ステマに関わったらダメ絶対

自身の信頼を失う可能性が高いので、ステマに関わったらダメです。

アナ雪2のステマ疑惑

12月3日の19時に複数のアナと雪の女王2の感想マンガが同時にアップロードされたことから、ステルスマーケティング、いわゆるステマなのではとユーザー間で疑惑が飛び交いました。この疑惑に対して 「伝達ミスだった」「ステマではないと認識」 アナ雪2の“ステマ疑惑”にディズニーがコメント - ITmedia NEWS との報道ありました。この報道で、ディズニーは公式サイトでの説明はしないと述べていたにも拘わらず、「『アナと雪の女王2』感想漫画企画」に関するお詫び|企業情報|ディズニー公式 において経緯を説明しています。
アナ雪2以前にも、アベンジャーズなどで同様の手法がとられていたことが https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/ で検証されています。

アナ雪2のステマ騒動で考えるべき、ステマ疑惑の大きすぎる代償(徳力基彦) - 個人 - Yahoo!ニュース でも語られるように、ステマがばれた際に毀損されるのは作品や広告主、広告に関わった人の信頼です。ユーザーが広告を信頼しなくなったら、困るのは広告に関わる人です。自分たちを守るためにも、ステマなどユーザーの信頼を損なう広告は止めた方がいい。
とは言うものの、広告主や広告代理店が「信頼」に重きを置いているなら、「優良・有利誤認」などの「不当な顧客誘引」が「景品表示法」で禁止されないでしょう。

どこに「PR」と表記するのか

アナ雪2の広告マンガに関して、やしろあずき氏が「PRとつけなくても広告主や代理店に指定されたタグをつければ広告と認識されるだろう」とコメントしています。広告主や代理店と漫画家との関係性であって、ユーザーとの関係がまるっと抜け落ちています。

PR表記に関しては、宮脇氏、ヨッピー氏、おおつね氏のPR表記を巡るネットバトルまとめ(追記あり) - Hagex-day info が思い出されます。ヨッピー氏の場合はリンク先の記事にはPRであることが明記されています。アナ雪2の場合は、マンガ内にその説明はありません。個人的には、記事タイトルにPR表記はなくてもいいと考える派ですが、記事広告PR表記問題やネイティブアドの論争が不毛と思う理由(徳力基彦) - 個人 - Yahoo!ニュース にもあるように、「信頼」を重視するなら記事タイトルにも「PR」と表記した方がいいのでしょう。

関連:【アナ雪2ステマ騒動】漫画家達は本気でステマという意識が無かった?広告漫画家と読者のPRタグに関する意識の違い - Togetter

エンタメとは「体験」であり、その「体験」を毀損するステマ

アナ雪2などの一連のマンガには、試写会であることや、それに招待されたことなどが描かれていません。謝礼の有無に拘わらず、その点を説明しない感想は不誠実でしょう。映画やマンガ、ゲームなどの娯楽はそれぞれのユーザーにとっての「体験」です。ユーザーがどのような作品に触れてきたかというバックグランドが「体験」に影響を与えるのはもちろんのこと、情況が違えば「体験」も変わってきます。盛り上がっているときと、旬が過ぎてから体験するのとでは異なる「体験」となるでしょう。
一連のマンガは「アナ雪の一作目を見ていない人が、2を見に行った感想」として描かれていますが、実際は「アナ雪に興味なく見ていなかった人が、2の試写会に招待された感想」の方が正確に思えます。その点を伝えない感想は仮に「PR」だったとしてもユーザーの信頼を損なうものです。

問題点は、マンガを描いた人だけでなく、広告代理店や広告主であるディズニーがユーザーの信頼を損なうマンガをPRとして用いたことです。また、マンガを描いた人も自信を守るためにも「PR」であることをアピールすべきでしょう。はっきり言って、今回の疑惑に関わった人のマンガを今後読んでも信頼はしないでしょう。

広告業界がダメすぎる

先の「景品表示法」に限りませんが、広告業界がダメすぎるのが最大の問題なのでしょう。ユーザーをだまして人を集めることに先鋭化しています。そのためには「炎上」も辞さない構えです。

私がインターネット上の広告をクリックしない理由に「広告の表示する製品やサービスに辿り着けないから」ってのがあります。面白そうなマンガだなと思ってクリックしても、その電子書籍サービスのトップページに飛ばされて目当てにしたマンガがどこにあるのかさっぱり分からない。こんなことを繰り返し行くにつれて、広告をクリックしなくなりました。
Twitterでは、漫画作品に辿り着けないケースは随分と減りましたが、広告でイメージさせるゲームと内容が異なることがあるようです。有名なところで やたら見かけるあのエロそうなゲームのバナー広告、非公式Wikiでまとまってた「作る方も、まとめる執念もすごい」 - Togetter がありますが、ダウンロード数が上がればストアの上位に入れるため、このような手法をとるのでしょう。

広告ではありませんが Amazon.co.jpのブラックフライデーセール、「見せかけの大幅値引き商品がある」との指摘 - ITmedia NEWS も「信頼」に関わる問題です。ブラックフライデー以前から行われており、Amazonは他にも 「レビュー消してくれたら2倍返金するよ」 Amazonで低評価レビューを書いたらとんでもないメールが来た―― 投稿者に経緯を聞いた - ねとらぼ などの事例があるので、きちんとして欲しいところです。

広告にしても、Amazon にしても「炎上」してでも、注目された方が勝ちであると認識しているようなので、業界の自浄作用など期待できません。そのためにも、個人がその手の業界に関わる場合は自分を守るためにもステマなどをやらないなどの対策をすべきだとも思えます。アナ雪2のマンガに関わった人達は、あまりにも無防備です。