上野の「三国志」展はいいぞ

特別展 三国志

東京国立博物館にて開催されている特別展「三國志」に行ってきました。最近の特別展は混雑するので不安でしたが比較的空いてて、ゆっくり見ることができました。
また、日本の博物館では珍しく写真撮影が可能で、色々撮りまくりました。2000年以降に発掘された品々が多く、最近は中国も考古学に力を入れ始めたようです。

二部構成になっており明代の「三国志演義」の受容に始まり、後漢末期の遺物を中心に「三國志」時代まで遡っていきます。横山光輝の生原稿からNHKの人形劇での人形や、三國志の頃に使われた「弩」や「戟」に、曹操の墓からの出土品と目玉が目白押し。展示品の見せ方も素晴らしいです。
9月16日まで開催中なので是非。

横山光輝の生原稿がお出迎え

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お迎えは桃園の誓いから。梅の木の書き込みが半端ないです。テープの後が残念ですね。要所に展示に応じた原稿が展示されています。じっくり見たいけど、流石の人気でした。

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関羽のブロンズ像も見応えがあります。写真撮影可能なのは贅沢すぎる。

「人形劇 三国志」もいるよ!

人形劇 三国志 | NHK名作選(動画他)

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1982年から1984年にNHKで放送された「人形劇 三国志」で使用された人形も展示されています。川本喜八郎によるものです。
顔の造形はもちろんのこと、衣服の作り込みを間近で見ることができます。孔明孟獲の羽根が被ってるのが残念でした。孟獲は出演回数が少ないせいか、他の人形よりも状態が良かったです(笑)。
2014年までNHKオンデマンドでも本作を視聴できたんですが、島田紳助が出演してたので今後はアーカイブスのみでしか閲覧できなさそう。

武器の展示に大興奮

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三国無双で張飛が使っている蛇矛のレプリカが展示されています。全長一丈八尺。三国志演義にもそう書かれている。長すぎて写真に収めるのが大変です。

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二叉に分かれた「戟」はテンションが上がりました。想像していたよりも小さかったですが、馬に乗っている人を落とすためならこれくらいで十分なのでしょう。

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そして古代中国といえば「弩」。台座と、台座をもとに再現された弩弓が展示されています。

武器が展示されている部屋は、たくさんの矢が雨のように射かける演出が施されています。これは実際に目で見て欲しい(人の顔が映り込んでいない写真がなかった)。
矢じりの他に農具にも鉄が用いられていたようです。大量の鉄を精製できたのは、大軍を動かし支えるだけの経済力を保持していた証でもあります。

曹休曹操の墓

展示されている後漢頃の遺物は副葬品が主です。生活必需品や故人の職務に関係するものを粘土などで模って埋葬していたようです。当時の生活が窺い知れます。
定規も見つかっており、当時の度量衡が分かる地味だけど重要な手がかりです。
三国それぞれに文化が異なったようで「蜀」の粘土人形はコミカルで見ていて楽しいです。
銅鏡なども三国で装飾が異なり、そこから弥生時代頃の日本との関係が見て取れてます。

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三国志に関わる人物では「曹休」の墓は比較的検証が進んでいるようです。名の入った「印」も見つかっています。今回見つかった「曹操」のものとされる墓は「曹休」との類似点が多く、非常に凝った装飾品もあるため、少なくとも曹家に関わるものだと思われます。

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曹操の墓から見つかった「魏武王常所用挌虎大戟」との石牌。漢字の形が現代とほぼ同じです。「漢」字とい言うだけのことはある。他の展示品の多くも漢字がそのまま読めます。

マニアックですが、曹操の墓からは「白磁」と思われる陶器が発見されています。白磁は6世紀頃に誕生したとされますが、それ以前に見つかったのは異例で焼き物の歴史が変わるかも?

お土産コーナーも充実!

コーエーテクモによる顔写真からオリジナル武将を作れるコーナーやお土産も充実しています。
「お茶」が売ってるのはずるいですね。横山光輝三国志のTシャツがもうちょっと欲しかった。

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