ゴマを漂白してはいけない

ゴマを漂白するのは禁止?

食品添加物である次亜塩素酸ナトリウムをゴマに使ってはいけないという話。その理由は 次亜塩素酸ナトリウム - Wikipedia などでは、ゴマを漂白して、より高い価格で売るのを禁止するため、とあるのですが確固たるソースがない。

日本以外の状況を調べるため英語で検索すると、韓国食品医薬品安全庁 (KFDA)のサイトに次亜塩素酸ナトリウムをゴマに使ってはいけないと記載されていました。

Sodium Hypochlorite should not be used with sesame seeds.

ただし、韓国以外の記述は見つかられませんでした。そもそも、ゴマを油では無く食用するのは日本と韓国、中国くらいでしょう。ただし、中文である「次氯酸鈉 芝麻」でも検索してみましたが、それらしい記述はありませんでした。どうやら、次亜塩素酸ナトリウムをゴマに使ってはならないと規定されているのは日本と韓国のみのようです。

嘘か本当かはわかりませんが、黒ゴマを漂白して白ゴマにしたという話もあります。ちなみに、黒ごまを漂白してみた ‐ ニコニコ動画:GINZA なる動画があり、確かに白ゴマっぽくなります。

昭和46年に定められた規程

ˆÀS!?H‚ו¨î•ñ[69†] によると、昭和46年に漂白剤でゴマ白くすることが禁止されたようです。

昭和46年には、添加物再点検の一環として各種の食品に対する着色、漂白の実態が調査され、その必要性がないと考えられる食品について着色料、漂白料の使用が禁止されました。このとき、合成着色料が「きなこ、こんぶ類、しょう油、茶、のり類、みそ、わかめ類」に使用禁止、漂白料が「ごま」に使用禁止となりました。

厚労省の 食品、添加物等の規格基準の一部改正について なるテキストでも、昭和46年に着色や漂白が必要ないと考えられる商品への着色剤や漂白剤の利用が禁止された旨が記載されています。特に、漂白剤に関してはゴマにのみ規定されています。

2 次に掲げる添加物をごまに使用することが禁止されたこと。
亜硫酸水素ナトリウム
亜硫酸ナトリウム(結晶)
亜硫酸ナトリウム(無水)
次亜硫酸ナトリウム
無水亜硫酸
メタ重亜硫酸カリウム
次亜塩素酸
次亜塩素酸ナトリウム

現在もゴマを漂白してはいけませんが・・・

昭和46年に定められた規程は現在でも有効で、厚生省行政情報-食品添加物リスト-添加物使用基準リスト 1 で示されるように次亜塩素酸ナトリウムをゴマに使用することは禁止されています。ただし「次亜塩素酸水」には特に規定がありません。

この「次亜塩素酸水」は2013年の法改正から使用が認められた殺菌料です。ちなみに、この法改正に関する議事録にもゴマへの漂白剤の使用が禁止されている旨が述べられています。

○米谷委員
次亜塩素酸ナトリウムにはもちろん殺菌作用があるんですが、もう一方で漂白作用と いうのがございますね。それで、次亜塩素酸ナトリウムの使用基準に対象食品としてゴマには使用してはならないというようなことがあったかと思います。
(中略)

○基準課長
(中略)
先ほど米谷先生から御指摘がありましたように、漂白の目的でゴマには使ってはいけないというものがあるだけでありまして、

まとめ

白ゴマをより高値で売るために漂白が行われていた、というソースは見つかられませんせんでしたが、厚労省の資料から考えるに、実際に行われていたのでしょう。ただ、黒ゴマを漂白して白ゴマにしたのは眉唾だと思います。