考えると、本件の問題点を認識しているように思われます。募集停止くらいしてもよい案件だと思うのですが、問い合わせればキャンセルはできるようです。

*1:共同輸入だったり、先行販売だったり、受注生産だったりと全然クラウドファンディングでない「商品」ばかりではありますが。