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スマホ版ドラクエ8を購入するならスマホをドラクエ8専用機にしよう

スマホドラクエ8をNexus7にてプレイして竜王神まで倒した感想です。
スマホドラクエ8ドラクエ1よりは操作系がスマホ向けに最適化されており、錬金やスキル周りなどPS2版で気になった点も改善されています。
しかしながら、移動系に不満が残り、電話やメールを受けた際にプレイ状態が保持されない場合があり、またボリュームはありますがスマホで空いた時間にやるにはボリュームがありすぎるため、試しにやってみようと思ってる人へ2800円で購入するのはおすすめはできないかなと。
従来の据え置き型ゲーム機のようにじっくりとプレイしたい人には向いているとは思います。

スマホ向けに調整されたUIの感想

ゲーム機向けに開発されたゲームをスマホに移植する際に、スマホでプレイしやすいように操作系が調整されているかはプレイする上で最も重要なポイントだと考えます。
個人的に移動系はドラクエ1程気にはなりませんでしたが、探索が面倒だと感じました。戦闘に関しては大きな不満はありません。むしろタッチパネル向けに良く調整されていると思います。

狭い場所や探索にはストレスフルな移動系


ドラクエ8は元々コントローラーでプレイするデザインのため、それをタッチパネル向けにすると無理が生じるのは仕方がないのですが、画面が非常にごちゃごちゃしています。キー配置変更アイコンくらいはON・OFFできても良かったのではないかなと。

スマホ版ドラクエ8のファーストインプレッションを取り急ぎ - 最終防衛ライン2 でも書きましたが、クリアした今もスマホドラクエ1の移動系で投げた人にはお勧めできないと考えています。
ただ、ドラクエ1に比べるとドラクエ8は3Dということもありストレスは少ないように思います。3Dのため、ドラクエ1のように何かに引っかかってイライラする事は少ないです。
しかし、3Dのためキャラ移動と共にカメラを移動させる必要があり手間が増えています。フィールドや広めのダンジョンを移動するだけならばカメラを細かに調整する必要はないのですが、宝箱などを探索しだすとキャラ移動とカメラ移動を同時に行えない点がストレスとなります。特に狭い街や城、ダンジョンでは細かにカメラ位置を調整しないとアイテムを探せません。アイテム回収が非常に億劫です。ドラクエ8なら、アイテムを回収できなくても特に問題はないのですが、これが石版探しのドラクエ7になるとPS版よりもストレスフルになるのではないかなと今から心配になります。
オートラン機能を使えばカメラを振るだけでキャラの移動を制御できます。PS2における左スティックを前に倒しながら、右スティックでカメラだけを動かす操作に近いでしょう。ただし、これが可能なのはフィールドなどを移動するときだけで、探索には向いてません。
ドラクエ8はフィールドを探索して宝箱を回収したり、モンスターをスカウトしたりするのが楽しい部分でもあります。しかしスマホ版ではカメラの調整が面倒なので、探索の楽しさが減っているように感じて残念です。


プレイ中ですこぶるストレスを感じたのは、落ちる段差上での移動とレティスのいる島へ行く際の光の道でした。落ちる段差は殆ど無いのですが、落ちないように細かな操作が必要なのにタッチパネルではその細かな操作が困難であるため非常にイライラしました。光の道も同様で、微妙に曲がりくねった光の道に沿って船を操作しなければならないのに、道に沿うのが難しく外れるとスタート地点からやり直しになるのもイライラしました。別にアクションゲームでもないので、移動如きで戸惑ってイライラしたくないのですよね。

移動は面倒ですが、NPCとの会話やしらべるなどはスマホ用に調整されています。会話はNPCに近づくと自動的に開始され、離れると中断されます。またある程度近づくと顔状のアイコンが表示され、それをタップすると会話が始まります。あるいはアイコンがアクティブになっていれば移動キーの真ん中をタップするだけでも会話が可能です。これは、しらべるも同様の仕様になっています。しらべる場合は「!」と表示されたアイコンをタップすれば良いです。棚が二つ以上並んでいる場合は、一旦近くの棚がアクティブになり、移動キーの真ん中をタップするとその棚をしらべ、しらべ終わると隣の棚がアクティブになっているのため、移動キーの真ん中をタップし続けると、並んだ棚の一端からもう一端までしらべることが可能です。

なぜ縦画面=片手操作にこだわるの?

スマホアプリの最前線:「全てのドラクエに堀井雄二さんがいる」――キーマンが語る「ドラゴンクエスト」のスマホ展開(前編) (1/2) - ITmedia Mobile によるとドラクエスマホへ移植するに当たり色々なUIを試したと書かれています。ドラクエ8はキャラ移動と共にカメラも移動させなければならないため移動キーを固定する必要があります。ベストではないですが、かなりがんばったデザインだと思います。ただ、縦画面に拘らず横画面にしておけばキャラ移動とカメラ移動を同時にできたのではないかな?とも思え、なぜここまで縦画面=片手操作に固執したのかよく分かりませんでした。
両手で操作するものを片手で操作できるようにすれば無理が生じるのは当たり前ですが、ドラクエ8は片手で快適に操作できる操作系になっているとは言えません。最近のスマホは巨大化傾向にあり、片手で持って、持った片手だけで操作するのは結構厳しいので、携帯電話のように片手のみの操作に固執する必要があるのか疑問です。後に述べますが、ドラクエ8はボリュームとしても片手間でプレイするものでもないため、両手持ちの横画面に対応した方が没頭できたのでは?とも思えます。ドラクエ1程度のボリュームなら片手操作に拘る理由も分かるのですが。


ドラクエ1の移動系は8のUIを流用したものだと考えられます。ドラクエ1〜3は、一キャラ分を細かに動かす必要があるため固定移動キーの方がの良いでしょう。しかし、それならばスーファミから存在する半キャラ移動をそのまま継承した理由がよく分かりません。調整不足と言わざる得ないでしょう。移動キーの形にしても、3Dのドラクエ8と同じにする必要なないわけですし。

戦闘は良いですね

戦闘はスマホ向けに調整されつつドラクエらしさが感じられて良いなと感じました。
スマホドラクエ1の戦闘を4人パーティー向けに拡張しています。各キャラクターをタップして、個別のコマンドを入力した後に「これで戦う」をタップするとターンが進みます。4人目のコマンドを間違って選択しターン開始という事故が起きにくくなっています。
また、一度スキルやじゅもんを選択すると、コマンドを変更しない限りそれをそのまま使い続けます。例えば、ボス戦でハヤブサ切りを選択すれば以後はコマンドを変更しない限りハヤブサ切りを使用します。

ドラクエ4からお馴染みのAIによる戦闘も可能で、雑魚戦なら「バッチリがんばれ」か「ガンガンいこうぜ」にしとけば良きに計らってくれます。MP回復を取得してからは「ガンガンいこうぜ」でもMP切れの心配もほぼありません。敵が多いとグループあるいは全体攻撃のスキルも使用してくれます。また、何度も使えるどうぐも使ってくれます。予想以上に敵の猛攻が激しい場合に、自分でコマンドを入力している場合はそのターン内に回復を選択することはできませんが、AIならターン内に回復してくれます。

タップで面倒なのは、敵の数が多い時に個別の敵を選択して攻撃する際です。ただまぁこれはコントローラーでも面倒ですが。細かなコマンド入力が必要なのはボス戦で、ボスは殆ど単体で出現するので、敵選択が面倒なことはあまりありません。

ドラクエ1の際に感じましたが、戦闘に関してはタッチパネルで操作に最適化しつつドラクエの雰囲気を維持しているので好感がもてました。ただ、私は7インチのNexus7でプレイしてましたが、普通のスマホでは画面が小さいため迫力に欠けるのではないかな?と疑問に思いました。

PS2版とスマホ版の違い

UI以外にもスマホ向けに、いくつかの変更点があります。先ず、昨今のスマホ事情に合わせて高解像度になっています。高解像度になったことで、モンスターの質感がよく分かります。はぐれメタルのぬるっとした感触や、モンスターが死ぬ直前の動作までよく見えます。
一方でエフェクトの都合かオープニングやエンディングなどにおける一部のプリレンダリングによるムービーはPS2版のままの解像度のため画面が荒くなります。元データの関係で再レンダリングできなかったのでしょうが残念です。
リアルタイムレンダリングの場合、ラスボスと突入前のムービーはNexus7でも処理落ちしていました。プレイ時に処理が遅くなることはありませんでしたが、それなりに高性能なスマホでないとプレイそのものがままならないかもしれません。

システムもスマホ版はPS2版から改善されている点がいくつかあります。

  1. 錬金釜の錬金が即座に完了する
  2. ダンジョンの地図を最初から持っている
  3. 最初から各スキルの全容を見ることができる
  4. 移動タブで、ルーラ、キラーパンサー、神鳥をすぐに呼び出せる
錬金釜の錬金が即座に完了する

錬金釜での錬金がすぐに完了するのは素晴らしい改善点です。PS2版では竜王神と戦って勝った褒美にすぐに錬金が完了する錬金釜をもらえましたが、スマホ版は最初からその錬金釜が使えるわけです。ちなみに、スマホ版では錬金釜の代わりにスーパースキルの種を10個もらえます。スーパースキルの種はスキルポイントが10も上がります。一人に使えば、スキルを一つマスターできてしまいます。

PS2版では錬金釜に材料を入れた後に、一定の距離を歩かなければ錬金が完了しないため時間がかかりました。特に、強い防具は錬金を数回繰り返し、更に錬金自体も長い距離を移動した後に完了するため、目的のアイテムを完成させるために非常に時間がかかりました。スマホ版ではそこが改善され、数段階の錬金もすぐに実行できるので錬金の楽しさが増したように思います。
ただし、錬金がすぐに完了するため世界樹の葉錬金釜に入れておき、新たに世界樹を手に入れてから釜から取り出し、世界樹の葉を2枚にする裏技はできなくなっています。

ダンジョンの地図を最初から持っている

PS2版ではダンジョンの入口付近の宝箱にダンジョンの地図が入っていましたが、スマホ版では最初から地図を所有しています。その代わり、地図の入っていた宝箱にはゴールドが入っています。錬金がすぐに完了するので金策には困らないのですが、まあまあ嬉しい変更です。
これは、スマホへ移植にするに当たりキャラ移動とカメラ移動を同時にできなくなったことで、アイテム回収が面倒になったことへの救済策かなと考えています。

最初から各スキルの全容を見ることができる

PS2版ではスキルポイントを振り分ける際に、どんなスキルを取得できるか事前に分かりませんでしたが、スマホ版ではレベルアップに必要なポイントと何を取得できるかが最初から分かるようになっています。
ドラクエ8ではレベルを99にしても全てのスキルをマスターすることはできません。スキルは万遍なく振るよりも一局集中した方がよいです。しかし、各スキルでどんなスキルを覚えるかが分からないことには、どのスキルを重点的にレベルアップさせればよいか分かりません。後からスキルを降り直すことができるのなら、取りあえず何でも良いから振っておけば良いですが、ドラクエ8では不可能です。そのため、どのようなスキルを取得できるか最初から分かるようになったのは良い改善点でしょう。

ちなみに、ドラクエ8 PS2版とスマホ版の違い においてスマホ版では、攻撃力の上昇値が少なくなったと書かれていますが、これは上昇値の表現の仕方がPS2版とスマホ版で違うだけで、最終的な上昇値は同じになっているはずです。
PS2版では、主人公の剣レベル8で「剣攻撃力+25」と書かれています。一方スマホ版では、同じレベル8では「剣攻撃力+15」となっています。しかしこれは、剣レベル1と4での「剣攻撃力+5」を加算してないだけで、加算すると+25となります。スキル効果を見ても「剣装備時 こうげき力 +25」となっています。つまり、PS2版では最終的なスキル効果を表記していたのに対して、スマホ版ではレベルアップ時に加算される値を表記するように変えただけだと考えられます。

移動タブで、ルーラ、キラーパンサー、神鳥をすぐに呼び出せる

ルーラは特に必要ないですが、キラーパンサーや神鳥をすぐさま呼び出せるのは便利です。PS2版ではいちいちコマンドを開きアイテムを選択する必要があり面倒でした。特にキラーパンサーはわざわざアイテムを選択して呼び出すくらいなら、そのままフィールドを歩こうかなと思う人もいたでしょう。

ルーラはわざわざタブを出さなくても良い気がしますが、ルーラの使える場所が一目瞭然なのは良いですね。一部ダンジョンではルーラと神鳥を使える場所が分かって便利でした。

ドラクエ8スマホに向いてない

スマホ向けに調整されてはいますが、ドラクエ8スマホに向いたゲームではありません。

ドラクエ8スマホでプレイする際の問題点はドラクエ8がちょこちょことプレイするのには向いてないことです。ゲームのボリュームが多いのでドラクエ8に専念しなければクリアが難しいと感じました。
ドラクエ8は据え置きのPS2向けにリリースされたものなので、空いた時間にプレイすることを考慮していないのは仕方ないことではあります。しかしスマホはゲーム機と違って電話やメール、Webの閲覧など他のタスクをこなす必要があります。ドラクエ8はダンジョン内で「ちゅうだん」ができないなど、種々のタスクを同時にこなすスマホ向けとしては配慮が足りない点があります。私はNexus7でじっくりプレイしていましたが、ドラクエ8に集中したかったので、極力Nexus7でWebやTwitterを閲覧しないようにしてました。別のタスクを行うと、ドラクエ8のメモリが解放されタイトル画面に戻されてしまう恐れがあるからです。つまり、Nexus7をドラクエ8専用機にしていました。そうでもしないとロードなどが面倒くさくてプレイを継続できなかったでしょう。

まとめ

スマホドラクエ8では、錬金がすぐに完了するようになり、スキルの全容が明らかになっているなど、PS2版からの改善が見られます。また、移動タブのおかけでキラーパンサーや神鳥を速やかに呼び出せるのも地味に良い変更です。
戦闘もスマホのタッチパネル用に調整されており、ドラクエでお馴染みのAI戦闘のおかげでそれほどマメにコマンドを入力する必要が無いのは楽ができてよいです。
解像度も昨今のスマホ向けに高解像度化されており、さながらドラクエ8HDです。ただし、一部ムービーはPS2版の解像度のままのため荒くなっているのが残念です。特にそれがエンディングというのが、がっかり度合いが増します。

移動に関しては、ドラクエ1程ストレスフルだとは思いませんでしたが、キャラの移動だけでなくカメラも動かさなければならないのは面倒です。スマホドラクエ8は片手操作に特化されているため、キャラを移動させつつカメラを動かすといった操作はほぼできません。そのため、キャラを移動させてからカメラを動かさなければならず、手間が増えて面倒です。特に探索時にその面倒さが顕著で、探索が億劫に感じられました。ドラクエ7の石版探しをスマホでやるのは辛いものになりそうです。石版探しは元々評判が良くないので、スマホへ移植する際はドラクエ8錬金釜やスキルにおける改善のように、何かしら救済策を施して欲しいですね。

2800円払う分だけのボリュームは十分にあると思います。しかし、ボリュームがありすぎるとも言えます。空いた時間に少しづつ進めるといったやり方は向いてないように感じました。また、ダンジョン内でちゅうだんができない、電話など他のタスクを実行するとプレイ状態が保持されない場合があるなどスマホ向けではないなと感じる点もありました。購入するなら、スマホドラクエ8専用機にするくらいの意気込みが必要かなと。