HUAWEIのやべぇ端末Mate 20 Pro

10が16日の22時より、ロンドンにてHUAWEI Mate 20シリーズの発表会が行われました。事前のリーク通りの、背面に三つのカメラとLEDライトを配した四眼デザインでした。

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Mate 20 と Mate 20 Pro、高級モデルでポルシェ仕様のRSに加え、隠し玉の Mate 20 X もお目見えとなりました。ちなみに、発表会では全く触れられていませんでしたが、廉価版の Mate 20 lite もリリースされています。lite のみが四眼ではないので、触れなかったのかなと。発表会では、たくさんのMate 20 シリーズに加えて、スマートウォッチの紹介もあり、最後の方はさっさと価格と発売日を出せや!とだれるくらいに長かったので、lite を省いたのは正解でしょう。

それにしても、Mate 20 Pro はすさまじいほどのてんこ盛りスマートフォンでした。カメラは言うにおよばす、急速充電に無線充電、3Dスキャナなどなど、びっくりする機能がたっぷりでした。

価格は、Mate 20 が799ユーロ(10万円前後)、Mate 20 Pro が1049ユーロ(14万円弱)、Mare 20 X が899ユーロ(12万円弱)と、お安くはないですが、Google の Pixel シリーズや、iPhone XS と比較したら、ハイエンドとしては普通の価格じゃないですかね。

スマホ最強カメラ

複眼カメラはスマホのスタンダードになりつつあり、最近ではSamsunがスマホ最多の四眼レンズを発表していました*1。ちなみに、ノキアが五眼を開発中だとか。一方で、GoogleのPixelシリーズは一眼のままです。Pixelはソフトウェアで十分に処理できると考えて、レンズを増やさなかったのでしょう。

これまでHUAWEIはカラーとモノクロの二眼を軸にしており、P20ではズームを入れて三眼としてきました。Mate 20 シリーズではモノクロセンサーが廃され、その代わりに広角レンズを導入してきました。これにより、超広角での撮影が可能となりました。さらに、25 mmでのマクロ撮影が可能で、撮影のシチュエーションが非常に豊かになりそうです。

センサーのサイズもこれまでのシリーズよりも大きいため、DxOMark - The Reference for Image QualityベンチマークはP20を超えることは間違いでしょう。

iPhone XSを充電できる

カメラに次いでやべぇのが充電周りでしょう。スマホ最速を謳う充電速度は、30秒で1%、30分で70%まで充電可能。ここまで充電速度が速いと、Galaxy Note 7 のような発火が気になりますが、安全性はきちんとチェックされているとのこと。
バッテリー容量も、Mate 20 と Pro が4000 mA で Mate 20 X に至っては 5000 mA も載っているそうです。ここまで充電速度が速かったら、バッテリーが大容量である必要もない気がしますけど。

Mate 10の頃から切望されていた無線充電にも対応。こちらも当然非常に速い。無線充電規格は iPhone X 同様の Qi です。驚くべきことに、Mate 20 自体を無線充電器とすることも可能。本来は、未発表の無線イヤホンを充電するための機能と考えられますが、Qi 規格の端末であれば充電できます。発表では、Mate 20 を使って iPhone XS を無線充電するパフォーマンスをやっていました。

画面内指紋認証と3Dスキャン

Mate 20 と X は指紋認証のみですが、Pro には生体認として顔認証と指紋認証の二つが搭載されています。しかも、Mate 20 と X の指紋認証は背面ですが、Pro は画面内となっています。画面内指紋認証は、昨年発売された高級モデルであるMate RSに搭載されているので、スマホ初ってわけではありませんが、ワクワクする機能です。実際の所は顔認証の方がスムーズでしょうが、顔認証が利用できないシチュエーションで指紋認証を行えるのは便利です。

Mate 20 Proの3D Live Objectは、3Dスキャナ代わりにもなりそう - Engadget 日本版

3Dスキャナ代わりに!?

Mate 20 Pro の顔認証は3Dスキャンで顔の三次元情報を読み取って行う方式。iPhone X 同様にアニ文字みたいなこともできます。面白いのは、この機能を使って3Dスキャンができること。発表会ではパンダのぬいぐるみをスキャンし、それを3Dモデル化。ボーンを組み込んで、ARオブジェクトとして動かしたり、写真撮影したりしてました。ボーンの組み込み過程は謎ですが、発表会のライブ中継度通りに解釈するなら、人型のモデルであれば自動的に組み込まれると思われます。実際の人物やフィギアなどをスキャンして、記念撮影みたいなこともできそうです。

3Dスキャナ機能で取り込まれた3Dモデルの形式も気になるところ。一般的な3DCGソフトで利用できるなら、簡易的な3Dスキャナとしても重宝しそうです。。

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食べ物のカロリーを推定

OS のベースは Android 9 ですが、HUAWEIカスタムの EMUI 9 が搭載されます。
Pixel 3 にはカメラによる画像認識が搭載されていますが、Mate 20 にも似たような機能があります。例えば、食べ物を撮影するとカロリーを算出できます。既に、画像認識を利用した同様の機能を有するアプリがリリースされていますが、Mate 20 Pro の新しい点は、食品の体積を推定してカロリーを算出すること。つまり、同じリンゴでも大きさによってことなるカロリーが表示されるというわけ。あるいは、商品を撮影すると購入可能なサイトを見つけるなんてこともできます。

Mate 20、Pro、X の違いなど

RSは超高級モデルなので除外して、Mate 20、Pro、X の違いを見ていきましょう。

Mate 20 と Pro とでは、サイズはほぼ同じですが、Mate 20が水滴ノッチなのに対して、Pro は帯状です。帯状のノッチの中にIRカメラなどがあるので、Mate 20では顔認証ができません。
ディスプレイは、Mate 20 が液晶で、Pro がOLED。また、Pro は左右が曲がっています。画面の大きさとしては、どちらも6インチとほぼ同じですが Mate 20 の方がやや大きいです。EMUI 9において Android 特有の「戻る」ボタンが、画面左右端、どちらかからのスワイプとなっているため、Pro のように曲面が合った方が操作しやすく持ちやすいのでしょうが、ガラスフィルムを貼りたい人にはマイナスポイントでしょう。

X は Mate 20 をそのまま大きく7インチにしたサイズ感。ノッチも Mate 20 同様に水滴ですが、ディスプレイはOLEDです。オプションとして、スタイラスペンやゲーム用コントローラーが用意されています。サイズ感としては、コアなファンのいるXperia Z Ultraに近そうです。

docomo の発表会では未登場

17日の13時からdocomoスマートフォン発表会がありましたが、残念ながら Mate 20 Pro などは発表されませんでした。
Mate 20 シリーズが日本でどのように販売されるか良く分かりませんが、P20 Proを取り扱うdocomoはMate 20 Proも販売する可能性は高いでしょう。また、SoftBankは Mate 10 Pro を扱っているので、もしかしたらリリースされるかも。Pixel 3 や AQUOS ZERO をスルーした au での取り扱いは可能性が低そうです。
P20シリーズと同様の展開ならば、Mate 20がSIMフリーとして、Mate 20 lite がMVNO端末として扱われるでしょう。
欲を言えば、NFC搭載のSIMフリー版Mate 20 Proが出ればいいんですけ、無理な願いでしょう。