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「ダサピンク現象」のジレンマ

「ダサピンク現象」のジレンマ


「ダサピンク」を生み出す決定権を持つ人に、「ダサピンク」の意味が通じないジレンマ。
その一因として「ピンク」の言霊力が強すぎることが挙げられます。

「ダサピンク現象」と名付けた方は、象徴として、あるいはイメージとしての「ピンク」、ステレオタイプな女性向けを表現する意味で「ピンク」を用いて説明しているのですが「ダサピンク」のみを見ると色としてのピンクに引きずられやすい。
残念な女性向け商品が作られてしまう「ダサピンク現象」について でもわざわざカギ括弧で「ピンク」と括り、象徴としての「ピンク」であることを示しているものの、あまりにも「ピンク」と連呼しているため、色としてのピンク引っ張られます。ブコメなどでも、色の方のピンク色として捉えている人が散見されます。

「ダサい」が主観的であるのも理解を妨げる一因です。すべったギャグを説明しても、笑えないし意味を分かって貰えないってのに似てるかも知れません。ダサいことを言葉でもって説明するのは、とても難しいことです。例を挙げても、感性が違うと何がダサいのかさっぱり分かりません。
また、所謂ステレオタイプな女性向けにはまる人もいる点も、認識のズレに拍車をかけています。

女性はピンクが好きなの?

「男向け」「女向け」にみる区別アレルギー ~ダサピンク現象のズルさと危険性 において 色の好みの調査 - 2014年7月~12月 の結果を元に女性はピンクが好きなのだ、と主張していますが、女性が嫌いな色を見てみると、1位はとくになしとなっていますが、2位は圧倒的にピンクとなっています、つまり、ピンクは女性が嫌いな色でもあります。

同アンケートによると、ピンクは男性が嫌いな色でもあるため、ピンクにしておけば男性を集客せず、女性のみを呼び込みたい場合には有利に働く可能性があります。ただし、ピンクが嫌いな女性の集客を阻む可能性を考慮すべきで、一概にピンクにすればよいといわけでもないでしょう。要するに、きちんとマーケティングしろって話です。
また、ピンクにも文字通り色々あるわけで、どのような色のピンクかを考慮しないのは齟齬が大きくなる危険性があります。

安直なネーミングは理解を妨げる

「ダサピンク現象」を生み出す元凶に伝わらない点は 続々・「ダサピンク現象」について―上層部のおっさんの「無知の知」という問題 におけるコメント欄にも述べられています。理解できないからこそ「ダサピンク」を生み出してしまうわけですが、理解して貰わないと「ダサピンク」な商品は無くならないジレンマ。

「ダサピンク現象」は、別に女性に対する偏見に限ったものではなく、オタク向けなら萌える女の子いればいいんでしょとか、腐女子だから男性が抱き合ってる表紙あればいいんでしょとか、男の向けならロボット出しとけばいいんでしょとか、男性化粧品はとりあえずスースーしとけばいいんでしょ、などなどのマーケティングもせずに偏見による最終決定で商品ができあがり、結果として対象にマッチしない概念の筈ですが、残念ながら「ダサピンク現象」というネーミングは、その意味を伝えるのに十分ではありません。
「ダサピンク」の意味合いが伝わりにくいのは、確信犯が誤用されるの似ています。確信犯はドイツ語の「Überzeugungsverbrechen Überzeugungs:確信(による) Verbrechen:犯罪」からで、本来は政治的、宗教的な信条を基に行われる犯罪を指しますが、悪いと分かった上でなされる犯罪として使われることが多いです。訳語としてもっと適切な言葉はなかったのかなと思います。

現象を伝えるために安直なネーミングをするのは、意味が正確に伝わらない元凶なので控えたいものです。